2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
提供:日本マイクロソフト株式会社
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小柳津篤氏:それでは、キーノート後の最初のブレイクアウトになりますけれども、こちらのセッションをスタートさせていただきます。
(スライドに)タイトルが出ております。「イノベーションを生み出す組織へ! 働き方改革を実現する“MyAnalytics”の導入と活用のポイント」と題しまして、私、マイクロソフトの小柳津より、セッションのご紹介をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
自己紹介をさせていただきますと、私は、ワークスタイル変革や、働き方改革を社内でも実践していますし、いろいろなお客さまのお手伝いもしている。そういう立場の者でございます。
今回このTech Summitで、MyAnalyticsはじめ、「業務の可視化」というテーマで1つ箱を持たせているんですけれども、私は、そういう意味ですと、エンジニアではないんですね。事業部側の人間です。事業部側で組織変革を行いながら、事業部の成長や顧客満足、競争優位を考えているという、そういう立場の者です。
当然、今日はTech Summitですので、テクノロジーのお話もいたしますけれども、今日ここでお伝えする「業務を可視化する」というテクノロジーは、このあとご紹介します、私がやっているような、ビジネスサイドのユースケースとビジネスニーズをきちっと組み合わせないと、なかなか技術としてはメリットが見いだせない。
そういう観点もありまして、今回このセッションは、エンジニアではなくビジネスサイドの組織変革者から、業務の可視化というところについてお話をさせていただきたいと思っております。
今日、非常にみなさんお忙しいなか、しかも雨の降っているなかお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。しかも、後ろの方に何人か立って見ていただいているということで、主催側としてもたいへん心苦しく思っておりますけれども。なるべくたくさんいろいろな情報を詰め込んでご紹介していきたいと思いますので、最後までおつきあいいただければと思います。
本日の内容です。まず、いくつかのキーワードがございますので、用語の説明というところから入ってまいります。その後、先ほど申し上げたとおり、技術の話と、それから技術を使うビジネス側のニーズと、この2つをバランスよくお伝えをしていきたいと思っております。
今日ここにいらっしゃっている方は、前半のキーノートにも参加いただいた方がたくさんいらっしゃると思いますけれども、1つのキーワードが出てきましたよね。私がこのTech Summit全体を通じてすごく気にかけているキーワードがございます。
今、スライドには、巷でよく言われております「コストセンター(Cost Center)かプロフィットセンター(Profit Center)か」みたいなキーワードが書いています。
当然、これは会計学でいうコストセンター、プロフィットセンターという使われ方よりも、一般的には、ビジネスサイドの人たちをプロフィットセンターと言い、管理部門の人たちなんかをコストセンターと呼ぶということをステレオタイプ的に書いています。
今日はたくさんの方にご来場いただいております。「どんな方がいらっしゃるのかな?」と思って、いくつか見させていただいたんですけれども、ものすごくシンプルに言いますと、情報システム部門の方という意味でのITプロの方が、たくさんお見えいただいています。
当然なかには、私と同じように、ビジネス側の人もいらっしゃると思いますし、情報システムを提供するメーカーさんやプロバイダさんもたくさんいらっしゃいますけれども。
今日はまず、このセッションを通じて、事業部側と情報システム部門側のリレーションシップやある種の緊張感というところからお話を始めていきたいと思います。
世の中的にはよくこういう言われ方しますよね。とくに情報システム部門の方なんかは、仕事はもちろん大事な仕事ですけれども、プロフィットセンター側、事業部側から見れば、「もっといいサービスを提供してください」と。いつもなにかサービス提供のレベルアップを求められる側ということだと思います。
このTech Summitを通じて1つ、いろんなセッションで、キーノートでも出てきましたけれども、我々がイメージしているものがまさにこの図ですね。“IT HERO”です。
当然、今までも、情報システムが提供する情報システムの力がなければ、我々、事業部側は仕事がうまくできません。それは当然マイクロソフト株式会社でもそうなんですね。私がいる利益をあげている事業部に対して、マイクロソフトの情報システム部門はさまざまなサービスを提供してくれます。
私たちはそれに対して、「ありがたい」という感謝の気持ちもありますが、正直なところ、「もっとよくできないのか?」「もっと早くならないのか?」「もっと可用性は上がらないのか?」と、いつも要求をしたがるというのが事業部側の構図でございます。
