2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者:新しいエンブレム決める時間制限があるのでしょうか? 今年中に発表される可能性があるのでしょうか?
武藤:できるだけ早く新しいエンブレムをつくりたいと申し上げました。それが何月かっていうのは今の時点では申し上げるだけの中身がありません。
今回もそうだったんですけで、決めたあとにいろいろな検索にかけるわけですね。これは我々が期待した時間で納まるというものではなくて、必要な時間がどうしてもかかる。
したがって、我々はできるだけ早くという気持ちを持っておりますけれども、いつまでにということを申し上げることは現時点ではできません。
その間、新しいエンブレムがないということに対してどう考えるかっていうことは、私も同様に懸念を持っています。ですからできるだけ早くつくりたいということであります。
今までこれだけの批判のあるものを使い続けて、何かいいことがあるかということと両方考え合わせると、新しいものをつくる期間、新しいエンブレムがないということは、これはもうやむを得ないことだと。
もちろんスポンサーの方々はJOCとJTCのエンブレムはジョイントマーケティングでありますので、使うことができます。
我々は今まで招致のときのエンブレムを使っておりました。新しいものができたので使わなくなったんですけれども、取り下げた結果、当面あの招致のときのエンブレムを使うことは十分可能だと思ってます。
記者:毎日新聞のイイヤマと申します。ちょっと手短に聞けることなんで2点なんですけども。
パラリンピックのエンブレムも撤回ということでよろしいか。あと、過去にこういうエンブレムの中止みたいなのはオリンピックの歴史であるのかどうか。
武藤:パラリンピックも撤回します。というのはもうワンセットですから。
それから過去にそういうことがあったかどうかっていうのは、今の状況で私どもは存じ上げておりません。
記者:共同通信のタカミと申します。
新しいエンブレムなんですけれども、方法としては次点のもの、あるいは残っているもので選ぶという手もあると思うんですけれども、それをしないというのは今回の審査の過程が国民の支持を得られていないと判断したからなのでしょうか?
それを考えると、許可を取った上で次点とか3位の作品を公開するというのも「審査が正しく行われましたよ」ということを論証する1つの手段ではあると思うんですけれども、この辺はどうお考えですか?
武藤:今回の佐野さんの決定のときに、いくつか上のほうに残ったものを対象にしたらいいんではないかっていうのは1つのお考えだと思います。
ただ我々は、もう一回全面的に公募をやり直したほうがいいのかなと現時点では考えております。
それから前回応募した人たちは、同じものを応募していただければいいわけで。そういう意味では全く新たにやり直すほうがいいのではないかと思います。
決して前回に問題があったから前回のものを取らないっていうことではありません。「前回の人たちを発表したらどうか?」ってことになると、先ほど申し上げたとおり、「発表した途端に誰かが悪意で商標登録したら……」といった問題を我々はクリアできないので。
モノを発表するっていうことは著作権者がそれでもいいと言えばもちろん考えられるのかもしれませんけども、一般的にはそういう応募作品について当選しないものを公表するってのは、通常はすべきでないと思っております。
記者:報知新聞のエバタと申します。このコンペを含めて、これまでこのエンブレムに関してどれぐらい費用がかかったかっていうのを教えていただけますか?
槇:28日の会見でご覧いただいたかと思うんですが、審査会場のレンタル費だけです。あと若干の審査員の方への東京都の規定に基づく日当はお支払いしましたけれども。以上でございます。参加そのものに関してはお支払いしてませんので。
記者:日刊スポーツのニシと申します。
原案時点でIOCの商標調査があって、複数点、原案と似ていたので修正をお願いしたとおっしゃってましたが、その中に今回指摘されてるヤン・チヒョルト氏のものがあったかどうかっていうのに付随して。
前回IOCが調査したときは、修正をお願いすることによってOKだったのに、なぜ今回は「原案に似てるから駄目だ」ということで取り下げることになったのか、その理由を詳しく教えていただけますか?
