2024.10.10
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衆議院選挙 2014 自民党(全1記事)
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稲田朋美 政調会長:本日はお集まりをいただきましてありがとうございます。今日の総務会までずっと公約について議論を続けてまいりまして、短い期間でしたけれども、ようやくまとめることができました。
政権公約のイメージとしては、まだ刷り上がっておりませんので、イメージなんですけれども、こちらになります。
今回の政権公約は二部構成といたしております。まず第一部では総裁メッセージを巻頭に掲げ、また今回の選挙で総理も仰っているところの「アベノミクス解散」をストーリー立てして、経済再生と財政再建、さらに地方創生と女性活躍を特出をして、一部で分かりやすく訴えることとしています。
一部のイメージはこちらです。わかりやすく「アベノミクスで我が国の経済はここまで来た」ですとか、後は総理の経済再生・財政再建、二兎を追いながら二兎を得る、さらに地方創生と女性活躍というところを、わかりやすくお示しをしているところでございます。
第一部のイメージは「アベノミクスで我が国の経済はここまで来た」ということを数字やビジュアルで訴えることとし、10%への引き上げは、現下の経済情勢等を総合的に勘案し、やむを得ず平成29年4月に延期をしましたけれども、財政再建の旗は降ろしていない、その間に成長戦略はもちろん、あらゆる政策を総動員して、景気回復、経済成長を実現し、経済成長と財政再建を両立させる決意を明確にし、日本再生のためにはこの道しかない、ということを訴えております。
第二部は、各部会等から寄せられた個別政策、約300項目を「政策BANK」として、幅広に掲載を致しております。つい先程まで文言の調整が続けられていましたが、構成といたしましては、1.経済再生・財政再建、2.地方創生・女性活躍推進、3.暮らしの安全・安心、教育再生、ここには国土強靭化、治安・社会保障、教育などが入っております。そして4つ目には、地球儀を俯瞰した積極的平和外交、5、政治・行政改革、6.憲法改正、というふうになっております。
特出の第一部と、政策全般を網羅する「政策BANK」の第二部、ということで、メリハリを付けた構成となるように心掛けた次第です。概要は以上のとおりです。
我が党としては、有権者とのお約束である以上、実現可能な公約を掲げることが、責任政党の務めと考えております。この政策を自信を持って掲げ、堂々と政策論争に臨んでいく所存でございます。私からは以上です。
記者:日経新聞です。4点お伺いします。まず農協改革についてなんですけれども、先週からの議論で書きぶりがいろいろ変わったと思うんですけれども、どのように変わったかということと、あと総務会等々でこの農協改革の書きぶりについて意見が出たと思うんですけれども、どのような意見が出たか、お聞かせください。
稲田朋美 政調会長(以下、稲田):この農協改革につきましては、すでに6月に与党の合意、そして閣議決定がなされております。そのことについての公約に、書きぶりについてさまざまな議論があったわけでありますけれども、中央会制度については現行制度から、自立的な新たな制度の移行するということが、与党合意と閣議決定の中に入っております。
そのあり方について、公約に書いたとおり、その決定に基づいて引き続き議論を深め、結論を出していくという書きぶりになったわけであります。この書きぶりに関しては、今日の総務会におきましても、多くの先生から選挙戦についての影響ですとか、さまざまな観点から意見がございまして、最終的に今の書きぶりになったということでございます。
記者:2つ目が、地方創生特区の件なんですけれども、公約の中に国家戦略特区における地方創生特区の早期指定、という言葉が入りましたけれども、これまで戦略特区というと、都市型の規制改革、というような触れ込みで始まったと思うんですけれども、今回地方創生特区の国家戦略特区における位置づけというか、具体的にどのような規制改革をイメージされているか、というようなところをお聞かせください。
稲田:やはり国家戦略特区というと、なにか地方のなかでも大都市であるとか、国際戦略に向けて、というようなイメージがあったかと思います。今回、地方創生、地方活性化という点からすれば、もっと地方の取り組みだったり工夫だったり、もっと地方の特色に合わせて、その地域に特化した形での規制改革、ということもあろうかと思います。
