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ワークスアプリケーションズ×アカツキ対談(全2記事)

2016.12.05

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起業前に就職する?しない? ワークス×アカツキが「1社目の重要性」を説く

提供:株式会社アカツキ

2016年3月に上場を果たしたアカツキの共同創業者、塩田元規氏と香田哲朗氏が出会ったのは、優秀な学生が集うワークスアプリケーションズのインターンシップでした。そもそも優秀な学生は、どのような環境を求める傾向があるのか? そこで得られるメリットは? アカツキ誕生のきっかけともなったワークスアプリケーションズの牧野正幸氏と、優秀な人材が求める成長環境、そして圧倒的に成長する新卒の条件などについて対談しました。

成長は、必ずしも結果に結びつくわけじゃない

牧野正幸氏(以下、牧野):うちの場合、インターンでも徹底的に「教えない」んですよ。っていうと理不尽さが漂うんだけど(笑)。でも、実際にビジネスの現場に入ると「誰もやったことがないんだから、わかるわけないじゃん」という仕事ばかりじゃない?

塩田元規氏(以下、塩田):本当にそうですよね(笑)。

牧野:そういう仕事ばかりだからこそ、自分の能力が飛躍的に伸びると思うんですよね。「このとおりやれば、うまくいくよ」を何回くり返しても、なんの身にもならない。

塩田:日本の大学は、どちらかというと「答え」を与えられるじゃないですか。でも、会社に入ると「答えは与えられない」。自分で見つけるしかない。入社してからは、学生時代にはなかった慣れない習慣がずーっと続いていきます。だからこそ、1社目はすごく重要なんじゃないかとも思っているんです。なんというか、「三つ子の魂百まで」じゃないですが。

牧野:そうだよね。

塩田:唯一のタイミングですよね、最初のこう……求める側から自分で答えを探す側にいくという。

牧野:20代での能力の伸び率はすごいです。30代に比べて、倍で伸びていくんだよね。20代の伸び率を100とすると、30代は50、40代だと25くらいになる。これは、自分でも感じていることです。

年齢を重ねるごとに、成功や失敗が経験値として積み上がります。そうすると、ゼロベースでものを考えているつもりでも、これまで得た知識が足かせになるんです。

これは私も、そして2人もそうだと思うんだけど、会社を作って何年か経つと「いや、それはダメだと思う」「それは100パーセント、失敗する」と読めるものが出てくる。本当の意味のゼロベースで考えなくなるんですよね。どれも同じような答えを出せるようになって、どんどん楽になっていく。そこで、どんどん楽に流れる人は、伸びずに終わりますよね。

塩田:そうですね。

牧野:考えるエリアにおいて、知識や経験は、一時の仕事のパフォーマンスを高くするけど、成長という意味では阻害要因になる。40代になって、やっと「はい、これからはあなたの自由にやってください」と言われても、知識が邪魔をして考える余地はそれほど残されていないんです。

一方で、これまでに培ったその知識が本人の強みでもあるし、それを切り離そうとすると「ゼロベースで考えたことのない新卒」と同じになってしまう。だから、結局できないんですよ。

20代のうちこそ、自由に、自分で答えを考え続けるべきなんです。

自分で考えるクセをつけている人は、これまでの思考の量=成長です。成長は、必ずしも成功や失敗といった結果に結びついているわけではないんです。

香田哲朗氏(以下、香田):大企業での仕事に慣れている人は、できないことや新しいことに対しての拒否反応がわりと強い印象があります。

牧野:そうですね。一流企業になり、規模が大きくなればなるほど「失敗しないように」とカバーするようになる。そして、「失敗できない=リスクをとらない」ようになる。つまりそれは、考えなくなるということです。残念ながらね。

香田:そうですね。

牧野:インターン生や新卒は思考プロセスが身についていない分、すごく考えているけれど、「ちょっと、方向がズレているな」とかが出てきてしまう。そうならないよう保身に走ると、先輩に聞いて、言われたとおりにやろうとします。答えを知りたがる。

答えを聞いてから動けば、たとえ間違えても自分の責任にならない。「だって、先輩に言われたとおりにやったじゃないですか」となる。それが、一番伸びないタイプですね。

塩田:知識と能力はまとめて議論されがちですが、ぜんぜん質が違いますよね。

牧野:違いますね。知識があると、業務パフォーマンスは上がる。けれど、考えなくなるので、能力は伸びなくなる。新しいものを生めないんだよね。

香田:なるほど。

塩田:すごくわかりますね。先ほどのお話にもありましたが、そのためにも1社目をどう選ぶかがけっこう重要です。企業のカルチャーや雰囲気は、経営者による影響がとても大きいです。経営者によって、新卒の育て方もかなり変わるので。

牧野:変わりますね。

ベンチャーは「創業者」「難度の高さ」「優秀な人材」で選ぶ

塩田:後に起業を考えている学生にとって、最初に就職することのメリットはなんだと思いますか?

