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マーケターが知っておくべきメディアエンゲージメントの深め方と活用の可能性(全2記事)

2017.02.09

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ネットメディアの価値はどう作る? キーパーソンが語る、2017年メディアブランディング

提供:株式会社ユーザーローカル

「データ活用の今を知って、未来を考える」というテーマで、デジタルマーケティングの最先端に取り組む広告主や、人工知能、メディア業界の変化の最先端に携わるキーパーソンが一堂に会した「ユーザーローカル マーケティングカンファレンス2017」。成長を続けるメディアに携わる3人のキーパーソンが登壇した「マーケターが知っておくべきメディアエンゲージメントの深め方と活用の可能性」では、3社のメディアの事例を参考に、デジタルメディアの広告価値の可能性について語り合いました。

メディア業界のキーパーソンが集結

山田真紗義氏(以下、山田(真)):みなさん、こんにちは。午後のセッション、始めたいと思います。ユーザーローカルの山田と申します。本日はよろしくお願いいたします。

マーケターのみなさんにぜひ来ていただきたい、ということで、わざとらしいまでに「マーケターが知っておくべき」というタイトルをつけさせていただいたんですね。それで、メディア業界の中ですごく注目されている3名様、かなりのキーパーソンにお集まりいただきました。

なぜマーケターに来てほしかったのかというと、メディア向けのイベントでは私も何回か講演させてもらったりしているんですけど、そこに来る人ってどうしてもメディアの中の方々が多くて、マーケターのみなさんがメディアの話を聞きに行く機会って、意外と少ないんじゃないかと思い、今日この場を作らせていただきました。

初めに聞いてみたいんですけど、今日、媒体社さん目線なのか、広告主さん目線なのか、どっち目線で来られてるのか、最初にちょっと挙手をお願いしたいと思います。「どちらかというと、媒体社目線だ」という方、どれくらいいらっしゃいますでしょうか?

(会場挙手)

山田(真):こっちのほうが、結局多いんですかね。じゃあ、「広告主目線で来てる」という方はどれくらいいらっしゃいますでしょうか?

(会場挙手)

山田(真):あ、同じぐらいですかね。ありがとうございます。申し込み時点では、広告主さんのほうが多かったように思うんですけれど。

それでは、まず最初に、みなさんに自己紹介をしていただければと思います。それでは山田さんから順番にお願いいたします。

山田俊浩氏(以下、山田(俊)):どうもはじめまして。「東洋経済オンライン」の編集長の山田と申します。

今日はお招きいただきまして、ありがとうございます。どのくらい役に立つお話ができるのか、少し心もとないところがあるんですけれども……、質疑応答もあるんですかね?

山田(真):終わってから、アスク・ザ・スピーカーのほうで。

山田(俊):じゃあ、終わってから、名刺交換でもしながらということもあると思うんですけれども、なるべく有意義な話をできればと思いますので、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

山田(真):続いて吉田さん、お願いします。

吉田大成氏(以下、吉田):株式会社エブリーの吉田と申します。よろしくお願いいたします。

私たちは、2015年9月に会社を作りまして、今、動画のメディアを運営しています。一番ユーザー数が多いのは、「DELISH KITCHEN」という料理動画メディアです。

去年、トレンドになった分散型メディアのお話をしながら、広告主さんたちに対してどういうかたちで貢献できるかということを、いろいろお伝えできればと思っていますが、今日はお二方からいろいろ学ばせてもらえればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

竹下隆一郎氏(以下、竹下):こんにちは。ハフィントンポストの竹下と言います。よろしくお願いします。

今、ハフィントンポストは、グローバルで17ヵ国・地域にあるんですけど、どの国の編集部も本当にみんな悩んでいて、「デジタルメディア、あるいはメディアって、どうなっていくんだろう?」ということを、日々悩んで議論しています。

1つ言えるのは、あまりメディア側だけで考えてはいけなくて、例えばマーケターのみなさん、企業側のみなさん、あるいは、広告主のみなさんが、一緒になって同じ方向を向いていないと、解決できない問題というのが多くあると感じているので、今日はこういった場で私たちがなにか話すというよりは、みなさんとディスカッションできる機会になればと思っています。よろしくお願いします。

月間2億PVを超えた「東洋経済オンライン」

山田(真):ではさっそく内容入っていきたいと思います。まずは、今、自己紹介いただいたみなさまがふだん運営されている媒体についてのご紹介なんですけれども、最初に「東洋経済オンライン」。

