2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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司会:「U-25 kansai pitch contest in TOKYOU」トークセッション第2部と言うことで、「資本政策の成功・失敗事例」というテーマでお話しいただこうと思います。モデレーターは、スマートラウンドの冨田さんです。
それでは、冨田さん、宜しくお願いします。
冨田阿里氏(以下、冨田):ではさっそくですが、始めていきたいと思います。廣澤さんから順番に自己紹介をお願いします。
廣澤太紀氏(以下、廣澤):こんばんは。今僕は「THE SEED」という名前でシードファンドを運用しております。2018年の9月からなので、ちょうど1年ほど前にファンドをリリースして、今スタートしているような感じです。今は10社くらいに投資をしています。
出資タイミングとしては本当に起業するようなタイミング、なんなら「一緒に起業してやろうよ」というところから初めて投資させてもらうものがメインになっていて。今1社だけプレスリリースを出しているんですけど、大阪大学で当時1年生だった、入学したての方に投資をしました。
今は東京と大阪を行き来しながら仕事をしてるんですけど、関西発ということもあって、8月中は南海電鉄さんがPoCに協力してくださって、無人カフェのロボットを展開するサービスを一緒にやっていました。もうすぐ公開するんですが、京都大学出身だったり、そういう感じで関西出身者への投資件数が多いです。
僕自身が関西出身で人生のほとんどが関西だったので、土地勘のある関西圏での投資活動にも注力したいなと思っています。今までこういったピッチコンテスト自体が関西でほとんどなかったので、THE SEEDとしても、イベントを開催しています。
あとは、最近だと、京都大学から徒歩5分圏内のところにオフィスを開設することにしています。来週もまた京都に内見に行く予定だったりします。
僕の時間は、東京が3分の2、関西が3分の1みたいになっています。渋谷にもオフィスを持って、投資先のインキュベーションのようなことをしているような状況です。すみません、ちょっと長くなったんですけど、今日はよろしくお願いします。
冨田:ありがとうございます。次は坪田さん、よろしくお願いします。
坪田拓也氏(以下、坪田):よろしくお願いします。さっきのセッションでDMMの亀山さんから「VCがお金を出さなくなる」みたいな話があったあとに、このタイトルでトークするっていう……。
(会場笑)
ちょっとやりにくいですけど(笑)。僕はサムライインキュベートの坪田と申します。約2年前に入社しまして、今は国内スタートアップ企業に対する出資・伴走支援を担当しています。サムライインキュベートのことを知っている方っていらっしゃいますか?
(会場挙手)
あ、想定の8倍くらい知名度が(笑)。
冨田:みんな知ってる。
坪田:サムライインキュベートは、日本とイスラエルとアフリカで投資・インキュベーション活動を行っています。現在は6号ファンドから出資していまして、こちらは基本的には多くの事業会社さんがファンドに出資いただいています。その事業会社の領域に合わせて、今主な投資の対象領域としているのがMaaS、フィンテック、リテールテック、ヘルスケア、物流と建設になっています。
とくに物流や建設は、なかなかスタートアップだけで最初は事業を伸ばしていくのが難しいような領域だと思うんですが、そこをLP(リミテッド・パートナー)さんである事業会社のアセットだったり知見を活かして、一緒に事業を伸ばしていくといったオープンイノベーションファンドになっています。
冨田:ありがとうございます。私はスマートラウンドという、起業家と投資家のためのプラットフォームを提供する会社でCOOをやっています。
スマートラウンドでも、この間初めてピッチイベントをやったんですよ。Zoomを使ってオンラインで、起業家とエンジェル投資家だけ入って。起業家が順番に5分ピッチをするというのをやったら、東京以外からの応募が多くて。
私たちが選考させていただいて、5社ピッチに残ってもらったんですけど、大阪1社、沖縄1社でした。今後もやっていきたいので、廣澤さんとコラボしたいなって今思いました。
廣澤:ありがとうございます(笑)。
冨田:というわけで、よろしくお願いします。みなさん拍手をお願いします。
(会場拍手)
このイベントはスライドがないんですよ。なので、さっそくみなさんSli.doに質問をお願いします。
坪田:もうけっこう来ていますよ。
冨田:あ、来てますね。
廣澤:今いらっしゃる方って、どういう方が残っているんですかね?
冨田:確かに。それを聞きたいですね。じゃあ起業家の方?
(会場挙手)
廣澤:けっこう多いですね。
冨田:そうですね。2、3割くらいかな。誰かと一緒に会社をやってるよっていうスタートアップの方? さっきの起業家の方以外で、スタートアップに所属している方?
(会場挙手)
残り1、2割くらい。今後スタートアップやりたいよとか、やるよという方?
