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株式会社ときわ システム部 山口芳晴 氏(全1記事)

2019.07.17

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「いいね!プラグイン」が信頼を紡ぐ kintoneで社内が一致団結した株式会社ときわのエピソード

提供:サイボウズ株式会社

2019年6月5日、kintone公式ユーザーズイベント「kintone hive matsuyama vol.1」が開催されました。kintone hiveは、日々の業務でkintoneを活用しているユーザーが一堂に会し、業務改善プロジェクトの成功の秘訣を共有するリアルイベントです。本記事では、株式会社ときわの山口芳晴氏が登壇。「kintoneでチームを結ぶ」をテーマとし、業務改革に成功したエピソードを披露しました。

徳島本拠、株式会社ときわの業務改革

山口芳晴氏:こんにちは。株式会社ときわの山口と申します。本日は「kintoneでチームを結ぶ」をテーマに発表させていただきたいと思います。

まず、自己紹介なんですが、35歳になりまして、かわいい11歳の娘と8歳の息子がいます。「今日、出張行ってくるよ」と11歳の娘に言ったら「何しに行くの?」と聞いてきました。「kintone hiveというね……」と説明をしたら「あっ、そう」で終わったんですが。

(会場笑)

出身は徳島県で、阿波踊りは一切踊れません。また、スライドには書いていないんですが、徳島のIT関連企業に11年間勤めておりましたが、ご縁があって2015年の9月に株式会社ときわに入社いたしました。趣味はときわに入社してから始めたゴルフなんですが、こうやって会社のみんなで楽しくわいわいやっております。

続いて会社紹介をさせていただきます。弊社は徳島県徳島市に本社がございまして、1956年に衣裳店として創業いたしました。現在は、徳島店に9店舗、高松に2店舗、沖縄に1店舗。結婚式場や宿泊施設など、いろいろなものを運営しています。

従業員の方が126名なんですが、うち女性が85名と7割を占めております。働くママ社員たちも30名が活躍しておりまして、土日祝日に預けられる保育施設が不足しがちなので、事業所内に保育施設を2017年に開園いたしました。

スライドは、ありがたいことに最近いただいた受賞履歴になります。以前から時代の変化に先駆けて、働き方改革に取り組んでおります。サービス業としては非常に珍しいのですが、10年以上前からコアタイムのない完全フレックス制度も導入しております。

また、昨年から副業制度も導入いたしまして、働く社員一人ひとりが、さまざまなライフスタイルや価値観を認め合って働いている会社でございます。ただ、人口減少とともに結婚式をする人の数はどんどん減ってきているので、非常に大ピンチではあるのですが、そんな状況の中でもピンチをチャンスに変えるべく、よりアグレッシブに変化する時代を楽しもうよ、という会社でございます。

さっそくなんですが、私が株式会社ときわに入社をしまして、まず初めに2ヶ月間の研修の旅に行かせていただきました。実際に、結婚式を行うウェディングプランナーさんにつかせていただきました。結婚式でお料理やお飲み物をご提供する「サービス」という仕事や、新郎さまにタキシードや和装を着付けして提案する「衣裳コーディネータ」という仕事もさせていただきました。

サービス業や接客業が初めてだったので、ときわという会社を知る、非常にいい機会になったのですが、それと同時に、今後IT管理をしていく私としてはさまざまな問題に気づかされました。

2002年バージョンの顧客管理システムを使っていた

問題点は大きく2つありました。いろいろなシステムが動いているんですが、システムそれぞれが古くて、乗っかっているサーバーもすごく老朽化していて、いつ止まるかもわからない不安がありました。もう1つは、結婚式は多くの部署が協力しあいながら作っていくものなんですが、ここがうまく連携できていなくて、柔軟なツールの提供ができていなかったんです。

ですので、手書きで書いた紙を近くの部署にファックスしたり、多くの部署が同じようなExcelを管理している状況でした。なにより、今後事業をどんどん拡大していこうという会社ですので、システムで社員同士をつなぐことが必要なのではないかなと思いました。

そんな中、さっそくミッションがありました。全部署が使用している顧客管理システムのリプレースだったんですが、顧客管理システムはNotesを使っておりました。このNotesのバージョンが2002年のもので、すごく古かったんですけど。

なにより、(このシステムが)乗っかっているサーバーが、保守が切れたWindows Server2003を使っておりまして、15年間連続稼働中という、もういつ死んでもおかしくない状態だったこともかなり不安でした。先ほどお伝えしたように、社員同士をつなぐには、クラウド化していろいろなシステムとも連携しながら、業務の効率化を図っていく必要があるのではないかなと思いました。

そんな中で見つけたのが、サイボウズさんが主催されていた「Notesマイグレーションセミナー」というバッチリのセミナーに参加して、いろいろなシステムとも比較検討したのですが、kintoneを採用することになりました。

リプレースに向けて、大きな課題が2つありました。まずは15年間使ってきたシステムですので、お客さまのデータが5万件溜まっていた。

それをkintoneでクラウドサービスに移行するということだったんですけど、これはマイグレーションセミナーにも参加したり、サイボウズさんのパートナー企業さんにヒアリングしたりして、大きな問題はないと思っていました。

