2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:グロース・キャピタル株式会社
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嶺井政人氏(以下、嶺井):みなさん、こんにちは。「Growth CFO Summit」にご参加いただき、ありがとうございます。本イベントを主催しております、グロース・キャピタルの嶺井です。2015年より始まりましたこのイベントも、本日で7回目となります。今日は700名を超えるCFOのみなさんと、24名の登壇者のみなさんとともに、7つのセッションを11時半から19時まで行ってまいります。白熱した真剣勝負の議論を行いますので、ぜひご期待ください。
それでは、さっそく1つ目のセッションに移りたいと思います。1つ目のセッション「成長企業のIPO戦略」のモデレーターを担当いただきます、金坂さんをご紹介します。金坂さん、お願いします。
金坂直哉氏(以下、金坂):おはようございます、よろしくお願いします。
嶺井:おはようございます。金坂さん、よろしくお願いします。
金坂:嶺井さん、いつも主催ありがとうございます。
嶺井:いえいえ、とんでもないです。昨年に続き最初のセッションのモデレーター、ぜひよろしくお願いします。
金坂:もうすごくキレキレの3人のみなさんがスタンバってるので、いろいろ突っ込んでいきたいなと。
嶺井:そうですよね。本当にIPOの最前線のお話が聞ける気がしています。ここ1、2年でIPOの大型化や、海外からの資金調達という話もどんどん出てきています。今日のセッションの見どころを、ぜひ聞かせていただけないでしょうか。
金坂:本当に3社ともたぶんすごく工夫して、調整したり交渉したり、チャレンジしたことがいっぱいあると思うので。ぜひそのあたりの裏側や、今日ここでしか聞けない話を聞いていきたいなと思っています。
嶺井:そうですね、いっぱいありそうですね。ありがとうございます。それでは金坂さん、準備が整いましたら、セッションのスタートをお願いします。
金坂:ではさっそくですが、1つ目の「成長企業のIPO戦略」のセッションに入っていきたいなと思っています。最初に私を含めて4人、簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は今、マネーフォワードという会社でCFOをしております。マネーフォワードが2017年に上場した時のIPOと、今日お話しいただくみなさんのIPOだと、質や難易度のレベルが本当に向上しているので。今日はこのあたりを聞いていきたいなと思っています。では末藤さん、自己紹介をお願いします。
末藤梨紗子氏(以下、末藤):ありがとうございます。こんにちは、Visionalの末藤梨紗子と申します。今日はどうぞよろしくお願いします。私はモルガン・スタンレーでキャリアをスタートしたあとに、事業会社2社を経て2019年にビズリーチ、現Visionalに入社いたしました。
そして、今年の4月に上場いたしております。今日はみなさんとディスカッションできることを、非常に楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。
金坂:よろしくお願いします。では続いて武藤さん、お願いします。
武藤健太郎氏(以下、武藤):プレイドのCFOの武藤と申します、本日はよろしくお願いします。2018年の10月にプレイドにジョインして、上場したのが2020年の11月なので、まるまる2年間IPOの準備をやり続けていました。
ゆえに、noteで発信させていただいてるんですけれども、IPOの悩ましいところもいろいろと経験しているので、その辺をお話しできるかなと思います。その以前は投資銀行や、ドイツ証券にはけっこう長くおりまして。その他みずほ証券など、金融中心のキャリアでやってきています。本日はどうぞよろしくお願いします。
金坂:よろしくお願いします。じゃあ最後、角田さん。お願いします。
角田耕一氏(以下、角田):はい、ヤプリの角田と申します。よろしくお願いします。今、会社ではCFOと経営管理本部長をしています。僕も一応、外資系の投資銀行にちょっといたりして、そのあと少し前は教育系のちっちゃいスタートアップをやって、今ヤプリでIPOをさせていただいた、というところになっております。よろしくお願いします。
金坂:よろしくお願いします。さっそくなんですけれども、議論を深めていく上で横に比べてみると、ちょっと見える世界もあるのかなと。これは僕が、いつもすごくモデレーターがうまいなと思っている嶺井さんのメソッドをパクったんですけれども。こんなかたちで、4社を並べさせていただきました。4社というのはマネーフォワードも含めてですね。
Visionalが2021年4月の上場で、プレイドとヤプリは本当に同じぐらいの時期でしたよね。「おぉ、なんか2社立て続けに出た」みたいな(笑)。
武藤:そうですね、1週間差ぐらいでしたっけ?
