2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
導入事例紹介-スマートニュース株式会社(全1記事)
提供:SLACK JAPAN 株式会社
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越野昌平氏(以下、越野):2人目のゲストスピーカーより、Slackの活用についてお話をいただきたいと思います。スマートニュース株式会社Engineering Manager, SRE and Corporate Engineeringの尾形暢俊様です。盛大な拍手でお迎えください。
(会場拍手)
尾形暢俊氏(以下、尾形):みなさん、こんにちは。今日はSlackについてお話をさせていただきたいと思います。アジェンダですが、まずは簡単に自己紹介をして、「SmartNews」というアプリをご紹介させていただいた後に、実際にSlackを導入してどうなったのか、チャット文化についてのお話を少々させていただき、その後、各種インテグレーションのご紹介をさせていただければと思います。
まず自己紹介です。2015年にスマートニュースに入社しまして、今はSREというチームと、CORPORATE ENGINEERINGという2つのチームで、エンジニアリングマネージャーをしております。
スマートニュースのミッションは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」です。ご覧のとおり、ニュースアプリでございます。月間のアクティブユーザー(MAU)は、だいたい1,200万弱で、提携していただいているメディアさんの数は2,700です。1日あたりの利用時間が16分ぐらいです。
アプリのダウンロード数ですが、2018年9月にグローバルで3,500万を突破しております。おかげさまで、テレビCMでも告知していて、テレビでご覧になったことがある方もいると思います。
Slackの導入で変わったことですが、実は僕が入社した時にはもう使っていたんですね。ですので、具体的にその変化を体感したわけではありません。Slackを使い始めたのは2015年だと聞いていまして、(入社したころには)すでに使われていましたので、伝聞もありますが、Slackを使う前は何を使っていたのかというと、主にFacebook Messengerや、アトラシアンの製品のHipChatでした。
当時からいる古株の社員にいろいろ話を聞いてみたんですけれども、Facebook Messengerでやり取りしていた時は、スレッドに誰と誰を入れるといったかたちでやり取りをしていたそうです。
大量にスレッドがあって、どれがどれだかわからず、どこに誰がいるのかもよくわからない状態で、情報がオープンにならないので、DMのやり取りに近かったです。HipChatは2015年当時は権限を細かく設定できず、基本的にオープンチャンネルしかない状態でした。社員同士であればそれでもいいんですけれど、業務委託やアルバイトの方ともチャットでやり取りをしていたため、限界が生じてきました。
尾形:そこで「Slackがいいんじゃないか」と話題になりました。これもよくある話ですが、エンジニアが勝手に導入して、エンジニアが勝手に使い始めるわけです。また、(以前のツールから)移行する時に、過去の履歴をどうするのかという話にもなります。
ひとまず、一番の困りごとだったパートタイムの方や外部の業務委託の方とのコミュニケーションに限定して使って、社外のコミュニケーションは引き続きHipChatを使う、並行運用をしていました。
Slackに本格的に移行する時に、いくつか問題点がありました。まず1つは、HipChatも有料だったんですが、(Slackにすると)1人あたりの金額が若干高くなるといったところがコンサーン(利害)としてありました。ただ、ここは誤差(レベル)ですので、すんなりとクリアしました。
もちろん、今までの履歴がなくなるという問題もありました。しばらくは両方を使っていたんですが、「まあ、いいか」と諦めたのが現実です。
Slackを導入してすごくいいなと思ったところは、通知の設定がかなり細かくできる点です。例えば、あるチャンネルにジョインはするけれどミュートにして、1日後にまとめて見るといったことができます。特定のチャンネルに関しては、1つの発言ごとに全部通知が届くようにできたりと、細かく設定できるため、それはすごくいいなと思いました。
また、Slackを新たに使い始めるにあたって、よりオープンにコミュニケーションしていこうという意識が再始動できるのが、すごくよかった点じゃないかなと思っています。ここからチャット文化についてのお話をしていこうかなと思います。
尾形:これはSlackの分析画面なのですが、今はゲストの方も含めてですが、メンバーが793人いて、ウィークリーアクティブユーザーが360人です。またパブリックチャンネルがなんと525個と、非常にたくさんあります。
メッセージの送信数は、1万は超えてきたところです。パブリックとプライベートとDMの比率を見ると、85パーセントぐらいがパブリックで、残りがプライベートとDMというかたちで、ほぼパブリックでやり取りができているのかなと思っています。
また、なぜかみんなが異常に絵文字を登録したがるのですが、現時点で1,125個登録されていました。年に1回集計しているんですけれども、リアクションの数を集計してみたところ、(スライドを指して)このようになっていました。この中にはカスタマイズしている絵文字も含まれていますが、ぶっちぎりの1位は「Thank You」でした。
基本的には、すべてSlackでやり取りをしています。隣にいても向かい合っていても、Slackでやり取りしていますが、ログを残すのがとても重要だなと思っています。そうはいっても、口頭でしゃべったほうが速いこともあるので、そういう場合は口頭である程度やり取りをして、後でまとめをSlackに書きます。「○○さんと口頭で話して、その結果、こうなりました」といったことを、あらためてSlackにまとめています。
