2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
提供:トヨタ自動車株式会社
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司会者:ではまず1つ目の質問から。最初のほうにもらっていたんですが、「結節点は、データセンターの拠点のような理解でよろしいでしょうか?」と。
松本直人氏(以下、松本):はい。それが1つです。そしてもう1つの結節点がモバイル通信事業者。携帯事業者と光ファイバーをお持ちのまた別の通信事業者。それも結節点の1つだったりします。それがインターネットエクスチェンジで行われている場合もありますし、直接その事業者同士でつながるケースもあるでしょう。
司会者:ありがとうございます。ちょっとこれは私からの余談なのですが、今日お申し込みいただいた方々はけっこうエンジニアの方々がもちろん多くて、あとは先端技術の研究をしていらっしゃる方々もお申し込みいただいたので、そういう方々がご視聴いただく予定ですと松本さんにお伝えしたら、「そうしたら手加減なしでいきます」ということを(笑)。
松本:(笑)。
司会者:そのように回答をもらいましたので、手加減なしで回答してもらえると思いますので、ちょっとここからはバシバシ質疑応答に移らせていただければと思います。
松本:がんばります。
司会者:では2つ目いきます。「アメリカのテスラはバッテリー容量についてダウンロードできると聞いていますが、どうでしょうか?」という。
松本:難しい質問ですね(笑)。
司会者:そうですね(笑)。
松本:何て答えたらいいんでしょう。もう1回質問いいですか?(笑)。
司会者:「アメリカのテスラはバッテリー容量についてダウンロードできると聞いていますが、どうでしょうか?」。
松本:いいんじゃないでしょうか?
(一同笑)
松本:そういう話じゃなくてですか? もしも答えになっていなければすみません。
司会者:「これ本当ですか?」とか、「どんな感じなんですか?」みたいな意図ももしかしたら含まれているのかなとも思うんですけど。
松本:残念ながら私は存じ上げないので、詳しくはお答えできないと思いますが、いいんじゃないでしょうか。できるのであれば。もしくはそうしてほしくなければ「そうしてほしくない」と伝えたほうがいいような気がします。情報は情報ですので。
司会者:ありがとうございます。
ちょっとじゃあ続きにいきたいと思います。「自動車をそれなりの発電機が付いていて、そもそも騒音も発生し都市に顕在する計算機と考えたとき、それらを計算資源として利用してその計算量に応じてその自動車ユーザーに経済的に還元するみたいなことって可能ですか?」。
松本:はい。技術的に可能だと思いますし、そういったものができてくると、また経済や社会が変わるんじゃないかなと思います。具体的にいつごろとか何が課題かなとはいくつか挙げられると思いますし、実際その車はどれぐらい発電できたっけ?とか、その発電した要領でクラウドに相当する計算機ってサーバーとして何台動くのかなとか、そういったところを一緒に研究したいですね。お待ちしています(笑)。
司会者:なるほど。「お待ちしております」とのことでした。
続きいきますね。「もはや車車間通信とか不要ですか?」。
松本:必要だと思いますよ?
司会者:なるほど。それはどういう理由で?
松本:やはり仕組みとして先ほど最初に説明したかと思うんですが、遅延量というものが存在するわけですよね。データを通信させる相手、車車間であろうとクラウド間であろうと、何らかのかたちで単位時間あたりのデータ処理を終わらせなければいけないことが存在しますし、クラウドの向こう側ですべてが完結するケースもあるでしょうし、そうじゃないケースもあると思います。
そういったものの組み合わせだと思うんですね。ですから、なくなるかと言われると、併存でやっぱり仕組みというのがどんどん使われていくんじゃないかなと思います。
司会者:なるほど。
松本:実際に車に搭載されているセンサーや通信系の仕組み、メーカーによってさまざま異なると思いますが、当然ながら1つではないですね。ものすごくいろいろなものが搭載されています。それは必要だから搭載されているのであって、そういったものが置き換わっていくケース。それは未来においては恐らくいろいろなものが増えていく傾向にあるんじゃないかなと、私は思います。
司会者:ありがとうございます。「進化はしていく」が、なくならないものもあって。なくならないほうがいいこともあるという感じですね。これはちょっとクラウドのところのお話とも近しいですね。便利にし過ぎたことで、いろいろみなさんがわからなかったり、仕組み化がうまくできないようなことも増えているところとも、私の中でぼんやりつながったなと思いました。ありがとうございます。
では続いて質問いたします。「OTAが進むとデータセンターはオンプレ、クラウドのどちらがいいのでしょうか?」。OTAがけっこう車業界の用語な気もしているんですけど、OTAとは何でしょうか?
