2024.10.10
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女性エンジニア対談(全1記事)
提供:株式会社ビズリーチ
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――まずはお二人の自己紹介とこれまでのキャリア、エンジニアに興味を持ったきっかけについて教えて下さい。
幸左絵美氏(以下、幸左):私は東京大学で医学部を専攻していました。患者さんを診る臨床ではなく、医療用の手術ロボットや診断の補助となる機械など、MedTechと言われる医療用のテクノロジー分野を研究していました。
MedTechにおいては、医学部と工学部の連携が必要です。ですが、医学部の学生は高校のときから生物をメインに勉強しており、工学やプログラミングの知識はほぼありません。逆に工学部の方は生物や医療の知識が不足しています。そのため連携は難しいところがありました。
一方、大学在学中に留学したスタンフォードの学生は大学で工学を勉強してから医学部の大学院へ進学することもあるのでプログラムも不自由なく書けますし、医学部でありながら、工学のプロフェッショナルな学生とも対等に話せる知識を身に着けています。
そのような状況を見てきたからこそ、日本における課題をより一層感じました。そこで、MedTechの分野を発展させたいという思いもあり、新卒で外資系の投資銀行に入社しました。医療用ロボット分野への関心はありましたが、医療用ロボットはまだ市場も小さく、まずは技術について広く勉強したいと思い、テクノロジー部門を希望し配属されました。
業務の傍らテクノロジー分野を勉強していたのですが、例えば「プラットフォーム」と言われても経験を基に自分の言葉で説明することができなかったり、実際にエンジニアとして手を動かしてみないと分からないことが多いことに気付きました。
テクノロジーをより深く理解するためには、自らエンジニアとなって業界に飛び込むしかないと考え、転職を決意しました。まずは、SEとして重工系企業の子会社で働いた後、ご縁があって弊社に入社し、現在は研修を受けているところです。
――そもそも医療に興味を持ったきっかけについて教えて下さい。
幸左:きっかけは、ちょうど高校時代に発表されたiPS細胞のニュースです。それを見て、ぜひiPSの分野に挑戦したいと思って大学を選びました。しかし、大学に入ってから、iPSについては色々な大学が研究している一方で、MedTech分野はあまりフォーカスされていなかったことを知り、そちらに関心を持つようになりました。
――MedTechの分野で大学時代に研究していたことは、具体的には何ですか。
幸左:MedTech分野で一番有名なのが「ダ・ヴィンチ」だと思います。これは非常に高度な動きをする手術用ロボットです。ダ・ヴィンチはイタリアの会社が開発を行っているのですが、日本のオリジナルで作れないかと試行錯誤しておりました。ですが、どうも動きがぎこちない感じになってしまい(笑)、なかなか本場には勝てませんでした。
ほかには、発展途上国においてどのように物資を輸送するのが効率的か、といったことですね。当時はまだドローンはありませんでしたので、どこまでロボットを応用できるかを研究していました。
――最初に転職した際のエンジニアのお仕事では、どんなことをしていましたか?
幸左:特定派遣で重工系企業の子会社に入社しました。発電所用の機械を使っている会社でSEとして働いていました。
例えば発電所の部品というのは5年・10年と使うものなのですが、耐久性が危なくなりそうな部品をデータベースから特定するシステムや、国内外のさまざまな企業様に部品を統括して注文できるシステムなどを作っていました。
システム自体はMicrosoftのVisual Basicを用いて開発していました。また、流体シミュレーションなどでC言語を使用することもありました。
――そこからビズリーチを知ることになったきっかけは?