角田:そのぐらいですね。本当に1週間ぐらいの。
金坂:投資家もどっちに入ろうかとか、両方入ろうかとか、すごく悩ましい感じだったんじゃないかと勝手に想像してるんですけど。この2社が2020年12月の上場です。マネーフォワードはだいぶ遡りまして、2017年ですね。今からするともう4年ぐらい前の上場というところで。
スライドの下を見ていただくと、ものすごく違いがわかります。例えばオファリングサイズを見ていただくと、僕らは40億円のサイズで、売出が10億円。なので、調達は30億円だったんですが、ほかの3社を見ると、ヤプリもプレイドも200億円前後。Visionalに至っては700億円というすさまじい規模で。かつ、大半が新規の調達というよりも売出だったんですね。
このあたり、サイズ感も含めて各社の意図などをうかがっていきたいなと思うんですけれども。誰か先陣を切っていただけないでしょうか。……じゃあ、目が合った武藤さんからいいですか(笑)。
武藤:はい(笑)。ありがとうございます。「流動性を作らなきゃいけない」というのが、我々のIPOではけっこう重要なポイントでした。「グローバルオファリングを無理に」と言ったら若干語弊があるのかもしれないんですけど。
この規模でグローバルオファリングをやろうとした時に、証券会社と話す中で「海外のロングオンリーの大きな投資家に入ってもらうには、数百億円前半くらいの売出額が必要」と言われたので。なんとかその売出額を作っていく上で、VCの方々やほかの株主の方々にご協力いただいたというのが背景ですかね。
金坂:ヤプリとVisionalは、そのあたりいかがですか。
角田:うちもけっこう近いんですけど、我々は臨報の中で海外の投資家さんをなるべく多く迎えたいと。プロスペクタスなどもない中でやるので、やっぱりストラクチャとしてけっこう入りにくいんです。その中で、武藤さんがおっしゃるように、少しでもギョクを大きくしたいというところでした。
そこは本当に外部の株主さんにはご協力いただき、言い方はアレですけども「売れるものは本当に全部売っていただく」という感じで(笑)。同時に、そこで過度にダイリューション(希薄化)するわけにもいかなかったので、売出も含めてディールサイズを作っていました。
末藤:Visionalは非常にみなさんに似ています。「同じように考えたんだな」と今、このお話をうかがいながら思いました。弊社も上場後、どんな株主に支えていただきたいかというところから、「グローバルで、ファンダメンタルズを見ていらっしゃる方にもお願いしたい」と。そうすると「グローバルオファリングだ」というところでした。
2020年の9月キックオフなので、実はけっこうギリギリのタイミングでグローバルオファリングに切り替えてました。それで、グローバルオファリングするんだったら、オファリングサイズも一定規模にしなくては、と。
そして、IPO前・後の株主層も、やはり新たなスタートラインとして大きく変えたいね、というところで、このようなかたちのストラクチャになっています。ほとんどのVC・CVCの方には、IPO時にイグジットをいただいたかたちになっています。
金坂:ありがとうございます。切り替えたとおっしゃっているのは、例えばヤプリやマネーフォワードがやった旧臨時報告書方式ではなくてという。
末藤:おっしゃるとおり、もともと旧臨報でずっとプロセスを進めていましたが、2020年の8月に共同主幹事選定をして、9月にグローバルオファリングに切り替えました。
金坂:みなさん、さらっと「グローバルでやりました」とおっしゃっていますけど、けっこう大変ですよね。だって、英文目論見書なども全部必要ですよね。
武藤:そうですね。まぁでも作業という意味では……チームのメンバーは大変だったと思うのでアレなんですけど(笑)。弁護士事務所がかなり協力してくれますし、証券会社も協力してくれますし。必ずしも作業が大変だから「やる・やらない」というところではないとは思うんですけど。
僕も1つ気になったので、ちょっと聞いていいですか? Visionalさんぐらいの規模があると、当然グローバルじゃないかという感じがするんですけど、逆になぜ、最初は臨報で検討されていたんですか?
