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働き方改革と「天才、秀才、凡人」の関係性とは? 『天才を殺す凡人』著者 北野唯我さんと語る、組織変革の罠(全2記事)

2020.01.24

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企業の業績を伸ばす要因は「風通しの良さ」だった データが裏づける“職場の空気”の影響力

提供:サイボウズ株式会社

2019年11月7~8日、サイボウズ株式会社が主催する「Cybozu Days 2019」が開催されました。本イベントは、サイボウズの商品やサービスを紹介する総合イベントで、東京・大阪・名古屋の3都市で開催されました。テーマは「モンスターへの挑戦状」で、実体はないのに支配されているさまざまな“思い込み”に立ち向かうというメッセージが込められています。本パートでは、東京会場で2日間にわたって開催された講演のなかから、「働き方改革と『天才、秀才、凡人』の関係性とは? 『天才を殺す凡人』著者 北野唯我さんと語る、組織変革の罠」の模様をお届けします。風通しの良さと企業の業績には、データに基づいた相関関係があると語りました。

カゴメの「働き方改革は生き方改革である」という考え方

北野唯我氏(以下、北野):これは働き方改革の話だったと思うので、あれなんですけど。僕は格言だなと思ったのがあって。最近社長が代わられたんですけど、カゴメの寺田(直行)社長という方と対談させていただいたときに、カゴメっていわゆる働き方改革で比較的成功していると言われていて、4~5年ぐらい連続で残業時間が減って、最高益を達成している会社さんなんですけど。

寺田さんがおっしゃっていたことで、そうだなと思ったのが、「働き方改革は生き方改革である。それを何回も何回も言い続けないと、絶対に現場には浸透しない」と。

例えば普通の働き方改革って、これまで20時に帰っていたものを、「18時に帰ってください」と言うだけです」と。だけどそれって、現場からすると、「いや、それって残業代を浮かしたいだけじゃん」「いや、そう言っても仕事めっちゃあるんですけど」で終わるじゃないですか。

そのときに、リーダーが言うべきことは、「1日2時間削減できるということは、年間で言うと400時間ぐらいだと思うんですけど、その時間が浮くということですよね」と。「その400時間があったら、あなたは何をしたいですか?」と。「例えば趣味でもいいし、家族でもいいし、自分がこれまでやりたかったことでもいいし、それがあったら何をしますか。それをやるために、一緒に働き方改革を進めていきましょうよ」と。

大槻幸夫氏(以下、大槻氏):なるほど。

北野:だから、「『働き方改革は生き方改革であって、みなさんにとって重要なんですよ』と言うのが大事」と言っていたんですよ。やっぱり、その一言があるかないかによって、ぜんぜん違いますよね。

大槻:確かに。「あなたの人生の時間を作ります」という、先ほどのお話ですよね。なるほど。

北野:そうそう。これはそのときに寺田さんが、『天才を殺す凡人』を読んでくださっていて、「これはすごい本ですね」という感じでめちゃくちゃ褒めていただいたんですよ。

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

大槻:おー。

北野:だから僕は、それだけでもう恐縮で。「すみません」という感じだったんですけど。そのときに、僕は寺田さんに「なんでそんなにわかりやすいコミュニケーションをするんですか?」と聞いたんですよ。

そしたら、「だって、わかりやすいコミュニケーションじゃないと、人事制度や制度は絶対に伝わらないし、意味がないからですよ」とおっしゃっていて。

だから、まさに寺田さんがおっしゃっていたのは、「新しいことをやるとか、それが利益をもたらすということをそのまま言うのではなくて、一人ひとりの個人にとって響く言葉で伝えないと、人の心は動かないよ」ということで、僕はすごく「そうだな」と思いましたね。

自主的に部長という役職をなくした、サイボウズの開発本部

大槻:本当に経営者をずっとされてきたからこそ、たどり着いたポイントがまさにこれだったという。

北野:というのはすごくうれしかったですね。サイボウズさん的には、ずっと働き方改革をやられていますけど、今フォーカスしているポイントってあるんですか? 