幸左:シミュレーションには数学的な知識が必要だと考えて、機械学習の勉強会に参加したことがきっかけです。
勉強会の運営の主催の方から、「まずは他社のことを知ることも重要なので、今すぐ転職したいという強い希望がなくても、一度お話だけでも聞きに行ってみたらどうか?」という話をいただいたのが、ビズリーチ社との出会いでした。
――続いて澤さんにお聞きします。ビズリーチに入社するまでの経緯について教えて下さい。
澤:私は大学では教育学部の数学科に通っていて、大学2年生くらいのときにITスタートアップでアプリ企画などのお手伝いをさせていただいていました。そこで改めて、ITの面白さに気づき、就活ではIT業界を受けていました。
その時はビズリーチではない会社にビジネス職として入社することを決めていたのですが、やっぱりものづくりが好きという気持ちは変わらず、自分で手を動かしてプロダクトを作ってみたいなと思っていて。ハッカソンに参加したり、プログラミングを実際に勉強するなかで、ものづくりの面白さを改めて実感し、やはりエンジニアになろうと決意しました。
その時に頭に浮かんだのが、もともとインターン時代から面識があった(CTOの)竹内真さんと、当時の人事の方々でした。
というのも、就活をしてたときにその2人が「ものづくりが好きなら、エンジニアをやってみたら?」と勧めてくれていたんですよね。その当時私は何の知識もなかったのでエンジニア職で就活をすることはありませんでしたが、その後実際にやってみたら本当におもしろくて、描いていたファーストキャリアの方向性を変えてみようと思いその2人に相談させてもらいました。
そこで、現場で活躍するエンジニアともお話をしていくなかで、ビズリーチのエンジニアはビジネス視点を持っている人や、顧客にどういう価値を提供したいかを自ら考えてプロダクトを作っている人が多いなという印象を持ちました。そこが自分の軸と一致していると思ったので、ビズリーチに入社することを決めました。
――学生時代に関わっていた、ITベンチャーではエンジニアとして働いていたのでしょうか?
澤:いえ、まったく。自分はまだなにもできませんでした。その時、隣には大学生のエンジニアがいたので「自分の手でなにか作れたらもっと役に立てるんだろうな」と思いながら、自分は技術以外のことをお手伝いしていました。
しかし、その時から、エンジニアという職業に興味は持っていたのだと思います。就活を一旦終わらせてからは、TECH::CAMPというプログラミングスクールに行って勉強しました。そこで初めてオリジナルのアプリケーションを作ったのがすごく楽しくて。竹内真さんに相談しに行った時にすぐにその完成品を見せて、「エンジニアやってみたいです」とお願いしましたね。
――お二人とも学生時代に学びながら、エンジニアを志望したのですね。次に、ビズリーチを選んだ理由やきっかけについてお聞きしたいと思います。
幸左:転職サイト「ビズリーチ」のサービスは社会人時代に使っていたんです。その時にビズリーチは人材領域だけでなく、M&Aなど、様々な領域に事業を展開していることを知り、非常に興味がありました。
面談ではビズリーチ以外のさまざまなサービスの話を聞くことができましたし、これまでの重工系企業の子会社とは使っている言語も開発環境も違うことを知り、もっと学びたいと感じました。
また、現在の事業計画の中でうまくいったことやうまくいかなかったこと、今後の展望まで明瞭にお話を聞けたので、非常に好感度が高かったです。
――幸左さんは4月入社で、中途採用ですが新卒入社向けの研修を受けていますよね。
幸左:そうですね。お話をいただいたのが3月末で、新卒でエンジニアリングの経験を持っている社員と一緒に改めて研修を受けられると提案されて、喜び勇んで来ました(笑)。
ビズリーチでは、私のように何年か職歴があったり、あるいは起業をした方が、新卒と一緒にエンジニア研修を受けることもあります。そのほうが技術的にもキャッチアップできますし、業務にもスムーズにはいることができます。海外大学出身の方にはそういった人も多いようです。
――澤さんは、現在エンジニアとしてどんな業務を担当していますか?
澤:採用管理クラウドを運営するHRMOS(ハーモス)採用事業部で、新しいプロダクトの開発に携わっています。本当にゼロからなので、インフラ構築からサーバーサイド、フロントエンドもすべてチーム全員で担っています。
新プロダクトを作るということで、社内でもスキルの高いメンバーが集められています。その中に新卒3年目でアサインされているので、吸収できることがたくさんあり、日々新たなことを学んでいく感覚がとても楽しいです。先輩たちは知識も豊富で、スクラムを導入しているので、チームで議論する場が多いのも学びが多いポイントです。「先輩たちってこういう思考をしてるんだな」とか「こういう観点で考えてるんだな」と課題解決のプロセスを知ることができるので、毎日が成長の機会だと思って仕事をしています。
――プロダクトを開発する上でのモチベーションは何ですか?
