2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者:どうもありがとうございました。エコーニュースのエトウと申します。先ほど歌われた脱原発の歌はとてもポップな調子でした。あと制服も見ての通り、コマーシャリズムそのままのような、まさしくアイドルグループの格好をなさっています。
こういった商業主義の権化のような格好をしながらかえって経済優先を批判するというのは、一種のパンキッシュなメッセージだったりするのでしょうか? あるいは、たまたま芸風がこうなっちゃっただけだよ、というくらいでしょうか?
橋本美香氏(以下、橋本):なぜ制服を着ているか……ということですか?
記者:そうですね。長くなってすみませんが……あと、例えばさっきの脱原発の歌はもっと攻撃的なパンキッシュなトーンで歌うという手もあると思うんですけれど。わざとあれは明るく歌われたのでしょうか? 特にそういう意図はなかったのでしょうか? お願いします。
橋本:「なぜ制服を着ているか」ですが、1992年に結成されて、結成当初から学校制服のリニューアルを目的として、制服メーカーさんと契約をして学校の先生方を招いた制服ファッションショーを行ってきました。
学校生活というのは中高生にとって生活の大きな部分を占める大切なものだと思うんですけど、より快適に学校生活を送るためにその時代に合った、かわいさと機能性を両方兼ね備えた制服が必要ではないかということを制服向上委員会はずっと唱えてきています。
なので、音楽のスタイルからするとなぜ制服を着ているのかとよく驚かれるんですけれども、それはそれで並行してずっと活動してきたひとつの形です。
『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』はすごくポップだというお話だったんですけど、表現の仕方はいろいろありまして。たまたまあの曲はああいう形で明るく楽しく歌っていますけれど、同じくそのCDに入っている『原発さえなければ』という曲はフォークソング調で歌っています。
この曲は福島原発(の事故)のあと自ら命を絶たれた福島の酪農家の方が残された言葉をもとにつくっています。
私たちは形にこだわることなく発信しています。そして脱原発をテーマにしているのはその曲だけではなくて、ほかにも私たちのステージで披露しています。ありがとうございました。
司会:日本のタレントエージェンシー、マネジメント会社というのは抱えているアイドルやアーティストが政治的な要素を出さないように非常に気を使っているのではないかと思いますが、(制服向上委員会は)逆の路線を取られています。
先ほどは、たまたまそういうふうな活動も並行してなさっていたということでしたが、意図的にそういうような活動を始められたのでしょうか? それとも自然に、たまたま、一方では制服にこだわりながら、そういうような方向性に進んだのでしょうか?
橋本:結成当初はテレビにも出ていましたし、CMもありました。でもそれと並行して、「思想を持て」というか、「自分たちの主張がある活動を」という、そもそも制服向上委員会をプロデュースしている者の考え方のもとに成り立っているので、そこからボランティア活動と社会活動に積極的に取り組むことになります。
私は1995年から活動していて、数々のイベントに参加してきました。例えばワールドピースナウ、イラク戦争反対運動です。あとは先ほどお話したベトナム戦争の傷跡を見に行ったり。
そういうふうにメンバー自身がいろいろな体験をしていくなかで、メンバーが社会に向けてメッセージを発信していくことの大切さを学んでいき、そこからいろんな方向に活動が広がっていって、メンバーが自主的に考えて発信していくという今の流れになっているのかなと私は考えています。
齋藤優里彩氏(以下、齋藤):このグループは結成当初から社会問題に目を向けて活動しているんですが、私が入ったのは3.11以降なのでまだ今年で3年です。こちらの名誉会長の(橋本)美香さんはずっといらっしゃって、全然後輩なんですけれども。社会問題とかわいらしい曲も歌うグループはなかなか日本にはいない貴重な存在だと思っています。
最初は「原発って何だろう?」というところから入って、このグループとともに勉強してきました。二面性のある、社会的な発言もしつつかわいらしい曲も歌うグループというところにすごく誇りを持っています。
橋本:商業的ではないかもしれないんですけど、私たちが社会問題やボランティアなどに取り組むということは、特別なことをしているとは思っていません。同じ世代の方たちが世間に向けて思っていること、世の中に対して思っていることをもっと発信していくきっかけになればいいなと思っています。
記者:素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。日本のサブカルチャーを研究する機関の者です。質問ですが、みなさんの目指していることについてです。ご存知の通り、ボブ・ディランは政治的な要素を導入したことによってフォークミュージックの性質を根本的に変えました。
みなさんも今ご活躍の分野、ポップアイドルグループに政治的な要素を持ってくることによってポップグループの活躍あるいは性質を変えようとしてらっしゃるのでしょうか? 具体的に伺いたいんですが、今のような政治的な要素があるポップグループ、こういうトレンドは広がると思われますか?