山田(俊):はい。これは「東洋経済オンライン」のトップページなんですけれども、非常にシンプルな作りになっています。いろいろなタブがないといいますか、トップページになるべく記事を多く見せるということをやっています。

今、実はこれがだいたい標準になっていて、こういったかたちでリニューアルをするサイトが増えているので、似たようなサイトが多いと思うんですけど。こういった写真をいっぱい見せるかたちで2年ほど前にリニューアルした時には、ちょっと変わっているサイトでした。今はこういう見せ方が多くなっていると思います。

これは、1月5日のページですかね。ジャンルは経済中心なんですけれども、非常に幅広く、いろいろなものを扱っています。とくに時事的なものも重視していますので、この日は、青学(青山学院大学)の原監督の話とか、そういったものも出しています。次、よろしいでしょうか。

これは2012年の頃からのページビューとユニークブラウザの推移ですけれども、継続的に成長を続けていまして、昨年12月は、4ヵ月連続ぐらいで成長を続けて、2億900万PVになっています。

これは、継続的な成長ということを目標に掲げていまして、「上を見ていく」と。3億、4億と成長していけるようにするにはどうしたらいいかということを、常に考えております。

続きまして、他のビジネス誌系サイト……名前は外していますけれど、昨年は、多くのところが横ばい、あるいは、微減というようなかたちで、減少するところもあったので、我々が一人勝ちをしてるのではなかろうか、と。「東洋経済調べ」ということですけれども、このようなかたちになっております。

山田(真):これ、(グラフの)水色が「東洋経済オンライン」ということですね?

山田(俊):そうです。ですから、ビジネス誌系っていいますと……、具体名はあれなんですけれども(笑)、いろいろな雑誌があるなかでは大きな勝ちを収めている、というところです。2017年も同じように成長できるかどうかは、他社もがんばっていますのでどうなるかわかりませんけれども、切磋琢磨しながら有益な情報を読者の方に届けていきたいと考えています。

それで、4つ特徴があります。「国内ビジネスサイト圧倒的No.1」というのは先ほどお伝えした通りなんですけれども、なるべく、我々は……、よく「エビデンス」という言い方をしますけど、ファクト主義、エビデンス主義ということで、感想文的な、ブログ的な記事ではなくて、必ず取材に基づくものをやっております。

そして、我々は『週刊東洋経済』を出していますが、雑誌のほうは50代から60代というかたちで、年齢が上になっているんですけれども、「東洋経済オンライン」は20代から40代ということで、若い方がたくさん読んでおります。

それと、これがもちろん伸びていくための大きなポイントになっているんですけれども、「すべての記事が無料です」と。IDログインも一切不要という、そういうかたちのビジネスです。

完全な広告ビジネスモデルではあるんですけれども、一方で、実は購読収入というものもありまして、それはB2Cではなくて、ビジネスに対して販売をやっています。そういったかたちの収入はあるんですが、一般の方からは一切お金はとらないというモデルで成長を続けています。以上です。よろしくお願いします。

今は陣地をとる時代

山田(真):ありがとうございます。スライドの構成が、次、ハフィントンさんになっています。これは意図があって、今、山田さんにお話しいただいたんですけど、紙をお持ちの東洋経済さんが運営している「東洋経済オンライン」。

今度は、インターネットメディアとして展開されているハフィントンポストの竹下さん、もともと紙の朝日新聞さんのご出身だったりしますので。そしてその後に、新興メディアとして展開されているエブリーの吉田さんの順番で話していただこうと思っています。

では竹下さん、お願いいたします。

竹下:立っていいですか? 首が痛くなっちゃって(笑)。すいません。

山田(真):はい(笑)。

竹下:ハフィントンポストです。

(スライドを指して)17ヵ国・地域に増えたんですけど、いろいろな国にありまして、この前、南アフリカについにできました。

世界の編集長と月に1回ぐらいミーティングしているので、さきほど申し上げたように、今だったら「フェイクニュースをどうするのか?」とか、「Facebookのエンゲージが落ちてきたね」ということをよく話し合って、共有しています。

やはりグローバルでスケールしていくって、無料モデルなので、大きくなれば大きくなるほどいいというか、大きくなることが使命なので、どんどん国を拡大していっている状況です。

1,500万UUというのは、常に維持しているUUなんですけど、今、大事にしているのは、それよりも分散型時代というか、いかに外にリーチしているかということですね。Twitterアカウント、LINEもオープンしたばっかりなんですが、日々増えています。