大槻:今は、もうだいぶみなさん(サイボウズの)考え方を学んで入ってこられますね。中途の方なんかもう本当にそうですし、新人の方もですね。

「サイボウズって公明正大でしょ」「自立と議論でしょ」という感じで、最初から来られるので、(風土として)浸透しきっちゃってるんです。その次が、さっき青野と対談しましたけど、青野的には、ティール組織。

北野:ティール組織。へー。

大槻:社長などのリーダーなしに、勝手にみんなが動き出すような、生命体みたいな組織を目指していきたいという。とんでもない理想だと思って聞いているんですけれども。そういう組織を目指すためには、例えばマネージャーがいたらだめじゃないですか。

北野:確かに。

大槻:なので、今年すごいなと思ったのが、開発本部が自主的に部長をなくしたんです。

北野:おおー! 

大槻:もう、みんなでやろうと。マネージャーって、給与を決めたり、育成や決裁とか、いろんな役割を1人でやってるから大変で、得意な人に任せたらいいよね。マネージャーを分解しようということをやったんですよね。なので、(育成が)得意な人が集まっている、育成相談チームがいたり。給与を決めるチームとか、いろいろ分かれて。

北野:すごいな、それ。

大槻:今まさに進行中の取り組みなんですけど、そういうことをやってるんですよね。

改革を進めるのは「トップの覚悟」と「現場の見える化」

北野:へー。それって、やっぱり「サイボウズさんだからこそできそうじゃん」というような反応って、絶対に来ますよね。

大槻:そうですね。

北野:たぶん、それって歴史があったからこそ、できる気もするんですけど。大槻さんがサイボウズという会社の歴史を見ていて、例えば同じようなことを企業でやろうとしたときに、最初のファーストステップとして、「これが大事だよ」というものはあるんですか? 

大槻:2つあるんですけど、やっぱりトップの方の覚悟ですよね。

北野:覚悟。うーん。

大槻:絶対になにかしら炎上するので。

北野:確かに。

大槻:そのときに日和(ひよ)るようなリーダーだったら、現場も「もうやらんわ」となると思うんですよ。青野はもうずっと言っています。

もう1つは、「みんながちゃんとやってるのかな」ということが見えないと、自分だけが損した感じになるので。ちょっと宣伝になるんですけど、サイボウズはたまたまメーカーだったので、グループウェアが入っていた。

だから、みんながやっている様子が見えるんですよ。なので、今話した開発本部の取り組みも見えるので、「こんなことやってるんだ」とのぞきに行って、いいところだけマーケの方に持ってくるようなこともできるので、この2つですかね。

北野:なるほどね。確かにみんながやってるからとか、要はフリーライダー問題だと思うんですよ。「俺だけやってるの損じゃん」みたいな。だから、そういうふうにならないように、ソフトウェアを使ったり、透明化させるようなことですか? 

大槻:まさにそんな感じです。

平成30年間で時価総額が最も伸びた10社と下がった10社の違い

北野:さっき言ったデータの本の中で、平成の30年間で時価総額を最も伸ばした10社と、平成の30年間で実額ベースで時価総額を最も落とした10社を比較しているデータがありまして。その中で、顕著に差が出ている項目が3つか4つあるんですね。例えば、平成で伸ばした企業さんは、確かにトヨタさんもそうなんですけど、その1つが風通しの良さだったりするんですよ。

要は平成の30年間において、大きく人々が求めている期待値が上がったんだけど、その期待値に対して、ギャップが存在している項目の1つが、風通しの良さだったりするんですよね。これ、おもしろくないですか? 

大槻:そうなんですか!? めちゃめちゃおもしろいですね。

北野:ぜひ、11月28日に出るので。

OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める

大槻:絶対読みます。こんなん言われたら、もう読むしかないですよ。

北野:(笑)。

大槻:めちゃめちゃ気になります。風通しの良さ。

北野:風通しの良さなんですよね。それがおもしろくて、今回の本の最大のテーマは、人の職場に対する評価を、ハードとソフトという側面で分けたときに、実はソフトという側面に対して科学した本はあまりなかったんですよね。要はハードは、人事制度や待遇などのシステムみたいな話なんですけど。

一方で、僕たちが普通に生きている中で人事制度みたいなものも重要なんだけど、正直に言って、ものすごくシンプルに、「なんとなく働きやすい」「意見を言いやすい」というものってあるじゃないですか。

