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小渕優子 記者会見(全2記事)

【全文】辞任の小渕優子氏「収支報告書の内容、私も疑問に思う」 記者会見で謝罪

小渕優子・経済産業相が10月20日、政治資金問題の責任をとって安倍首相に辞表を提出。その直後開かれた記者会見において同氏は、「ご迷惑をかけている全ての皆さまに心からのお詫び」「後援会の収支報告書には、大きな疑念があると言わざるを得ない」と、今回の判断に至った経緯を語った。(10月20日記者会見より)

ご迷惑をかけている全ての皆さまに、心からのお詫び

小渕優子氏:この度は、私の関係する政治資金団体の収支報告書の記載に際して、さまざまな疑問を提示されました。そのことにつきまして野党の皆さまから数々のご質問をいただき、本来やらねばならない審議に大きな影響を与えてしまったことを、重く受け止めています。

このように大変お騒がせをしてしまったこと、ご心配をおかけしていることに対し、国民の皆さま、私を長く支援してくださっている後援会の皆さま、地元群馬の皆さま、ご迷惑をかけている全ての皆さまに、心からのお詫びを申し上げます。

資金管理団体が購入した物品に違法性はない

今回、大きくわけて2つの問題が指摘をされていると理解をしています。まず1つ目は、資金管理団体における物品購入に関し、指摘を受けている点です。2つ目は、後援会の観劇旅行など、行事費用に関する問題であると理解をしております。

まず1つ目の問題である。資金管理団体における物品の購入等について、ご説明を申し上げます。

事務所費や組織活動費に計上されている物品の購入などにつきましては、実際に購入したことを領収書などで確認する作業を進めさせていただいておりますが、公私の区別についてはしっかり付けさせて頂いていることを、改めて申し上げたいと思います。

その上で、報道などで問題であると指摘をされた品について、いくつかご説明をさせていただきます。

地元群馬の名産である下仁田ネギやこんにゃくを購入した点ですが、政治活動でお付き合いのある県外の方への贈答であり、なおかつ地元の名産を紹介することは、地元群馬の振興にもつながるものと思っておりました。

ベビー用品や化粧品などの購入につきましては、私が子を持つ女性議員であることから、報道などで私の子や、私の化粧品の購入ではないかという、誤解を示されるコメントがありました。

しかし、ベビー用品は父の代からご支援していただいている、県外の方の家族の出産祝いやお誕生祝いといった社交儀礼として購入したものであり、また、化粧品や服飾品などは、私が団長として海外に出張した際のお土産として購入し、お渡ししたものでした。

一部報道には、関係者に品物を贈るのは個人としての社交であるからポケットマネーで行うべきである、とのご指摘がありますが、会社や団体が経済活動のなかで関係者に経費で社交儀礼を行うのと同じく、政治家が政治活動を行うなかで、さまざまな人と交流を持ち、人脈を広げていくことは、重要な仕事のひとつであり、政治活動の経費として認められるものと思っています。

また、私の義理の兄が経営する服飾雑貨点から物品を購入している点ですが、このお店は私の姉がデザインした品物を販売しており、一般の品物とはまた違った話題で交流を深めるキッカケになるので、大変重宝しております。

観劇会の費用自体は問題ない

次に、小渕優子後援会が実行した、観劇会等の後援会行事の収支に関する疑問について、ご説明を申し上げます。

後援会の収支報告書によれば、観劇の費用として計上された入場料やバス代などの支出額が、観劇の参加費として参加者から徴収した収入額を上回っている年があることから、不足分を後援会で補填したのではないか、そうだとすれば、選挙区の者に対する寄付であり、公職選挙法に抵触するのではないか、というご指摘がありました。

観劇会は、私の後援会の女性部大会の一環として行われている、重要な後援会行事であり、私も毎年ではありませんが、日程の合う限りご挨拶に伺っております。ただ私は、参加された方や事務所の関係者から「皆さん実費をいただいている」と聞いておりましたので、そもそも後援会などが参加費の全部、または一部を肩代わりをしているとは思っておりませんでした。

そのような次第ですので、今回のこのような報道に接し、大変驚き、すぐに後援会のほうに「本当に参加者から実費をいただいているのか、確認していただけますか」とお願いをいたしました。そして今日までに後援会から報告を受け、わかったことにつきまして、ご報告を申し上げます。

まず、観劇会は、小渕優子後援会・女性部大会の一環として行われた、後援会行事のひとつである、とのことです。平成19年から毎年行われ、今年も10月に行われた、とのことであります。平成24年の収支報告書には観劇会の記載がありませんでしたが、実施したことは、後援会の事務所で確認いたしました。

