2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:LINE株式会社
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池邉智洋氏(以下、池邉):みなさん、おはようございます。本日はLINE DEVELOPER DAY 2019 2日目へお越しいただきありがとうございます。私は、LINEでサービス開発担当の執行役員を務めております池邉と申します。
本日2日目、よろしくお願いいたします。まだ午前中ですし、こちらのセッションはオープニングということで、ものすごく重い深い技術の話というよりは気楽な感じのお話をしたいなと思っております。気楽に聞いていただけると私の緊張も和らぐので、楽に聞いてください。
本日お話しする3つのことなのですが、まずはこのLINE DEV DAYというイベントについて、簡単にこれまでの振り返りや今後の話をさせていただきます。
また、本日は「Production」をテーマとしております。そこにおいて、我々のLINEが提供しているモノづくりのための道具として、デベロッパー向けプロダクトがございますので、そのご紹介をさせていただきます。こちらのパートは私ではなく、担当役員の者に交代してお話ししようと思っております。
最後にLINEの開発カルチャーについて。我々のモノづくりにおいて、開発カルチャーは非常に重要な要素であると思っております。ですので、最後に開発を支えるエンジニアリングのカルチャーについてお話しします。
今日は2日目なんですが、昨日も来ていただいた方はどのぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
半分よりちょっと多いぐらいですね。ありがとうございます。昨日もいらっしゃった方は重複になってしまうかもしれませんが、まずはLINE DEV DAYについてお話したいと思います。
LINE DEV DAYの日本での開催は、今年で5回目になりました。
今回は前回までと大きな違いが1つあります。前回まではエンジニアのためのイベントということで、エンジニア色が強く、エンジニアオンリーみたいな感じでしたが、今回はLINEからの登壇者としてエンジニア以外にも、開発に関わるプロダクトマネージャーやデザイナーに登壇してもらったり、外部からお呼びしたゲストの方のトークも増えております。
また、昨年はポスターセッションという形でしたが、今年はブースも設置しております。そのようにいろいろな情報を増やして、みなさんにたくさんの情報をお土産として持って帰ってもらいたいなと準備をしていたら、今回は2日間の開催になりました。
2日間、それぞれテーマを設定しています。1日目のテーマは「Engineering」ということで、サーバサイドやAI、インフラ、セキュリティなど、技術の深いところに関わるセッションを行いました。
本日2日目のテーマは「Production」。クライアントサイドであるとか、UI/UX、プロジェクトマネジメントのような、プロダクト開発を広く捉えた実践的なセッションを多めに配置しております。
今年は、このように開催日程を2日に増やし、セッションの幅を広げるなど、新たな試みをしております。2日目の最初なので若干気が早いですが、今後もLINE DEV DAYを毎年の恒例のイベントとして引き続き進化させていきたいと思っていますので、ぜひご期待いただければと思います。
こちらのハッシュタグ形式のものが今回取り扱うテーマを端的に表現したキーワード群です。我々LINEが本来得意としてきた大規模・高トラフィックな環境でのサーバサイド開発はもちろんのこと、近年我々がとくに力を入れている機械学習分野に関するセッションも、今回はかなり増やしております。また、プロダクトマネジメントやUI/UXなど、プロダクトの開発現場を幅広く捉えたセッションも追加しました。
セッション以外にも、ブースやハンズオン、ポスターセッションもありますので、楽しんでいっていただければと思います。
本日は入り口でパンフレットを受け取ったかと思いますが、これがすごくよくできているんです。裏表になっていて、青いページと緑のページがあります。2日目は緑のページなのですが、今年は緑と青にこだわっています。今日の照明は緑基調ですが、昨日は青かったんです。また、今日お配りしているお水のパッケージも、今日は緑ですが昨日は青でした。
このように、イベントの非常に細かいところまでこだわって作り込んでいるので、そういったところも楽しんでいただければと思います。
こちらが昨日のセッションの様子です。
写真のとおり、青っぽいんですよ。今日は緑っぽいので、ぜひ注目してみてください(笑)。
昨日は非常に多くの方にご来場いただいて、大変盛り上がったと思います。今回は会場に入るときに顔認証をしていただいた方が多いかと思いますが、「間違えられてしまった」とか「入れなかった」という方はいらっしゃいますか?