松本:Over The Airということで、車に搭載されているソフトウェアをネットワークを介して更新する、そういう仕組みだと思います。別の用語のことを指しているんだったらすみません。
そういう意味でいうと、やはり先ほどの組み合わせの話。パブリッククラウドやプライベートクラウド、オンプレミスなどいろいろな用語があると思うんですが、48パーセントの企業がそういったものを組み合わせて使っているというのが、実は如実に現れているんじゃないかなと思います。
オンプレだからいい、クラウドだからいいという理論。私がこの業界に、と言うとまた年寄りくさい話をしているなと言われるんですが(笑)、昔からあります。どちらがいいというわけではないです。当然それを併存するプログラマー側の腕というのもあります。ですので、実際にどういったものを使うか、信用するか、もしくは信用しないか、いろいろあると思います。
なので、オンプレだから〇〇、クラウドだから〇〇というよりは、最適なものを組み合わせて使いましょうね、という議論になったほうがより建設的かなと思います。どちらも否定するものではないと思います。実際にオンプレがいいというのも、その通りです。クラウドがいいというのも、その通りです。
当然作られる方、特に今回ソフトウェアエンジニアの冠が付いていると思うんですけど、やりたい方がちゃんと仕組みとして作って、初めてサービスが成り立つので、その人たちが扱いやすい仕組みを作る。もしくはその人たちが使いやすいものを使う。それが最適なんじゃないかな。それを支えてくれるだけシステム・インフラストラクチャーがここまで大きくなっているんですよ、というのを今日は共有できたんじゃないかと思っています。
司会者:ありがとうございます。確かにそうですよね。オンプレもクラウドもそれぞれですもんね。やっぱりメリット・デメリットはあるものだなと思って。先ほど松本さんがいっていたように、マルチクラウドでほとんどのサービス、Webサービスが今開発されていると思いますが、それこそ、それぞれのサービス、それぞれの開発組織に合ったものができるとよいのではと私も思いました。
では続いての質問に行きます。「全国のたくさんのネットワークを利用してリスクの分散も考慮しているのでしょうか?」という質問です。
松本:はい。実際にサービスによってはそうなっているんじゃないかなと思いますし、あまり知られていないかもしれませんが、この話をここでするのは変かもしれませんが東日本大震災の時に東北地域で通信断が非常に長い間あったと思います。あの時には、当時の友人がそこに行って修理しているということもあって、いろいろと話を聞くと、東北では通信設備の機能自身がもういろいろ消失してしまって、なかったんですね。
それをネットワーク上でつないで、関東界隈で担保するかたちで補ったというケースもあります。それは通信事業者が行ったケースで、それと同じように、さまざまな通信事業者も連携してデータ通信を行おうと設計上考えてあれば、当然複数使い分けもできたと思います。そういったものは今後必要になってくるでしょうし、もしかしたらさまざまな車の会社以外でも、そういったものを使っているのかもしれません。
すごく不明確なお話をしてしまっていますが、仕組み上としてはできますし、やり方次第なのかなと思います。ただ私からすると何かしらそれだけデータ通信として切れてしまってほしくないサービスを設計するなら、やっぱりいろいろなものをマルチでやりますよね。
司会者:ありがとうございます。なるほど。深く掘れば掘るほど松本さんからいろいろな事例を聞き出せる気がしてきました。
(一同笑)
司会者:では続いていきたいと思います。「エッジコンピューティングとして自動車に高性能なCPUを搭載し、処理をさせることは想定されていますか?」。
松本:私はこれを答えてしまっていい立場か、非常に危ういので、「業界動向としてそういう傾向にありますよね」と言わせてください。トヨタ自動車として答えるものではなく、車に今だといろいろなものが載っていますよね。他社の話をしてしまうとあれかもしれないですが、そんなものも載っているんですか? というぐらい計算機、サーバーに相当するようなものを載せている会社もありますよね。
ですから、そうなってくるんじゃないかなとは思いますし、なっていくとおもしろいんでしょうね、と思います。すみません、なんか歯切れが悪くて。私が言うのもよくないような気がしてきて(笑)。
司会者:ありがとうございます。明言はしないというところですが、業界としては「そうだよね」という感じで留めます(笑)。
では次に行きますね。「データフローについて今まで実体のある回線やサーバーを支えていたが、今そしてこれからはソフトウェアで構築(仮想化)された回線やサーバーが支えるという認識であっていますか?」。
松本:ある意味正しいですが、ある意味間違っているところでは、物理的なサーバーも物理的な回線もなくなるわけではありません。それはその仮想化された構成の下に必ず存在します。私自身が電力を出してみなさんにYouTubeを配信することは残念ながらできないように、光ファイバーとサーバーとデータセンターとクラウドの向こう側の仕組みがないと、その上で仮想化された仕組みは動きません。
