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リクルートライフスタイル 『新・新卒採用』発表会(全1記事)

2017.01.23

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「仕事を選ぶのはいつだっていい」今、リクルートライフスタイルが“入社パスポート”を導入する理由

提供:株式会社リクルートライフスタイル

2017年1月23日、リクルートグループの1つであるリクルートライフスタイルが新しい採用の考え方である、「新・新卒採用」を開始すると発表しました。これまで「新卒採用」の礎を築いてきた存在と言っても過言ではないリクルートが、なぜ今回新しい採用のかたちを発表したのでしょうか。会見では取り組みの内容のほか、「新・新卒採用」を通じて実現したい社会についても語られました。

リクルートライフスタイルが始める「新・新卒採用」とは

飯田竜一氏(以下、飯田):みなさん、こんにちは。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。リクルートライフスタイルで新卒採用を担当しております、飯田と申します。

今回は、弊社が新たに実施する採用の考え方「新・新卒採用」についてお話をさせていただきたいと思います。

まず、なぜ今回の実施に至ったかを、お話しさせてください。

僕自身、ここ数年くらい新卒採用を担当してまいりました。学生さんたちからいろいろ話を聞いていくなかで、「仕事に対して考えたり、就職先を決めたりする時間があまりないまま就職活動をしている学生もいるのでは?」と感じるようになったんですね。

なぜ十分に考えられないまま就職活動や職業選択をするようになってしまっているのか。考えをめぐらせてみたところ、既存の新卒採用だけでは、ベストな仕事探しができていない人がいるのではないかと思うに至りました。3月からエントリー、6月に選考があり、入社が4月……と、ある種決められた流れがありますよね。必ずしもこれがベストなスケジュールではない人もいるな、と。

どういうことかというと、就職活動のなかで自分のキャリアを考えたり、これからの未来や働き方について考える期間を一定範囲内で収めず、「どんな働き方にするかを考えるのは、いつだっていいんじゃないか」と考えているわけです。入社するタイミングも、大学卒業後すぐや4月と定める必要はないんじゃないかということですね。

自分がチャレンジしたいことや大切にしたい活動を最後までやり切れる時間を大切にしてほしいし、その上で先へ進んでほしい。仕事を選ぶのは、いつだっていいわけです。

これは、誰しもに当てはまる話ではないかもしれません。もちろん、これまでの新卒採用のかたちのほうがフィットする、という人もいるでしょうから、それはそれでよいのです。少なくとも、そういったことをやりたいと思う方々に対しては〆切を設けるのではなく、「いつでも新卒採用に参加できる」といった選択肢を提供し、誰もが自分らしく職業を選択できる世のなかにできればいいなと思い、今回実施するに至りました。

あともう1つですね、僕は新卒採用のほかに中途採用も担当していました。両方を通じて改めて思うのは、「新卒だから」「中途だから」と、それぞれ特別扱いってないんですよね。会社にとって、入社する人たちには、当然ながら成果や成長を求めます。そこに新卒だろうが中途だろうが、特別な差異はないんです。

そう考えてみると、中途採用は通年いつでもどんなときでも選考を受け、入社することができます。にも関わらず、新卒採用だけは、6〜7月と限られた期間のなかで決定しなきゃいけなかったり、入社に関しても4月という決まったタイミングにしなければならない。そう考えると、窮屈に感じる人もいるのではないか。いっそのこと学生にも「いつ入社を決めてもいい」という体制を作りたいと思ったんです。

27歳まで365日エントリー可能&2Yearパスポート交付

そこで、リクルートライフスタイルとして具体的になにを実施し、注力していくのか。大きな改革としては、採用については「365日エントリー&2Year passportの交付」、そしてキャリア観醸成の機会として、「いつでもエントリー可能な実務型の長期インターン制度」「“働く”を知る場作り」という、計3つです。

まずは「365日エントリー&2Year passportの交付」についてです。これは年齢制限を27歳までとし、大学3年生の3月以降であれば、365日いつでもエントリーできるというものです。

さらに、2種類の「2 Year パスポート」を交付します。「2Year パスポート」には、「入社パスポート」「最終面接パスポート」の2種類があり、2次面接通過者には、2年以内であれば最終面接から選考をスタートできる「最終面接パスポート」を、内々定受諾者には、卒業後2年以内であれば入社時期を選べる「入社パスポート」をお渡しいたします。留学や新たな挑戦などを考えている人のライフプランにも対応するためのものですね。