大槻:あります、あります。

風通しの良さと企業の業績には、明確に相関関係がある

北野:それをどういうふうに科学して、共通言語を持って(ソフト面のスコアを)上げていけばいいのか。そして、絶対に出る論点として、風通しが良くなったときに、業績が上がるのかという問題があるじゃないですか。

実は、今回のデータで論文を引用しているんですけど、明確に業績との相関があるというのを出しているんですよ。これはアメリカと日本の論文なんですけど、いわゆる職場の空気におけるソフト面のスコアが上がっていくと、その後、ROAや時価総額に明確に正の影響を与えるという。

これはたぶん人事からすると、武器になると思うんですよ。職場の空気って大事なんだけど、「変えましょうよ、社長」と言っても、社長からすると「いや、でもさ」みたいな。

大槻:まさに(笑)。

北野:「そんなの利益になるの? それより事業がんばれよ」「でも社長、離職率めっちゃ高いですよ。このままいったらやばいですよ」みたいなことに対して、明確にデータで言っているのは、見どころかなと。本の宣伝になってしまって、すみません。そういうところがおもしろいかなと思って。

大槻:いやいや。サイボウズは本を営業しないといけないですね。

北野:え? 

大槻:サイボウズが本の営業をしないといけないです。風通しの良さ。

北野:確かに。だから、サイボウズさんがまさにこれまでずっとやられてきて、証明しようとしてきていることを、830万人のデータを使っているので、たぶんすごく相性がいいのかなと思いますね。

大槻:なるほど。

北野:おもしろくないですか? 風通しの良さ。意外なところですよね。

天才はマネジメントするのではなく、放牧するしかない

大槻:はい。じゃあ、期待値のマネジメントとか、人によって価値判断の基準が違うこととか、風通しの良さ。いろいろなキーワードは出たかと思います。この辺で、いったんTwitterに切り替えていただいてもいいでしょうか。質問はいただいているでしょうか? 

大槻:見えますか? ちょっと適当に、北野さんが気になるところで、ピックアップしてください。

北野:一番下のTomiさんという方の「凡人が天才を殺さないためには何をしたらいいですか?」。これ、めっちゃよく聞かれたんですけど。

僕はいつもGoogleの話をするんですけど、Googleの村上憲郎(のりお)さんという、Google日本法人の名誉会長で、Google本体の副社長までいかれた方と、昔2年連続で対談させていただいたことがあります。

そのときに僕は「Googleって天才がいっぱいいますよね。天才をどうやってマネジメントしてるんですか?」と聞いたんですよ。

そしたら、村上さんが、「いや、北野さん。マネジメントなんておこがましいです」と。「放置です、放牧です。ただし、そういう才能のある人たちは、たまに間違えることがある。その間違えたときに、謝りに行くのが僕たちの役割なんです。リーダーの役割なんです」と言っていて。かっこよすぎるでしょ、みたいな。

大槻:(笑)。意外な答えですね。

北野:でも、それはたぶんそうで、いわゆる日本型の組織というか歴史は、基本的に例外を許さないというか、ルールに対して「例外があったら事前申請してください」という考えだったと思うんですけど。

でも、村上さんの発想は、基本的には自由にさせると。でも、たまにルールを破ったやつがいたら、その例外に対して対処するという。Googleの事業戦略も実はそうじゃないですか。YouTubeを最初にバッと出しちゃって、著作権の問題が出て、その後はなんとかして整ったみたいな。それがやっぱり、才能のある人を活かすという点においては重要なんですよ。

ただ、僕はGoogleに関しては、もう1つ違う視点を持っています。これも次の本に書いてあるんですけれども、なぜGoogleが強いのかと言うと、僕は天才を生き生きさせているからじゃないと思っていて。Googleは、普通の人がめちゃくちゃ楽しく生き生きと働ける環境を作っているから強いと思っていて。

たぶん、Googleのオフィスなどに行ってみるとわかると思うんですけど、普通に働きやすいというか、シンプルにジュースも飲み放題だし、食堂もなんかめっちゃおしゃれだったりするじゃないですか。