そういった事業部側のニーズに対して、いろいろな情報システム部門の方はヒーローと見えているかどうかですね。正直申し上げて、マイクロソフトの一事業部にいる私にとって、マイクロソフトの情報システム部門、ものすごく助かってはいますけれども、そんなに毎日彼らをヒーローとして感じられるほどは……なかなかそんなに話は簡単ではないですね。
ところが、今日ぜひみなさんに持って帰っていただきたいのは、今日お話しするテクノロジーとビジネスニーズがきちっと融合すると、情報システム部門の人たちのさまざまな提案が、我々事業部サイドにとってはヒーローに見えてくる。そんなストーリーを今日はぜひ持ち帰っていただきたいと思っております。
まず、用語の解説です。「業務の可視化」ということに対しては、巷でいろいろな記事や、いろいろなメッセージがだいぶ出始めております。当然、これだけたくさんの方がこのお部屋に集まっていただいたということは、たぶんタイトルに書いてあったMyAnalyticsみたいな言葉に反応された方もいらっしゃるんだと思います。
いくつか業務の可視化に関してキーワードがございます。よく出てくるのがこの3つですね。「Office Graph」という言葉、それから「Delve」という言葉、そしてセッションタイトルにもありました「MyAnalytics」という言葉ですね。
ちなみに「Office Graph」というのは、こう考えてください、業務のトランザクションを可視化するエンジンと考えてみてください。今日、Office 365自体の説明は割愛しますけれども、みなさんご存知のとおり、Office 365を使いますと、人との関わりですとか、情報活用・情報流通に関わる、基本的にはあらゆるサービスが1パッケージで提供されている。そういうクラウドソリューションでございます。
ということは、もし仮にマイクロソフト社の社員のように、コミュニケーションやコラボレーションの業務のなかでOffice 365だけを使っていれば、その会社で行われるコミュニケーションやコラボレーションのいろいろなことは、ログとして回収可能ということになりますよね。それを中心に司っているのが、あのOffice Graphという考え方です。
ただ当然ですけど、ログというのは集めるだけですと、なんの役にも立たないと言い切ってもいいぐらい、ただの数字の塊になりますね。そこで集めたものをどのように解釈し、どのように我々事業部側の組織活動にフィードバックするか、それが重要なサービスになってまいります。
それがこの2つの名前ですね。「Delve」という言葉も最近Web上では語られるようになってきましたけれども、ひと言でいいますと、リコメンデーションのことです。おすすめですね。
要するに、いろいろなログが溜まってまいります。トランザクションの様子がわかるようになってまいります。それを見たときに、機械のほうから、「あなたのふだんの働きぶりやあなたのふだんのリレーションシップを考えたときには、この人とつながったほうがいいんじゃないですか?」「この情報がいいんじゃないですか?」「この人が作ったこのファイルが、あなたにとっては有益じゃないですか?」ということを知らせてくれます。
これは当然ですけれども、もう私生活のなかでみなさんよく経験していますよね。みなさんがなにか情報を探すときにインターネットにアクセスします。よくやるのはたぶんキーワード検索ですよね。例えば「このテーマについて知りたい。『日本ハム 日本一』」。いろんな記事がバーっと出てきますよね。
ところが、インターネット使って私生活で、例えば、いろいろ情報検索やお買い物をしていると、まあ「便利な」といいましょうか、たまにはちょっとうるさいぐらいリコメンデーションが出てきますよね。「これを検索した人は、これも探してます」とか「これを買った人は、これも合わせて購入してます」とか。こんなことがバンバン出てきますよね。あれがビジネスサイドで出てくるというようなイメージが、このDelveというサービスです。
それだけじゃありません。「MyAnalytics」というものがありまして。これはなにかといいますと、これまで困難だった活動分析、これを一人ひとりに合わせてかなり丁寧にやってくれる。こういったサービスが出てまいります。
これだけでも十分、組織変革、我々事業部サイドの物事をよくしたいというアプローチに対しては、よき手助け・よき材料にはなりますが、ただ……今日、間に合って本当に私ほっとしております。
実は、情報システム部門の方が本当にIT HEROになるためには、この3つだけだと少し足りないんですね。エンジニアの人はこの3つでもいいと言うかもしれませんけれども、私のように本当に組織変革をやっている、ビジネス側の変革推進者から見ると、「この3つだけであなたの仕事がよくなります」と言われても、やはりそれは承服しかねるところがあります。
ただし、今日、非常に重要な発表をさせていただきます。今日、このOffice Graph、Delve、MyAnalyticsに比べまして、新サービスを発表させていただきます。