武藤:今回のヤン・チヒョルトさんのものはありません。これはあくまでも商標登録されてるものの検索でございますから。我々はそれを認識したらそれを修正するというのは通常の発想だろうと思います。
原案が似てたからどうするといっても、もはやそれは過去のものでございますので、似てるか似てないかということについての判断をするしかありません。これを修正するということはもう意味がありませんので。
当初決まったものを、似てるものがあるからっていう段階では修正する価値があります。しかし、発表して全て決まって、過去の原案で似てるものがあるっていうことになると、全く次元の違う問題になるんじゃないでしょうか。
記者:東京スポーツのマツオカと申します。
先ほどから一般国民の理解が得られない懸念があったというお話をされてますが、一般国民というのは一体誰のことを言ってるんでしょうか?
要は組織委員会として、アンケート調査をしたとか、報道機関の世論調査をご参考にしてるのか、誰のことを言ってるんでしょうか?
武藤:これはメディアのみなさんも「国民がどうだ」というような言葉は使われるし、政治家の方とかいろんな方が「国民がどうだ」とおっしゃいますけれども、おっしゃるとおり、それは誰なのかといってもお答えはないと思います。
問題はさまざまなメディアや、それ以外のものも通じて出てきた意見というものを総合的に判断すると。それしか答えは出ないんじゃないでしょうか。
記者:朝日新聞のコバヤシといいます。
新国立競技場の問題に続いて、また今回のエンブレムの問題で、どちらもある意味オリンピックを象徴するようなものだと思うんですけれども。
立て続けにこういったことが起きてる事態について、大会の組織委員としてはどういうふうに考えられているのかっていうのをお伺いしたいんですけれども。
武藤:国立競技場と今回のエンブレムを並べて議論するというお考えもわからんではありませんけれども、あちらは国がつくられる施設の問題であり、こちらは組織委員会がつくるエンブレムの問題であって、考え方としては我々は別のものとして、国立競技場との関連で何かを考えたっていうことはありません。
一般の人たちが考えると、オリンピックに2つの問題が起こったって考えることはわからんではありませんけど、私どもの判断は、エンブレムについてきちっと考えていくというのが我々の立場であるということを申し上げさせていただきます。
記者:読売新聞のオオノといいます。
先ほどからお話を伺ってますと、何か誰も悪くないように聞こえるんですね。佐野さんは「模倣してない」とおっしゃってて、その意見を組織委員会でも尊重されてると。
デザインの先生方は「それはよくあること」だとおっしゃってたと。組織委員会は「そういうふうに、みなさんが言うから取り下げに了承しました」とおっしゃっているんですけども。
どうもやっぱり、話の根本を突き詰めていくと、一般の常識からかけ離れたデザイン界の方々とその常識に乗っかり続けた組織委員会の方々。
当然佐野さんのデザインの問題もあるかもしれないですけど、その両者が今回の問題の根幹にあるような気がするんですけども。事務総長としてはどんなふうにお考えでしょうか?
武藤:デザイン界の特殊な考え方に乗っかり続けたっていう事実は、何を指しておっしゃっておるのか。私どもはそのように考えてません。
28日までの長いリエージュの問題は、法律上の問題として起こったわけですけれども、それに対しては法律的な議論として、オリジナリティを説明できるというデザインの方々の意見ももちろん聞きましたけれども。
法律論としてもそういうことができるということを議論し、これはIOCと連携を密にしながらお話をしてきました。
それから土日に起こった事柄については、むしろ意見に乗っかって判断したのではありません。意見は踏まえましたけれども、むしろ一般の理解を得にくい話だということで。
しかしこれは永井先生のような専門家も「その点は全く同感である」とおっしゃっていただいた。ですから、そういうデザインの特殊なものに乗っかって何かが進んでたっていう事実はないんじゃないかなと思います。
質問者27:フジテレビのマチノと申します。
先ほど、これ以上信用低下をしないようにということおっしゃいましたが、新国立の撤回についてやはりこれは大きなイメージダウンで、経済的損失というのも大きいと思われます。
こうしたイメージダウンによる経済的損失をきちんと今後明らかにするべきではないでしょうか? またそれを見極めた上で、責任者に対する処分というものも必要なのではないでしょうか?