それは実はすごく大事で。さっきの天才・秀才・凡人もそうなんですけど、その三者の全部を一括して働きやすい職場は存在しないと思っています。

大槻:あ、そうなんですか。

北野:三者をそれぞれ働きやすくするような制度や施策を打つことが、僕はすごく重要かなと思ったりしますね。だから、結論としてはすみません。なんだかほっとくみたいな話になっちゃうんですけど。

大槻:ほっといて、なにかしでかしたら謝りに行くと。

採用に強いのは「体臭が出ている組織」

北野:(次の質問は)これね。「期待値との差分は理解します。しかし、もともと期待の低い、最低限のルーティン業務ができない人に対しては、どうしたらいいのでしょうか?」。これは元も子もない話なんですけれども、これがもしも本当にそうであれば、採用でミスっていますよね。

大槻:そこの時点で、ということですよね。

北野:これがもし本当にそうなのであればですけどね。だけど、これはやっぱり日本型の採用の一番の課題で。やっぱり日本型の採用は、ちょっと嘘をついてでも、かっこいいことを言ってでも人を採ろうとするじゃないですか。それは絶対に違うと思っていて。

よく「採用に強い組織はなんですか?」と聞かれるんですけれども、それは「体臭が出ている組織です」と言うんですよ。「体臭が出ている組織」って、いわゆるサイボウズとかもそうだと思うんですけれども、サイボウズも「絶対に俺と合わないな」と思う人っているじゃないですか。いらっしゃいますよね、たくさん。

大槻:(笑)。いますよね。

北野:それが出ているか出てないかって、実はすごく重要で。それってやっぱり、わかりやすく言うと、たぶん結婚とか友達もそうだと思うんですけど、めちゃくちゃいい旦那さんだと思っていたけど、結婚してみたら、ぜんぜん違ったというのって、一番期待値を下回るわけですよね。

だから、これは本当は、採用において「自分たちはこういうものを求めますよ」というのを提示したうえで入ってきてもらえるようにしないと、やっぱり永久にこの不満が出ますよね。大槻さん的には、この質問に関してはどうですか? 

大槻:そうですね。なんだか気になるのは「先ほどの期待値の関係で考えると、本当にそうなんですか」と。あなたの解釈で(そう思っているだけで)……。本当は何かできる方なんじゃないですかと。この方の得意なところを見出していない可能性も(あるんじゃないかなと)。

一人ひとりが本当に働きやすい環境をつくるために大切なこと

北野:僕もどちらかといえばそっちなんですけどね。そう思いたいし、そうなんですけど。やっぱり、僕がチームマネジメントのときに重要視しているのは、かなり細かく丁寧に一人ひとりに対して、業務のアサインメントなどをやるんですよ。

実際にお見せできたらいいんですけど、たぶん引くぐらい丁寧にやっていて。どういうことかというと、本当に1人に1枚ずつぐらい(紙に書いて)、「あなたの目的はこれで、背景はこれで、でもあなたの強みはこれですよね」と。「こういうところはちょっと苦手ですよね」と。「だから、こういうふうにしてバリューを出していきましょう」と。

「もしあなたが、半年後とか1年後に市場価値を高めるのであれば、こういうふうにメディアに出たりしたらめっちゃいいですよね」というようなことを、丁寧にやるんですよ。そこまでやる必要はないんですけど。だけど、人間は本質的に違うという前提に立つのであれば、それぐらいやらないと無理ですよね。

だって、みなさんが(ご自身の)お子さんを見たときに、長男長女でもやっぱりぜんぜん違うじゃないですか。

だから、本当に人々が働きやすい環境を作るには、別にそこまでやる必要はないと思いますけど、自分と相手は違って、その人にとってベストなものはなんなのかを考えないと、本質的には厳しいですよね。すみません。これはちょっと理想論なんですけど。

大槻:なるほど。

風通しの良い組織では、衝突も起こりやすい

北野:大槻さん、なにか気になるものはあります? 

