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マイク・ウォルシュ氏×落合陽一氏×三宅成也氏(全2記事)

2018.05.11

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ワークアズライフへの転換をどう捉えるか--現代の魔術師・落合陽一氏の考察

提供:KPMGジャパン

これまで人間が築いてきた生産プロセスがAIで代替可能になったとき、人々の働き方はどのように変わり、働くことの意義・人生の意義をどこに見出していくべきか。2018年3月22日、KPMGジャパンが実施した有識者対談において、フューチャリストのマイク・ウォルシュ氏、筑波大学准教授の落合陽一氏、みんな電力COOの三宅成也氏の3者が2030年に向けた議論を展開します。(KPMGジャパンの取り組みの詳細はこちら

組織・従業員の働き方はどう変わるか

関口美奈氏(以下、関口): 前半はエネルギー業界の動向を追いましたが、後半は「デジタライゼーションが変える人、働き方、組織、戦略」に注目していきます。

企業のパフォーマンスを上げるために「自社の従業員とどのように接していけばいいのか」「従業員の働き方は変わるのだろうか」「従業員のモチベーションはどこにあるのだろうか」ということをお話ししていきたいと思います。落合さん、今のテーマに関してはどうでしょうか。

落合陽一氏(以下、落合):「どれだけ人材が流動化するのか」という話だと思っています。日本の古典的な労働環境の中で、日本人は「会社の労働力」をアセットとして捉えてきたんですけど、ある程度は市場にもう1回リリースすることで、経営が健全化する例を作っていかないといけないと思っています。なぜかというと、コストを減らさないといけないからです。

無駄なコストを持っているところをどのようにリリースして、かつ本人のキャリアとしても生活がより潤うか。市場が決定する最適化条件がある一方で、それを会社で区切ることによって市場が得るお金というものもあって、その2つの最適なバランスがあるはずです。

つまり、週3日働いてもらって、2日は自由市場に返したほうが経営が健全化することもあれば、2日分の労働力が市場に導入されることによって、マーケットから得られる何らかのゲインが金融資本ではないかたちで企業に返ってくるかもしれない。そのようなところのバランスの見直しが必要なんだろうと思います。つまり、「動かなかったものをどうやって動かしていくか」ということが大切なのかなと思います。

日本の労働市場の最大の課題

関口:マイクさんはいかがでしょうか?

マイク・ウォルシュ氏(以下、マイク):未来の組織に関しては、興味深い質問が2つあると思います。1つ目は、最もシンプルでかつ最も答えるのが難しいものですが、「2030年の企業はどういうものであるべきか」ということです。フルタイムの雇用を行う法人組織であるのでしょうか、もしくは人間やそれ以外で構成されるプラットフォームとなるのでしょうか。

組織の一部を自動化した場合、2つ目の興味深い質問に繋がります。「どのように人間を巻き込んでいくのか」という点です。機械が行う単純作業から人々が解放されたとき、人間の関与が生み出す最大の価値はいったい何でしょうか。

私の考えとしては、おもしろいことに、古典的で、アナログな概念に戻っていくのではないかと思います。それは、人と人とのつながりです。共感、コラボレーション、創造性、そして、物理的な労働環境です。全体的な傾向として、テクノロジーの利用によって人と人が同じ場所で働く必要がなくなる方向にあります。なぜなら、私たちがそのように変えてきたからです。

それでも私たちは、オフィスを必要とするでしょう。しかしそれは、コンプライアンスを遵守し、出勤を確認するためではありません。純粋に人と人とのつながりを生み出すためです。

関口:三宅さんはいかがでしょうか?