これはなぜかというと、やはりスマホですね。さきほどの17ヵ国・地域で比べても、日本と韓国が、スマホでニュースを読む割合が圧倒的に高いんですね。なので、グローバルな戦略としても、「日本はとにかくスマホシフトをやってくれ」ということを言われています。

それで、スマホシフトと言われてどうするのか。1つは、自分たちのアプリを開発するということだと思いますが、ハフィントンポストもアプリがあります。ただ、あまりにも動きが早すぎるので、それだけではもう間に合わない。なので、アプリをすでに開発しているニュースプラットフォームにどんどん出ていこう、という戦略をとっています。これに、SmartNewsさんやグノシーさんなど、いろいろなところとお付き合いがあるんですけど、出ていく。

例えば、2020年になると、みなさん、テレビがお茶の間からなくなって、オリンピックをスマホで見るということが当たり前になるはず。固定電話がなくなったように、そうなってくると思うので。とにかくスマホで陣地をとっていく。今は陣地をとる時代なんだということで、どんどん記事を積極的に外に出しています。

メディアについて、理念とか、メッセージとか、いろいろ考えるんですが、私たちはジャーナリズムはもちろん大事なんですが、そういうことよりは「会話」を生み出すメディアということを非常に重視しています。

なので、例えば、1つのニュースがあったら、少し違う視点を入れたり、あえて異論を呼びそうな切り口を取ったり、すごくマイノリティーな意見を出したりして、議論を呼び起こすということを大事にしています。なので、もちろんPV、記事が見られるのはすごく大事ですし、そこからお金を稼いでいるんですが、そこを起点に、いかにFacebookで広まるのかというのを、KPIとして非常に大事にしています。

Facebookを見ていても、単にシェアしてくれるだけじゃなくて、ありがたいことに「ハフィントンポストの記事」だと、みなさんコメントをつけてくれる。「この記事はよかった」「自分はこう思う」とか。その言葉が、我々が考えている見出し以上のパワーを持って拡散してくれるので、人が一言言いたくなるような文体だったり、ネタだったりというものを、非常に大事にしています。

新たなコンセプトでユニクロと立ち上げたプロジェクト

(スライドを指して)これは、実は記事というよりはネイティブアドなんです。上を見てもらえばわかるんですけど、「Diversity for Life」の横に「UNIQLO」というマークがあります。ユニクロさんと一緒にやったプロジェクトです。

1つ特徴的なのは、上にフロントページ、政治・経済というカテゴリがあるのが見えますかね? あれは、メディアでいう「なんとかコーナー」ですね。政治コーナー、経済コーナー、国際コーナー、社会コーナー。

これまでは、メディアが自分たちで決めていました、「これは社会記事だ」「これは経済記事だ」と。それでコーナーを作っていたんですけど、そのコーナーを1つ、スポンサーさんに売っているんです。「好きなコーナーを一緒に作りましょう」と。

それで、ユニクロさんと1つ、「Diversity for Life」というコーナーを作りました。これだけで、けっこうスペシャルなことなんです。今までのニュースだと、政治面とか、経済面とかだったものを、新しいコーナーをスポンサーさんと作って、そこに新しいコンテンツを流していくというモデルをとっています。

これは非常におもしろいモデルでして、単に記事広告、商品の宣伝、会社のPRをするのではなくて、「一緒に1つのジャンルを作っちゃおう」「コンテンツのジャンルを作っちゃおう」という発想でやっています。

これは、ユニクロさんと一緒に話しました。「ユニクロの服を着る人というのは、年齢や人種、性別に関係ない」「そもそもファッションというのはそういったことに関係ないんじゃないか」、あるいは「自分の体の悩みというのはグローバルな悩みで、男性の悩みや、女性の悩みと関係ないんじゃないか」というコンセプトとして非常に詰め込めて、「じゃあ、こういうジャンルを作ろう」と立ち上げたプロジェクトです。

それで、これはみなさん別にユニクロの服を着ていないんですね。ユニクロさんも、別にユニクロの服を単に普通に宣伝したいのではなくて、コンセプトを宣伝したいということで、こういうプロジェクトをやっています。編集の記事とは少し違うんですけど、かなり編集に近い、今までの単なるPRの広告とは違うコンセプトで、こういう新しい案件を受注しています。

ハフィントンポストは、女性が多い編集部でして、半数以上が女性で、中には、赤ちゃんが生まれたばかりの人もいますので、リモートワークを推進していたり、社内でもかなりダイバーシティを大事にしています。子供を連れてきてミーティングをすることもあって。