澤:私のモチベーションになっているのは、自分たちが作ったものがどう使われて、誰が喜んでくれているのかという部分です。
「HRMOS採用」は採用担当者の方に使っていただき、採用活動の効率化ができたり、オペレーティブな仕事の時間が削減された分、よりデータに基づいた戦略的な採用活動に時間を割くことができます。企業様の採用が成功すると、候補者様にとっては新たなキャリアを築くきっかけになりますし、HRMOSをご利用いただいている人事の方の仕事が効率化されることで早く帰れるようになって、家族との時間が増えるかもしれないですよね。そのように、ユーザーの皆さまの日々の生活にまでつながってるんだと思える時がすごく嬉しくて、やりがいを感じる瞬間です。
実際、HRMOSを使ってくださっている人事の知人が何人かいて。たまにメッセンジャーでメッセージをいただいたりするんですよね。いつも助かってます、という言葉をいただけたり、使い込んでいるからこその要望をくださったり。そういったことが素直にうれしいですね。
――現在のチームや開発環境について教えてください。
澤:チームは開発者が5人で、プロダクトオーナーが1人、デザイナー1人、スクラムマスター1人ですね。技術スタックは、ScalaとAngularを採用していて、一部Elmというフロントエンドの新しい言語を使っています。インフラは、Kubernetesなどを使っています。
技術選定における裁量はチームに与えられているので、メリット・デメリットを挙げてすべて5人で相談しながら進めています。
――もともとはどんな分野を担当していたのでしょうか?
澤:最初の配属はサーバーサイドで、Scalaを書いてました。今のチームではプロダクトをすべてゼロから開発しているので、フロント、サーバー、インフラのすべてを担当しています。スクラムというフレームワークで開発を進めているため、全員がすべての分野のタスクを担当します。
――今回、1から習得しなければならないことがたくさんあったのではないかと思いますが、苦労はありましたか?
澤:めちゃくちゃありました(笑)。新しいチームに入って最初の2週間はインフラ基盤の構築をしましたが、慣れない作業ばかりでした。特にKubernetesはほとんどのメンバーが未経験だったので、みんなで勉強して補いつつ作っていきました。「あの人はこれを勉強してくるから、私はこっち勉強をしておこう」みたいな感じで。また、困った時はSREチームに相談させてもらい、協業して進めていました。
でも、みなさん経験豊富だからキャッチアップが早くて、正直ついていけない部分もありました。インフラに関してはスタート地点は全員ほぼ一緒だったのですが、先輩たちがすごい速度でキャッチアップしていく姿を隣で見ていると、どのように勉強しているのかも見えてきます。先輩が理解して噛み砕いたものを教えてもらうことで自分も早く成長できたので、とても助かっていましたね。
また、家に帰ってから、業務において理解が足りないと感じた作業について、もう1回自分で作ってみたりもしていました。スクラムを導入してから仕事の生産性を高められたこともあり、比較的早く帰宅できるのも、学びの時間を増やすことができた理由です。そのおかげでインプットとアウトプットのサイクルはとても早かったです。その時得たインフラ知識を活かして、開発のための効率化ツールを作ってチームに還元することが今や趣味になりました(笑)。
Elmに関しては全く初めてだったのですが、先輩にElmが大好きな人がいるので(笑)、最初はペアプロをやってもらっていました。スクラムでは知識レベルにばらつきがある場合に、2人1組でペアになってプログラミングをすることがあって、最初はリードしてもらいながらやっていました。そして、休日に公式ドキュメントを見ながら自分で作りたいアプリケーションを作ってみて、という感じで勉強していました。変化を恐れず新しい言語を導入することで、チームメンバーのわくわく感も増しましたし、個人的にも勉強になるので、Elmを採用して良かったです。
幸左:その先輩が、新卒に対してもElmの講習会を開いたりしてくれているので、新卒の間でもElmが流行してます(笑)。
澤:本当に熱心に教えてくれるんですよ。でも私、まんまとハマって、土日に趣味でひたすらElmを書いていました(笑)。ちょうど先日その先輩がElm meet upという100名規模のイベントを主催していて、私も登壇してきました。Elm、おもしろいです。
――幸左さんはまだ研修中ですが、前職との違いを感じることはありますか?
