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医療法人清水会 京都リハビリテーション病院(全1記事)

2020.01.21

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嫌いだった「kintone」が“自分だけのスキル”に 社内導入から複業につながるまでの道のり

提供:サイボウズ株式会社

2019年11月7~8日、幕張メッセで「Cybozu Days 2019」が開催されました。7日には、全国のkintoneのユーザーのなかから選ばれたファイナリストたちが活用事例を発表する、「kintone hive tokyo vol.10/kintone AWARD」が行われました。日々の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有したイベントの模様をお届けします。本パートでは、医療法人清水会 京都リハビリテーション病院のスタッフ、瀧村孝一氏が登壇。同病院スタッフの業務負担削減に貢献した、kintone開発の考え方やソリューション方法について、具体的な事例を交えて語りました。

患者の受け入れ体制に大きな課題があった、京都のリハビリ専門病院

瀧村孝一氏:お願いします。ということで、まず、自己紹介させてもらいます。家に筋トレ部屋がある。これ、僕の部屋なんですけど、こういう変わった人間です。

体育大学を卒業していまして、そういう経緯もあって家にこういうものがあります。趣味は筋トレとブログです。

卒業してから(の経歴は)介護職、相談員、営業。同じ法人内でジョブチェンジをしていきながら、今、京都リハビリテーション病院で、入院や退院の相談支援を受けるお部屋に所属しております。

病院の紹介ですけれども、京都の京都市伏見区で、64床全部がリハビリ病棟の病院。救急車は来ないんですね。救急車で来られて治療した方が、当院でリハビリする。なので、当院には大きな課題があったんですよね。

これですね、99パーセント。何かなというと、当院は救急車が来ないので、他の病院で治療をした患者さんを、転院で受ける。法人内で対象となる患者さんはおらず、すべて紹介となってくると、外部の医療機関の関係性というのが非常に大事です。

関係性ができているのかというと、できていないんですね。平成28年4月に、病院をリハビリ(専門)の病院に変えまして、紹介がなかなか増えないと。

僕は、10月に転職してきて、営業をかけました。紹介数がグッと上がったんですけれども、お電話をいただいてから入院が決まるまでの折れ線グラフが、グッと伸びてしまったと。

(患者の)99パーセントが紹介で成り立っている病院が、こういう数字を出してしまうと、「京都リハビリテーション病院、紹介してもぜんぜん取ってくれない。遅いんじゃないかな」という声がありました。

残業の原因は「会議資料づくり」 視認・共有・印刷しやすいkintoneとの出会い

そうならないようにするには、基本17時で(病院の営業時間が)終わるんですけれども、毎日明日の準備をする。明日、朝一8時半に会議できるようにするためには……というふうに会議資料を作っていくと、20時半になりますよね。21時、20時半は当たり前という感じで、なかなか家に帰ることができない。

でも、印刷はしないといけない。Excelで先生方に配る資料を作らないといけない。そういう背景がありまして、見やすく、共有しやすく、印刷もしやすいツールを探していました。いろいろ調べたところ、「kintone」というのがあるらしいということで、「kintone」を入れました。

ただ単に入れるのではなく、Excelみたいに使えるようにならないかなと調べたら、TiSさんのこういうプラグインで、パッとExcelみたいに使えると。「kintone」って、1回1回レコードというものを開いて更新しないといけないんですけれども、「これやとExcelみたいに使えるよね」と。

また、「kintone」はJPGやPNGなどの画像データはプレビューできるんですけど、なぜかPDFはできないんですよね。PDF(のリンクを)押したらダウンロードされてしまう。

もちろん社用のパソコンなんですけれども、けっこう個人情報を扱うので、そのPDFをダウンロードするのはどうかと。そこで、そのブース(注:本イベント会場内でのブース出展エリア)にもあるJOYZOさんの「PDFプレビュープラグイン」。これを入れてみました。

他にもいろいろやって、僕の中では「これ、めちゃくちゃいいやん」と。「みんなめちゃ使いたいやろ」と、毎日毎日だいたい3ヶ月ぐらいプラグインを探しては、カスタマイズをしていました。

スタッフのニーズに合わせてサポートし続けた結果、1日3時間の残業削減に成功

現実はこうですよね。「Excelと何が違うんか」とか、プラグインを入れると画面も変わるので、「急に画面が変わってもう使いたくない」と。僕は自己満足に浸っていただけなんですよね。

ある意味、病院のスタッフからしたら、僕がモンスターになっていた。「『kintone』やめたほうがいいんじゃないかな」と話をもらったんですけど、3ヶ月ずっとやっているんだからやめたくない。

