2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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記者11:日本経済新聞のホシです。確認が1点と質問が3点あります。確認は、再開時期なのですが、さきほど西川さんは2週間程度とおっしゃったのですが、国内工場の再開は早くて2週間程度と考えていると。そういう理解でよろしいでしょうか? まず確認させてください。
西川廣人氏(以下、西川):まず申し上げたいのは、私が申し上げているのは、国内生産向けの稼働ということですね。工場という意味ではなくて。工場は動いてますから。国内生産向けの稼働ということで。これが準備ができるタイミングとして、さきほど申し上げたようにいろいろ対策を打ちます。対策を打って確認をしていくということで、今、作業日程として見積もれるんですけども、あまり急がせたくないと。
じっくりとやりたいと思ってまして、私の感覚では見積もりに対して少しゆとりを持って2週間程度は掛けていいだろうということで、急ぐことは目的ではないと。確実にやることが目的だということで申し上げました。
記者11:じゃあ目安としてという理解ですね。
西川:そうですね。はい。
記者11:わかりました。質問です。素朴な疑問なんですけども、そもそも記者会見までして新聞、テレビの報道があってですね、当然、工場の従業員の方も問題については把握していると思うのですが、そもそもなんでそういった状況の中、再び無資格での検査というものを現場の人がやってしまったのかと。この辺りまだ調査の途中ではあると思うのですが、当然ヒアリング等はある程度されていると思いますので、そもそもなんでそういうことをしてしまったのかというこの素朴な疑問に、まずちょっとお答えいただけないでしょうか?
西川:よくわかります。私も部外者であれば当然そういう質問はすると思います。それで、今私がお答えできることは、これが全てとは言いませんけども、わかりやすいケースで言うと、やはり過去からずっとやってきたということ。「これはいいんじゃないの」ということでやってきたことがあるわけですね。
そのことを「今日からダメよ」とこう言われた時に、それをダメだとわかっているんだけど手が打てなかったというようなことが、やはり散見されます。そこはやはり「ダメだと言ったらダメなんだ」ということで、それで、「そうじゃない方策が見つからないのであれば手を挙げなさいよ」と。こういうことなんですけどね。
その部分の徹底というか、質問を変えてやるのではなくて、そういうことがあるんだったら手を挙げなさいという意味で、非常に習慣的なものをほじくり出して丁寧にやっていくという仕事が必要なのではないかと。その部分が、緊急的な対策を打った時に十分ではなかったのではないかと思っております。
したがって、そういう部分を変えていく上では、先ほど山内が言った方法というのは、相当ガチガチにできないようにしていくわけです。そういうことを続けながら、習慣としてやってきたことから離れていく、ということを、逆に習慣づけていくことをしないと、なかなか現場でなあなあにしていた部分は抜けないのではないか、と私は今感じています。したがって、ご質問にちゃんと答えられないんですけれども、習慣化した部分というのを甘く見てはいけないというのが実感です。
記者11:2点目、今回最高経営責任者として西川さんが会見で応じられていますが、問題が起こった時期はカルロス・ゴーン氏がCEOを務めていた時期でもあります。実際ゴーン氏は会長、取締役のガバナンスを見る立場として日産の経営にも携わっています。今回の事案が起きてから、ゴーン氏とはどういうやりとりをして、どんなコミュニケーションがあったのか、あるいは経営を監督する立場から西川さんに対してどういった指示があったのか、このあたりについて、ゴーン氏とのやりとり・事案についての受け止め・西川さんはどういうふうに聞いているかについて教えてください。
西川:個々のやりとりはあまりご紹介するべきではないと思いますけれども、ゴーン会長の2つの立場、今の会長であるということと、私の前任のCEOであったということですね。まず、後者としては、私がやっている仕事を信頼するので頑張ってやってくれ、というのが彼のポジションですね。もちろん報告はしています。
それと、過去のケースというのはまだ、正確にいつ頃どういうことが起きたかというものをわれわれが判断する上での確証を持ったこととして確認が途中ですから、もちろんゴーンCEOの時代にも続いていたことは間違いないですけれども、それがどこでどう起こったか、ゴーンCEO時代に起こったかどうかもわかりませんし、そこの部分はまだこれからだと思います。まだ十分に申し上げられませんけれども、先ほど申し上げた、長年あったよね、という部分はもう少し長い期間ではないかと私は見ております。
記者12:NHKのヨシタケと申します。出荷の登録とか停止のことなんですけど、2週間対策を打ってその間止めることになると思うんですが、販売店で販売を停止・自粛するといったことがあるのかどうかというのがまず1点目です。
西川氏:ごめんなさい、それはどういうことでしょうか。(現在)登録を停止してますから、登録ということはお客様にお届けをする作業を止めているということです。お届けしてしまったものは、申し訳ないですけれども再点検のリコールをやらせてください、ということになると思います。
記者12:例えばこれから明日明後日店舗に行って購入することはできるのでしょうか? 販売店が閉じるといったことはないということでしょうか?
イズミヤ氏:イズミヤでございます。販売店は通常どおり営業しますけど、登録停止ということはナンバープレートを取らないということなので、お客様に車をお渡しできないという状況が発生致します。われわれは登録停止をした車に対して、リコール相当のなんらかの点検をして確認した上で、登録を再開するということを今検討している最中であります。
記者12:納車がけっこう大幅に送れるっていうか、そういうことが起きるってことはあるっていうことですか?