幸左:前職ではウォーターフォール型の開発をしていたのですが、設計書どおりでしか作れないのであとで齟齬が生まれてしまったり、スケジュールがきっかり決まっているので最後は残業続きになったりしていました。
一方、自社開発の場合はある程度スケジュールもプロダクトも自分たちで改良しながら進められるのが、非常にいい点だと思います。プログラミング言語はアルゴリズムですから普遍のものですが、例えばインフラの構築やGitなどの進捗の共有の方法、スクラムやテスト駆動開発など、そういったところは前の会社ではまったくなかったので、非常に勉強になりました。
また、先輩もすでに知識が豊富にあるにも関わらず、AWS Summitなどのカンファレンスや勉強会に積極的に参加したり、自ら勉強会に登壇するなど、常に勉強しているので、「自分もちゃんと勉強しなくては」という気分になりますね。
――研修ではどんなことをやりましたか?
幸左:研修はチームで行うものと個人で行うものがあります。チームでやる場合は5、6人で1チームになります。1回目のチームトレーングはエンジニアだけでプロダクトを作りましたが、2回目ではデザイナーとともに1つのプロダクトを作りました。エンジニアとデザイナーでは考え方が全く違うので、非常に興味深かったです。
個人でやる課題としては、1ヶ月間の最終課題があり、これまでよりもしっかり作り込むかたちになります。セキュリティやインターフェースなど、現在ちょうど試行錯誤している最中です。
――印象に残っている研修はありますか?
幸左:研修でおもしろかったのは、機械学習やアルゴリズムについてです。AI室のメンバーが講師として来てくれて、いかにも勉強で使うようなデータではなくて、日常的に触れる身近なデータを使って実際に分析をしたのが非常に面白かったです。
ほかには、先輩たちに今のIT技術について質問すると、「こういった企業はこういったことをやっている」ですとか「こういったことが課題になっている」とか「こういった論文がある」など、情報の引き出しが多く、すぐに答えがかえってきて尊敬します。
研修では、自分と同じ20代くらいの、かなり若い社員が講師を務めていることもあり、「いや~すごいな~」と仰ぎ見る思いです。
他には、自分達はどういったことを日々勉強しているのか、であったり、「こんなハッカソンがある」「こんな大会がある」「こんな問題を解くサイトがある」といったことも紹介してくれるので、勉強になることが多いですね。
――澤さんもかつては同様の研修を受けられたと思いますが、研修で学んで印象に残っていることや、実務に役に立っていることはありますか?
澤:ちょうど3年前のこのくらいの時期にHTTPサーバーを作る研修をやりました。1ヶ月間、基本的には自分たちだけで作るスタイルだったのですが、それはすごく勉強になりました。公式ドキュメントしか見ちゃいけないっていう制約があったんです。
ググっちゃいけなくて、Qiitaも読んじゃいけないんですよ。おかげで公式ドキュメントに当たっていく力がつきました。エンジニアとしての基礎スキルが身についた良い研修でした。
幸左:そうですね。なかなかやる機会はないですし(笑)。
澤:車輪の再発明ですよね。でもやっぱり、ゼロから作ってみると、学びが多かったです。また、この研修中は基本的には1人でもくもくと作るのですが、後ろに2、3人の先輩がずっとついてくれて、いつでも質問できました。わからないところがあれば親身になって教えてくれるので、すごく助かりました。質問するスキルも大事ですし、勉強になりました。
幸左:私の時は半チーム制になっていて、普通の作業は個人でやるんですが、各ステップごとに全員クリアしないと次のステップに進めない形式になっています。だから早く終わった人がサポートしたりして、チームで全部終わらせるようになってます。
――最終課題はどんなことをやるのですか?