この前も非常に大事な編集会議に子供が来て、僕がすごくありがたい、いい言葉をホワイトボードに書いたら、いきなり子供が来て落書きしちゃったんですけど(笑)。それで編集部がなごむというか、その場で嫌な意見を言ったりとか、嫌味を言ったりとか、ネガティブなことを言う人はやはりいなくて、明るいなかで、編集部が議論をしています。

たまに田原さんとか、そういった方も来てくれて、一緒に議論してくれたりします。以上です。

山田(真):ユニクロさんとの取り組みの事例、すごくおもしろいですよね。

竹下:そうですね、はい。

山田(真):さきほど出ていた記事は、別にユニクロさんのために作っていた記事とはぜんぜん違うわけですよね?

竹下:そうですね。実は、過去の記事を、もう一度、ユニクロさんの作ったコーナーに投入しているんですね。なので、これまでの蓄積が活かされる。つまり、企業さんがやってきて、その企業さんに合わせて記事を作るのではなくて、あくまでもこっちが編集部として大事だと思ったことに、後から企業さんがついてくるということで、今までの広告モデルと少し違うかもしれないですね。

山田(真):すごく柔軟でおもしろい事例だと思うので、ちょっと後でまた深掘りさせていただきたいと思います。

竹下:はい、お願いします。

動画、書籍、アプリを展開する「DELISH KITCHEN」

山田(真):お待たせいたしました。エブリーの吉田さん、お願いいたします。

吉田:私たちは、今、4つのジャンルの動画メディアを運営しており、基本的には自社ですべての動画の企画から制作、配信までを行っています。

直近までは、自社でWebサービスやアプリを持たずに、FacebookやInstagram、YouTubeなどのSNS向けに配信しています。昨年末からSmartNewsやLINE NEWS、Yahoo! JAPANに対しても配信し、分散型メディアと呼ばれるようなかたちで、メディアを運営しています。

今、運営しているメディアが4つありまして、料理動画メディアの「DELISH KITCHEN」、ファミリー向け動画メディアの「MAMA DAYS」、女性向けライフスタイル動画メディアの「KALOS」、ニュース動画メディアの「Timeline」です。

全メディアのSNS上のユーザー数を合算すると290万人を超えています。月間での延べリーチ数、各メディアのユニークのリーチ数の合算値ですが、これが今3,000万人を超えています。

ちょうど動画が昨年すごく伸びてきたタイミングだったこともありまして、多くの方に見ていただけるような動画を毎日配信しています。

そのなかで「DELISH KITCHEN」がどういうものかということなんですけど、Facebookで見れる、ちょうど1分間ぐらいのレシピをご紹介するような動画メディアとなっています。

「DELISH KITCHEN」だけでも、今、SNSでのユーザー数が200万人を超えておりまして、月間でのリーチ数が1,000万人。モバイルからのアクセスが、今90パーセントを超えています。

実はこの動画メディア以外にも、ここから派生して出版もやっておりまして、2016年4月に扶桑社さんからお菓子レシピ本を出版し、2016年12月には扶桑社さんと、KADOKAWAさんからおかずレシピ本を出版しています。

決して、オンラインにこだわることなく、オフラインでも多くの方に見ていただけるようなメディアというところを心がけてやっています。

それで、今まで自社のアプリやWebを持たなかったのですが、実は2016年12月に自社のアプリを提供開始しました。12月4日にiOS版と、12月19日にAndroid版のアプリを出しております。ちょうど今、iOSの無料ランキングだと12位か13位ぐらいに、Androidでも、たぶん20位ぐらいに入っています。。

今までコンテンツをFacebook向けに配信していましたが、情報としてはどうしてもフロー型になってしまっているので、アプリではストック型というかたちで、いつでもどこでも検索して見ていただけるというところを心がけながらやっています。

デザインをけっこう新しくしていまして、起動すると全画面でレシピ動画が流れて、下にスワイプしていただくと調味料などが載っているのですが、各工程も動画ですべて説明しています。

ステップ1で「お肉を混ぜてくださいね」とあれば、そこだけが切り取られていて、繰り返し見やすくなっています。最後に焼くシーンがあれば、手順4で焼くシーンだけが見れる、というかたちになっております。基本的には、使っていただくユーザーさんにとって、使いやすい状態でやれればいいなと思っております。