三宅成也氏(以下、三宅):落合さんがおっしゃったように、働き方の変化は必要だと思っています。落合さんは著書(『日本再興戦略』)でこれから人の働き方は百姓のようになるという話もされていますね。日本のワークスタイルの最大の課題は、「終身雇用」だと思っています。

我々が働いている電力業界でも、優秀な人は電力会社内に居続けています。官僚にも優秀な人がいますが、そこから市場に出ていきません。電力会社の優秀な人が効率的にその個人の持てる能力を最大限に生かしているか? というとそういうわけでもなく、既存のアセットを守るために一生懸命考え日々まじめに働いてはいるものの、優秀な人が本当にチャレンジをしていないという状況は業界の責任だと思っています。

私が今、ベンチャーにいて思うのは、いろいろな人の能力を生かして回していけるような場になっていて、どこかの会社を辞めて、新しい会社で自分の力を活かして、また次のキャリアに行くというかたちになっています。

もともとコンサルもそのようなところがありますけれども、ベンチャーのような場がもっとできてくると、個人としてもハッピーになるし、会社としても成長できるということがあると思います。

職能のポートフォリオは毎年アップデートされるべき

関口:今のお話と関連しますが、AIの議論が労働環境を大きく変えるかもしれません。プロセス化できる仕事をAIで代替できる世界になったときに、人は何をすればいいのか。落合さん、いかがでしょうか?

落合:よくうちの会社で工場の自動化という話をするんですけど、人間が99.999パーセントくらい間違えないことについて、機械の精度は98パーセントくらいまでしかいかないことが多いんです。それはもちろん学習という意味で、センサーを付ければ人間より精度が高いですが。

例えばハードウェアなら、「ここよりこっちに来たらレーザーで切ってしまう」ということはできますが、「ここに来たものが◯◯だったら◯◯をする」という条件式のオーダーは難しいです。そこはもう、事前知識やあらゆるリスクや環境要因を考えて、人間をセンサーとして使ったほうが精度が高く、コストも安いことは明らかです。

つまり、機械が持っているリスクとデンジャーに対応する能力に比べると、人間はリスクとデンジャーという「確率が非常に低いもの」に対する応用能力が非常に高いので、コストの面で考えると、どうしても部品としての人間は安いんです。

そのようなことを考えるときに、過去の日本型社会はどうやってそのような人のアセットを使ってきたかというと、インドや日本の例が非常にわかりやすいです。

問題を細分化して、職業をたくさん増やして、必要なところに人をアサインして、自動化されるところは職業自体をつぶしていく。そうすると、いつの間にか最適化された社会のポートフォリオが形成可能であると。

僕は、その社会全体にある職能のポートフォリオは、毎年アップデートされ得るということを考えていかないといけないと思います。

でも、今の会社や職能や業種というのは、頻繁に変わらないことが前提で社会を作っていているので、ある程度流動化してもいいようなITベースの職能ポートフォリオを作らないといけません。

例えば、LinkedInがいい事例だと思うんですけど、「その人がどのような仕事のポートフォリオを形成してきたのか」という、それはFacebookでもなんでもいいんですけど、それが可視化されていて、「この人の職能はどうデザインされてきたのか」ということが常にわかるようになっていることが大事だと思います。

それがみんなでシェアされていると、仕事をアサインしやすいし、リスクやデンジャーに対して機械以上に対応できるということが大切だと思います。

求められるのは、人材とニーズのマッチングの流動性

マイク:新時代においては、日本のエンジニアリングが再解釈されるべきだと思います。プロセスに従うことと、プロセスを改革することは異なります。「改善」というコンセプトは、継続的に自分たちの作業を見直していくことですが、これは自動化の時代においてより重要になってくると思います。なぜなら、機械にできるのはプロセスに従うことだけだからです。しかし、メタレベルでの思考を可能とするのは、作業をすることではなく、作業をデザインすることです。これこそがもっとも重要なことだと言えます。

職業の肩書が流動化するのが大事なのではありません。肩書き自体が存在しなくなる可能性すらあります。人々が多様なスキルセットや経験を持ちこみ、問題の解決に臨むということです。そしてこの問題は常に変わっていきます。

関口:先ほど、落合さんが言及されたLinkedInは、ネットワーカーが人材に関する情報をある程度発信しています。

まだ人材のトレード、キャラクター、得意不得意の把握がざっくりとしていますが、もっと先に行くと、1人の個人がどのような経歴で、どのようなことをしてきて、ニーズはどのようなところにあるのかというマッチングがもっと流動的にできるようになると、もう少し機能する感じはありますね。