「Workplace Analytics」というものをご紹介します。この国内リリースが決定いたしました。本日この場で初発表でございます。
これはなにかといいますと、先ほどのスライドの流れでご紹介するとわかりやすいと思うんですが。エンジンがあります。サービスとしてのリコメンデーションがあります。個人単位の活動分析があります。さらに、それを組織に展開するというのが、このWorkplace Analyticsというものです。
「えっ、個人が組織になるだけですか?」。いやいや、それだけじゃないんです。もう少しこのWorkplace Analyticsというものをご紹介していきたいと思います。
例えば、こちらの3つ、重要なフィーチャーが書いてあります。簡単にご紹介します。
先ほどご紹介したとおり、これはベースとなっているのはOffice 365上のあらゆるイベント、トランザクション、こういったものを統計的に集計をしていきます。そこに対して、まずBIツールが提供されていきます。
このあとご紹介しますが、MyAnalyticsには一人ひとりの活動分析に対してもとてもきれいでとても使いやすいインターフェースがあるんですけれども、なかなか分析というところには踏み込みづらいんですね。そこに対してきちっとUI、ユーザーエクスペリエンスが提供されていて、かつ、もちろんですけれども、ビューも提供されます。
それから、私が実際に長らく自分の組織の組織変革をやっていく上で非常に重要なのがこれですね。異なるインフラやシステムとも接続する、つまりAPIと開発環境が提供される。これが、破壊的に重要な要素になります。
このAPIと開発環境が整備されるということが、どのくらい将来にわたって希望が持てるかということは、実例でこのあとご紹介していきます。
それからもう1つ。私たちのこの可視化の取組みというのは、VoloMetrixという会社を買収したのが1つ、大きなきっかけになっているんですけれども。その人たちはこういったITコンポーネントを持つだけではなく、もともとコンサルティングをやっていた人たちなんですね。
ですので、ITとして、クラウドサービスとしてさまざまなサービスをみなさんにご提供するということに加えて、コンサルティングやサポート、要するに人的支援も含めて、このWorkplace Analyticsのサービスメニュー化が予定されています。
「クラウドサービスあります。さあ使ってください」、もちろんそれでも一定の効果はあるんですけれども、その使い方や、分析の視点、レポートの考え方といったことも含めて、お客さまに見ていただけるようになるというのが、このWorkplace Analyticsというものでございます。
簡単にスケジュール感をご紹介します。
先ほど出てきましたVoloMetrixというのが世の中に誕生しましたのが2011年でございます。これを2015年に私どものほうで、吸収といいましょうか、一緒に合体いたしまして。以降、Office 365との融合を進めております。
今日現在、MyAnalyticsは一部サービスをもう開始を始めております。Delveもすでに一部サービスを開始しております。
今後、年を明けまして、それをもう少しチーム型に集約したもの、そして先ほど申し上げたとおり、さらにそこにAPIですとか、ノウハウですとか、コンサルティングなども付与した上で、このWorkplace Analyticsというところまでサービス拡張するというのが、もう目前というところでございます。
今、エンハンスされているサービスは、こういったところですね。これが今後拡張されていきながら、Workplace Analyticsになっていくということでございます。
ちなみに、少し聞いてみたいんですけれども、もうすでにご利用可能な状態にあるMyAnalyticsですが、「僕は/私はもう実は使ってるよ」という方どのぐらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
お1人、お2人……聞かなかったことにしてください(笑)。
これはもうみなさん使えますので、Office 365を使っていただいている方はぜひ試していただきたいんですが。じゃあほとんどの方はまだお使いいただいてないということですので、もともとどういうもので、どんなイメージで振り返りやリコメンデーションができるのかというのをご紹介していきたいと思います。
これからご紹介する画面はすべてこれマイクロソフト社のなかの本物の画面ですので、あとから前半のスライドはもちろん公開されますけれども、この画面はこのお部屋のなかだけというところでご了解いただければと思います。
最初に「MSW」というものがありますけれども、これがマイクロソフト社内で展開されているイントラネットのトップページですね。
当然、もうこの段階で我々はパーソナライズされていますので、ログインした人の資格に合わせた情報がブロック化して表示されている。そういう状態でございます。もちろんサービスはSharePointでサービスをされています。
左上にメニューがありますね。メニューを押してみます。そうしますと、タイル型にいろいろなサービスを選択することができますが、このなかに「Delve」ですとか、使われている方によっては「Analytics」というようなボタンが出てくるかもしれませんね。