2つ目は、インターン制度である「DESHIP」。こちらはすでに実施しているものですね。非志望者でも「働く」を知る・実体験できる場として、我々が提供するものです。

参加は大学1年生〜30歳まで、365日エントリー可能です。インターン期間は最低2ヶ月で、かなり実務に近い立ち位置で仕事に参加してもらうことになります。これについては採用にまったく関係ないところで実施されます。

3つ目が、実際にどう働いているのか、働くとどうなるのか……といったことをリクルート社員から直接聞ける場として「Worker ZOO」というものも作りました。こちらもインターン制度同様、すでに実施しているものです。

リクルートライフスタイルの個性豊かな社員が、給与、社内恋愛なども含めた「働く」のリアルを語ります。もちろん無料ですし、飲み物もご用意しています。インターンまでいかなくとも、なんとなく「働く」に対して疑問符が多い人が参加しやすいようにしています。

さらに、「恋会議」という、ちょっと聞き慣れないものも行っていたりします。「就職となんの関係があるのだろう?」と思われるかもしれませんが、これは大学1〜2年生を限定として、恋をテーマに自分を知る機会を提供したいという思いから用意しました。

僕自身が知る限り、大学1〜2年生にとっての恋は、かなりエネルギーを注ぐものです。そういったエネルギーをもとに、これからの未来について切り開いてほしいなということで行っています。「恋会議」はすでに実施しているものですが、昨年開催した第1回はあっという間に予約が埋まるというところで、注目度が高いんだなと感じています。

インターンでの成績は採用に加味しない

「新・新卒採用」について、私からの説明は以上です。ここからは、質疑応答に移りたいと思います。質問のある方は、挙手をお願いします。

質問者1:ありがとうございました。質問なんですけれど、今回の「新・新卒採用」というのは、これまで大学もしくは学生から要望や希望としてあったりしたんでしょうか?

飯田:そうですね、明確にあったかというと、とくになかったんですね。

先ほどもちらっとお話をさせていただきましたが、僕自身がいろんな学生と接していたり、彼らの活動を見たりして……例えば、一昨年でいうと、そのとき話題になったのが、8月に選考解禁が、大学の体育会系のみなさんの大きな大会とかぶることでした。当然、大会での成績を優先する体育会系のみなさんは選考を受けられないわけです。6月は6月で、彼らにとってなんらかの活動があったり……といったこともあるんですね。

タイミングが決まっていると、選考を受けられない大学生が出てくる。僕自身も話を聞いていて窮屈だと感じましたし、「今、決めなきゃいけないんだっけ?」と疑問に思うことも多々ありました。体育会系の彼らの話を聞いたことは、そういった大学生たちの大切にしたい活動や未来に対しての活動に関して、選択肢を提供できてもいいんじゃないかと思った最初のきっかけだったかもしれません。

質問者2:今回の体制は、「職業選択の時間が与えられる」「入社タイミングを選べる」など、大学生にとってメリットがあるなとお話を聞いていて感じました。逆に、リクルートライフスタイルさん側で得られるメリットって、なにかあるんですか?

飯田:既存の新卒採用を受ける学生たちにも、たくさんの優秀な人がいます。一方で、選考タイミングが合わないゆえに、企業に受け入れてもらえない人たちもいます。そのため、企業に入ることを諦める人も多いんですね。

最近では10月や9月に卒業する学生も増えています。期間をなくすことで、そういった人たちを受け入れる体制を作れることは、我々にとってメリットとして捉えられると考えています。

質問者3:先ほどのインターン制度について質問です。採用に直接関係ないかたちで行われるとおっしゃっていたと思うんですが。例えば、インターンのなかでものすごく成績の優秀な学生さんがいたとして、その人が実際に御社の採用を受けるとします。そのとき、インターン時での成績などはまったく反映されないということですか?

飯田:結論から申し上げると、採用選考には一切加味しません。そこでの成績を選考に使うことも、意図していません。

インターン制度については、我々としては仕事の成果を求めるために来ていただいていると同時に、仕事について学んでもらうことが目的です。なので、選考というわけではないんですね。

そのため、現場は……ちょっと大変みたいですね。「こんなに成果を求めるの?」というくらい、現場では成果を求めて学生さんとコミュニケーションをしています。それを超えてでもインターンをやりたいと思ってもらえるのは、我々からするとありがたいことです。選考とは関係ないですが、本当に感謝すべきことだなと思っています。

欲しいのは「まだ声をあげていない人たち」

質問者4:先ほど、今まで選考を受けられなかった学生を受け入れられる体制を作れることが会社としてのメリット、とお話をされていたかと思います。

似たような採用は、いわゆるベンチャーと呼ばれるところがすでにやっていたり、むしろ注力を入れていたりします。今回、リクルートライフスタイルさんとして「欲しい人材」というのは、ベンチャーの方々が狙っているところと同じなのか、または違うのかを伺いたいです。