あとは、なるべく情報をオープンにします。これは最初から計画的に進めていまして、基本的には「なるべくプライベートチャンネルを作らないでください」と(お願いしています)。また、DMでのやり取りをなるべくしないことにしています。
ただ、人事の情報などは、どうしてもプライベートチャンネルでしなければいけません。完全に(プライベートを)なくすのは厳しいかなとは思いますが、誰かに見られて困るものじゃなければ、基本的にオープンの方針です。
おまけのような話ですが、最近、Slackのアップデートがありました。よく見ると(通知音が)「スッコココ」と書いてあるんですね。これは公式のメッセージなんですけれども、これを見てめちゃくちゃ盛り上がりました(笑)。
(会場笑)
「スッコココ」は公式なんですか?(笑)。ちなみに英文を見たら何も書いていなかったので、日本独自のものだと思います。
尾形:チャット文化には、悪いところもあるなと思っています。とくに顕著だなと思っているのは、ハイコンテクストなやり取りがすごく増えるんです。例えば、独自文化や独自用語などが非常に増えがちという気はしています。それによって、新しく来た人が会話に入りづらかったり、そもそもチャット上で何を言っているのかがまったくわからない状況になりがちです。
とくに弊社がそうなのかもしれないですけれども、あまりにも日常的にハイコンテクストなやり取りをしているので、それを解説するための用語集を別に作っています。チャンネルの数も500以上あって、情報が多すぎる問題があります。どこに何があるのかも、かなりわかりづらい状況です。
ですので、メンションをうまく使うことが、すごく大事だと思っています。とりあえずメンションを付けておけば後で見返せます。まずは、メンションを上手に使うのがいいと思っています。また、チャンネルの目的をきちんと決めること。本当に雑談しかしないチャンネルや、重要な通知だけが飛んでくるチャンネルなど、その目的をきっちりと決めて使い分けるのが大事だと思っています。
インテグレーションはさまざまなものを使っております。例えば、CDNのキャッシュを消すためのコマンドをチャットで行っていたりします。また弊社はバックエンドにAWSを使っていまして、AWSから特定のインスタンスが何月何日に落ちるといったことがメールで届きます。しかし、誰もメールを見ていないので、(スライドを指して)こういうふうにSlack上で見えるように、メールと連携して通知用のチャンネルに流しています。
ほかにも、国旗でリアクションすると、その言語に翻訳するといったこともしています。GitHubのリクエストやレビューのリクエストなどが来るんですが、GitHubのアカウントとSlackは違うため、それを上手にマッチングして、Slack上でメンションする設定にして運用しています。
また、ドキュメントツールの「Qiita:Team」を使っていて、QiitaのURLが貼られると、自動的にタイトルを展開できます。
さらに、「雨」と打つと、オフィス周辺の雨雲の様子がイメージで展開されるようになっています。
SaaSは「Zapier」を使っており、iPhoneやAndroidのレビューが書かれると、通知が飛んできます。またワークフローで承認などが必要なものに関しても、Slackと連携してお知らせしています。そして、新しいSaaSの「Jira」というチケット管理システムは、Slackから進捗管理ができます。「Workable」は採用管理のATSで、新しく応募いただいた方の通知が飛んできます。「ACALL」は無人受付ですね。
(Slackには)「/(スラッシュ)」で始めるいろいろなコマンドがあります。自分たちでコマンドを作ることもできます。「PagerDuty」という電話を鳴らすツールがあり、サービスに障害が起きた時にエンジニアの電話を鳴らします。これは、夜中に寝ていても、起きて対応する作業が必要になるからです。障害とは別に、特定の人と緊急連絡を取る必要がある時に、こういうコマンドで特定の人の電話を鳴らせる仕組みを作っています。
「/officemap」と打つと、オフィスの地図が出てきて、会議室の名前をすぐに探せます。
最近は人がすごく増えてきて、顔と名前が一致しないことも多いです。そこで、とあるエンジニアが(スライドを指して)こういう暗記botを作りました。Slack上で顔と名前を検索したり、クイズのようなかたちで暗記できるものを作っていたりします。
尾形:まとめになります。個人的には、まずチャット文化に意識を向けて運用していくほうがよいと思っています。
SaaSやbotなどは、かなりカスタマイズ性も高いですし、連携しているサービスもとても多いので、ぜひそういったものも活用していくのがよいと思います。
スマートニュースは積極採用中です。以上、ご清聴ありがとうございました。
(会場拍手)
越野:現在のSlackのユーザー数でございますが、世界で1,000万人を超えるユーザーを抱えております。こちら(のスクリーン)にロゴを掲載しております企業様にSlackをご採用いただいておりまして、例えばSAPやオラクルなどのテクニカルなお客様がいらっしゃる一方、スターバックスやノードストロームという、アメリカの高島屋のような百貨店にも導入いただいております。業種・業界問わず、Slackは世界中で使われている状況です。
日本に目を向けてみますと、すでに50万人を超えるアクティブユーザーがSlack上に存在しております。それこそ、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)などのテクニカルな企業にご採用いただいている一方、パナソニックやJTのような、非テクニカルなお客さまにもご採用いただいております。
SLACK JAPAN 株式会社
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