(会場から手が挙がらず)
いないですよね。あれは自社で保有している顔認証技術で、すごく速くてほとんど間違えないので、今回の取り組みは非常におもしろかったんじゃないかと思います。
さて、我々LINEについてですが、LINEはみなさんの生活をサポートするライフラインになることを目指しています。そのために、我々はプラットフォームを通じてさまざまなサービスをユーザーに提供しています。
そのサービスは、もちろん我々がファーストパーティとして開発しているものもありますが、LINEのプラットフォームをみなさんに使っていただきたいと考え、開放も行っています。
そういった環境を使って、ぜひ多くのプロダクトを作っていただきたいと考えています。そのプロダクトづくりに使えるデベロッパープロダクトを担当している役員の垣内からご説明させていただきたいと思います。それでは、垣内さん、よろしくお願いします。
垣内秀之氏(以下、垣内):みなさん、こんにちは。LINEでデベロッパープロダクトを担当している垣内です。DEV DAY 2日目、よろしくお願いします。
LINEは数多くの方々にお使いいただいています。私たちは、開発者のみなさんが作っているサービスとLINEを使っているユーザーとの距離をもっと縮めるため、LINEのプラットフォームをオープンしてきました。このプラットフォームを利用することによって、新たにアプリをインストールしたり会員登録をする手間をかけることなく、LINEユーザーにサービスを提供することができます。
最初に、いくつか事例をご紹介させていただきます。
ペットの損害保険アイペットさんではチャットボット開発ツール「hachidori」を導入いただきました。リッチメニューから選択して、それぞれのペットに合った保険をわかりやすく選ぶことができます。
保険の申し込みで必要になる証明写真の送り忘れで契約が完了しなかったりするケースがあるそうなのですが、「まだ必要な書類が揃っていませんよ」とリマンドメッセージを送ることで、契約の不成立を80パーセントも削減できたそうです。直接ビジネスに効果があるという事例です。
次に「ビスポ!」さんです。
「ビスポ!」さんでは、LINEのユーザーインターフェースを使って、現在位置や指定した条件で検索をして、スムーズに飲食店の予約ができます。
このようなサービスの場合、Flex Messageなどを使って、ユーザーに選択肢を提示するケースが多いのですが、「ビスポ!」さんの場合は、Rich menu APIを使ってリッチメニューを動的に切り替えて、場面に応じた選択肢を表示することで操作性を向上させているのが特徴的です。本日のスライドは静止画なので動きをお見せできないのが残念なのですが、チャット画面を邪魔しない、とてもいい取り組みだと思います。
次に、JINSさんのLINE公式アカウントでは、リッチメッセージによる選択肢でメガネ選びを支援してくれたり、お店での受付待ちの情報を受け取れたり、独自のAIを使ったメガネの似合い度判定など、ユニークな機能を提供されています。このようにふだん使っているLINEのインターフェースでメガネを選べたりするのは楽しいですよね。
また、一昨日発表されましたが、日本初となる、スマホで買えるコンタクトレンズの自動販売機「TOUCH & COLLECT」も、同社のLINE公式アカウントから利用が可能です。医療機関の受診記録など、あらかじめ必要な情報をLINE上で登録しておいて、店舗の自動販売機でコンタクトレンズが買えるというものです。
決済もLINE Payでできるので、スムーズに受け取ることができて便利だと思います。例えば、明日から急遽出張でコンタクトが足りない。そんなときにも仕事帰りにスムーズに受け取ることができるので、ぜひ使ってみてください。
ご覧いただいたように、かなり作り込んでいろいろなことができるようになります。
垣内:2014年・2015年に、一部の企業様向けではありますが、「LINE ビジネスコネクト」という名称でMessaging API v1を提供したのにはじまり、LINEログインによるサービスとの連携、昨年は「LINE Things」というBLEデバイスとLINEとの連携をする機能など、さまざまな機能を提供してきました。
中でも大きなものはMessaging APIでした。
Messaging APIはLINE DEV DAY 2016のキーノートで発表し、その日にリリースしました。この機能を提供したことにより、一般の開発者の方でもLINE公式アカウントと連携したサービスが作れるようになりました。
公開から3年が経ち、Messaging APIを利用しているLINE公式アカウントは累計で150万アカウントになりました。
これらのLINE公式アカウントからMessaging APIを利用して送られるメッセージだけでも、1日あたり13億通のメッセージが送られています。13億と言われてもいまいちピンとこないと思いますが、すごい数だと思います。
これを安定して配信するプラットフォームは、作るのも運営するのもなかなか大変なのですが、それはまた別の機会にご紹介させていただきたいと思います。
垣内:さて、公開されたときにMessaging APIを一度は試してみた方はいらっしゃいますか? もしかしたら、一度試しただけで終わってしまっている方も多いのではないでしょうか。
Messaging APIも着実に進化しておりまして、いろいろな機能が追加されています。
先ほど紹介したFlex Messageやクイックリプライをはじめ、Rich menu APIなどを利用することで、今ならもっと豪華で便利なものが作れるかもしれません。また、統計情報を取得することもできるようになりました。ぜひ最新の機能を使って開発してみてください。
昨年公開したFlex Messageは、この写真にあるような豪華なUIを実現するためのものなのですが、今年の9月にアップデートされました。より自由になり、画像を目一杯に配置するなど、リッチな表現が可能になっています。Flex Messageを最大限活用することで、チャットボットのUXやユーザーへの印象も大きく変わるのではないでしょうか。