武藤:経済的損失ということになると、国立競技場と全く議論は違うと思います。私どもはエンブレムの持ってる経済的な力っていうものあるとは思いますけれども、施設に関する経費とそれを一緒にするのはちょっと無理があるのではないかなと思います。
それから責任ということに対しては、我々は決して責任がないなんていうことは申し上げておりません。大変申しわけなく思っております。
しかしそれを新しいエンブレムをつくって、一刻も早く国民のみなさまの御支持を得られるようなものをつくっていく、それが最も大事なことではないかと考えるわけであります。
記者:朝日新聞のウシオと申します。2点すみません。簡単なんで伺いますが。
審査員のお一人が全く盗用ではない、取り下げる必要はないとおっしゃったということですけども、それはどなたであるのかということを伺いたいのがまず1点。
今日午前中に佐野さんを呼んだということなんですが、それ虎ノ門でよろしいのでしょうか?
武藤:虎ノ門に呼びました。それからこれは審査員の中身のものは公開していませんので、誰というのは申し上げられないと思います。
記者:東京新聞のナカヤマと申します。確認レベルの話なんですけども、土日の転機となったとされる、原案と似てると言われてるヤン・チヒョルトさんの作品、それと展開を説明する写真に酷似するとされた別の写真、それぞれについて。
例えばヤンさんの作品であれば、いつどこで展示されたのであるとか、写真についてもどういった内容なのかっていうことを、詳しくわかる範囲で具体的な内容をちょっと教えてほしいのと。指摘があったっていうのは、インターネット上でいいのかどうかを教えてください。
それと質問じゃないんで要望なんですが、それぞれのこの原案に似てるとされる図であるとかこの展開の写真であるとか、もし可能ならこの画像を提供していただけないかという質問と別途要望なんですが。
武藤:我々はその所有者ではないので、我々もそのネットの中から検索したものを見てるわけなんですね。ですから、我々のほうから提供するという立場にはありません。それに尽きることになります。ヤンさんのネットの情報によると、2013年に銀座で行われた展覧会っていうことですね。
質問者30:武藤さんがさっきおっしゃっていた、できるだけ早くということはわかるんですが、28日の会見の際に、公募というレベルの話の中で、しかし大変専門性が高いデザインを求めるということから7つの賞のうち2つを受賞されてると。
これはちょっと公募というのはかなりハードルが高い。一般公募とはちょっと呼び難い部分だったと思うんですね。公募というのを今後どうお考えになるかということと。
こういったプロセスが今回問題になったという部分もありますので、例えば選考基準を決めるための専門委員会をつくるとか、選考基準を広くアピールするための話し合いの場を設けるとか。
その公募という部分がどれぐらいまで広がり、あるいはもっと縮めてしまうのか、この辺をちょっと教えていただきたいと思います。
武藤:公募、それからそれを選考するという手続きを我々はこれから考えたいと思っております。
確かに前回は2つの賞もらった人ということでかなり専門性のある人ということになったことに対して、もっと広く一般の人にしてほしいという意見があることは十分承知しております。そういうことも踏まえて考えたいと思います。
選考基準については、そういう方法がいいのかどうかも含めて考えたいと思います。できるだけオープンな選考、密室でない選考ということを心がけたいと。現時点ではそういうところまででありまして、どのように具体化するかはこれから発表していきたいと思います。
質問者31:ニコニコ動画のナナオと申します。
先ほど事務総長、武藤さん、今空席になったっていうか、桜の以前の招致エンブレムを活用することもあるであろうってことをお伝えしました。
それで国民に愛されるものというと、ご存知のとおり桜のエンブレム、あれ良かったんじゃないかっていう声も非常に多いわけなんですね。
先ほど言いましたように、これからまた公募してまた同じような問題が起こるリスクはものすごいあると思うんですね、盗用だとか。
それを考えますと、例えば桜のエンブレムを過去6大会、必ず変えてますけども、あえて同じものにする、あるいは虎ノ門ヒルズですからちょっと言うと、
ドラえもんを「トラのもん」ってちょっと変えてますよね。その桜のエンブレムをちょっと修正して本番のエンブレムにするっていう選択肢もあると思うんですけど、それについていかがですか?
