2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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記者12:信濃毎日新聞のイタクラです。2つうかがいたいんですが、1つは今スケートができる環境がなかなか減ってきたりして、やる子どもたちも減ってきていると思うんですけれども、スケートに限らずスポーツを頑張ることが何につながるのか、何に活きるのかということと。
もう1つ、全然関係ないんですけれども、練習用のゴーグルでレースされたと聞いたんですが。
小平奈緒氏(以下、小平):はい(笑)。
記者12:なにか小平さんもレース前は平常心じゃないようなところがあったのか、そのへんも教えていただけますか?
小平:まず1つめの質問なんですけど、やはり子どもたちがスケートというスポーツに興味を持って「やりたい」って思い始めてくれるといいなと思います。どんなスポーツでもそうなんですけれども、やはり私が長野オリンピックで大きな感動をいただいたように、きっかけ1つでやりたいという好奇心が生まれると思うので、その好奇心の芽を、親御さんだったりがしっかりと伸ばしていってあげるといいなと願っています。
また、サングラスについてなんですけど(笑)。まあそうとう集中していたんだなと自分で思います。いつもリンクに上る前に、気持ちのスイッチの入れ替えで違うものに変えているんですけど、陸上で身体を温めているその集中力のまま氷に立ってしまったので、全然メガネをなくしたと持ってつけてた、みたいな感覚で。表彰式のときに「サングラスはつけちゃいけないよ」っていうことで外して関係者に渡した時に、あ、「わたしこのサングラスしてたんだ」ってことに気付いて「すいません」っていう思いでした。
記者13:日本経済新聞のカネコと申します。小平さんはこれまで様々な努力をされてきて、金メダルにたどり着いたわけですけれども、小平さんが自分がやってきた中でこれだけは誇れるというもの。他の人はこれだけは負けないということが何かありましたら教えてください。
小平:私が他の方々を見ても、どんな人を見てもみなさんすごいなって思う部分があるので、これだけは負けないという部分を探すのがすごく難しいんですけれども。ただ、負けないというよりは、私が自身を持っているのは自分の人生、人生というか自分の生き方は自分で決める、自分で選択することができるという部分に対しては、本当に曲げずにここまで歩めてこれたので、覚悟をもって自分の進みたい道に行くという部分では、すごく自信を持っています。
記者14:金メダルをとって、なにか景色が変わった、また世界がなにか変わったなと感じるところがあれば、教えていただきたいのと、まだまだ主将として往返いろいろあるということで、これからお忙しいと思いますけれども、日本に帰ってなにがしたいなというところで思い浮かぶことがあれば、一番したいことを教えてください。
小平:まずはメダルをとったことで景色が変わったかということなんですけれども、まだ日本でどのような報道をされているかというのも見ていないですし、周りのみなさんの目がどうなのかなというのはまだ実感していないので、ちょっとまだわかりません。
ただ、こうして記者のみなさんにたくさん集まっていただいて、その前で話せるということはなかなかないことだと思うので、とてもありがたく思っています。
日本に帰ったらという話なんですけれども、日本に帰って解団式を終えてからすぐ中国にまた世界スプリントに行くので、ちょっとまだしばらくはゆっくりできないのかなと思うんですけれども、まずは、やっぱり帰って家族と話をしたいです。
記者15:昨日の李相花(イ・サンファ)選手とのやりとりだったり、オランダでオランダ語を学ばれたりというところで、今話せる言葉とそのレベル、どんな感じなのかというところを聞きたいんですが。昨日の、あと相花とは韓国語だったのか、日本語だったのか、英語だったのか?
小平:韓国語は本当に少しです。単語単語で、挨拶とかそういう、「잘했어」とか、「축하해요」とか、「おめでとう」とか、そういう言葉は要所要所で使うことができます。
英語は苦手です。オランダ語は、最近オランダのテレビ局からインタビューを受けることも多いんですけれども、最低限の受け答えはできるんですけれども、もうそろそろ語量に限界が来ているかなと感じているので、またちょっと勉強したいなと思っています。
昨日は中国の方からも取材を受けて、自己紹介ぐらいは中国語では言えます。日本語は、ちょっとまだ、得意ではありません(笑)。
(会場笑)
はい。以上です。
記者15:李相花選手には何語で話しかけたんですか?
小平:最初は「よくやったね」というのは「잘했어」というのは韓国語で。あとは英語です。
記者16:靴の配色、色がオリンピックの色に並んでいたと思います。どういう経緯でどういう思いで決めたのかというのと、あとレース後に帽子を渡されてかぶっていた。
小平:ああ、はい。
記者16:たぶんオランダなのかなと思うんですけど、ちょっとそのあたり聞かせてもらえますか?