ですので、1つは正しいですし1つは間違っているかなという感じです。間違っているんじゃないな。ちょっと表現が難しかったなと思います。
司会者:なるほど。ありがとうございます。
じゃあちょっと続きまして。「車は通信網が強くない場所に行ったりもできますが、クラウドコンピューティングする場合とエッジコンピューティングする場合をどういう基準で処理を分けていらっしゃいますか?」ということでした。
松本:車に関して、これも現状の業界動向で言いましょうね。
司会者:そうしましょう(笑)。
松本:(現状の業界動向から)申し上げると、通信できない場所では残念ながら通信できませんので、エッジというかその端末の中で処理をするということが、データを溜めておくもしくは処理して加工し終わったデータだけをもっておくということは、恐らく必須だと思います。なぜかと言いますと、通信できないのにデータ処理していても、あまり意味ないですよね。
意味あるデータ自身を残しておいて、通信できたら上げていくですとか、場合によってはデータ通信網に近しい場所に移動したら、アプリケーションが何かしらの制御をする。そういうものが必要なんじゃないかなと思います。
特に先ほど北米の図を見ていただいたと思うんですが、開いたものを見ると日本より当然広いですよねというのと、通信網として意外とスカスカしている場所があるんだなと。そういったところでも、なんかいろいろな会社のものはちゃんと動いていますよね。
それを考えると、業界動向としてさまざまな考え方を総合すると、エッジでも当然、もしくは端末の中でも当然データ処理は行われていくでしょうし、クラウドと連携しなければ、他のサービスとも連携できないので、そこも必要になってくる。そういった答えで許してください。
(一同笑)
司会者:けっこういろいろなものが複雑に絡み合ってくるのは、必須になりそうなんですね。
松本:実際問題、ここまで複雑化するとは、25年前の私は思っていませんでした。クラウドと言われる前は、仮想化と言われていました。その前はグリッドコンピューティングと言われています。その前はユーティリティコンピューティングと言われています。その前はスーパーコンピューターと(笑)。いろいろな用語がありますよね。
最終的に言われていたのが「ネットワーク上の向こう側にある計算機で何かができるなんて考えられるのか。それだけ太いネットワークって存在するのか」と、ずっと言われていたんです。それが2十何年経って、当たり前のようにこうやってYouTubeで配信されていると。それはこの通信自身もどこかに通じていて、どこかで膨大なサーバーが動いて配信されているので、考えられなかったと思います。
司会者:確かに。
松本:でも動いちゃっていますよね。
司会者:そうですよね。スムーズに。
松本:この向こう側にあるサービス間連携しているAPIの数を数えてみると、けっこうな数だなと、中の人は思っていると思います。
(一同笑)
司会者:なるほど。ありがとうございます。すごい、歴史を本当に知っていらっしゃるんだろうなという感じがします。ありがとうございます。
ちょっと続いての質問に行きます。「技術的な質問です。JAXAとビッグデータのアーカイブの共同研究をしている者です。その中でエッジに対して大量のデータを送り、エッジのCPUの負荷をデータで代替するという方向はありではないという話が出ました。かつて対数表で計算負荷を減らしたのと同じです。そういった動きはあるのでしょうか?」。
松本:どういったデータをどこで処理するか、場合分けだと思います。ですので、今質問した方の意図が若干私の中で咀嚼できていませんが、やればできるでしょうし、やって成果が出るものであればやるべきだと思います。エッジだから不向きだとか、エッジでやったほうがいいとかいうのは、やっぱりケースバイケースな気がしますね。
特に、膨大なデータであればあるだけ効果が上がるという傾向は、特定用途に関してはやっぱりあると思います。どんなデータを扱うかが私はすぐに出てこなかったので、お答えになっていないかもしれませんが、どちらも正しいと思います。
司会者:なるほど。ありがとうございます。難しいですね。なんかいろいろな、どっちとも言い切れないものですしね。正解か不正解みたいなものでもないですし。ありがとうございます。
では続いて次の質問です。「車からクラウドに上げるデータ、クラウドから車に送るデータは具体的にどういったデータでしょうか? サービスを提供する企業がどういったデータに意味や価値を見出すかによるとは思いますが……」と。
松本:恐らく質問をされている方は関係者のような気がするんですが(笑)。
(一同笑)
司会者:あら(笑)。