末藤:野村證券さまと一緒に審査の準備をまずは進める中で、オファリングストラクチャは当たり前に旧臨報をベースに準備を進めていました。
私は主幹事選定に入っていなくて、2020年2月にCFOになった時に「そもそもIPOって何のためにやるんだっけ」というところから、もう1回考え直しました。だったらグローバルにやりましょう、というところで切り替え、そこから売り出しストラクチャを検討し、規模を大きくして、という流れです。
旧臨報も最近はけっこうフレキシビリティが高いじゃないですか。私たちがIPO準備をしているタイミングではSansanさまが旧臨報でやられていて、クリエイティブにできる可能性もあったと思います。
武藤:ありがとうございます。
金坂:ありがとうございます。今のお話だと、グローバルオファリングに伴って外資系証券も採用して、実現できる体制を作っていった感じでいらっしゃるんですかね。
金坂:続いて、これはちょっとマニアックかもしれないんですが。マネーフォワードが2017年に上場した時にけっこう珍しいトライとして、IPO直前に、当時の主幹事証券さんにリサーチレポートを出していただきました。
そこから上場して4年間で、コツコツいろんな方と話して、カバレッジを増やしているんですけど。もうVisionalだと最初からIPO前に3社のレポートが出て、プレイド・ヤプリも2社出てという。最近はもうけっこうそういう感じなんですね。
角田:……そういう感じなんですねぇ。
(一同笑)
末藤:プレディールのIPOリサーチレポート(上場前段階でのアナリストによるレポート)は大事ですよね。投資家のみなさまに会社を知ってもらうためにすごく大事と思っていますね。
たまたまうちの場合が3社なのは、主幹事が3社だった……2社なんですけれども、三菱UFJモルガン・スタンレーさまが、モルガン・スタンレープラットフォームと三菱プラットフォームの2社で、プラス野村(証券)さまで3社でした。
武藤:SaaSのバリュエーションって、FY+2(2期先の会計年度)の売上高の倍率とかでつけるじゃないですか。我々がそれを市場に伝えるわけにはいかないので、どううまく伝えるかというと、アナリストの方にプレディールを書いてもらって、アナリストの予想としてうちのFY+2の売上高予測を出してもらうので、プレディール・レポートがないと投資家も評価しづらくなるんじゃないですかね。
角田:1点だけプレディールで難しかったなと思うことがあります。決算期などにもよると思うんですけど、当然プレディールの取材は事前にあるじゃないですか。それで、コミュニケーションしますと。
ただ、我々は12月末の決算なので、12月が閉まった後にガイダンスを出すわけですよね。その間の数ヶ月で微妙に市況が変わったりもします。そこのコミュニケーションの継続性や一貫性、投資家の期待値コミュニケーションなどが、けっこうムズいなということがありましたね。
でもおっしゃるとおり、プレディールをやらないと、投資家さんは基本、その先の数字が見えないので。最近はもうみんなやっていますし、やったほうがいいんだろうなと思います。ただ、そのへんがけっこうムズいなと、個人的にはちょっと思ったりしました。
金坂:今はヤプリはカバレッジしていないんですか?
角田:今はないんですよね。だからおかしいなと。主幹事は「やる」って言ってたんだけど、どうしたんだろうなと思って(笑)。
(一同笑)
正直、サイズ的にも普通にやったらカバーしないサイズだったりもすると思いますし、諸々含めて難しかったという感じはしますかね。
金坂:でも、プレディール書いたんだったらカバレッジしてほしいですよね。
角田:って感じですよねぇ。
(一同笑)
金坂:それで、実際IPOだとロードショーというプロセスが走るわけですけれども。みなさんもコロナの中なので当然、Zoomで鬼のように面談されたかなと思うんですが、Visionalも210社ってちょっとすごいですね。しかも1チームでですよね(笑)。
武藤:すごい(笑)。
金坂:何日やっていたんですか?