武藤:そういうお考えもわかります。ただ、ちょっと修正するって誰がするのかということもあると思うんですね。もしそういうアイデアがあるとするならば、公募していただいたらいいのかもしれません。
我々がちょっと修正するということによって、みなさんが納得されるのかどうかということもあります。ですから、アイデアとしてはわからんでもありません。そのとき思っても、それではパラリンピックのエンブレムはどうするんだということもあります。
新しいご提案はいろいろあり得ると思いますので、特定のものを排除することなく、いろんなことを考えていきたいと思います。
質問者32:日経新聞のイワムラと申します。
今回のエンブレムの使用中止に当たって、スポンサーの意向というのをどれだけ反映、意向というか、スポンサーにとってもこれまでのエンブレムはいろんなイメージもあって使いにくいという見方もあったと思うんですけれども、
その辺りの配慮というのは、今回の中止決定に当たってはどれぐらい考慮事項にあったんでしょうか?
武藤:スポンサーのみなさまにはこのエンブレムの取り下げによって本当に大きなご迷惑をおかけすることになります。したがって我々は丁寧に説明して、ご理解を得ていきたいと思います。
もちろんこのエンブレムがいろいろ世論の批判の対象になっている間、スポンサーの方々もいろんなことをお考えだったと思っています。
必ずしも直接、全てお話を伺ったわけではありませんけれども、心配されてる方もいたと思いますので、そこはこの際出直すことがベストだという我々の考えをご理解いただくために、丁寧な説明をしていきたいと思ってます。
今後については、当然こういうことをスポンサーが戸惑うことのないように十分配慮してやっていきたいと思います。
質問者33:TBSテレビ『あさチャン! 』のマツイと申します。よろしくお願いします。
今日、夕方4時から行われた調整会議、そのときの席、シチュエーションをちょっと教えていただきたいのと、具体的にどんなやり取りがあったのかっていうことをちょっと教えてください。
武藤:虎ノ門の会長室で行いました。席と申しますのは配席ですか? こういうテーブルを向かい合って、6人の人が座られ私が説明したという状況でございます。
もちろんそれぞれの立場からご意見がありました。これはちょっとこれからおそらくみなさん、そういう方々のインタビューもされると思いますので、私の口からどんな話があったかってことは控えたほうがいいと思いますけれども、基本的には了承を頂きました。
質問者34:毎日新聞のタケモトと申します。
さっきお金の話が出ましたですけれども、かかった費用ということで「具体的にいくらか?」ということと。
この運営が税金で賄われてるととれるような趣旨の説明が一部報道であったんですけれども、念のための確認ですけど、この選考過程含めて、運営というのは何で賄われているか念のため確認でお願いできますか?
武藤:税金で賄われてるものは一切ありません。これは組織委員会のスポンサー料で賄われているわけであります。
それからどのぐらい費用かかったってのは、先ほど申し上げたとおり、日当っておそらく1人わずかなものでありますし。それから会議室を借り上げるという程度のものでありますので、その程度のものというふうにご理解ください。
司会:長い間ありがとうございました。時間も大幅に超過いたしましたので、これで東京2020エンブレムに関する記者会見を終わりたいと思います。
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