もう1つ、こういった料理系のメディアさんはたくさんありますが、「レシピとの出会い」というのをけっこう大事にしています。今までのWebメディアですと、どうしても検索してから記事を見つけるというパターンの行動フローが、すごく多かったと思いますが、僕らは、“検索する前”に対して、どうコンテンツやメディアを届けていけるかをすごく大事にしています。

料理に関しては、実は多くの主婦の方から「○○を作ろうって決める前のほうが大変だ」というお話を聞いておりまして、毎日同じ料理ばっかり、10種類ぐらいのレシピしか自分の得意分野がないなかで、家族からは「またカレー?」「またハンバーグ?」と言われてしまうそうです。

どれだけ新しいレシピに出会えて、「作ってみよう」と思っていただけるかということを重視しています。動画で伝えていくと毎日レコメンドされてくるので、そこでの出会いがすごく大事になってくるんじゃないかなと思っています。実際、アプリ内の滞在時間も、ほかのメディア系のアプリに比べると、かなり長くなっています。

僕らがこういったメディアを運営していくなかで、売上として作っているものとしては、ブランドコンテンツというクライアントさんとのタイアップコンテンツの制作・配信です。クライアントさんと一緒になって、日々配信しているコンテンツの1つとコラボレーションしながら、その商品のよさを伝えていく、ということをやっております。

昨年の4月から、「DELISH KITCHEN」が広告掲載を始めました。かなり多くのクライアントさんとブランドコンテンツを一緒に作らせていただきまして、昨年の夏までに、120コンテンツ以上を提供しています。

昨年末から、ファミリー向け動画メディア「MAMA DAYS」や女性向けライフスタイル動画メディア「KALOS」でも、広告掲載が始まっています。

こういったかたちで広告主さんと一緒になって、そのブランドの良さを伝えていければと思っています。

“信頼度”を売っていきたい

山田(真):(スライドを指して)これ、「DELISH KITCHEN」だけでの広告主の一覧という感じなんですか?

吉田:一部、違うものも入っていますね。

山田(真):なるほど。ありがとうございます。紙の料理本を出されるタイミングが、すごく早かったなあという印象を受けました。グロースの順番として、最初に新規読者をガーッと獲得する。そのための分散化戦略みたいなのがあって、つまり人がいるところに配信することでたくさんリーチしようよ、と。

その後、習慣化させるフェーズがきて、ある程度ロイヤリティが高いユーザーのためのストック型の接点として、アプリがあったりすると思うんですけれども。その後、さらなるブランディングとしての書籍という接点を持つといいますか、まあ、買わないと見られない本なのでマネタイズの側面もあるわけですよね。

そこで気になったのが、まず、出版にいたるまでがけっこう早かったというところと、それって目的としてマネタイズ寄りの意図が強かったのか、それともブランディング寄りの意図が強かったのか、お聞かせいただいてもいいですか?

吉田:あまりマネタイズは考えてはいません。どちらかというと、ブランディングであったり、信頼度みたいなところをどう作っていくかをすごく大事にしました。最初に出版した本は、出版社さんからお声掛けいただいたので、「ぜひやらせてください」というかたちでやりました。

また、オンラインだけではなく、レシピ本を出版したり、去年の秋ぐらいからは、JR名古屋駅の新幹線を降りてすぐの大きなディスプレイで、30秒に1回ぐらい「DELISH KITCHEN」のコンテンツが流れたりしています。

そういったかたちで、いろいろなところで自社のメディアを目にしていただくことができれば、一番いいなと思っています。

山田(真):もう1つ、少し踏み込んで聞きたいんですけど、ブランディングというのは、主にユーザーさん向けの「『DELISH KITCHEN』は本も出すようなメディアですよ」というブランディングなのか、広告主さんにとって「『DELISH KITCHEN』はもうこのフェーズに来るくらいユーザーが定着していますよ」というブランディングだったのか、どっちが強かったのかなというのが……。

吉田:両方(笑)。

山田(真):やっぱり、両方ですよね(笑)。

吉田:今まではFacebookなどのSNSだけで動画をご覧いただいていたので、情報が流れてしまうこともありました。ファンの方は「手元に置いて見たい」という思いもお持ちだったので、実際、買っているお客さんは、Instagramなどに「買いました」と、写真を上げてくれたりしています。

そういったかたちで、コアなファンをどんどん作っていくということももちろんありますし、自社の信頼度を作るというのはすごく大事かなと思っています。

山田(真):ありがとうございます。

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