2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:Japan Venture Awards
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司会者:ありがとうございました。続きまして、株式会社LegalForce代表取締役CEO角田望様です。ご準備はよろしいでしょうか。それではスピーチスタートです。
角田望氏:こんにちは。LegalForce角田と申します。私は司法試験合格後、弁護士を8年間しています。
LegalForceは、サービスとしては契約書をAIでサポートするプロダクトを提供しています。ご来場のみなさまの中で、契約書のレビューを担当された方はいらっしゃいますでしょうか。
(会場挙手)
ありがとうございます。少ないですね。契約書のレビューを法務の方に依頼したことはありますか。
(会場挙手)
……ちょっと増えましたね。契約書は企業が権利を有し、義務を負う唯一の方法です。すべて取引とありとあらゆる場面において出てくるのが契約書です。非常に重要なものです。この契約書、どのようにしてチェックしているんでしょうか。
こちらです。法務の担当の方、あるいは経営者ご自身が契約書を上から順番に読んでいくんですね。ご自身の経験と、法的な知識、あるいは自分のその時々の集中力を駆使してチェックしているわけです。
お気づきだと思いますが、ここに大きな課題があります。契約書という義務を負う非常に重要なもの。完全にマンパワー依存でチェックをしています。どんな大企業でも世界的な企業であってもこれは同じです。パフォーマンスにばらつきが出るわけですね。
人によって見るポイントが違えば経験も違います。知識も違うと。非常に大きなリスクが潜んでいます。このクオリティーのムラをなくす唯一の方法は、チェックリストです。チェックリストを1個ずつ突き合わせしていけば、パフォーマンスや知識、経験に影響なくチェックできる。
ただ、非常に時間がかかるんですね。長い契約書だと1日がかりです。そういったことにもなりかねません。LegalForceは、その契約書の課題をAIで解決をしていきます。
(動画が流れる)
これが実際の製品動画です。動いていますね。
LegalForceの実際のプロダクトなんですが、こちらに契約書をアップロードして契約書の類型立場を選択をして、レビューを押します。これだけでAIが瞬時に契約書のレビューをして、その問題点をあぶり出します。どの点に危険が潜んでいるか。それを修正するにはどういう文案が考えられるか。その解説を一瞬で表示します。
現在は22類型対応しておりまして、今250社の企業様にご導入いただいております。大企業から中小企業様まで幅広く運用していただいて、ユーザーさんにも大変反響をいただいております。ぜひご興味ある方はお声掛けいただければ幸いです。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。続きまして、株式会社HACARUS代表取締役CEO藤原健真様です。ご準備はよろしいでしょうか。それではスピーチスタートです。
藤原健真氏:株式会社HACARUSの藤原と申します。弊社、京都でAI・人工知能の開発をしているベンチャー企業でございます。弊社には大きな特徴が1つありまして、現在使われているディープラーニング、深層学習をあえて使わないということを標榜しているベンチャー企業です。
当然理由があるんですけれども、今いろいろなところで使われているディープランニング(深層学習)には大きく課題が3つございます。1つは何をするにしても、膨大なデータが必要になります。場合によっては何万、何十万とデータが必要になるところがまず最初のAI利用の課題になっております。
もう1つが、運良くたくさんのデータ手に入った場合でも、でき上がったデータでAIがどういう振る舞いをして、その結果に至ったのかが人間にはまったくわかりません。いわゆるブラックボックスと呼ばれています。こういった問題をはらんでいる技術ということがあります。
最後は、このディープラーニングという技術。とくにAIを教育する時点において、ものすごくたくさんの計算リソースを使用します。我々は、こういった課題のある技術をSPARSE MODELING(少量のデータセットで解析が可能なスパースモデリング技術)を使って、課題解決を試みているベンチャー企業です。なので、少ないデータでかつ人間にとって解釈性が高い、ブラックボックスではないAIを作ろうとしております。