(会場挙手)
多いですね。じゃあ残りはスタートアップを支援したりスタートアップと一緒に仕事をしていくような方?
(会場挙手)
という感じですね。ありがとうございます。
冨田:今回のテーマは「資本政策の成功・失敗事例」です。……堅い?(笑)。このテーマを聞いたときに、「成功と失敗って、何をもってそう言うんだろうな」と思いました。ちょっとお2人の意見もお聞きしたいなと思ったんですけど、そもそも資本政策の成功って何なんですかね? 横を見た坪田さん(笑)。
坪田:成功……ざっくり言うと、実現したいことを実現できたら成功じゃないでしょうか。
冨田:実現するためのお金をうまく集められたら?
坪田:そうですね。
冨田:じゃあ失敗は?
坪田:失敗で言うと、調達金額だったりいわゆるバリュエーションとかもあるんですが、例えば最初に、現状の事業進捗よりも高いバリュエーションでお金を集めすぎてしまい、次のラウンドで調達することができない、または難しくなるといった、わかりやすい失敗は1つあるのかなと思います。
冨田:最近は起業家が「起業しよう」と言うと、けっこうお金が集まりやすくなってるから。「でも、このあと大丈夫なの?」みたいなことも、けっこう言われがちな傾向にありますよね。廣澤さんはどうですか?
廣澤:難しいですよね。資本政策の成功と失敗事例か。
冨田:難しいですよね。どこの点で失敗とか成功と言うのかなと思ったり。じゃあ、さっそくもう質問にいっちゃいますか? そのほうがいいかな。
冨田:じゃあ質問を読み上げます。参加されているVCのみなさんにもお聞きしたいのですが……ということは、審査員の方を含めてベンチャーキャピタルをやってるみなさんに、ということですね。関西のスタートアップに出資される方、手を上げてください!
(会場挙手)
1、2、3、4、5……6。みなさん、されている感じですね。出資してほしい方がいたら、この後直接話しかけるのがいいのかな。「出資されますか?」という質問だったので。
廣澤:今日のイベント自体、関西から来てる方ってどれくらいいらっしゃるんですか?
冨田:確かに。今関西から来てる方?
(会場挙手)
廣澤:これだけいたらすごいですね。
冨田:ここは六本木ですもんね。ありがとうございます。
坪田:別に「関西だから出資しない」とかないですよね?
廣澤:むしろ僕は「関西でも投資していきます」って宣言したので。
坪田:単純に、東京に拠点を置いていると、どうしても東京のスタートアップと接触する機会が多いので、同じような比率で東京に出資してる数が多いだけで、関西だから出資しないとかの縛りはないですね。
廣澤:(質問のスライドを見て)冨田さんがスマートラウンドに転職されたのは……?
冨田:この質問、私を知っている方なのかな(笑)。「スマートラウンドに転職されましたが、VCさんや投資家さんとどんなお付き合いがありますか」。あ、すごくいい質問ですね。ありがとうございます。
スマートラウンドは、起業家に対して資金調達業務と株主コミュニケーションの円滑化を、投資家に対しては投資事業におけるソーシング、クロージング、モニタリングの効率化を実現するプラットフォームです。
自分の会社の経営情報や資本政策やピッチデック(プレゼン資料)などを入れられるようになってるんですけど、権限を付与して簡単に共有ができ、ガイドに沿って入力するだけで、資金調達計画を作成できます。
VCのアソシエイトの方などがソーシングのために最近使い始めてくれてるって、昨日ICC(Industry Co-Creation サミット KYOTO 2019)で聞きました。本当にありがとうございます。
私が今やっていることとしては、VCにパートナーになっていただき、既存の投資先との情報共有に使っていただいたり、今後投資する先とのコミュニケーションに使ってくだけるように使い方の説明をさせていただいてます。すごく具体的な回答をしてしまった。ありがとうございます。
冨田:では次へ。関西など地方で資金調達するにはどんな方法がありますか?