小平:なかなか私のシューズが五輪カラーというのに気づいてくださる方はいないんですけれども、五輪をイメージして作ってもらいました。
実はあの靴は、大学1年生のときに型を取って、2年生のときにできあがった靴を、革をリメイクしながら長く使っているもので、もうだいぶ、もう10何歳……ちょっと数えられないんですけど、かなり年寄りのスケート靴です。
やっぱり最初は黒とシルバーで、そのあと何色だったか忘れちゃったんですけれども、直接リメイクするのに、マーケージさんの家にアメリカに行ってお願いするときに、「カスタマイズできるよ」ということだったので、「じゃあもう使える色は全部使おう」ということで、オリンピックのカラーにしました。
あとなんでしたっけ? あ、帽子。帽子は、自分でもちょっとよくわかっていなくって。「たしかバンクーバーのときに相花とか牟太釩とか、金メダリストがたしかかぶってたな」というのがあって。「これは金メダリストがオランダ人から渡されてかぶるものなんだな」という、そういう暗黙の了解みたいなのがあって。
相花もそれを知っていて、「これ奈緒がかぶるやつだよ」と言って。「あれか」っていうふうに思って、オランダ人の前でかぶって喜んでくれてたので、よかったかなと思います。
記者17:時事通信のオノダです。オリンピック3度出場されていると思うのですが、過去2度のオリンピックと今回のオリンピック、ぜんぜん違うオリンピックになったと思うのですが、過去2度はどういうオリンピックだったのかということと、今回メダル銀と金ととって、あとタイムも目標のタイムを出して、どういうオリンピックになったかというのを教えてください。
小平:そうですね、まぁ一言でいえば、バンクーバーオリンピックは「成長」だったなと。ソチオリンピックは「屈辱」だったな。今回のオリンピックは、なんていうんですかね、また「成長」なのかな。
やっぱり成長するということは学びの多い大会になったということだったと思うので、ソチオリンピックは本当に苦しかったんですけれども、今回またスケートの楽しさを思い出させてもらえたオリンピックだったのかなと思います。
記者18:(英語での質問)自分自身をアスリートとして、小平奈緒の生身の人間として、表現する言葉があれば、3つ教えてほしい。
小平:う~ん、3つ……。私を表す言葉3つですよね? 「求道者」「情熱」「真摯」だと思います。
司会者:はい……次の質問。
(会場笑)
いや、それでいいと思います。ありがとうございます。最後の「真摯」はgentlemanじゃなくてsincerenessね。次の質問いかがでしょう? はい、どうぞ。
記者19:日刊スポーツのオクヤマです。おめでとうございます。世界記録の話なんですけれども、昨日36秒台を初めて出されて、今季世界記録に挑まれたときと、その距離というか見え方、変わったものとかいうのはあるのか、というのを教えていただけますか?
小平:そうですね。でも、そう簡単には破れない世界記録だなと思っています。低地で36秒台という数字は出せたんですけれども、韓国のリンク自体がとてもいいコンディションだったので、これが高速リンクに行ったときにどうかなというのはあったんですけれども。でも、気圧の条件だとか気温だとかが揃えば高速リンクで十分に狙えるチャンスはあるのかなと感じています。
記者20:テレビ朝日、ミヤジマです。スケートの楽しさがこのオリンピックでまた増したような気がするとおっしゃっていますが、よくおっしゃるそのスケートの楽しさというのは具体的にどういうことなのでしょうか?
小平:スケート靴というか、スケートを通して、やっぱり氷に呼びかけるとその声がちゃんと返ってくるというのがスケートの楽しさだなと思っていて。やっぱり自分から一方的に押し付けるような声がけをするとまったく返ってこないんですよね。
だから、すごく人との関わりみたいなもののような例えになってしまうんですけれども、よくサッカーで「ボールは友達」って言いますけど、人と接するような、そんなやりとりが氷との間にあるので、氷を制することができれば友達も制することができるのかなというふうに感じます。それがスケートの楽しさです。
記者21:サンケイスポーツのスズキと申します。昨日結城コーチからはどんな言葉があったのかということと、今後競技を続けていくというお言葉もありましたけれども、コーチとはどんな将来設計を描いているのか教えてください。
小平:昨日は「立派だったぞ」というようなそのような一言で。あとはチームメイトの山中もレースを控えていたので、もうそっちに結城先生の集中はいっていたのかなと思います。
今後については、やはりまだ結城先生と高めていきたいところがあるので、今回の経験も踏まえてお互いにステップアップできたらいいのかなと思っています。
記者22:スポーツ報知のハヤシです。おめでとうございます。よく「究極の滑りを目指す」という話をされているんですけれども、金メダルを取ってそれが少しイメージが湧いてきたのかということと。あと「男子に勝ちたい」ということもおっしゃっていますが、金メダルをとってその気持というのはどうでしょうか?
小平:金メダルだったり良い記録を出したことが究極の滑りかというと多分そうではなくて。やっぱり氷とどんなやり取りができたかという自分の中にだけ残るものが何か新しい感覚であったり、もしかしたら新しい景色だったりという部分で。なかなか言葉では伝わらない、本当にみなさんに伝えたいぐらいなんですけれども、それを表現できない楽しさというのが究極の滑りなんじゃないかなと思っています。
それは今回会場の雰囲気の中で私がすこし感じられてものでもあったかなと思います。ただ、それがゴールだと思ってしまうとまた楽しさがなくなってしまうので、やはりまた新しい景色を見に行きたいなという思いがあります。
もう1つが、男子に勝ちたいっていうのは実際にタイムで男子に勝ちたいとかそういう意味ではなくて、男子に勝ちたい……、男子と競えるぐらいの意気込みで臨みたいという意味であって。なんて言うんですかね……、女子のレベルをとにかく引き上げたいと思っているだけなので、まだ男子に勝つには何十年かかるのかなと思っています。
記者23:日本経済新聞のカネコです。先ほどゴールというお話がありましたけれども、小平奈緒というスケーターの最終的な到達点はどこにあるんでしょうか?
小平:今はまだまったく想像ができません。駆け抜けている途中なので、ゴールがまだ見えてきません。でもそれは突然その日が来るのかなとは思っています。
司会者:それでは、Q&Aを終わらせていただきます。
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