そして今、日本の再軍備化と言われていますが、このような世界でより多くの注目を得るようになっていますか?
橋本:ありがとうございます。まず目指していることというお話で、ポップの性質を変えようとしているのかということについて、ボブ・ディランの音楽は世界を変えたと私も思っています。日本で「アイドル」という言葉が指すものはいわゆるかわいい歌を歌って踊って、みんなから憧れられるようなものだと思います。
私たちはアイドルグループとは謳っているんですけれども、そこの「アイドル」の認識がたぶんちょっと違うのかなと思います。私たちは「アイドルは誰かの心に輝く存在だ」ということで、ずっとプロデューサーからその言葉を聞いて育ってきました。
なので、形はいろいろあると思いますが、ポップを変えていこうというものではなくて、音楽で私たちのメッセージを発信しているのはたまたまその形であって、いろいろな方が自分の持っているもので何かを発信していくことの大切さを感じながらアイドルをしています。
齋藤:ポップの性質を変えたいのでしょうかというご質問をいただいたんですけれども、私が思っているのは、ポップの性質を変えたいというよりも一人ひとりの心に届くような、一人ひとりの心を変えるようなメッセージを発信したいと思っています。
危険な原発が日本にもたくさんあります。3.11でなぜ政府は学んでいないんだろうという、そういう思いなどをたくさん発信して、私たちをきっかけに一人ひとりの心が動いて社会も変わっていけばいいなと思っています。
記者:弁護士ドットコムニュースのヤマシタと申します。本日の記者会見の模様はインターネット動画サイトのニコニコ動画でも配信されていますが、先ほどの脱原発の歌のパフォーマンス中、「諸事情によりパフォーマンス中は音声を切っています」という表示がされて音声が流れていませんでした。
その点について、もし事前にご存知なら、理由をお教えいただければと思います。政治的な理由なのか、著作権的な理由なのかわかりませんが、教えていただければと思います。
橋本:まず、知らなかったです(笑)。なので、理由もわからないんですけれど。音声が流れていなかったというのがもしあるとしたら……なんでしょうね。
齋藤乃愛氏(以下、齋藤(乃)):残念ですね。
橋本:自主規制なのか、それとも何かほかの理由があるのかは私たちも逆に教えてほしいなと思います。
齋藤(乃):もし音声が流れていたら動画の前の方々にももっと伝わったのかなと思うので、(流れなかった)理由を私も知りたいですね。
齋藤:日本は何か政治的、社会的な発言をすると批判的な言葉をよく浴びせられるんですけれども、視野を広くして世界に目を向けてみると(そういう発言は)本当に当たり前なんですよね。たくさんの発言をされているアーティストの方がいて。
日本は記憶教育と言って、理解させるというよりは記憶させるということが根本的に幼い頃から行われているので、もとを変えていかないと日本もなかなか変わらないのかなと思って、少し不満な面と変わってほしいなという思いとがあります。
橋本:今のニコニコ動画さんの理由はちょっとわからないので置いておいて。同じような問題なんですけど、3.11のあと原発事故の現状なども日本のマスコミの報道はとても規制がかかっていて、真実を国民に隠しているという感じを受けます。日本の現状を逆に海外のメディアのほうがきちんと取り扱っていることも、私たちはネットを通じて知っていくわけです。
そういった日本のマスコミの姿勢や、政治に関わる方々の真実を隠してしまう姿勢を、もっと日本の国民にきちんと包み隠さず見せてほしいなと思っています。今のニコ生さんの音声がかからなかったということで、語らせていただきます。
記者:朝日新聞の記者でイチカワと申します。今日はありがとうございます。
集団的自衛権の限定的行使容認や安倍政権の今のいろいろな姿勢についても発信されていると思うんですけど、みなさんそれぞれティーンだったり若い1人の女性、1人の人としての立場から、それらについて実生活やご家族との関わりのなかでどういうふうに感じて反対の姿勢を取られるようになったか。
あと、脱原発を含めてそういうような発信をするなかで、「若いのに」「子どもなのに」という批判や反応があると思いますが、そういったことに対してどういう気持ちでいるのか、その2点についてお聞きしたいと思います。