この観劇会は公演を貸しきって行っております。だいたい1回の公演で1,000人程度、これを2グループで行っておりますので、毎年の参加人数は、2回で2,000人超で実施しているとのことです。参加者からいただく費用は、平成19年は1人1万1,000円でしたが、その後は今年まで、1人1万2,000円になっているとのことです。費用のなかには、入場料や食事代、バス代も含まれています。

なお、一部報道で、観劇の参加費だけで1万2,000円程度になるのではないか、とのご指摘がありましたが、通常の公演の場合と比べて、貸し切りの場合は入場料を相当安くしていただいているとのことであり、その点の疑念は無いものと思います。

劇場の定員に限りがあるので、毎年後援会の各地区に、参加可能人数を割り振りをします。そして各地区の責任者が、参加者を取りまとめます。参加希望者には申込書に名前などを記入していただき、併せて参加費として1人1万2,000円を責任者が預かります。そして、集めた参加費を後援会事務所に持参していただいていた、とのことです。

これは、今年の参加費と、小渕優子後援会・女性部大会申込書が入って、後援会事務所に持参していただいたもののコピーです。中には、「会費を添えて申し込みます」と書かれて、お名前・住所が書かれたものが、人数分全て揃っております。

マスコミの皆さまも、地元で取材を行って、参加者の方から参加費の徴収をされていることを確認されているようですが、後援会も平成22年の参加費名簿を基にして、電話や訪問して参加費の徴収をについて確認をさせていただいております。昨日、現在までにお尋ねした753名の全員が、1万2,000円を支払って参加されていることを確認しています。

また、参加費を集めていただいた後援会の責任者のなかには、預かった会費を専用の銀行口座に入金し、管理していただいた方もいらっしゃいました。この方は、平成22年から後援会の複数の地区を周って、各地区ごとに参加費を預かると、参加費の預かり専用の銀行口座に入金し、管理をしていただきました。

これがその、専用口座の預金通帳のコピーです。全地区分の参加費が集まると、後援会事務所にご持参をいただいているとのことです。

収支報告書の記載には大きな疑問がある

このように、キチンと後援会の皆さまからは参加費をいただいております。とすると、歴年の小渕優子後援会の収支報告書の記載には、大きな疑問があると言わざるを得ません。実費として徴収した収入が過小に記載され、不記載となっているものが多額に上っていると思われます。

すなわち、毎年の参加人数の実数は現在、後援会事務所で名簿などを基に再確認しておりますが、観劇の1回公演で少なくとも1,000名参加していることからすれば、2回公演分で2,000名の参加があるということになります。

1万2000円×2,000名、イコール2,400万円の観劇代の参加費用が収入に計上されていなくてはならないことになります。しかしながら、平成22年は372万8,000円、平成23年は369万3,000円となっています。平成24年に至っては、収入も支出も計上されておりません。

これでは、ご指摘を受けている通り、大きな疑念があると言わざるを得ません。平成24年分の支出も含め、かかった費用の点も、再度確認する必要があると思っています。

このように、収入と支出の双方について、果たしてその実態があったのか否か、私自身、大きな疑念を持ったところであり、後援会を含めた関係政治団体の収入と支出の両面にわたり、収支報告書の内容の全てを、第三者的な観点から調査していただく必要があると考えています。

そこで、関係する政治団体とは関係のない外部から弁護士や税理士などの専門家を入れて、客観的な調査をしていただくことにしました。政治団体間の資金のやり取りも、収支報告書上あったとされているので、その収支と支出が真実なのか、あったのかという点も含めて、調査をしていただくことにしました。

安倍内閣になにひとつ貢献できなかった

ただ、調査範囲は多数の団体、個人に及ぶことから、相応の調査機関を必要とする状況にございます。

このような状況となっていることは、私と致しましては誠に不徳のいたすところであり、自らの関係政治団体の政治資金問題について、引き続きしっかり調査をし、正さなければならないところはしっかり正し、一日も早く、ご支援をいただいている皆さんの信頼を取り戻すことに専念をしたいと思います。

自らのこうした問題によって、経済産業大臣として、経済政策、エネルギー制作に停滞をもたらすことは、これは許されることではありません。ここで大臣の職を辞し、こうした疑念を持たれていることについて、しっかり調査をし、皆様方にお示しができるよう、そのことに全力を傾注してまいりたいと考えております。

安倍内閣の一員として、経済の再生、女性の輝く社会の実現、その他さまざまな課題に対し、なにひとつ貢献が出来なかったことを、心から申し訳なく、お詫びを申し上げたいと思います。

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