2024.10.10
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「情報集約」と「Excelの置き換え」だけじゃないkintoneのちから!(全1記事)
提供:サイボウズ株式会社
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原田陽介氏(以下、原田):みなさん、こんにちは! 紹介いただきました、ニシム電子工業の原田と申します。今回は、営業の案件管理をエクセルからkintoneへ置き換えたという話をします。
まずは、会社紹介からさせてください。当社、ニシム電子工業なんですけども、九州電力のグループ会社でして。電力関連の通信設備の工事、保守、監視などをやっております。電柱とか鉄塔の上にある装置の保守ですね。製品も作っておりまして、バックアップ時の電源であるUPS、または水位や温度を測る農業センサーも最近は作っております。
規模でいうと社員が800名ほどおりまして、創業が54年くらいです。平均年齢が40歳以上。そのせいもあって保守的で、あまりチャラいことをやると怒られるんです。気持ちが熱くても、あまり熱くなれないプレゼンになると思います。
(会場笑)
拠点は、九州を中心に全国に18拠点あります。営業部門だけを見ても、本社に5グループ、支店に12ヶ所。今回の導入事例は本社です。営業の業務改善をやっておりまして、そこで実施した内容を説明します。
ここでちょっと、私自身の話をしておきます。私、本社で営業の管理業務をやっております。プライベートなことを申しますと、お花がちょっと好きでして。
(会場笑)
草月流のほうを嗜んでおります。社内でちょっとオネエ疑惑はあるんですけども、真意のほどはわかりません。
(会場笑)
すみません、切り替えます。そんな私が参加するワーキングでは、女性を中心としたメンバーでやってます。もともと、ほぼ女性でやってたんですけども。私がkintoneを知ってるということで、途中から参加しました。でも、メインは女性でやってます。たまにヒートアップして怖いときもあるんですけども、仲良くやってます。
では、kintoneを導入するに至った経緯を説明するために、業務にあった問題点からお話します。以前、営業の案件管理を拠点毎に、18個以上のエクセルでやってました。管理していた内容では、おもに3つあります。1つは、案件や金額、件名の案件管理。もう1つは、提出物の締め切りチェック。3つ目が、印刷用の帳票の作成。これをエクセルでやってました。
ボリュームが、全社でだいたい年間1万件くらい。これをバラバラでやってました。バラバラでやってますと、当然、問題が起きるんです。
例えば、あるお客さんに対して、ほかの部署が以前見積もりを出していたとします。その見積もりを流用して出せればいいんですけども、それができないばかりか、金額も違ったかたちで同じお客さんに出す。もっと言うと、自分のところが、前に見積もりを出したことがあるのに、エクセルの管理がバラバラなので、探すのに時間がかかる。そんな問題がありました。
もう1つ問題だったのが、支店ごとに仕事のチェックのやり方とかバラバラでした。なので、もしも営業の部署移動で別の支店へ移ったときに、また新しいやり方で覚え直さなきゃいけない。そういう問題がありました。
以上を解決するために、バラバラのエクセルをkintoneに集約しました。ちょっと整理させていただきますと、案件の全社的な情報共有と、チェック方法の統一、エクセルの代わりになるものが目的です。では、これを実際に当社ではどう実現したか、具体的な内容をお話します。
まず位置づけなんですけども、当社はガルーンを使ってまして。ガルーンでスケジュールと情報共有をやってます。kintoneでは、顧客と案件管理をやってまして、受注したものに関しては、固有の販売システムがありますので、入金とか売上の管理はやってます。
固有の販売システムは外部の業者で作ってもらってるので、いろいろと改変しようとしたらお金がたくさんかかるんですね。だから、kintone側でいろいろと調整ができるというのは、ありがたく思っています。
実際に、kintoneでは3つのアプリがあるんですけども。今日説明するのは、2つです。顧客情報のほうで、案件情報との共有をやっています。件名管理では、今までエクセルでやっていた案件管理と提出物と、帳票の印刷機能をやってます。お客さんの情報1つに対して、件名の情報が複数あるような構成です。
実際に、目的の1つである顧客情報の共有を、顧客情報アプリでどうやってるのか画面をお見せします。
これが、顧客ごとの詳細画面です。各拠点から出した案件情報を引っ張ってきて、この画面で一覧で確認できるようにしてます。もともと、エクセルで支店、年度、バラバラだったものを、この画面で確認しています。実現方法は、普通に関連レコードで引っ張ってきています。