松本:何とお答えするかが今すごく悩ましいところだと思います。これもやっぱりケースバイケースで、業界動向という名前でお話いたします。どんなデータを使ったらうれしいかだと思うんですよね。例えば、車の移動というものに価値を見出すためにそれをサービスとして連携をして実現するためには、どんなデータを流さないといけないか、どんなデータを上げないといけないか、そういう仕組みの話に、必ずなります。
当然どこかに移動をする。どこかで何かをする。そういったものが実現しなければ何らかのサービスとしてクオリティが満たせなのであれば、そういったサービスに必要なデータを上げもしますし、下げもします。例えば位置情報なんて当然上げられますよね。これも基本の基本で、上げられると思います。
さらには上から降ろす、クラウドから降ろすものとしては、場合によってはですが、地図情報以上の情報、どういったものがそのお客さまにとってサービスとして必要か、そして不可欠であるかということを支点として、その関連する情報も当然下げてくることもあると思います。それがどれだけの規模で、どういった人たちにどれぐらいの密度で、そしてどれぐらいの頻度で、それが重要になるんじゃないかなと思います。
司会者:なるほど。ありがとうございます。難しいですね。関係者だからこそ知りたかった難しい質問なのかもしれないですね。なるほど。ありがとうございます。
じゃあ次の質問に行きます。「クラウドを支える技術、ツールの多くが海外で開発されたものとかと思いますが、未来のアーキテクチャを支える技術を日本発で出すために必要なもの、足りないものは何だと思われますか?」とのことです。確かに。
松本:日本発という考え方と、世界でみんなで共通して使うからみんなでがんばろうという考え方の2つあると思います。日本発に関して何が必要かは、日本固有の問題を、もしくは日本人だからこそみたいなところ。特に我々は日本語をしゃべっていますよね。そういったところで考えると、そこは当然日本人が作るべき。もしくは連携して開発しなきゃいけないツールの一番最多のものだと思います。自然言語処理も含めてですね。
そういったものになるんじゃないかなと思います。それがクラウドと連携させるため、もしくはクラウドを構成するためのツールとして必要かというと、ある意味必要でしょうし、ある意味必要じゃないと思います。なんでこの話をしているかと言いますと、ソフトウェアを開発するもしくはオープンソースで共有するという行為に、人種も地域ももう関係なくなっていますよね。
そういった意味で、〇〇発とか、誰がというようなところは、世の中希薄になっていくんじゃないかと思います。実際に開発に携わっている方、特にオープンソースに限らないと思うんですが、いろいろ連携して作り上がっていますよね。そういったところから考えると、もっと広い視点、そして日本人だからこそできる、きめ細やかさみたいなところが前に出ていくと、それが暗に日本発という名前で、ツールとして出てくるケースもあるのかなと思います。
特に日本固有の問題を、何かしら処理しなきゃいけないケースは実際にはそんなに多くないんじゃないかと思っていますので。お答えになっているかは非常に微妙なところですが、作れる人が作って出せば、きっと日本発になってしまう。それぐらい今のクラウドサービス、クラウドのインフラストラクチャの裏側は柔軟だと思います。
司会者:なんかいい世界ですね。素敵な世界ですね。
松本:そうですよ。
司会者:私はそのAWSやGCP、それこそAzureなどクラウドは、もう海外の外資系の会社で、確かにそうだようなと思いながらこの質問を読んだのですが、そういう分類がなく作れるのは、確かにオープンソースのいい文化ですし、いいモノづくりという感じがしますね。
松本:実際に私の友人が、海外のクラウドの中側にいます。彼はもともとオープンソース出身の人間で、なぜかクラウドの裏側の仕組みを担当して開発をしていたりします。
司会者:「なぜか」。
松本:なぜか。そしてそのいくつかは、オープンソースでも出ているんじゃないかなという気がしています。
司会者:そうなんですね。ありがとうございます。ちょっと今最後がいいお話だったので、この辺りで質問は終わりにしたいと思います。松本さん、そうしましたら、最後に今日ご視聴いただいている方々にメッセージなどありましたら、お願いいたします。
松本:はい。今日はさまざまな質問や興味をもっていただき、ありがとうございました。恐らくトヨタっぽくないなと思ったと思います。こういった新しいこと、そして未来に向けた考え方を共有する方を強く強く求めているのが、今の我々の会社だと思ってください。今日登壇するにあたり、上司から言われているのが「ファンを増やしてくれ」と。
たくさんのファンを増やして一緒に物事を考えて良くしていく人間たちを増やそう。そういうことで今日はお話もしています。なかなか難しい話、知らなかった話、あぁそうなんだの気づき、そういったものが少しでもあったら、よかったんじゃないかなと思います。今日はありがとうございました。
トヨタ自動車株式会社
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