落合:なると思いますね。例えば、Uberは各職能や各バリューベースでマッチングをしてくれるからボタンを押したときに車がくるし、Airbnbでは部屋が取れるし、モノをオークションで買えるわけです。だけど、職能や職種に応じて選べるようなものはまだあまりないわけです。そのあたりはちゃんと考えていかないと、ワークフォースをしっかりデザインできない。でもそれはIT化しないと無理で、ヘッドハンターとの人対人のコミュニケーションをするコストのほうが高いです。

関口:おっしゃるとおりだと思います。

人間にアルゴリズムのための仕事をさせてはいけない

関口:ある会社の依頼で、採用した人をどの部署に割り当てたら一番フィット感があるのかということを行ったのですが、新人で入ってきた人は、最初の3ヶ月でぜんぜんフィット感のない仕事をやらされると辞める率が非常に高いそうです。

だから、最初にフィットしている部署に入れることが重要なのですが、それを大きな会社で何万人と何十万人という規模でやっていたらヒューマンリソースのコストが大変なことになってしまいます。「それをIT化したい」ということで、もっと高度化できるレベルのものをITベースで作ったのですけれども、人材マーケットのデータ化についてはどう思われますか?

落合:おそらくこの社会全体として、人材配置の最適化をするように向かわないといけないと思います。なぜなら、人の数が足りないからです。

関口:そうすると、とんがった“何かがある人”の比率は、普通の人の比率よりぜんぜん低いので、その人たちを公共化して使っていかなければいけない。

落合:そうですね。そうすると、そういうタレントのあるワークフォースは分散化します。それでもコミュニケーション・コストが高くならないように、ある程度はITで最適化しないといけなくて、それは社会の急務だと思います。

時代が変わるときはいつもそうで、例えば、明治の維新のときは1人の人が異常に仕事をしているんですよ(笑)。福沢諭吉が仕事しすぎで、日本の総理大臣が仕事しすぎで、ということがあるので、最初はそうなるだろうなと思います。

関口:そういうことに対する社会的なレジスタンスもあるだろうし、今もデジタル化について話をしたり、いろいろな人に話を聞いたりすると「いやー、そうは言っても……」と言われる方が多いです。しかし、こういった変化はある日突然ピークポイントを迎えて、そうすると急激に進んでいく。

落合:大多数の議論がそっちにいってしまえば、社会は変わってしまうんですよね。

関口:正しいか正しくないか、どこが都合悪いかということは関係なく、そちらにいってしまったときにはどう対応すればいいのか、その前提で、企業として成功するにはどうすればいいのか。マイクさんはいかがですか?

マイク:業務の細分化は産業革命の結果から起こったものですが、自動化の時代に対応するにあたって、人々が機械化していきました。AI時代を迎えようとする今、私たちはAI化するというような失敗を繰り返すことを避けなければいけません。

鍵となるのは、人間にアルゴリズムのような高効率を求めず、それをさせないことです。人間に自由な時間を与えて、アルゴリズムではできないことをさせるべきです。

多くの人々がアルゴリズムのために働くことは、未来の社会を犠牲にしてしまう大きな危険をはらんでいます。もっともわかりやすい例は、Uberのドライバーです。彼らは人のために働いているわけではなく、アルゴリズムに指示されて働いています。彼らに聞いてみてください。あまり気分の良いものではありません。

そして、社会のごく少数の割合の人だけが、アルゴリズムを利用して働くことができています。彼らは、アルゴリズムを設計する能力があります。そして、ごくごく少ない社会の0.001パーセントの人がアルゴリズムを所有しています。

これが革命のレシピです。ユニバーサル・ベーシック・インカムは、人々が価値ある関与を行うための解決策にはなり得ないということです。

ワークアズライフのとらえ方

関口:三宅さんはいかがですか?