目的の2つ目はチェック方法の統一です。この画面は、件名の一覧画面なんですけども、提出物などの提出のチェックをやってます。締め切りが近づいたものに対して色を分けています。締め切りを過ぎたものは赤、当日は黄色、10日前のものは青と、色分けして確認しています。
実現方法に関しては、条件書式プラグインというのを使っております。これ、サイボウズのkintoneコミュニティであるサイボウズデベロッパーネットワークがあるんですけども、こちらで無料で公開されているものを使わせてもらってます。
最後、エクセルの置き換えの話です。エクセル時代では、47列の長い表を使っていたんですね。これをkintoneに置き換えようとすると、件名を確認して、ずっとスクロールしていくと、どの件名かとかわかんなくなるみたいになってしまうので(笑)。これを一覧の画面は2つに分けてます。
件名とかを確認する、件名一覧の一覧。あとは提出物をチェックをする、進捗管理の一覧。この2つに分けて、それぞれボタンにして、件名一覧の画面に貼っつけてます。これで、ボタンワンクリックで、一覧の画面を遷移できます。実現方法は、JavaScriptのカスタマイズを使っています、これも、kintoneコミュニティのサンプルコードを2〜3行変えて実現しています。
あと、帳票の問題です。帳票に関しては、件名ごとの詳細画面から、ボタンをクリックするとエクセルが出るようにしています。実現方法は、日本オプロ様の外部のクラウドサービスを使っております。
このエクセルの実際の中身は、11種類くらい帳票があります。着手届とか請求書とかですね。本当は、PDFで全部出るようにしたかったんです。エクセルを使いたくなかったんですね。
でも、やっぱり現場のほうからは「ここのフォーマット。変えてくれ」と、エンドユーザーさんから細かい要求が来る。支店もいろいろあり、要求もバラバラに来るので、ここは現場で柔軟に変更できるように、エクセルのままにしてます。
ここまで、案件情報の共有とチェック方法の統一、エクセルの代わりを実現した話をしました。
でも、さっきの髙田さんもおっしゃってたんですけど、変えるときにはやはり反発がありますよね。当社でもありました。ここからは、導入時に起きた問題と、こうすればうまくいくんじゃないかという導入ポイントを共有させていただきたいと思います。
まず、起きた問題です。事前説明会では、苦情がたくさんありました。「やり方を変えたくない!」「以前できたことは、全部できるよね?」「本当にこれって使いやすいの?」。今まではエクセルで慣れていたので、不満があるのは当然かなとは思うんですけど。
これをどう解決したか。まず、使ってもらうことが一番大事だと思いました。使ってもらえば、慣れます。慣れれば、便利だと思ってもらえるんですね。
このグラフは、私の体感なんですけども。導入直後は、問い合わせも不満も高かったんです。けれど、すぐに問い合わせも不満もなくなった事実がありました。
とは言っても、どうやって導入を決定するのか。
(会場笑)
ちょっとすみません。先に、映像が出ましたけど(笑)。当社の場合は、身長190センチの、背の高いかっこいい常務がいまして(笑)。
(会場笑)
常務の鶴の一声で、導入は決まりました。いい意味での、忖度があったんじゃないかなぁと。ちょっと古くなってますかね。
あともう1つ、導入のポイントなんですけど。「変えます」と周知するときに、「システムが新しくなります」と話すのではなくて、「仕事のやり方自体を変えます」と周知したのが、よかったと思います。
最初は私、「エクセルをkintoneに置き換える話をします」と伝えました。でも、違うんです。「仕事のやり方を変えます」という話なんです。ワーキングの中でも、「この業務の帳票とかフローとかいらないんじゃないの?」という意見が出ました。その結果、フローの見直しや、現場の不満もなくなるということにつながります。
あと、ポイントと言いますか、これは気づきなんですけど。今回、高いシステムを外部業者に作ってもらったのではなくて、利用者である営業事務をメインにしている女性自身で作った。これが良かったと思います。こうすることで、継続できますし、運用の視点で改善ができると思います。
加えてですね、昨日、背の高いかっこいい常務から言われたんですけど。「やることによって、末端の現場から、業務全体を変えていけるという意識の変化と成長があったよ」と言ってもらいました。ここらへんは、やっぱりkintoneの特徴かなと思います。
ここまででは「こうするといいですよ」みたいな話をしたんですけども。振り返ると、どうもできてないところがあるのよ。あ、ここは笑うところです。
(会場笑)
ありがとうございます(笑)。
みなさん、kintoneと言えば、真っ先になにを思いつきますか?