なによりサービス業でPCに不慣れな社員さんも多い中で、15年間ずっと使ってきたシステムの画面とか操作性をいかに再現できるのかに重点を置きまして、並行期間や移行タイミングを探っていきました。

実際のデータ移行なんですが、Notesで使っていたそれぞれの機能を、それぞれアプリで作成して、商用の「DataSpider」というツールを使って抽出・変換し、アプリに流し込みました。

旧来のシステムにUIを揃えた

先ほど移行期間や並行期間の話をしたんですが、うちの社員の場合ですと、Notesとkintoneを両方使いながら移行していくほうが余計に混乱するだろうという話になりまして、実際のデータ移行を1日で、システムテストは1日。3日目からはもうNotesがなくなって、ログイン画面がkintoneの状態です。

実際にデータ移行をして、運用開始前にみんなに配布したマニュアルになるんですけど、もう難しいことは一切書かずに「あなたのユーザーIDとパスワードはこちらですよ」ということと、Notesの今まで使っていた機能はkintoneではアプリになりました、と。この簡単なマニュアルを送付して運用を開始しました。案の定、電話が鳴りやむことはありませんでした。

でも、3日間過ぎたころくらいからは大きなトラブルもなく、無事に乗り切ることができました。乗り切ることができた大きな要因は、いかにNotesライクに画面を作って操作できるかに課題を置いて作っていましたので、そこがうまくいったんじゃないかなと思っています。

実際に使っていたNotesの画面なんですけど、このアカウントのところで項目を切り替えて、必要な情報を入力していく操作方法だったんですが、kintoneになってからも、同じようにタブのようにしてアプリを切り替えて画面を遷移しながら、同じように入力できる操作性を再現したことで、不慣れな社員さんも慣れてすぐに使えるようになりました。

それで、ログインしたときにすぐにパッと目につくように、管理スペースにNotesアイコンを使っていました。もう1つの画面の説明なんですが、これも全部署が完全予約制で、その日に来るお客さまの来店情報をそれぞれ管理しているんですが、左側で施設を選択すると、右側にお客さまの情報が出てくるという使い方をしていました。

どちらもkintoneはすごくよくできていまして、標準のカテゴリ機能を使うと、施設を集約することができて、左側の施設を選択すると、右側にお客さまの情報が出てくる。まったく同じ画面を作ることができたので、みんな問題なく使えるようになりました。

通知システムが社内を一丸にする

また、営業情報を履歴として残していくような機能があったので、そちらも統合したのですが、工夫したのはリマインダー機能を活用したところです。今まで、お客さまの情報をNotesで検索して調べるという確認の手間が非常にあったと思うんですけど。

うちに来てくれるお客さまに対して、次回どんな行動、アクションを起こさないといけないのかを期限を設けて日付を入れておくことで、前日の10時に通知を飛ばして知らせてくれるという、非常に便利なツールになっています。

こちらはお客さまの画面なんですが、これもNotesライクに同じ項目を同じように並べて迷わずに入力できるようにしたことで、みんなが使えるようになりました。

Notes時代と大きく違うのは、お客さまの情報を他部署に伝達・共有するときは、電話やメールだったので、スタッフの予定もなかなか合わずに、すぐに情報を共有したり伝達することができなかったんですが、コメント機能を使うようになってから、それがスピーディーにできるようになりました。

kintoneユーザーさんばかりですので、「コメント機能を使えばいいのに」と思われるかもしれないのですが、実際に男性のコメントがすごく堅苦しいので、女性のコメントを紹介させていただきます。「愛してる」が止まらないようなやり取りが日々されているんです。

これもチームで仕事をする上では、非常にチーム力アップにつながる強力なツールで、なによりも社員同士がフレックスタイムで、部署や働く場所も違うと、なかなか顔を合わせる機会もないんですね。伝えたいことをすぐに伝えられるという、社員同士をつなぐ意味では、コメント機能がすごく役に立ってくれています。

こちらはログイン画面なんですが、毎日使う顧客管理システムなので、少しでも社員のモチベーションを上げたり、愛社精神を持ってもらいたくて、その年のブランディングイメージが決まると、画像が変わって、ちょっとでもテンションが上がる画像にするようにしています。

「いいね!プラグイン」が信頼を紡ぐ

今までつなぐとか、結ぶをテーマでお話しさせてもらったんですけど、3つ工夫したことをご紹介させていただきたいと思います。

まず初めに、結婚報告書というアプリがございます。結婚報告書を簡単に説明すると、結婚式が終わったら、担当のプランナーさんが感想文を書くんですが、実際に書いている文章を見ると、ここまで収まりきらないくらいの文章を書いている人たちもいます。

あるときに、この結婚報告書自体、なかなかレポートが登録されなくなってきて、当時のプランナーに「もうやめちゃってもいいんじゃないですか?」という感じで言ったら、プランナーを統括する責任者に「あなたから伝えて」と言われました。