そういう視点からの特区という意味で、地方創生特区と公約のなかで書いたわけであります。例えば農業等の規制緩和ですとか、土地の利用ですとか、いろんな地域地域によってそのアイデアは違うと思いますけれども、そういったアイデアを後押しする地方創生特区を作ることによって、この地方創生の基本的な理念といったものに合致した政策、というふうに考えていただければいいのではないか、と思います。
記者:3つ目です。消費税増税の先送りに関連するんですけれども、先送りをしても子育て支援や医療介護の充実策というのは、増税前、2017年4月の増税前にも実施する、と公約にも明記されています。一方で、具体的な財源に関して公約上では触れていないのですが、具体的な財源に関してお聞かせください。
稲田:今回、消費税増税を1年半先送りにしたことによって、18ヶ月分の税収減というものがあるわけであります。それと同時に今回の先送りは、社会保障の充実と将来世代への(負担)先送りというもんを解消するためには、1年半後には消費税を上げる、ということも決めているわけであります。
今回この社会保障制度について、受益と負担のバランスという観点から、消費税8%時においても、特に子ども子育て支援体制を予定通り、平成27年4月から施行して、待機児童の解消に向けて40万人分の保育の受け皿の拡大などを行う、このように限られた財政のなかで優先順位を付けながら対応をしていきたいというふうに思っております。
具体的な財源については、歳出の見直し等を含めて、安定的な財源を確保していく、ということになろうかと思います。
記者:最後の質問です。今日出された、政策BANKの位置づけなんですけれども、こちらも公約という位置づけで宜しいのでしょうか、というのがひとつ。もうひとつ、J-ファイルは作られますか、ということで、もし作られる場合はいつまでに、またJ-ファイルの公約との位置づけというのは、どのようにお考えでしょうか。
稲田:正式な届け出をする公約、という意味においては、今日の一部と二部に別けた公約でありますので、この政策BANKに書かれたものも公約として受け取ってもらえればと思います。
そしてJ-ファイル、毎回いろんなところからの要望をかなり大部な冊子にまとめているわけですけれども、今回それを冊子として配る時間的余裕がありませんので、参議院選のときから今までに変わったこととか、上書きをすることとか、大車輪で今直しておりまして、最終的にはデータとしてアップする、ということになろうかというふうに思います。冊子としては配らない、という事であります。
それとJ-ファイルに書かれていることは、正式な公約とはまた別の位置づけになろうかと思います。
記者:NHKです。改めてお伺いしたいんですが、今回この公約を作って、これから衆議院選挙を自民党としてなにを特に訴えていきないのか、というのをお伺いしたいのと。あと1点、野党側は争点としてエネルギー政策等もしっかり議論すべきだと言っているんですけれども、その点会長はどのようにお考えでしょうか。
稲田:今回については、総理も何度も仰っておられますように、民主主義の基盤であるところの税の問題について、消費税の1年半の先送りというところについて国民の信を問う、ということであります。その上でなにを訴えていくかということについては、今まで予算委員会等でもアベノミクスが失敗である、という野党からのご批判がかなりあったわけであります。
今回、この二部立ての公約でも書いておりますように、アベノミクスはここまで来ているんだ、ということをお示しをして、この道は間違ってはいないんだということへの国民の理解を得ると同時に、ここまで来ているんだけれども、地域とか地方とか中小企業、というところまでは万全ではないと。
これからは、地方創生と中小企業の活性化、またはそのための女性活躍推進ということを、この選挙戦のなかで訴えていきたいと思います。
それからエネルギーの問題は、エネルギーコストの問題や電気代の問題がかなり中小企業や地域の国民の生活にかなり負担というか、しわ寄せがきていることも事実でありますので、エネルギーコストを含めたこれからのエネルギー政策についても議論になるのではないか、というふうに考えております。
記者:ニコニコ動画です、よろしくお願いします。拉致被害者の全員の早期帰国の実現についてなんですけれども、北朝鮮側の再調査がなかなか進まない現状におきまして、この政策は進展が見込めないと判断した場合、強い圧力路線へ傾斜していく、という理解でよろしいでしょうか?