kintoneと言えば、コミュニケーションですよね。当社、実は、コメント機能があまり活かされてないです。と言いますのも、コメント欄を自動で閉じるようなカスタマイズにしてます。勝手に開くので、なんか邪魔だなと思って閉じるようにしちゃったんです。
でも、目に入らないと、みんな使わないんですよね。うまく使ってる人も社内にはいるので、もっといい、ベストな使い方を周知して使ってもらおうと思っています。
もう1つ、kintoneと言えば、ほかにも思いつくことあると思うんですけど。kintoneと言えば、継続的な改善ですよね。改善自体は、もちろんやってます。定期的に、ワーキングの中でやってます。でも、当社の場合は、利用者と管理者がイコールではないんです。
私は管理者です。でも私、このアプリを使うのは、1週間に1回です。毎日使う人は、本社にも支店にもたくさんいるので、その人たちを管理者に巻き込んでいけば、絶対に「ここ、こう変えたい」が出ると思う。そこはまた変えていこうと思ってます。
ここまで、私のkintone活動を振り返っていくと、kintoneって結局はなんだったのかなぁと。
個人的にまとめますと、kintoneは情報の集約ができて、エクセルの置き換えも当然できる。利用者自体が主役で。もっとコミュニケーションも促進できて、継続的にPDCAを変えていけるものだなぁと思っています。
でも、当社はこれを全部できてはいないんですね。できていないんですけども、逆に考えたら、もっと良くなるんだと今感じてます。
最後ですね、ちょっと蛇足なんですけど。kintoneと言えば、なんかほかにも思いつきますよね。漫画とか、怪しいこと。kintoneと言えば、「オラにみんなの力を分けてくれ!」っていうの、ありますね?
(会場笑)
みなさんの事例も、ぜひ、教えてください! どうも、ありがとうございました!
(会場拍手)
スタッフ:ありがとうございました。これですね、テンション高いやつ。
原田:はい、そうです!
スタッフ:こういうことですねぇ! なるほど(笑)。どういうことかなと思ったんですけど、最後にわかりました。ありがとうございます。ちょっと1枚戻してもらってもいいですか? 素晴らしいまとめだったので。ありがとうございます。
途中で使っていただいている画面も含めて、すごくいい共有をしていただいたと思うんですけど。これってまだできてないんですよ、でもやったほうがいいよねということで、今日教えていただいたんですけど。難しくないですか? 利用者=管理者とか。それって、どうやっていこうかなっていうアイデアとかありますか?
原田:そう……難しい質問ですね(笑)。
スタッフ:難しいですよね。みなさんの中で今、利用者=管理者に近い運用をされてますよという方、どれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
あ、ちらほら。ですよね。案外、作ってあげちゃうかたちになりやすいんですよ。これ、なかなか難しいかなと思うんですね。もしかしたら、管理者じゃなくてもいいのかもしれないですけどね。でも、一緒に作っていくようなかたちがいいかな。
原田:うちは保守的なので、わりと電話の文化が残ってるので。「今度ちょっと来て、意見を聞きたいんだけど」みたいなかたちで、ちょこちょこと、開発の機会に巻き込んでいくことはできるかなぁと思っています。管理者にはなってもらえなくても、もっと巻き込み方を強くする。そこから始めようという気はします。
スタッフ:社内の方って、kintoneで項目変えれるよとか、そういうのはご存知なんですか?
原田:知らないんですよ!
スタッフ:知らない方が多い。じゃあ、そこからかもしれないですね。ちょっと項目1つでも変えようと思ったら変えれるんですよ、とか。名前だけでもね。項目の名前は、すぐに変えられるんですよっていうのを、目の前で見ていただいたりすると、良さそうですね。
原田:そうですね。やっぱり、今までの出来合いと言いますか、完成されたもので変えられないとか、変えるとしたらお金かかるみたいなイメージはあるので。そうですね、そこを変えていったら良さそうですね。
スタッフ:あと、システムを作るんじゃなくて、新しい働き方、やり方を変えていくんだよっていう話も、すごく勉強になったんですけども。あれいいですね。みなさんもぜひ、これから新しい取り組みをするときに、ものを作るというより、働き方を変えるためにとか、取り組みの仕方を変えるためにやるんだよってことを共有しながら進めていくと、すごく良さそうですね。
原田:はい。
スタッフ:ちょっと、ワークグループのみなさんにもよろしくお伝えいただいて、社内の。あ、今日、いらっしゃってるんですか?
原田:(客席に向かって手を振りながら)ありがとうございます!
スタッフ:ありがとうございます。ワークグループのみなさん。あ、先ほどお写真にも登場されてた(笑)。
原田:ちょっとヒートアップした写真に(笑)。
スタッフ:いやいや、ものすごく優しそうな方じゃないですか! めっちゃやらせの写真じゃないですか、さっきの(笑)。
(会場笑)
これからも、ぜひ、よろしくお願いします。原田さんも、今日は本当にありがとうございました。
原田:ありがとうございました。
(会場拍手)
サイボウズ株式会社
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