廣澤:タイトルについても思っていたことが一つあって。僕は関西で、2015年くらいから3、4ヶ月に1回くらいの頻度で現地の大学生を対象にしたミートアップを開いていて。だいたい70、80人くらいが毎回来る感じなんですけど、「どうやって資金調達したらいいですか?」という質問が学生からめちゃくちゃあがるんです。
でも、「どうやって資金調達するか」という方法論よりも、「どういう方に株主になってもらう方が良いのか??」であったり、「そもそも資金調達すべきなのか?」というところについて、もっと考える機会が増えた方が良いし、そういったことが重要だという認識が関西圏だと特にひろがるとよいんじゃないかなと思っています。
関西圏での資金調達だと、エンジェル投資をする方が、あまりスタートアップについて、スタートアップへの投資について知らないことが沢山あります。バリュエーションをつけるということを知らないケースが多く、資本金200万円に対して、100万円出してくれたら50パーセント持つ、みたいな話はよく聞きます。
こういったことがけっこう普通にあるんですよ。そもそも、そういったエンジェル投資家をなんで選んじゃったのか、という話もあるし。たぶん挑戦する方々にお金が集まりやすい環境になっているので、お金をどうやって集めるか以上に、お金を得たあとによくある失敗であったり、そもそもどういう人と一緒に進めていくかを考えたほうがいいんだろうなと感じます。
冨田:私も激しく同意ですが、坪田さんはどうですか?
坪田:誰も悪気なく、みんなが不幸になったり失敗してしまう、というかたちですよね。エクイティでの調達みたいな観点で言っても、僕はもともと関西でずっと学生をやっていたので、やっぱり東京に初めて来たときに、情報量も感度もぜんぜん違うことにすごい刺激を受けました。
確かに東京は流れている情報は多いんですが、地方からでも取りに行こうと思えば取りに行けるので、さっきのセッションでもおっしゃっていた「DMを送っちゃってすぐに会ってみる」とか大阪にいながらでも東京にいる投資家にできるんですよね。そういうことはガンガンやってもいいのかなと。
あとは事業モデルにもよるんですけど、エクイティの調達をしなくても、調べてみると意外と自治体の補助金の制度があったり、創業融資なども手厚くやってたりもするので。そういうのも一応ちゃんと調べてみたほうがいいのかなとは思います。
冨田:確かに。私、このセッションをするにあたって、資金調達について事前にいろいろググってきたんですけど……。
坪田:ググったんですね(笑)。
冨田:ググりました。この質問の答えはけっこう載っています。資金調達する方法を10何個くらいまとめてくれている記事が、起業ログというメディアにあって。助成金とか、普通に借りるという話とか、ピッチコンテストで獲得するようなものも含めて網羅されている記事でした。
どっちかと言うと、何のためにどうお金を使うかという、最初おっしゃっていただいたところをみんなに相談したり、こういう場で聞くのがいいかなって思いました。
廣澤:あとHowというところだと、昔、確かY Combinatorのエッセイで読んだんだと思うんですけど……。
冨田:かっこいいですね、それ(笑)。
廣澤:ファイナンスをしていくとなったとき、その目標額であったりファイナンスのストーリーであったり、どうやって使うかが決まったあとは、営業のファネルとほぼ一緒だ、というようなことが書いてあって。
100人に連絡して、50人がミーティングしてくれて、そのうちの1人が決まったらそれでいいわけなので。基本的にそこをやってないケースがほとんどです。ファネルの一番最初の「連絡を取る」とか「接点を作る」というところの努力が足りてないことがほとんどなんです。
まずそれをやって改善していく、ということくらいなんだろうなと。ほとんどの場合は返信が来ないんですけれども、返信が来ないのであれば、もう1回送ればいいだけだと思うので。本当に、Howでいくとまずはそういったことな気がしてます。
坪田:あとHowについて1個言うと、例えば調達するときに複数社さんに当たっていて、その後しっかり調達できている人って、最初はけっこうフィードバックを受けまくってまだまだ調達できない状態でも、毎回質問を受けたものをQAリストみたいに貯めているということがありました。
それに対する解答を作ったうえで次の投資家に臨む、ということを繰り返していくと、いずれ事業の解像度も上がって、どこかのタイミングで調達できている。
冨田:めっちゃいいHow。
坪田:逆にうまくいかない場合って、そこを貯めずに「あ、そうですね」と流してしまっていたりします。2回目も同じことを聞かれて詰まってしまうようなこともあるんですよね。1社に断られても、そこでぜんぜん終わりじゃないので、むしろいい機会にできたらいいのかなと思いますね。
冨田:今のはめちゃくちゃいいアドバイスだなと思っていて。私も1回自分で事業をやろうと思ったことがあるんですけど、とりあえず1人に会って20個くらい質問をもらって、その答えを全部持って次の人へ行って、とやっていくだけで、事業の稼ぎ方もいろいろ変わってくる。
自分がやりたいことだけを突き通して、あとはもらったアドバイスをもとにビジネスモデルを変えてみたり、いろいろ考えていけるので。絶対にその1回を無駄にしないというか、1回のミーティングでさらにいいものにする。投資家の人を使うという言い方はあれだけど、脳みそを借りたらいいと思います。
冨田:「プレスを出す資金調達と、出さない資金調達の違いは何ですか?」という質問が来ています。どうですか? 投資家からすると「プレスを出したほうがいいよ」とか、「やめときなよ」みたいなアドバイスってされますか?