澤:オリジナルのTwitterを作りました。配属された部署の技術スタックを使い、メンターのとなりで、もくもくと開発をする研修でした。
幸左:私のときはオリジナルのFacebookになりました。
澤:デプロイして動くようになるところまで作って、最後にプレゼンをして先輩たちに使ってもらって。そして、攻撃されたりします。私、ユーザーパスワードを丸出しにしてやっていたみたいで……とても怒られたのですが、いい経験になりました。
――それでは、今後やっていきたいことや、自身のキャリアにおいて目指していきたいことについて教えて下さい。
澤:今後やっていきたいことといっても、今までと変わりません。私たちがいいものを作ることができれば、HRMOSのユーザー様は喜んでくれるし、HRMOSというサービスも大きくなって、より多くの人事の方や働く個人の方々が幸せになると信じて仕事をしています。ですので、その世界観にもっと近づいていけるように、自分ができることをどんどん増やしていきたいと考えています。ものづくりにはずっと携わっていきたいですね。
あとは、エンジニアは女性のキャリアとしても長く働ける職業だと思います。勉強し続けなければいけないという前提はもちろんありますが、どの業界でも必要な仕事です。需要も高いしですし、スキルさえあればどこでも働けるので、自分のライフスタイルに合わせて仕事が選びやすいんじゃないかと思います。私はまだ1社目なので大きいことは言えませんが、先輩を見ているとそう感じますね。
私、世の中のエンジニアのイメージについて言いたいことがあって。世間のエンジニアに対するイメージはあまり良くないというか、残業が多いみたいな話もよく聞きますよね。友達にエンジニアとして働いていると言うと「大丈夫?」って体調を心配されたりします(笑)。でも、ビズリーチでは全くそんなことはなくて、基本定時に上がります。
なぜかというと、「定時に帰って残りの時間を個人の投資の時間に使ってほしい」という強い想いを会社として持っているからです。また、エンジニア職でいえば、スクラムで開発をしているので、自分だけが担っている仕事というのが無いんですよね。透明性が担保されているので、自分だけで抱えこんで、残業になってしまったことは一切ありません。
みんなで効率的に仕事を早く終わらせて、定時で帰る。そして、残った時間は新しい技術の勉強や、趣味、家族との時間にあてる。少なくとも弊社のエンジニアは、こういったメリハリのある働き方ができていると思います。
幸左:私は2つあるのですが、1つは前々職がM&Aの領域だったので、事業承継M&Aプラットフォームの「ビズリーチ・サクシード」の開発に携わってM&Aをもっと簡便にしていきたいと考えています。M&Aでは、実はメインの交渉以外の部分でかなり時間がかかっています。例えば質問を集めて相手企業に送り、回答してもらうデューデリジェンスであったり、法務面ではリーガルアドバイザーと協力して契約書の文書の修正や書類のやりとり等に多くの時間をかけています。
結局、M&Aを仲介する企業の仕事が増えるということは、お客様からすると、その企業に払う費用も増えるわけです。その結果、中小企業においてはM&Aが困難な側面も多いので、ITテクノロジーの力でより簡便化できるのではないかと考えています。
幸左:もう1つは、先日大学院に合格しまして10月からそちらに進学する予定なのですが、そちらで人工知能やAIについて勉強しようと考えています。東京にもキャンパスがある大学院でして、土日をメインに、平日の夜間も活用して通う予定です。
とくに私が関心があるのは、法務AIの分野です。例えば契約書の内容を機械が自動で読み込んだり、契約書に存在するリスクの判定をAIが自動でできるようにする、といった分野に関心があります。
できれば大学院で学んだことを活かして、ビズリーチ・サクシードのプロダクトにつなげることができれば、AIの力によってさらにM&Aが簡便化できるのではないかと考えています。
あとは、先ほど女性についての話がありましたが、女性に限らず、AI室の先輩も働きながら大学院に通っています。メインの職業以外で、自己研鑽の時間を割くことができるのも、エンジニアという職業の魅力だと感じています。
――大学院への進学を決めた理由はなんですか?