このFlex Messageはとても自由度が高い表現が可能なのですが、私たちはデベロッパーサイトで「LINE Flex Message Simulator」を提供しています。
これを利用すれば、ブラウザでリアルタイムでFlex Messageを簡単に作成し、どのように表示されるかを確認することができます。もちろんその結果をJSONで取得することもできます。
高度な表現を利用してユーザーにリッチなUXを提供することができますし、ただのテキストよりも高いコンバージョンを実現できるかもしれません。ぜひ使ってみてください。
垣内:次はLIFFについてです。
LIFFはLINE Front-end Frameworkの略称で、LINE内で動作するWebアプリを開発するためのフレームワークです。
LIFFはこれまでLINEの中でさまざまな形で利用されてきました。一見、普通のネイティブのものと変わらないのですが、例えばチャットを盛り上げるために、チャット画面の左下の「+ボタン」から開いて、アニメーションGIFを送ったり、LINE上でインストールせずにゲームをプレイしたり、スターバックスカードを使ったり、eコマースに活用したり、LIFFも開発者のみなさまが自由に作れるようにオープンしてきました。
LIFFはWebアプリケーションなのでHTML・CSS・JavaScriptなどスタンダードな技術で開発ができますが、これまでLINEではデバッグ等のツールを提供できていませんでした。
先月、2019年10月にLIFFのv2を公開しました。
大きく変わった点としては、これまでLINE内でのみ動作していたLIFFが、一般のブラウザ上でも動作するようになったことです。これにより一般的なデバッグを、ブラウザ上の開発者ツールなどを使って行えるようになり、開発者はだいぶ楽になるのではないかと考えています。
そのほかにも、新機能をいくつか追加しております。それについては、本日ホールBで13時40分からLIFFのセッションがありますし、LIFFのブースもありますので、興味がある方はそちらをご覧ください。
そして、今後、LIFFを活用した新たなサービスとして、LINE MINI App を提供していく予定です。
昨日から来ていただいている方は2回目なのですが、今日から参加するという方もいらっしゃるとのことなので、昨日のKeynoteから動画を持ってきました。まったく同じ動画です。
(動画が流れる)
この動画では、LIFFで実装したある飲食店の予約機能をLINE MINI Appとしてパブリッシングした例をご覧いただきます。
このホーム画面、見慣れないと思いますが、現在A/Bテスト中のものです。LINE MINI Appとしてパブリッシュされたものはホーム画面から立ち上げることができますし、検索して立ち上げることもできます。
まず、お店の予約をしているのですが、途中で友だちと会話したくなることもあると思います。なので、途中で画面を最小化して友だちとチャットしたり、LINE MINI Appからリッチなコンテンツを友だちにシェアすることも可能です。
そして、LIFFとの大きな違いなのですが、LIFFを開いていないときでもLINE MINI Appから通知を送ることが可能です。なので、予約日時の通知を送ることも可能です。LINEを通じて自分のサービスへのリテンションをより高くして、お店に来てもらうことを可能にする環境を目指しています。
垣内:今日来てくださっている方の中には、LINEでビジネスをされている方もいると思います。そのような方々に向けた機能も提供予定です。いくつか持ってまいりましたので、一つひとつ説明していきたいと思います。
まず、Audience Management。LINE公式アカウントから送信するときに、これまではブロードキャストやユーザーIDを指定した1対1の送信がありましたが、それ以外にオーディエンスを指定して配信できるAPIを公開予定です。
そして、Chat Plugin。LINE公式アカウントの管理画面にチャットの画面があると思います。PC版とスマートフォンアプリケーション版の両方がありますが、そのチャット画面を拡張できるようになります。
画面をお見せできないのが残念なのですが、チャットで会話をするとき、普通のテキストメッセージを送るだけではなく、自社の店舗の在庫情報や予約日時など、システムと連携してリッチなメッセージを送信できるようになります。
そして次に、CMS API。LINE公式アカウントの管理画面のことを私たちはCMSと呼んでいるのですが、その機能をAPIとして公開していく予定です。現在、統計情報を取れるInsight APIがすでに公開されているのですが、今後はショップカードやクーポン機能などのAPI化も考えています。
最後にAdmin API。これだけちょっと毛色が違うのですが、LINEを利用したサービスを提供されている企業様向けに、LINE公式アカウント自体を作ったりアクセストークンを取得したりするAPIの提供も準備中です。
これまでLINE連携するシステムを開発する場合は、LINEをお客様に開設していただいて、デベロッパーセンターからアクセストークンを取得していただいてコピーするといった手間がありましたが、そのあたりの解消を目指しています。
このほかにも、LINEは今後デベロッパープロダクトとしてさまざまな機能を提供していくつもりです。例えばご要望が多い中では、ブロードキャストの速度が速すぎるのでゆっくり送ってほしいだとか、取り消し機能など、いろいろなものを考えているので、ぜひご期待ください。
さて、デベロッパープロダクトの話はこのあたりにして、ここから先は池邉さんにバトンを戻して、LINEのエンジニアリングカルチャーについての話をしていきます。池邉さん、よろしくお願いします。
LINE株式会社
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