実はこのSPARSE MODELINGという技術を使って、2つの産業だけを見ております。1つは産業AIと申しますけれど、モノを作っているお客様に対するIoTも含めたAIです。もう1つが医療ですね。これは後半の解釈性の高い、つまり医師や医療の現場の方が理解できるAIの需要に対してです。この2つの産業だけに特化してやっております。
今日はまさにご紹介させていただくのが、前者の産業AIですね。我々も注力しているこのエッジAIと呼ばれるAIです。弊社の株主である株式会社PALTEK様と一緒に開発をしたFPGAと呼ばれる半導体を運用したエッジAIです。この小さな半導体の中なんですが、これで完全に学習と推論、両方共実行してしまうことが、このコンパクトサイズの半導体で実行できております。
こういったものをまさに開発をして、いろいろな産業分野をお客様に提供しております。後者の医療に関しましては、現場に行ってお客様に聞きますと、お医者さんは「ディープラーニングの精度が高いのはわかりました。
ただ、AIの意思決定の過程がわからないブラックボックスは現場に導入できない。数万人の患者さんのデータなど集められない」ということで、解釈性の高いAIを数十人の患者さんのデータだけで作ることもあります。
例えば医療分野で言いますと、脳卒中の診断や治療支援をものすごく少ないデータで、なぜAIがそういった判断をしたかの過程がわかる状態で医療関係機関に現在評価いただいております。以上のプレゼンテーションになります。ありがとうございます。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。続きまして、株式会社ビードットメディカル代表取締役社長、古川卓司様です。それではスピーチスタートです。
古川卓司氏:どうもこんにちは。ビードットメディカル代表の古川です。よろしくお願いします。ビードットメディカルは、「放射線がん治療といえば陽子線治療」という時代を作ることを掲げまして、革新的ながん治療装置の開発を行っています。
近年は2人に1人ががんになる時代と言われています。なので、この中のみなさんの半分はがんになる時代です。その中でがん治療と言えば、いろいろな治療法はありますが、切らずに治せる放射線治療は非常に魅力的な治療法の一つです。
放射線がん治療と言いますと、レントゲンでお馴染みのX線治療をご存知の方もいらっしゃるかと思うんですけれど、もっと良い放射線もあるんですね。それが陽子線と呼ばれている放射線を用いた陽子線治療ですね。X線と比べまして高い治療効果があり、副作用は低いものです。
それに加えて近年、保険にも収載されましたので、患者さんの負担も非常に下がって普及する土壌が整いつつあると思います。(スライドを指して)そのような中でこの数字。実際に受けられている患者さんの比ですが、ほんの1パーセントの患者さんしか陽子線治療を受けられていません。
たまに週刊誌で芸能人が陽子線を受けているのをご覧になることがあるかと思うんですけど、非常に少ない患者さんしか受けることができていません。
良い治療だとわかっているのに、そういう状況です。この社会問題に対して、我々はすべてのX線治療患者に陽子線治療を届けることを掲げて、技術開発を行っております。2つのキーテクノロジーがありまして、これを説明します。まず1つ目が非回転ガントリーという従来にない画期的な方法です。
これを用いることにより、従来に比べてサイズと価格を半分にすることができます。そしてもう1つの技術はハイスループット化を目指したもので、AIを利用し、治療効率を向上させることで、従来に対して治療の効率を3倍にしていきます。
こちらがその2つを組み合わせた商品になってます。
スライド左がX線治療の従来型の装置です。正面にあるのが私どもの商品、開発中のものになります。ほとんど同じようなサイズ感になっているのがわかるかと思います。これで「X線治療に対して殴り込みをかけるぞ」という意気込みで技術開発を行っています。
20年度中に1号機が完成する予定になっておりまして、このシステムが患者さんにも先生にも、すべての人に届くよう、頑張っております。ありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。続きましてJVA2020ベンチャーキャピタリスト奨励賞ノミネート者、2名によるショートスピーチを行います。それでは始めます。はじめに、株式会社ジャフコ プリンシパル、小沼晴義様です。
小沼晴義氏:ジャフコの小沼でございます。名前を覚えていただければと思います。私は1992年の4月に現在のジャフコに入社しまして、それから約28年間ベンチャーキャピタリストとして仕事をしております。