飯田:そうですね……。欲しい人材の種類をいくつか分けられるとしたら、「その一部分が重なっている」とは言えます。ベンチャーの方々が求めている人材は、当然、我々としても欲しい人材です。しかし、今回の「新・新卒採用」は、そういった方々だけでなく、「就職活動をして企業に入ることを考えているけれど、自分のやりたいことに対してまだ声をあげていない人たち」にもぜひ知ってもらいたい。

というのは、学生の人がみな、必ずしも「やりたいことがはっきりとしている」「そのための努力をすでに始めている」というわけではありません。なかには、「やりたいことがあるけれどまだ気づいていない」という潜在層がいるように感じています。

今回の発表をすることで、そういった学生たちに「ならば、今までやりたいと思っていたあれができるかもしれない」というきっかけにもなるといいなと思っているところもあります。なので、我々としては「こういう人たちと一番会いたいです!」というよりも、できるかぎりいろんな人に新体制を知っていただき、働くことに向き合う機会を増やしたい。今回の新体制では採用というより、どちらかというと働き方や仕事の選び方に焦点を当てたところが一番大きいですね。

質問者4:ちなみに、リクルートのグループ全体として、今回の新体制を行うわけではないんですよね?

飯田:そうですね。リクルートグループの各社は、それぞれ独立した会社です。今回の「新・新卒採用」は、独立した会社として、僕らだけで行っています。

我々の場合、すでに中途も含めると入社式が年4回あったり、研修などにもオンラインを導入していたりします。そういった環境が整っていることもあり、我々は通年採用を取り入れやすい会社だったというのが本音です。

大学生さんたちにとって役に立つことをしたい

質問者5:ありがとうございます。質問したいことが2つあります。

1つ目ですが、御社はリクナビなど、一括採用に関してのシステム自体を作ったところがあるじゃないですか。それと相反するまでもいかないと思うのですが、違う採用方法をすることで、グループ内での軋轢みたいなものはなかったのでしょうか。

2つ目は、新卒採用自体が長く続きてきた裏には、それなりのメリットがあったからだと思うんです。今回の「新・新卒採用」で、ぶっちゃけリクルートライフスタイルはなにがしたいのでしょうか。

飯田:ありがとうございます。軋轢は……言い方に迷いますね(笑)。

まず、僕ら自身が独立した会社という立ち位置なので、そういった意味では軋轢を感じていません。まったくの別会社だと思って動いているのですね。

ただし、おっしゃるとおり、外からみると僕らの会社もリクルートグループのなかにあります。当然ながら、そこでの配慮は必要でした。先ほどお話をさせていただきましたとおり、僕らはこれまでの新卒採用を否定しているわけではありません。「3年生の3月以降であれば、エントリーの締切は作りません」「入社は卒業後2年以内なら選んでいいですよ」という道も認める流れを作りたいだけなんです。ひょっとすると、グループ内では「ようやるな」と思われているところはあるかもしれません(笑)。

(一同笑)

もう1つの質問は……なにがしたいのかというところでしたよね。

僕らの意思としては、既存の新卒採用を覆したいということはなく、ただ、学生さんたちにとって役に立つことをしたいんです。これまでの「採用」をもう少し広く捉えて、「いわゆる選考活動」だけじゃなく、「働くことをいろんな人たちに考えてもらう」としたいんです。

でないと、これからの採用自体が不公平になってしまう気がしています。まだ社会人デビューを果たしていない学生さんたちにとって、社会で見るものはすべて新鮮です。だからこそ、就職活動においては、どうしても「情報を持っている」「情報を持っていない」に分かれてしまう。フェアじゃない。

そこで、インターンとしての働く機会はもちろん、「働く」自体を考える時間を通じて、学生さんたちがフェアな状態を作りたいと思っています。……回答になっていますでしょうか?

質問者5:ありがとうございます。

飯田:そのほかにも……と思ったのですが、ちょっと時間になってしまいましたので、ここでいったん締め切らせていただきます。申しわけありませんが、本日はここまでとさせてください。

「新・新卒採用」を通じて、これまで私たちが行っていた新卒採用だけでは応えきれなかった機会をつくるとともに、一人ひとりに最適な“働く”がみつかるよう、幅広い生き方をサポートできる環境を整えていきたいと思っています。

本日はどうも、ありがとうございました。

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