稲田:私は安倍政権になってから、全く動いていなかった拉致の問題が動いた、そして今その調査の報告書を待っている段階ではありますけれども、その調査(報告書)をなるべく早くに出していただけるように働きかけていく、ということに尽きるのではないかと思っております。
記者:琉球新報です。沖縄振興策についてお伺いします。「国家戦略として沖縄振興を税財政含めて、総合的、積極的に推進する」とあるんですが、現在、一括交付金制度というものがありますが、この文言がありません。
これは、この「税財政を含めて」という部分に入るんでしょうか。またそういった点を明記しなかった理由などあれば、お聞かせください。民主党さんの公約には一括交付金制度の推進という点が盛り込まれているんですが。
稲田:……。(事務方に確認する)
事務方:これは一括交付金制度も含まれておりますので、そのように実施したいと思います。
記者:朝日新聞です。農協改革の補足で1点あるんですけれども、総理は今年10月の予算委の答弁で、稲田会長の質問に対して、「現行の中央会制度は存続しないことになる」と答弁されました。これは、政策BANKの農協改革のところにある「議論を深めて着実に推進する」結果、そういった総理の目指す方向に行き着くんでしょうか。
稲田:もうすでに6月の与党合意、閣議決定のなかで、現行制度から自立的な新たな制度に移行する、とし、またその骨子は年内にまとめて来年の通常国会に提出する、ということを閣議決定のなかに書いているわけであります。
すなわち、新しい自立的な制度に移行する、そしてその法案を出すということは、今そのままの中央会制度とは別の制度になるとご理解していただければいいかと思います。
記者:北海道新聞です。第一部のほうなんですけれども、今回は経済再生と財政再建に絞って特出をしています。前回の選挙では集団的自衛権やTPPといった項目も盛り込まれていたんですが、今回は経済的な面に絞った理由についてお聞かせください。
稲田:今回は消費税の引き上げを延期すると同時に、1年半後は景気判断条項を付けないということであります。ということは、消費税があがる前にアベノミクスの効果を地方や中小企業まで行き渡せて、そしてその景気回復を確実なものにするというのが、安倍政権として非常に大きな課題であるとの認識から、今回は経済再生、しかし財政再建も両方掲げるというところがポイントだということで、それを特出しております。
そして経済再生のなかでもアベノミクス第2章は地方である、そして安倍政権の最大の課題は女性の活躍である、ということで、地方創生と女性活躍ということも特出をして、この経済再生の下に書かせていただいている、ということでございます。
今回、選挙でもっとも訴えたいことは景気回復、これしかないということでありますので、それを一部ではわかりやすく記載をしている、ということでご理解をいただければと思います。
記者:東京新聞です。憲法改正についてお伺いしたいんですけれども、(今回は)政策BANKの一番最後に書いてあるんですけれども、今まで憲法改正草案を一部提示されて、具体的にこういう改正をしたい、ということが書いてあったんですけれども、今回具体案がとくに書かれていない理由と、具体的にどういう憲法改正を目指されているのか、というところをお伺いしたいんですけれども。
稲田:憲法改正というのは自民党の立党の宣言にあるように、党是であるかと思います。そのなかで憲法改正について特出をしておりますのは、目下やることとして書いてあるわけです。方向性としては、野党時代に党として憲法改正草案としてまとめている方向性である、とご理解いただければと思います。
記者:特に書かれなかった理由っていうのは……?
稲田:今回、景気回復というところがかなりの分量となりましたので、そういった制約もありこのような書きぶりとなった、とご理解いただければと思います。
(会見終了)
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