幸左:実は新卒入社の同期で、その大学院の博士課程を卒業したメンバーが1人いて。授業は土日にあるので勉強しやすいし先生方もフレンドリーだし、研究のレベルは高いということで勧めてもらったことがきっかけで、受験した次第です。
4月にそのお話を聞いて、6月に出願し、7月に試験がありました。無事先日合格しまして10月に入学ですね。
大学院に行きたいとはうっすら考えてたんですが、「社会人大学院ってあるのかな?」と思っていたところ、ちょうど同期のメンバーに勧められたので、非常にラッキーでしたね。
澤:仕事しながらいろんなことやってる人、多いですよね。
――最後に、お互いに聞いてみたいことはありますか?
澤:今までのお話を聞いていて、いろんなことに興味を持ってすぐに行動に移す行動力の高さが素晴らしいなと感じました。
幸左:無鉄砲と言われます(笑)。
澤:でも、どこかでそれぞれの要素がつながっていますよね。その原動力になっている大きな想いや、将来成し遂げたいことがあるのか、すごく気になりました。
幸左:実は私は大学4年生まで体育会に入っていて、チアリーディングに没頭していました。ろくに勉強しない不真面目な学生だったんですが(笑)、医学部は5年生と6年生で病院に実習に行くんですね。
そこで実際にダヴィンチが動くのを見て、「あぁ、こんなにすごいものがあるんだったら、人間は勝てないなぁ」と思いました。本当にバイオリニストや画家のように、ロボットアームがものすごく滑らかに動くんですよ。
それで「やっぱりテクノロジーはすごいな」と思って、この道に進みたいと考えました。こうやってテクノロジーが発展していくのであれば、どんどんその方向に向かって勉強しようと思ったのがきっかけです。
澤:逆になにか質問ありますか?
幸左:今一番興味を持っていて、なおかつまだ勉強していない分野はありますか?
澤:デザインですね。というのもデザイナーが隣の席にいて、自分たちが作っているプロダクトのプロトタイプを作ってくれているんですが、よくとなりでレビュー会をしてるんですよ。先輩と5人でチームになって指摘しあっているんですが。
その過程で指摘しあっている、デザインの良い or 悪いの言語化って、すごく難しいなと思って。「それを言語化できるってことはどういうことなんだろう?」みたいなところから興味を持ちました。
HRMOSの場合だと、デザインというよりは情報設計のほうが近いのかな。
幸左:デザイナーの新卒社員と一緒に研修したときに、エンジニアとはまったく考え方も違いますし「ユーザー体験」という単語を知って「何だろう、それは?」と思ったりしましたね(笑)。
デザインというと単に絵を描けばいいのかな? なんて勝手に考えてしまうのですが、そうではなくてユーザーの体験ですとか、使ってるユーザーの動線ですとか、そういったことも考えなければいけないのは、難しいですよね。
澤:絵心とかの話じゃないんですよね、デザインって。HRMOSを開発していて「UI/UXがいい点を評価いただき、ご契約いただけました」という話を営業のメンバーから聞いたりするんですが、HRMOSがいいデザインと評価していただける理由を言語化してと言われると意外と難しいんです。
――実はお二人は、メンターとメンティーというご関係とお聞きしました。
幸左:そうです。先輩後輩として、澤さんに1on1をしていただいています。あとは、実は業務以外でも、社内のいくつかの部活で一緒なんですよ。
澤:そうなんです。この前は部活のメンバーでアイドルカラオケに行きました。
幸左:ボルダリングをやる「のぼりーち」という部活でも一緒です。
澤:私は1年半くらいボルダリングにはまっていて、(幸左さんが)すごくやりたいと言ってくれてたので今度のぼりーちの活動で一緒に行こうと誘いました。
幸左:ボルダリングにはちゃんと研修の最終課題を終えてから、行こうと思っています(笑)。
株式会社ビズリーチ
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