末藤:もうここは本当にマックス・マックスでやっていて。多い日は1日10件で、それぞれ1時間ごとなので、本当に夜通しやって、朝10時に終わるような日もあったり。ただ、これは1on1も多いんですけど、スモールやラージも組み合わせてやっています。
おっしゃるとおり、1チームというのはかなり驚かれるんですけど、オンラインだからこそできたかなと思っています。このIPOのタイミングで「何を一番売り出しますか」というところに立ち戻って考えた時に、やはり弊社の場合は代表の南(壮一郎)のビジョンをどうしても打ち出したいと。南に生で語ってもらいたいという思いがチームとしてすごく強かったので、ここはもう1チームで全部やりました。
結果、それはすごく良かったと思っています。そのあと弊社は第3四半期の決算発表を迎えて、初の上場後のIRをやりました。すべての対話に同席していたので、スムーズに進められました。大変でしたけど、やる価値はあったかなと思っています。
金坂:じゃあIPOの時は南(壮一郎)さんが全面に出て。
末藤:全面に出て。
金坂:IPO後は末藤さん中心に。
末藤:はい、私がやっています。
金坂:なるほどですね。プレイドとヤプリはどんな感じですか。この「1.5チーム」って、どういうことですか?
武藤:これは、僕と倉橋(健太)で「一緒に出る」投資家と、「僕だけ」もしくは「倉橋だけ」が出る投資家に分けたということです。それで、同じようにZoomでやっていましたよ。うちの70社は、たぶん少ないですよね。
金坂:こう見ると少なく見えるんですけど、僕は50社やって「なんでこんなにやるんだろう」と思っていたので。70社もすごく多いと思います。
角田:70ぐらいでいいと思います(笑)。
武藤:そこは倉橋がこだわっていて。やっぱりクオリティが大切だから、朝は寝ようと。あとはアメリカの投資家がいたんですね。だから朝の3時とか4時までやって日本時間の午前中は寝て、午後からミーティングを入れてもらいました。あと、うちはノンディールのロードショー(海外上場時や株式の売り出し以外の状況での海外投資家とのミーティング)を、2回やっているんですよね。
末藤:あぁ、すばらしい。
武藤:まぁまぁ、意図したわけではなかったんですけど(笑)、結果的に2回やりました。だから最後のロードショーって、投資家によっては「今日は何話すんだっけ?」みたいな感じでした。どちらかというと、もうその前にけっこうノンディールで醸成していたから、最後は確認ぐらいだった感じはしますね。
金坂:なるほど。今ちょっと武藤さんからノンディール・ロードショーの話が出たので、ちょっとそこを少し掘り下げたいんですけれども。ノンディール・ロードショーというのはIPOの時、本番のロードショーよりも前に、会社のいろいろな情報や、場合によっては数字も出して回っていくことかなと思っています。
僕らが2017年に上場した時は、本当にそういうのはぜんぜん一般的じゃなかったので、やることなくぶっつけ本番という感じだったんです。たぶん、この数年でかなり一般的になってきていて、角田さんもTwitterでエジンバラの写真などを上げていたから、「行ってたのかな」と思ったりしたんですけど(笑)。ヤプリもやってたんですよね。
角田:そうですね、うちもやらせていただいて。大きなかたまりとしてはうちも2回やったんですけど、ノンディールの1on1は常にやっていましたね。リクエストがあれば、本当にもういつでも会うという感じで、年がら年中という感じでした。
まさにアンカーとか、トップのアロケーションをしようと思っていた投資家は、もう1年前には決めていました。事前に何度か会って、ビジネスモデルなどを完全に理解してもらって、本番のロードショー、ローンチ後はその進捗確認というか。「この前話してたのはどうなってる」とか「この数字はどうなってる」という感じで、トップであればあるほど20分とか30分で終わってしまうようなことが多かったですね。
ただ、うちは「本当に投資家が入るかな」って、ちょっとビビってたんですよね。だから、本当に会えるだけ会うような感じでやっていました。うちは北米は数はそんなになかったんですけど、本当に朝から晩までずっとやって、社数はけっこう会いましたね。ただ、あんまりオススメはしてないです。
武藤:120社(笑)。
角田:120社とかは(笑)。そこまでやらなくても大丈夫だったな、というのはあります。
