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クラウドワーカーゲストスピーチ 森脇碌さん(全1記事)

2016.04.11

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「育児はブランクではない」クラウドワーキングが教えてくれた、人生をデザインする方法

提供:株式会社クラウドワークス

クラウドソーシングは、社会のためになにができるのか? その可能性の探求を掲げ開催された未来開拓型カンファレンス「CrowdWorks Adventure」。クラウドワーカーとして働く森脇碌氏が「私の人生を変えたクラウドワーキングという働き方」をテーマにスピーチを行いました。出産を機に、一度は仕事を手放した森脇氏。育児も仕事も諦めずに働くことを叶えた、クラウドソーシングの可能性について話されています。

二児の母のクラウドワーカー

司会者:それでは続きまして、次のセッションに移らせていただきたいと思います。「私の人生を変えた働き方」と称して、実際にクラウドワークスで働かれているプロクラウドワーカーのお2人にご登壇いただきたいと思います。まず初めに、クラウドワーカー代表、森脇碌様お願いいたします。

それでは、自己紹介をお願いいたします。

森脇碌氏(以下、森脇):初めまして。森脇碌と申します。現在33歳でして、4歳と1歳の子の育児中です。2年前まで専業主夫をしていた主人がいるんですけれど、生活費のためにアルバイトをしてもらってたんですが、無事、最近フリーの写真家に戻ることができました。

クラウドワーカーになって明日でちょうど2年を迎えます。今はデザイン業でだいたい月収40万円くらいを稼げるようになりました。よろしくお願いいたします。

司会者:よろしくお願いします。

(拍手)

育児も家庭も仕事も諦めない

司会者:それでは森脇さんにおうかがいしていきたいと思います。育児をしながらクラウドソーシングで働くことについてお聞かせいただければと思います。

森脇:私は出産を2度経験いたしまして、1度は仕事をちょっと諦めかけたと言いますか、退職をしました。けれども、クラウドソーシングで新しいキャリアを積み始めて本当によかったなと今は思えています。「企業に勤めて安定したいな」という気持ちはもちろんあるんですけども、でも出産してみると、どう考えても現時点で「会社に勤めるのは難しいな」という結論しか出ませんでした。

仕事も、育児も、上手くシェアするということはすごく難しいと思うんですね。初めての経験の連続で、しかも子供のことは日々変化しますので、なかなか事前に予定するということも難しいです。

仮に育休制度や復帰制度などの制度が整っていたとしても、私とか周りの家族が納得するかたちで働くということは難しいんじゃないかなと思いました。

なので、そんな時に、クラウドソーシングが私の受け皿のようになってくれたんですね。育児も家庭も仕事も諦めない。少しずつなんですけども、本当に満足するライフスタイルというか、そういうスタイルに近づいていっています。

クラウドソーシングのなかの「チャンスを与えてくれる」ということと、「効率がよい」ということ、それから「柔軟性」。その3つが私を支えてくれたと考えています。

“コンペ”が私をデザイナーに導いてくれた

司会者:ありがとうございます。次に、実際母になって働くということで価値観がどのように変わったのかを教えていただきたいと思います。

森脇:私は出産するまでは、現場にしょっちゅう出向かなければならない建築関連のお仕事をしていました。本当に時間も体力も必要な仕事だったんですけども、それでも「ずっと続けていくだろうな」とは思っていたんですよね。

でも、実際に出産してみると、想像が裏切られ続けて。出産後は、体力とか精神状態すら自分でもう把握できない状態……。それと、あとは「子供と一緒にいたい気持ち」ですね。これはもう自分でも想像できなかったというか。

なにより、私を1番大きく変えたきっかけというのが、長男の病気の発覚。子供が第一になるもので、退職するまでにあまり時間を持たず、辞めるのはけっこうあっさりと辞めてしまいました。

でも、働くこと自体を諦めたわけではないんですね。生活費が必要というのはもちろんあったんですけども、「子供のそばに居続けながらやりがいが感じられる仕事がしたいな」と、思い続けていました。そんな時にクラウドソーシングに出会ったんです。

ただ実は、イラレ(注:Adobe Illustrator)を少し使えただけでデザインの知識はほぼゼロだったんです。そんな私をデザイナーに導いてくれたのは、経験が問われないコンペ形式の仕事でした(クラウドワークスのコンペ形式の仕事について)。

1年半ほどで、500件ほど応募したんですけども、ひたすら応募し続けて。実績とスキルと、あとはクライアントとの出会いを少しずつ得てきました。

最初はデザイナーと名乗ることにすら抵抗がありまして。ちょっと恥ずかしいというか、気恥ずかしかったです。それでも徐々に自覚が芽生えてきました。一つひとつの仕事、一人ひとりのクライアントが私をデザイナーに育ててくれたと思います。