三宅:私はベンチャーの視点で人を見ているので、同じレベルの話ではないかもしれないのですが、多様な人をどのように生かすかということは非常に大事だと思います。

人材はプロフェッショナルか、スペシャリストか、ワーカーというような大きなくくりがあるかなと思っていて、日本の雇用制度がそこに追い着いていないことが少し残念かなと思います。

我々のようなベンチャーが急速な成長を成し遂げるためには、スペシャリストの力を借りなければいけないし、プロフェッショナルの利用が必要です。雇用はより流動化し、大企業ではそれをプロファイルして、いろいろな人とマッチングする仕組みで多様な人材を(組織のなかで)回しています。

一方、ITのベンチャーでは、大きな市場でそのような人材を探して呼び込んでいるので、新しいキャリアの流動性があったらいいなと思います。

関口:例えば、我々の会社では、多くの人材が非常に詳しい会計知識を持っていたり、法律や税務に詳しいプロフェッショナルがいたり、いろいろな専門家がいます。

しかし、規則や法律そのものに関する知識は公開値なので、それを知識として持っていること自体の価値は軽減していって、では何に価値があるかというと、そういった知識を実際のそれぞれ異なる事象に適用する際の個別の対応など、あまり一般的にならない部分にようやく人の価値が出てきます。

落合:暗黙知的な。

関口:そう、暗黙知。そのような混乱した状況に接した人々の感情をどのように扱うか、といったことを含めて、そういったところにこそ我々人間の価値が問われるのではないかと感じています。

そういう意味で、勉強をたくさんするということは前提として、どれだけ人と対話して、いろいろな環境にいたことがあるか。スペシャリストとして、会社の中だけでなくて、世の中全体のいろいろな経験をしてきたか。

それは仕事かもしれないし、仕事ではないかもしれないけれども、そのような人たちは、仕事人としてだけの価値ではなく、人としての価値も出てくるのかもしれません。

落合さんは「ワークアズライフ」とおっしゃっていますが、私はそれに賛成です。今までワークとライフは分けて考えられてきたけど、すでにライフ自体がワークで、ワーク自体がライフという側面になっています。

今までの日本の社会では、ドメインは1つだよねという考え方はあまりなく、ワークとライフという異なる2次元が存在して、「お父さんは会社に行ったきり帰ってきません」という感じが普通でした(笑)。

ワークアズライフの概念について

関口:この働き方の転換、ワークアズライフの概念について落合さんに教えていただきたいのですが。ここに日本人が展開していく上でのチャレンジとは何でしょうか。

落合:ワークアズライフは、産業革命以前の農耕生活、つまり季節の中で何かを耕し、生産し、それで暮らすという生活スタイルが、ITの発展やインフラストラクチャーの発展によって可能になってきているということの裏返しです。

つまり、人間が生産プロセスである機械の面倒をみて、社会制度自体は人間が判断可能なロジックにもとづいて、法律やルールを決めるという構造をある程度進めて、コンピュータによって秘匿化したりとか。あとは例えば、1個1個のルールも動的に変わり、システム自体もある程度自動化できるようになると、それは人間にとって魔術化した世界になります。

18世紀くらいまで、科学技術が発達する前の社会は事象が論理的に説明できず、人々はそれを魔術だと言った、魔術化した状態でした。つまり、科学的な原理原則がほぼわからなかった。

しかし、サイエンスが発達することによって魔術が解けて、事象が説明可能になったあと、社会は更に複雑化して、また説明が難しくなり、もう一度魔術化してしまった。それを1回秘匿化しないと、一人一人の人間が理解する程度を超えてしまっていると。

そのような状況になっている今、ワークとライフを分けるというよりかは、秘匿化したもののうえに等しくライフが乗っていて、それを組み合わせながら考えていく。そのようなことが自然と言えば自然で、これまで人類がやってきたことの1つだと思います。

「仕事を忘れるための休暇」から抜け出そう

関口:これまでの高度産業化社会において、とくに日本人は「会社で何か意義のある仕事をしよう」と思って入ってくるわけです。その業務の一部が必要のない仕事になっていくときに、上澄みのところだけをやるためには、プライベートの充実も欠かせないのではないかと思います。