統括責任者に「やめませんか?」と伝えたら、「結婚報告書は多くの部署が1つの結婚式を作ってきて、最後の報告をプランナーがしてくれるんだから、できたらやめたくない」と言われまして、私もその思いをどうしても叶えたくて、3つの工夫をしました。

まず1つ目に、ログインをしたら、ポータルスペースに結婚報告書を絶対に目につくようにしたということと、もう1つはより結婚式の臨場感が伝わる写真を添付できるようにしました。

もう1つは「読んだよ」とプランナーに伝えるために、「いいね!プラグイン」を採用しました。こうすることで、プランナーも「いいね!」をしてくれる人たちの顔が見られるんです。今までの結婚報告書は一方通行のやり取りだったんですが、この「いいね!プラグイン」を使うことによって、プランナーや支配人など、いろいろな部署の社員たちを結ぶことができるようになってきました。

これを入れてからは、本当にみなさんが結婚報告書を書いてくれるようになって、プランナーに会うと「いつも『いいね!』ありがとう」と言ってくれます。

信頼感、好感度が生まれたのはkintoneのおかげ

もう1つ、通知機能です。これも本当にみなさんが使われてると思うんですが、今回発表させていただくにあたって、いろいろな部署にヒアリングをしたんですが、非常にうれしいことを言っていただけましたので、それをまとめました。現在、通知機能が目標を達成するための数字への意識をすごく浸透させてくれるツールになっています。

というのが、結局、いろいろな部署が協力しあいながら、同じ目標に向かって進んでいくのですが、なかなかそこの連携が取れていなかったときがあって、通知機能をスクリーンショットして回しています。

実際に「KITAHAMA W」という、披露宴会場を受注したときに飛んでくる通知があって、マーケティング部のチームが「おめでとう、何件きました」というやり取りをしている。ぜんぜん知らなかったんですけど、そういうことをグループLINEで回したり、1つの数字に対してみんながすごく意識してくれるようになりました。

具体的な効果は、通知機能1つでチーム内で1つの目標に向かっているという一体感や、部署間では自分のことを気にしてくれている信頼感、好感度などが、現在ときわには生まれてきています。

連携サービスの事業を1つご紹介させていただきたいのですが、kintoneを導入してから、今までシステム担当者側からの一方通行だったやり取りが、「kintoneだったらこんなことできるんじゃないの?」ということを、けっこういろいろ言ってくれるようになりました。

実際に作ったシステムなんですが、一番左側がWebサイト、スマートフォンで見たWebサイト、真ん中が連携サービスの「Form Bridge」です。これがkintoneアプリなんですが、この「Form Bridge」は、問い合わせフォームやアンケートをkintoneと合わせて作ることで、Webから登録した情報をそのままkintoneに流し込んでくれるという非常に便利なツールです。

イベントにきたお客さまをkintoneで管理して、実際にイベントに来たお客さまに対してアンケートを取ることで、こういうことができるようになりました。

顧客の成長度合いも可視化できた

お客さまアンケートで、既存の顧客管理データとしてお客さまの区分管理をします。区分を管理することで、なによりも今までイベントはやりっぱなしだったのですが、次回から実際にイベントに来てくれそうな確率の高いお客さまに対して、ダイレクトにDMでメッセージを出したり、データとしてkintoneに残すことで、うまくグループのリソースを使って、顧客を循環させて成長させていくことをkintoneとミックスして、うまく顧客の成長度合いが見られるようになってきました。

こちらが実際に現在の一部の社内アプリなんですが、kintoneを導入してから、いろいろなアプリが生まれてきました。また、いろいろな部署などの新しい事業が始まったんですが、この部署に対してもさまざまなアプリを作って、社内ビジネスの変化にうまく対応できる。これもkintoneでないとできなかったと私は思っています。社内をつなぐこともできてきましたし、システムもうまくつないで使っていくことができるようになりました。

ですので、今後の課題と展望といたしましては、今通知のスクリーンショットを撮ってLINEで回すというお話をしたんですが、実は顧客データを扱っているので、クラウドの良さを一切活かしきれていない状態です。

社内の施設からしかつながらないようにしているので、今後はオプロさんのAppsME製品や、サイボウズさんのセキュアアクセスなどを使って、働く場所や時間を選ぶことなく、社員の働き方をサポートしながら、会社が掲げている「さまざまなライフスタイルや価値観を認め合える」というチーム作りをしていけたらいいなと思っています。

発表は以上になるのですが、ちょっと時間が余ってしまいましたので。本日徳島から来られた方っていらっしゃいますでしょうか? ……聞くんじゃなかったですね。

(会場笑)

僕はkintoneが大好きで、中四国初開催ということだったんですけど、徳島県にもまだまだkintoneユーザーが少ないと聞いています。ですので、今後これからここにいるみなさんとともに中四国をkintoneの輪でつなぐ、結ぶ役割を果たしていきたいと思っています。

本日はご清聴ありがとうございました。

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