大槻:いや、もうぜんぜん選んでいただいてあれですけど。この、きもりたさんの質問にいきましょうか。「自分と他人が違うことを念頭に置いてマネジメントするとなると、自分か相手のどちらかが我慢する必要性があるかなと感じたのですが、それを避けて上手にマネジメントする方法はあるのでしょうか?」。

北野:大槻さん、これはどうですか。

大槻:どうなんですかね。我慢は良くないと思いますけどね。

北野:これは、すごくストレートに言っちゃうと、ぜんぜん違って。まず相手と自分が同じだという前提のほうが、あきらかに不満が溜まるんですよ。「なぜ俺と同じことができないのか」、「なぜ相手は同じことができないのか」ということになるので。

まず(お互いが同じと考えるほうがやりやすいという)前提がちょっと違うんですけど、めっちゃ大事なのが、期待値を調整するとか、相手のことを思うとか、さっき言った風通しがいいというのは、意見を言わないこととはまったく違います。

それを次の本でも言っているんですけれども。確かに風通しの良さも大事なんだけど、「風通しの良い組織では衝突もめっちゃ起こるよ」とも言っていて。

大槻:ああ、いいですね。

北野:やっぱり、自分が意見を言いやすいということは……要は優しいというのは、日本において2つの主義があって。パターンAでは「自分の意見を言わずに相手の意見をくみ取ってあげるのが優しいことだ」と思う人もいるんですよ。

パターンBでは、「いや、自分の意見はしっかり言うし、でも相手の意見もきちんと受け入れる。自分の思っていることをちゃんと言うことが優しさである」というのと、ぜんぜん違うわけですよね。

風通しが良いとか、相手に対する期待値を調整することは、意見を言わないこととはぜんぜん違う。そういうのは、めっちゃ大事じゃないですか。サイボウズもそうじゃないですか。

大槻:確かに。サイボウズの社内なんて、毎月のように炎上してますからね。

北野:そうですよね。

大槻:先月も特大級の炎上がありまして(笑)。社内がもうめちゃくちゃ盛り上がったんですけど。それが可視化されているので、炎上を通じて学んだり、意見や期待値が合っていく。本当にその効果を感じますね。

チームには「2つの方向性」がある

北野:僕が最初にチームによく言うのは、「俺たちのチームは2つの方向がある」と。「1つは相手に対して、自分が同じだという前提に立って、意見はあまり言わないし、忖度をする」と。

もう1つは、「自分の意見は自由に言っていいし、自由にしゃべっていいけど、意見は衝突させる。どっちが本当の意味で、働きやすいと思う? 風通しがいいと思う?」と聞いたら、それはだいたい「後者かな」と言うし、そういう人を自分で選ぶというのもありますけど。それはけっこう、選ばなきゃいけないのかなと思いますね。

大槻:なるほど。

北野:しゃべりまくってすみません。

大槻:いえいえ。ということで、お時間がまいりましたので、この辺でまとめていきたいと思います。今日は本当にいろんな気づきがあったかなと思うんですね。キーワード、人それぞれ価値判断の基準が違うという立場で見ていますか、と。あるいは、相手と期待値を合わせていますかと。「風通しって、実は売り上げや利益、成果につながっていくんだよ」といったお話もあったと思うんですけど。

ぜひ、この辺りをご参考にして、日々の業務や働き方改革に取り組んでいただければなと思います。最後に、働き方改革に取り組むみなさんに対して、北野さんから一言いただいて、終われればなと思います。

北野:そうですね。今日、僕がお話ししたことは確かに理想論もたくさんあると思うんですけど、サイボウズ(CybozuDays)に来られている方々は、それでもやっぱり理想に近づけること(を目指していく)。完璧な理想はたぶん無理だと思うんですけど、でもやっぱりそれが僕らのミッションだと思うので。

一緒に少しでも働きやすい職場を作っていただけたら、僕としてはめちゃくちゃうれしいですし、今日来た甲斐があったかなと思います。

大槻:なるほど。ありがとうございます。今月末に出る本、もう、買わないと(笑)。めちゃくちゃ気になる。

北野:(笑)ありがとうございます。

大槻:今日の学びが詰まっている感じですもんね。そちらのほうもみなさん、ぜひご参照ください。今日は40分、北野さんにお話を伺いました。どうもありがとうございました。

北野:ありがとうございました。

(会場拍手)

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