意義(meaning)というのは、会社にいることではなくて、私が生きて死ぬときに「いい人生だった」と思うことだと思います。会社では「あなたはいい仕事をやったね」と評価をしてくれるけれども、自分が人生に納得するということは、誰かの評価ではなくて、自分の評価なので、より難しいかもしれません。

ここにいらっしゃるみなさんは仕事が趣味になっていらっしゃる方々なので、そのようなジレンマはないかもしれませんが、世の中にはそうではない人がたくさんいて、それで悶々としている人がいっぱいいると思います。

そのような人たちを価値のあるワークフォースにするためには、事業者が何か価値を与えてあげることが必要かもしれないとも思うのですが、いかがでしょうか?

三宅:私は超安定企業にいたので、37歳のとき、そこから飛び出すことは勇気がいりました。しかし働く人から見れば、終身雇用というのは会社の言うことを聞くことで保障を受けて、それによって失うものもあると。だから「ワークライフバランス」という概念が出てきて、「仕事が辛いからライフのほうでなんとかする」というような。

関口:リラクゼーション休暇やリフレッシュ休暇?(笑)。

三宅:仕事を忘れるためのライフという話になっていると思います。本来仕事というものは、人生の8割を使うものだから、本来は楽しいものであったり、自分を高めるべきものです。

そう考えると、会社が出しているメッセージはずいぶん間違っています。高度成長期においては、会社が「全員、一生面倒見てやるよ」というのもありでしたが、それはもうできなくなったということを会社も明確に言うべきです。労働組合もあるので、なかなか難しいとは思いますが。

大企業もそのようなスタンスになっていけば変わっていくと思います。なので、「会社にはもう頼れない」という意識を持ってもらいたいです。私が大企業を出てみてわかったのは、人生が一変しますけど、まさにワークアズライフになります。そのほうが人生もおもしろいです。

2030年代の未来を生きるために

関口:三宅さん、みんな電力がどのような事業者でありたいか。どのようなワーク環境でありたいか。みんな電力はどのような企業文化を目指しますか?

三宅:ひと言でいうと、多様性だと思います。うちの会社にはさまざまな人が入ってきていて、アイドルやアパレル出身の女の子、パチプロなど訳のわからない人がいっぱい働いています。でも、それぞれの人が何かしらのスキルをもってタスクを行っています。そのような集合体になっているのですが、おもしろいことに、そのようなところからイノベーションが起こるんです。

ぼくが持っている常識と、その常識外にいる人たちがいて、それぞれの交流からイノベーションが起こるということがいくつかありました。人の能力をかけ合わせることによって、いろいろな新しいものが出てくるということを感じていますので、ベンチャーならではのワークスタイルを作っていきたいと思っています。

関口:ありがとうございます。マイクさん、最後のひと言をお願いします。

マイク:私は未来に関してとても楽観的です。なぜなら、未来は私たちすべてに、人間として、リーダーとして、コミュニティのメンバーとしてどのようにあるべきかを再考させているからです。

未来で最も成功する人々というのは、テクノロジーと人間性という2つの世界に住むことができる人々です。計算論的思考でテクノロジーを利用して、新しい方法で問題を解くための能力。また、人間を形作るものは何かという複雑さを理解した共感性を持つ。それを私たちが再評価するチャンスです。私たちはどちらの道を選ぶことも可能です。

関口:落合さん、最後の一言をお願いします。

落合:そのような社会づくりをするときに、我々が持っていた教育も変わっていかなくてはなりません。そのようなことを考えていくうえで、自分が何に寄与して、その結果として返ってきたものが社会をどのように循環していくのかが、現在では可視化されていないと思います。それが見えやすくなって、お互いにいいのではないかと思います。

関口:ありがとうございます。本日は落合さん、マイクさん、三宅さんをお迎えして、「2030年のエネルギー業界はどのように変わっていくか」「デジタライゼーションは人、働き方、組織をどのように変えていくか」というテーマで議論しました。

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