廣澤:僕は去年、全社に対してプレスを出すのを止めました。
冨田:止めた? その心は?
廣澤:理由はけっこうシンプルで、「起業してファイナンスしたんです!」という感じで、ただ友達に知らせたいくらいのテンションだったりしたんですよ。でも、こんなのってよくある話で。今までとはちょっと違う環境になって、とりあえずそれっぽいことをしたいみたいというような。承認欲求が多少出てくるところは、正直あると思うので。
リリースを出したいという話をもらったときは、その目的は何か、今出した方が良いのか、といのを聞いていまして。その話のときは、「別に事業的にやる意味がないのであれば、今回はやめよう」というので出しませんでした。投資先に対しても「今回は出さなくていい」って話を、なぜかというのとセットで話します。こういうタイミングが来たらこういう出し方をしようというところまで、一緒に考えて話をしています。
坪田:僕も昔事業をやっていたんですが、やっぱり最初って泥臭いじゃないですか。泥臭くて、まだアプリとかもなにもない状態で、いろんな人にヒアリングしたりとか。「あいつ、最近何やってるんだろう」みたいになってきて(笑)。だからこそ、「アプリ出したい」とか「プレスリリース出したい」とか、目に見えるものを出したいという欲求はやっぱりあるんですよね。
プレスを出す場合で言うと、やっぱりプレスリリースの情報を掲載していただいたメディアの対象読者がターゲットになる場合などです。つまり、出すことによって事業にレバレッジが効くパターンのときは出します。出さないときは、事業を実現させるために面を押さえることのプライオリティが高い時ですね。競合にとって参入障壁のある事業アセットが構築されるようになるまでは、プレスリリースするリスクも大きいと思っているからです。
とくに僕らはシード期のスタートアップに出資をさせていただくので、そうすると必然と出さないことのほうが多くなりますよね。
冨田:私は「スマートラウンドで資金調達しました」というプレスリリースを、自分が転職を考える前に見たんです。スマートラウンドって投資家と起業家に使ってもらいたいサービスなので、出したことによってサービスの事前登録がめちゃくちゃ増えました。
プレスを出すのにたぶん3万円くらいかかるのかな。なので、費用対効果はあったなと思っていて。ユーザーの獲得コストとしての、事前登録やローンチを告知して、それがバイラルで流行るのであれば、そのタイミングで出してもいいと思いました。
坪田:サービスの相性もありますよね。
冨田:「さっきの亀山さんたちのセッションで話に出たWeWorkって、VCから見て何がダメだったんでしょうか?」という質問が来てるんですけれど。
亀山さんたちのセッションで、「WeWorkが上場したけど、株価がもともと4兆円越えでって言われてたのに、結局2兆円だった」という話なんですけど。お2人からなにか補足というか……解説を。VCから見てなにがダメだったんでしょうか?
廣澤:これは萩谷さん(KVP キャピタリスト)という方が答えてくれます。
冨田:あはは(笑)。
坪田:今日はもともと登壇者が3名だったのが、急遽2名になっているので。積極的に会場のVCの方、審査員の方にも話を伺うスタイルで今いこうとしています。
廣澤:株式会社KVPの萩谷聡さんという方です。
萩谷:めちゃめちゃ難しい質問ですね。
廣澤:めちゃめちゃ難しいですよね。
萩谷:でも一説には、ネットワーク外部性が効きにくいモデルの不動産ビジネスだったということで、「テクノロジーの要素がUberとかAirbnbに比べて少ない」という話がありますね。一般投資家がそういう懸念を持ったのかなという印象です。すごくありきたりな答え方ですけど。
廣澤:ありがとうございます。
坪田:不動産というところで、東急株式会社の福井(崇博)さんはどうですか?
冨田:あてるという(笑)。確かに聞きたいですね。
福井:いや坪田さんね、知ってると思うんですけれど。僕は日本郵便を退職して1年も経ってないんですよ。だから僕、不動産は素人なんですよね(笑)。だからわかりません、みたいなところがあるんですけど。
でも質問の意図が、「投資家から見てWeWorkの事例は失敗だったのか」という感じに取れたので。もしそうだとすると「投資家が回収しきれないから単純に失敗だ」という話でしょうけど、それ以前に(資金を)入れている人は別にぜんぜんいいんじゃないかな、と思ってたりしたんですけど。どういう質問の意図なのか、ちょっと気になりました。
冨田:質問された方、もし補足があれば「補足です」みたいな感じで、またコメントしてください。
株式会社MJE
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