「Delve」というものを押してみたいと思います。そうしますと、タイル表示がされていきます。これは、先ほど私が申し上げたリコメンデーションです。自分が誰かを探したり、自分がどのファイルを探しにいくということではなく、機械のほうから「あんた、これ見たほうがいいんじゃないの?」「これ、なにかきっと役に立つよ」ということを並べてくれているということですね。
キーノートに出席された方は、最後のセッションでAIのデモがありましたよね。とんでもない速度でとんでもない処理が行われていて、私も「SFじゃないか」というぐらい、高速処理にびっくりしましたけれども。
サカキバラが言ってましたよね。「MicrosoftはAIを民主化するんです」と。民主化するときの1つの出口として、やっぱりこのOffice 365ってすごくわかりやすいですよね。
そうです。当然ですけれども、これはすべて、機械学習、ディープラーニング、AIといったテクノロジーを含めた上でのリコメンデーションになっていますので、「今からAIを使います。こういう機械学習をするんです」というプロのアナリストでなければできないようなことではなく、普通の人が平易に日常的にこういったAIの恩恵にあずかる1つのシーンが、こういうリコメンデーションだと思っていただいていいと思います。
非常に華やかで、人やコンテンツベースでいろいろなものが提案されていくということでございます。
左のほうを見ていただきますと、メニューバーがありますよね。ここに「MyAnalytics」というものもあります。ちょっと押してみます。そうしますと、先ほど私が申し上げた活動分析などが出てきます。
いろいろなタイプがあるんですけれども、標準的にいくつか見ていただきますと、まずメールですね。メールといいましょうか、時間の使い方がどうだったかというのを教えてくれています。
ちなみにこれは1週間単位で見ています。「あなたはどのくらい集中してました」「どのぐらいメールしてました」「どのぐらい会議してました」とか、コミュニケーションコラボレーションのあらゆる振る舞いをすべてOffice 365でやっていただけると仮定すれば、当然、これも集計できるわけですよね。
こういったものはただ単に集計するだけではなく、いろいろ目標値を自分なりに設定したり、もしくはそのロールモデルですとか、そのプロジェクトのなんらかの約束事に合わせて、基準値などを決めていくこともできます。ただ、いずれにせよ、「こういうものはみんな機械が見ちゃってるよ」ということですね。
それから、人とのつながりなどもいろいろ教えてくれます。例えば、標準的には、ここにありますね。「重要」「上位の共同作業者」とあります。
「重要」というのは、自分が明らかにこの人とはつながっていたいということを書いたもので、星印に電気がついてる状態。それから「上位の共同作業者」。少し日本語が変ですけれども、なにかといいますと、よく連絡を取り合っているという意味です。
重要か重要でないかは、ボリュームや頻度で見るのではなく、まさにそのコミュニケーションの有効性で個人が判断しますけれども、ここで言っている上位というのは、機械がそのボリューム感で判断してくれるというものですね。ですので、ここは意識するかしないかにかかわらず、よくやりとりする人たちが出てきたりしています。
いろいろな人たちがいますよね。こういう人たちのなかから、例えばですけれども、右から2人目の下村さんを重要リストに入れようということであれば、今度は下村さんは重要リストに入っていくということになっていきます。
じゃあ、今度は重要リストのなかで、重要だといっているにも関わらず、全部のメールを読むことができていない高田さん、この人に気がついたりするわけですね。
ほかの重要な人はちゃんとやりとりしていますけれども、なんと高田さんに関しては、少しだけコミュニケーションにロスがあるようです。
当然ですけれども、こういう時にはOutlookに戻りまして、高田さんを呼び出すといいいますか、普通にOutlookのなかで高田さんのメールを見ることができるんですが、ちょっとこちら(スライド)を見ていただけますか?
先ほどのDelveですとかMyAnalyticsがOffice Graphと連携して動くようになりますと、実はOutlookのなかにアイコンが出てまいります。ちょっと押してみましょう。
そうしますと、先ほどのOffice Graphの情報をもとにして、Outlookのなかで高田さんとのやりとりが今どうなっているのか、彼との間でやりとりしたメールのなかで読めていないのはなにか、といったこともすべて教えてくれるわけですね。
当然ですが、こういうものがあるかないかで、重要なメールの発見や、そこからの仕事つながり、こういったミスをかなり減らすことができるということですね。
それから、「しばらく連絡していない人がいるんじゃない?」。少しおせっかいですけれども、こんなことも教えてくれたりします。
日本マイクロソフト株式会社
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