牧野:できれば、最初から起業したほうがいいと思います。私からすると、「起業しましたが、失敗しました」という人は、採用しますね。そこで得る能力は、はるかに大きいです。あらゆることに対して自ら問題解決をし続けた実績です。問題解決は積み上げではなく、ゴールから余計なものを剥ぎ取っていくことにあります。そしてそれは、経営と同じなんだよね。

起業することに対しては、応援したいくらいです。ただ、簡単にできるものではない。であれば、「まずはベンチャーに就職」もいいと思いますね。

では「どういったベンチャー企業を1社目として選ぶのか」という話になると思いますが、私自身、ベンチャー企業の絶対定義は1つしかないと思っています。それは、創業者が生きていること。

香田:なぜですか?

牧野:創業者がいないベンチャーは、いくら「ベンチャー魂」が残っていても、もう別の会社になっている可能性が高い。そこが一番大事ですね。

あとは、難度の高い仕事をやっていること。難度が高いということは、最大級にパフォーマンスを発揮しないといけません。そして、優秀な人が集まっていること。「誰でもいいけど、とりあえず1人だけ採用します」というような会社だと、飼い殺されて終わってしまう可能性があります。

「創業者が生きている」「難度の高い仕事をしている」「優秀な人が集まっている」の3つが揃っているベンチャーで働けば、問題解決能力は絶対に上がります。さらに、そういった環境下でぐるぐると何回も自分で問題解決に挑めば、30代になるころには、もう破壊的に伸びていますよ。そして、そこから起業すればいい。

塩田:僕たちからすると、そのあたりはとても実感できるところですね。

起業前の就職で得られる、経験と人脈

塩田:僕も、すぐ起業できるならすればいいと思っています。

初めの方でも話しましたが、僕自身、もともと起業したいと思っていました。それでもまず就職を選んだのは、当時、本当にゼロイチでやる自信や確信がなかったから。

牧野:そうだね。業界のノウハウとか、それこそ知識とかなくてもいい。問題を見つけて解決するというプロセスを鍛えることが重要です。それまでは能力を伸ばせるだけ伸ばす。そして、一番自分に都合のいいときに辞めて起業したらいいんですよ。

塩田:そして実際に企業のなかに入ってみると、そこにはいろんなステークホルダーがいて、関係者がいると知りました。僕は、そういった環境下でPDCAをぐるぐる回すことができたので、27歳のときに「これはいける」と思って起業しました。

その思いに至った経緯には「起業するまでの2年半、この会社で俺ほど仕事で努力した人はいない」と思えるほど、仕事した自信があったからなんです。これは、けっこうよかったと思っていますし、アカツキでも優秀な人材が高速でPDCAを回し、成長できる環境を作るようにしています

香田:「可能なら、最初から起業したほうがいい」は、そうですよね。野球で言うと、高卒でプロ野球にいくか、それとも大卒でプロ野球にいくかですが、そのタイミングさえ合えば、行ったほうがいいと思うんですよね。

どうしても学生だと、仕事も採用も、学生のなかの基準に留まりがちです。僕が「最初に就職を選んだメリット」を挙げるなら、会社に入ることで世のなかの基準が見えてくるんですよね。学生時代ではわからない、その「基準」を知るのは、けっこう大事です。

会社という箱のなかで「ワークスだとこうしている」「アクセンチュアだとこうだった」と、さまざまな基準に触れていると、それが次第に自分のスタンダードになっていきます。

あとは、人脈ですね。優秀な同期、先輩がいる会社に入って「同じ釜の飯を食う仲」になるのは、代えがたい財産になります。

牧野:うちのインターンシップでは「入社パス」を出しているけれど、この間、それについてすごくくわしい投資家にあったんですよ。「よくご存知ですね」と言ったら、「それは、御社のインターンシップを受けていましたから」と言われて(笑)。

(一同笑)

「もう10年くらい前なので、パスは失効しましたけれど」と言われて(笑)。そういった感じで、いろんなパスホルダーに会うんです。全員集まったら、超すごい会社になると思うけどね。

塩田:それで会社を作ってみたいですね(笑)。

牧野:このネットワークは、財産です。採用とか関係なく、うまくまとめていきたい気持ちもあるけど、うちが仕切ると会社説明会みたいになっちゃうから(笑)。

入社パスを持っているパスホルダーたちで、「なんで起業しないんだ!」とプッシュしたり、一歩先へ踏み込めない人をたきつけたり。なんなら、アカツキでヘッドハンティングしてもいいよ(笑)。ちょっと、それやろうよ。

塩田:やりましょう(笑)。本日はありがとうございました。

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