金坂:でも、123社に「会いたいです」と言われていたら、実際、その時の精神状態でいくと「じゃあ会おうかな」となりますよね(笑)。
角田:そうですね。あと、みなさんもそうだと思うんですけど、一応絞ってるので、素晴らしい投資家の方ばかりなんですよね。繰り返しになりますけど、最初は入るかどうかわからないなと思っていたので。なので、そこは少しでも打率を上げようということで、会っちゃっていましたね。
金坂:実際みなさんのようなIPOだと、本当に海外のロングの超優良機関投資家みたいな方がすごく関心を示すようなことがけっこうあったかなと思うんですけど。Visionalは開示でもレターをやられたり。差し支えなければ、どんな裏側があったかをうかがってもいいですか。
末藤:ありがとうございます。弊社のグローバルオファリングの際に、英文の目論見書だけなんですけれども「3つの投資家の方々から、事前に買いたいという意向をいただきました」ということを開示しています。IOI(Indication of Interest)という言い方をするんですけれども、「いくらまでだったらいくら買います」というかたちの開示です。
なぜそんなことをしたかというと、最終的な仕上がりとして、ファンダメンタルズを見てくださる、海外の機関投資家の方で、「ロングオンリー」という言い方をされたりしますけれども、そういった方々に多く入っていただきたいというところで、呼び水的に使うために、そのような開示をしています。
日本だと、freeeさまが第1弾でやられていて、弊社が2社目というかたちで。弊社の場合は、その3投資家とも既存の株主ではなく、本当に新規でした。IPOのロードショーの時に、初めて面談をさせていただいたり。
金坂:本当に、IPOをした身からすると、そんなIOIが出る世界がまったく想像できないのでお聞きしたいんですけど(笑)。実際のところ、面談し終わったあとに、「あの投資家さんがすごく興味を持ってそうだから、IOIを出してって言ってくださいよ」というお話が、みなさんと野村さんとかモルガン・スタンレーさんの間であって。彼らがそれを聞いて、また投資家に行くような感じなんですか?
末藤:そうですね、ほぼほぼ本当にそんな感じです。IPOのロードショーが始まる直前に、どういう投資家ベースがいいかを話し合った時に「投資家さんにIOIに関心があるかを聞いてみよう」ということを決めて、面談のあとに証券の方々にフォローアップをいただきました。
価格目線を含めて合わないと成立しないので、正直何社に応じていただけるか、もちろんわからなかったんですけれども。そこは証券さまにドライブしていただきましたね。
金坂:それはだいぶイノベーションな感じがしますね、すごいですね。プレイドはそういうことはあったんですか?
武藤:IOIですか。IOIは……。
金坂:「そんなんアリなん?」みたいな感じですよね(笑)。
武藤:なかなか書いてくれないんですよ、だから「うらやましいな」と思って聞いてたんですけど(笑)。でも、投資家は意外と横を見るなということは感じますよね。このIOIの話は結局、優良投資家が「買いますよ」と言っていることが重要だったりしますし。
我々は、直前に(グローバル投資運用会社の)ティー・ロウさんに株主になってもらっていました。やっぱり証券会社さんから聞くと、ティー・ロウさんが入っていること自体がすごく(評価されるポイントで)。ティー・ロウさんが、ロックアップ期間を360日つけてくれたのを、ほかの投資家さんがすごく評価してくれたり。「意外と横を見るな」というのは感じたところですね。
金坂:なるほど。でも本当に売出のところも含めて、日本のベンチャーキャピタルのみなさんがすごく協力的だったっていうのは大きいですよね。今だから言えますけど、当社のIPOの際はどのVCも売ってくれなかったです(笑)。
(一同笑)
「上がったら売るから売出はムリ」「そうですか」みたいな(笑)。
末藤:それは大変だ。
金坂:でも交渉力がないので、「別にうちが売り出そうが売り出すまいが、IPOはそんなに変わらないよね」という感じだったので。……いや、ありがとうございます。
グロース・キャピタル株式会社
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