最初の6年間は宮城県、山形県でのベンチャー投資、1998年からは東京でインターネットを中心にITのスタートアップへの投資をしております。現在でもITのスタートアップがメインの投資になっております。スライドには最近の投資先事例を書いております。
直近3年間でIPO投資をした事例で4社あります。また現在は約10社の投資先に関わっておりまして、下の3つの会社が主な関与先になっております。実績としては数多くの投資先がありますが、一方で(スタートアップへの)投資の失敗もたくさんあります。この場ではあまり言えないことですけども、業界でも相当失敗していると自身で反省しています。
さて私自身はこの投資活動においては、同地域で同タイミングで活動しているベンチャーキャピタルの中では、運用パフォーマンス、起業家からの信頼・信用、投資先の価値向上、において最高のパフォーマンスを出すべく活動しておりますが、まだまだ充分に至っておりません。
ただ継続することが重要と思っておりまして、先ほど失敗を重ねていると申しましたが、この失敗を糧にまた次の投資にチャレンジする気持ちで今もやっております。
最後になりますが、ジャフコは昨年800億円のファンドを組成致しました。将来メガベンチャーになるポテンシャルのある起業家、またはスタートアップにチャレンジして投資をしていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。以上です。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。続きまして、みやこキャピタル株式会社、取締役パートナー三澤宏之様です。三澤様、ご準備よろしいでしょうか。
三澤宏之氏:ありがとうございます。みやこキャピタルの三澤でございます。まずこのような賞にノミネートいただきました、主催の方々に御礼申し上げたいと思います。
とくに中小企業基盤整備機構様にはベンチャー、スタートアップ関連のインフラ、エコシステムというか、全体にわたって長年ご支援をいただいている認識で、これがなければ私も今ここにいないなと思っております。重ねて御礼を申し上げます。
みやこキャピタルは2013年に設立され、京都大学の認定ファンド運営事業者として現在2本のファンドの運営を行っております。特徴的なところは、代表3名がそれぞれベンチャーキャピタリストとして非常に長い経験を持っていることと、事業を実際に立ち上げてきたというシニアなメンバーで構成されていることかと思います。
投資のターゲットとして、とくにテクノロジー・技術をコアとしたベンチャー企業、スタートアップにフォーカスしておりまして、その方たちと一緒に日々考え、そしてチャレンジしていくことを実際に行っていると自負しております。
私はもともと大学の研究者でございまして、2002年にベンチャーキャピタルの業界に移りましたことから、特に大学発のベンチャーを支援したい想いで18年ぐらいやってきております。今回、「バイオ、ヘルスケアのセクターで、もっとがんばれ」ということでノミネートいただいているかと思いますので、少しこの分野について触れさせていただきたいと思います。
2000〜2004年くらいに、バイオベンチャーが1回盛り上がったのですが、その後リーマンショックなどがありまして、かなり長く低迷期が続きました。そこから山中(伸弥)先生のノーベル賞のおかげで、2012年から調子が戻りまして、今ではそこそこ認められたセクターになりつつあるという認識をしています。
実際にどのぐらいの規模かという数字を概算でお示しすると、VCだけではなくて事業等からの投資も含めて、これまで20年の間に約4,000億円が投じられました。これが、現在上場しているバイオヘルスケアセクターのベンチャー企業の時価総額を合計すると約2兆円となっており、投下資金の約5倍のところまで育ってきているセクターと言えるかと思います。
これもひとえにいろいろな方々の努力の積み重ねの結果だと思いますし、私たちもこういう分野への投資を続けて行きます。日本にはノーベル賞級というか、すごい技術がまだまだあると思いますので、ここにお金はもちろん、とくに「人」、いろいろな分野の方に参画していただいて、一緒に盛り上げていきたいと思います。ぜひよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
(会場拍手)
司会者:ありがとうございました。
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