齋藤(乃):まず1つ目の質問ですが、メンバーになる前は家族と社会問題についての話は全然していませんでしたが、メンバーになってからは毎日ニュースを見たり新聞を読んで徐々に勉強をしようという精神があって。
お母さんとか親も(それまで)ニュースも週に2、3回ぐらいしか見ていなかったので、本当にこのメンバーになったおかげで家族全員が社会問題について詳しくなったのかなと思っています。
2つ目の質問で、「子どものくせに」とか本当によく言われるんですけども。こういう言葉に負けて意見を言わないままだったら、賛成意見と同じになってしまうと思うんですね。なので、大人じゃなくても、たとえ戦争を経験していない私たちでも意見を言うことは誰でもできると思うので、意見を言うことは積極的にしていきたいなと思っています。
西野莉奈氏(以下、西野):私は制服向上委員会のブログやツイッターに書くときに、家族と政治のことに関して話し合ってから書くようにしています。私の意見だけではなく反対派の意見も聞いて、それで本当にどう思うかというのを(話し合います)。
家族でそういうことを話す機会はこの制服向上委員会に入ってから増えました。入る前は興味も関心もなかったと思うし、私の友だちも政治に関心を持っている人も少ないんですけど。入ってなかったらこういうふうに関心を持つこともなかったので、制服向上委員会に入って政治に関心を持てたことはすごく誇りに思っています。
2つ目の質問ですが、私たちは思っていることを歌詞にして歌っていますが、歌にメッセージのない曲はないと思います。音楽で歌詞としてメッセージを歌うことを批判されることが多い日本はやはりおかしいと思います。
アメリカなどは強い政治に関してのメッセージを言っても批判されることは少ないと思うので、そういうところは日本も見習ってほしいなと思います。
若い世代が発信するということも、私たちのグループや、あとSEALDsという団体も発信していますが、やはり少ないと思うので、私たちみたいに若い世代も政治に関心を持ってほしいなと思っています。
木梨夏菜氏(以下、木梨):制服向上委員会は今10名で活動していて、リーダー以外は3.11以降に所属した子がほとんどです。その当時は政治的な発言ももちろんできないというか、勉強してからじゃないとできない状態だったので、家族ともほとんどそういう会話はなかったです。でも、この活動をしていく上でいろいろ勉強することができて、家族ともコミュニケーションの一環で、そういう社会的な発言を含めてしています。
本当によく「子どもなのに」とか言われるんですけど、子どもだからダメというのが本当におかしいなと思って。これから生きていく上で、子どもが上に立つわけですよ、大人になっていって。それなのに、「子どものくせに」と言って子どもが発言することを妨げるようなことを言う人は、本当に私は許せないなと思います。
原発問題にしても、子どもが、私たち世代がこれから日本を生きていくわけで。戦後70年で戦争を経験した人がいなくなったときに、私たちがそれを伝えていかなければいけないなと思うので、私たちはどんどんこういう活動をしていきたいと思います。
齋藤:私は、悪いことを悪いと言うのにアイドルも子どもも大人も関係ないと思っています。今、日本の政治を動かす権力を持っているのは、他人の喧嘩に首を突っ込むことが美しい国と考える人です。そして、今福島県の子どもたちは約130人に甲状腺がんが見つかっています。
そういうのも全て安全だと言って、自分たちは周りに住まずに安全だ安全だと言い、被災地にお金をあげて、帰還促進政策と言うんですけれども、お金をあげて帰そうとしているんですね。私はとてもひどいと思うんです。自分が本心で言っていることなので、批判の言葉を受けても強く立ち向かっていくパワーはさらに湧いてきます。
私たちがきっかけで社会問題に目を向けてくださる方が多くなってほしいなと思っています。私たち世代がこれからの未来を担っていくわけなので、「戦争は怖いから」とか「原発は危険だよね」とか、そんな思いでいいので、興味を持っていただけるきっかけになればと思って批判のメッセージは真摯に受け止めるようにしています。
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