最初は、子供が寝ている間だけというかたちで始めました。徐々に仕事が来る度に、少しずつ主人や家族の理解を得て、少しずつスタイルを変えていって、今では週40時間に相当する時間、つまり正社員と同じくらいの仕事ができるようになっています。

自分の人生は自分でコントロールできる

オンラインのやりとりが前提なので、移動時間はもちろんありませんし、とても効率はいいと言えると思います。なによりも子供たちの成長と状況、自分たちの状況に合わせて、少しずつ環境を整えていけたのが、試行錯誤の連続ではあるんですけども、本当によかったなと思ってます。

でも、コンペに応募し続けた1年半の間は、やっぱりそれなりにつらくて。それまでのキャリアを諦めてしまったことに不安はやっぱりありましたね。でも今は「組織を離れることはキャリアダウンではない。むしろキャリアアップである」と思っています。

デザインの仕事を続けてきて、自然とそれ以前の仕事、建築系の仕事などの経験が活かせるようになってきました。むしろその過去の経験があることによって、ほかのデザイナーさんにはない、自分の個性と強みを活かせるようになってきていると感じます。

これからどんなライフイベントがあったとしても、やりたいことで仕事を続けられるという自信を得たというのが1番大きいですね。自分でコントロールするんだ、他人にコントロールされるとか我慢をするということではなくて、自分でコントロールをする、バランスをとるものである、と考えるようになりました。

その内に、また今のスキルを持ってどこかに就職をする可能性もありますし、海外に移住とか法人化とかいろいろ可能性もあります。育児との両立が可能になったというだけではなくて、可能性は無限に広がっているなと感じています。

同じ仕事に向かうことで産まれる強い「繋がり」

司会者:ありがとうございます。続きまして、在宅で働きながら、社会と繋がることは実際にできるのかどうかについて、ぜひ教えていただければと思います。

森脇:意外かもしれないんですけども、私がクラウドワーカーになって得たもので最も大切なものは「出会い」なんですね。日本全国、時には海外からオファーがありまして。クライアントから仕事を受け、どんどんと出会いが広がっているという感じがしています。

一見オンラインでしか繋がっていなくて、弱い繋がりのようにも感じるんですけども。1つの仕事を通して同じ目的に向かって歩むということで、ちょっと会ったくらいの関係にだったらぜんぜん負けないくらいの繋がり感を感じます。

実際、クラウドソーシングで出会ったクライアントの方に、仕事の後、ちょっと会ったりするとすっごく気恥ずかしいんですね。それくらい近しい間柄に感じるようになります。業種とか年代とか地域、考え方、本当にさまざまな方と出会えることが、私の仕事自体を本当に楽しくしてくれています。

なので、そういう意味で在宅は孤立ではない。むしろ私の世界を大きく広げてくれたなと感じています。

育児をきっかけに人生を再デザイン

司会者:ありがとうございます。最後に、こちらは森脇さんからいただいた言葉なんですが、「育児はブランクではない」。育児や介護というところで悩まれている女性が多いなかで、あえてこのメッセージをくださった理由を教えていただければと思います。

森脇:1番はやはり子育て自体がとっても貴重で豊かな経験だなと。それが仕事にもよい影響を与えてくれてるなと感じています。子供たちも、私のデザインだったりイラストを見て喜んでくれたりしますし。私もまだ新たな夢に向かった1歩を踏み出したかなというところなんですけれど、子供たちにも堂々と「夢を見なさい」と言えるようになったかなと思います。

それと副産物なんですが、仕事以外の活動にも広がってきています。私は、地域コミュニティの活動にはまったく関心がなかったんですけども、そんな私が育児を経験したことで、育児中の働き方に関する地域の活動を、地元の杉並区というところで始めました。

育児中だからこそ地域の活動に目が向いて、しかも柔軟なクラウドソーシングで仕事をしているということが、ローカルでも活動できる時間を提供してくれて、活動できる時間を手にすることができたんですね。

この考え方は、雇用されている時にはまったく考えられなかった。その時には想像もしなかった人生の変化です。今は、「育児はブランクではなく、逆に人生をリデザインするよい機会だな」と考えるようになりました。

20代、一心不乱に仕事をする時期から、ちょっと落ち着いて家族のことも考えながら、これからの人生を考えてみる。少しの勇気と精一杯の努力で、仕事のスタイルもそうですし、あとは家族と過ごすスタイル、それから社会との接点も今までよりもさらによいものにしていける、そういう機会になるんではないかなと思います。

社会とか企業とかに変化を求めるだけではなく、クラウドソーシングというツールを使いながら、自分自身の力、それから同じ思いを持つ方と、まずは自分を変え、家族、環境、ゆくゆくは社会もよい方向に導いていけるんじゃないかなと考えています。

司会者:ありがとうございます。それでは、森脇さんに拍手をお願いいたします。

(会場拍手)

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