また新しいプラグインを入れるんですよね。こういうふうにログインする人によって画面が変わる。色付き(のセル)があったりとか。「僕はExcel画面がいい」とか。

こういうのを入れたりとか、僕が毎回毎回、話(使い方の説明)をしに行くことは難しいので、「こういうふうに『kintone』って使えるんだよ」というのをZOOMで話す。ZOOMは録画できるので、話した内容は「kintone」でまた共有する。

こういうことをやっていく中で、「kintone」のアソシエイトやアプリデザイン(注:kintone認定のスキル)も取って、「瀧村の言っていることは嘘じゃないよ」ということをアピールしました。

結果、赤いところが「kintone」を使う前。黄色が「kintone」を使ってからの数字。冬場は申込みの数はグッと上がるんですけども、黄色のところを見てわかるように、グッとお待たせすることがなくなったと。

これが「kintone」効果かなと。これはうちの娘と息子です。企業主導型保育所に預けているんですけれども、だいたい今だったら17時10分にはタイムカードを押して帰ります。

17時20分くらいには保育園に迎えに行って、18時くらいには奥さんを待ちながらご飯を作ると。非常に僕もうれしいという感じで、「kintone」のおかげで働きやすい環境になったと。ここまでがkintone hive osakaまでの話。

プログラマーでなくても、プラグインを連携すれば“何でもできる可能性”は広がる

ここからが、hive(の登壇が)終わってからの話。スタッフから「瀧村さん、こういうことできないですかね」と。

利用者さんの情報があって、ボタンを押すと月曜日に使う利用者さんの帳票を作る。必要な情報だけを作る。そういう運用をしていたんですけれども、結局、CSVで吐き出してデータを1回まとめて傾向を知る必要があった。

「じゃあ、瀧村さん。ボタン1個で1個のアプリになったら集計が簡単になるでしょ」と。「簡単やと思うんですけどできない」となった。

なぜなら、僕は別にプログラムを書けるわけでもなければ、プラグインも作れない。「こういうプラグインがあったらいいんかな」と思うんですけども、実際探してみたらなかなかなくて、「ごめんなさい」と言うことになったんですけれども。

僕はサイボウズさんに言いたいのが、「何でもできるわけじゃない」と。「kintone」ってけっこうキラキラしていて、「何でもできますよ」というイメージがあるんですけど、なんでもはできない。ただ、“何でもできる可能性”はあると。

どうしたかといいますと、そちら(のブース)にありますR3さんの「gusuku customine」。こういうふうにチョチョッとやりたいことを選んでいくと、あとでプログラムが「kintone」に飛ぶという、連携サービスがあります。

ちょっと見にくいんですけど、これをやることで、例えば水曜日に利用した人。ここが水曜日に利用する一覧。レコードコピーを押すと1つのアプリに全部帳票として飛ぶ。

ここからは標準機能で、うちのスタッフはスマホを持っていきながら、「今日は10時から10時44分までリハビリしましたね」とやると、うしろで標準機能で20分1単位、44割る20は2なので勝手にここに2と出てくる。ここに計算式を入れていくと、1日の売上がわかるというような仕組みで運用しています。 

やがて周りに認められ、複業でkintone連携・導入支援も

(今回のセッションのタイトルで)「人生が変わった」と書かせてもらったんですけれども、kintone hive osakaの時の僕の名刺がこちらです。今の名刺は、ICTプロジェクトマネージャー。

なんだかわかんないですよね、僕もね。ただ、「kintone、kintone」と言ってて、地域医療連携室のメンバーは全員「kintone」を使えるわけではないんですね。瀧村がやっているというところから「名刺にも書いていいよ。仕事にしていいよ」と言ってくれたと。

ありがたいことに、株式会社MOVEDというところで、「kintone」の連携であったりとか、「kintone」の導入支援を複業でさせてもらったり、今日ここにも付いているんですけど、「kinbozu(キンボウズ)」というブログもさせてもらっています。

ここまでいくと、僕がすごいキラキラ……頭はキラキラしているかもしれないですけれども(笑)、すごいキラキラに見えると思うんです。でも、僕ももちろんイライラしますし、枕は濡らさないですけど濡らしかけるときはあると。

僕、なんでこんなに「kintone」が好きなのかなと考えた。実は先日、家を建てたんですけれども、うちの奥さん真面目なんで、「みんな健康で過ごせますように」、(柱に)こういうこと書くんですよね。おわかりやと思うんですけど、僕は「kintone」って書いているんです。

家の柱にこれを書くってけっこう奥さんに怒られたんですけれども、こういうかたちで好きになればいいのかなと思うんです。

自由に使えるからこそ、連携サービスを駆使してコスパも追及できる

ただはじめの頃、僕は「kintone」が大嫌いでした。だって、「なんでもできるよ」と言われてやってみたら、何にも入っていないアプリがあって、ここからどうすればいいのか。担当の人に電話してもいいのかわからないし、「kintone」の本と言ってもそのときはぜんぜんなかったので、結局、ググるしかなかった。

ググッていくと、どんどん業務改善ができていって、こういうかたちで今は「kintone」が好きです。明日には嫌いになるかもしれないけれども、今のところは「kintone」大好き。

1つ、みなさんにちょっと提案というか、うちでやっている新しいことなんですけれども、うちは職員が約700人ほどいます。700人にアンケートを取りたいと思ったときに、トヨクモさんの「Form Bridge」というのがありまして、Web上でアンケートが取れるというアプリです。

Web上でアンケートを取った結果を「kintone」に飛ばす。(病院内で)「kintone」を契約しているのは15ユーザーしかいないけれども、700人全員にアンケートが取れる。その後のフィードバックを、「kViewer」というまたトヨクモさんの連携サービス。これを使うことで、700人が仮想「kintone」ユーザーになると。グルグル回りますよね。

お金の計算をしてみたんですけど、だいたい「kintone」15ユーザーとkViewer、Form Bridgeを入れると約60万円。700人全員に「kintone」のスタンダードコースを入れると約1,200万円。

僕の中でこういうことしたらいいんじゃないかなと考えるだけで、コストパフォーマンスも追求することができる。1,200万円の稟議なんて僕も書けませんので。年間60万円で、もちろん他の使い方もありますので、どうかなというところですよね。

家族の日常生活にも可能性が広がるサイボウズのツール

最近やっているのが、「チーム応援ライセンス」ってみなさん知っていますかね。NPO法人とか任意団体が年額9,900円で、「kintone」「Garoon」「メールワイズ」「サイボウズOffice」を300ユーザー分使えるというもの。

僕、この前、瀧村家として申し込んだんですね。僕と奥さんと子どもたち。それで通ったんですよ。今は「Garoon」を使って、家計簿や家族のスケジュール管理をしています。

そうなってくると、例えば子どもが小学校に入ったとき、「kintone」で朝顔の観察日記を書いて、先生に見てもらう。先生も、もちろん毎日出勤しているわけじゃないですよね。

夏休みと言いますけれども、要所要所で出勤しているので、夏休みが終わってから全員分の日記を回収しなくても、これやったら先生が出勤したときに、「あ、瀧村さんのところの子どもは10日分までは書いているよね」と。こういうことを僕はどんどん進めていったほうがいいんじゃないかなと(思います)。

仕事だけじゃなくて家族も、「kintone」などのサイボウズ製品で豊かにすることができるということを、常日頃思っています。

もっともっと喋りたいんですよね。みなさん、このあと僕のブログ『kinbozu(キンボウズ)』。「キンボウズ」で調べたら、ぜんぜん競合がないので出てきます。

病院でどういうことをやっているか、あとは家族でどうやっているかも『kinbozu』に書いているので、よければまた見ていただいて。Twitterとかも、このあとたぶん、僕ひたすらつぶやいていると思いますので、また見ていただけたら。

1人ではできなくても、チームを巻き込めばツールは格段に使いやすくなる

時間もあと1分しかないので、最後に言いたいことがあるんですけれども。こちらはうちの地域医療連携室のメンバーです。左側は「kintone」パーカー、右側はサイボウズパーカーを着ています。

結局、僕がどれだけ「kintone、kintone」と言ったところで、1人で「kintone」のことをしてしまうと、僕の仕事を誰かが代わりにしないといけないんですよね。

他の部署は、最初言ったように、「ああ、『kintone』って使わんほうがいいんじゃないかな」という話があったんですけれども。

このメンバーだけが「瀧村が言うんやったら『kintone』使ったらいいんじゃないかな」ということで、2年半前から文句も言わずに使ってくれている。このメンバーがいるからこそ、今、僕はここに立っているのかなと思っています。

なかなか1人ではできないことも、4人とか5人、チームが集まることで「kintone」が非常に使いやすくなる。さらに、これからもこういうふうに外に出ていきたいと思っていますので、もっとこのメンバーに迷惑をかけると思うんです。

けれども、毎回「行っておいで」と言ってくれはるので、こういうメンバーを持てたことが僕の一番の誇りです。

みなさんにもそういうメンバーがいると思うので、今一度、楽しむことを考えながら、残りの5人のみなさんのセッションを一緒に聞けたらなと思っております。ご清聴ありがとうございました。

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