イズミヤ氏:この、登録を再開するための点検の方法等がすぐ決まれば、一日二日でってことになりますが、そこが長引けば、言われる通りになります。
記者12:すいません。あともう1点だけ、さきほど経営責任の質問がございましたけど、改めて、ご自身への処分とか責任。これからの処分、責任っていうのをどう考えてるのか改めて教えていただきます?
西川:私が今やらなくてはいけない責任というのは、さきほども申しあげましたとおり、今の対策もそうですし、これを確実に実行して、かつ、その上でお客様からの信頼を回復して、正常化をすると。その上で事業を日本の事業を正常化して成長軌道に戻すということが私の仕事だと、責務だと思っています。
そのために、現状からどうやって挽回して進めていくかということのリードをしなければいけない。これが私の使命だと思ってますので、これが確実に果たせるかどうかということがですね、私の責任だと思っております。
さきほども申し上げましたけども、過去起こったことっていうのはなかなか難しいんですけども、これからの進め方、進んだことに対する成果、結果については、これは現経営陣、現経営陣を引っ張る私の責任でもありますし、仕事でもあるので。
過去の話は別にして、これから先、今起こっていること、これから先についてはわれわれの責任であるし、われわれの使命であると思っています。
記者13:すいません。日本経済新聞のムラコシと申します。今日の西川社長、ご発言の中で、今回のことが起こった背景として、生産のスピードが追いつかないんじゃないかという発言がございました。
2日の会見の発言だと、人手不足は考えられないと言っておりましたが、今日、そういう発言をされたということは、やはり、人手不足というのを実感されて、それも一因となっているという理解でよろしいんでしょうか。
西川:簡単に人手不足とは言えないと思うんですが、さきほど申し上げたとおり、私が申し上げたのは、ライン編成上、完成検査員の資格を持った人間と持っていない人間がいると。そして、持ってない人間が非常に隣接した工程に大勢いると、これは人手不足云々ではなくて、編成上、最も効率よくしようと思うと、使いたくなるわけですね。
したがって、過去そういうことがあったわけです。そこをですね。そこをより、確実に防ぐためにはですね、完成検査員の資格を持った人間を増やしてですね、完成検査員を持った人間を増やしていくことが安全係数を増やすということですから。
今の緊急の対策として、極力潤沢に、完成検査員の資格を持った人間を増やしたい。という対策を考えてます、ということですね。
記者13:今の発言は検査員の数が足りていないというのが、現状の認識というわけですよね。
西川:余裕率をもって回そうとすると、やはり、慎重にいくべきであろうと。別に、今、どのくらいラインスピードを落とすべきかというのを判断しているわけではないですけども、ラインを予定通り動かすことが目的ではなくて、確実に、間違いなく作業が行われているな、ということを確認しつつ工場を運営することが大事なんですね。
したがって、さっき山内がシフトの中でも確認すると言いましたけども、実は、シフトを始める前にも確認させてます。シフトが終わったところでも確認させています。そして「その分のロスはいいよ」ということで仕事をしてますので、ラインスピードを厳守することが目的ではなくて、必要があればラインスピードを落としていいよとこういう指示をしているということです。
記者13:そういうなかでは先ほど、ほかの工場で、16人中検査やって3人しか検査員がいなかった、と。大半が無資格者ということで、ここなんかそもそも明らかに数値を見ても、足りてないっていうことなんじゃないんですか?
西川:そこをちゃんと説明したほうがいいんですけども。商品化ラインというところなんですね。商品化ラインという、商品性の検査というラインは、完成検査の国にお届けしている工程とは違うところなんです。まったく違うところで、そこは、完成検査の一部ではないんです。
基本的にいうと、別のスキルを持った人が、完成検査の資格を持ってない人がやっていい工程なんです。ただし、そこに、本来うつしてはいけない、完成検査の工程の一部をうつしちゃったってことなんですね。ただし、過去、完成検査の資格を持った、取った人が16人中3人いたということです。
記者14:すみません、NHKのミヤモトと言います、2点お願いします。1点目なんですけれども、今回の問題で、西川社長から最初に発覚したあとに、現場レベル、生産担当の役員かもしれないんですけれども。そういった指示が係長にいきわたらなくて、今回の問題が起きたというふうにおっしゃってますが。
そもそも、今回の問題、まず再発防止のためにどのような指示を、西川社長から現場に伝わる意味を込めて出したのか。今回の問題が起きることをとめるために、どういう指示を出したのかという点を教えてください。
もう1点なんですが、再開の見込みの時期です。2週間程度かかるというふうにおっしゃいましたけれども。そのあと国交省の監査などを経て、実際に出荷あるいは登録の再開をするには、もう少し時期がかかるのではないかと思うのですが。今、日産としてはどのくらいの時期でですね、出荷の再開というのを見込んでいらっしゃるのか。その点を教えてください。
西川:はい。2つ目からお答えしますと、できるだけ早くしたいという、もちろんそういう気持ちはあります。ただし、ここは急ぐのではなくて確実にやりたいということがポイントであります。
今、ご質問のなかの、登録の再開と、いわゆる新しい生産をして出荷をするというところがありますから、在庫車の登録の再開というのは、これはまた国交省のみなさんと協議をして。そこの扱いの仕方。前回のリコールと同じようなかたちで処理をしていけば、もう少し早くできるだろうと思いますけれども。
生産の再開は、やはり、われわれは先ほど申し上げた、われわれがコントロールできるところはわれわれが準備をするところまでですから。その準備をしたうえで、確実に監査をしていただいて、われわれも監査しますけども、監査をしていただいていくということで。あまり……急ぎたくないな、と。確実にやりたいということ。今申し上げられるのはそこだけですね。
記者14:少なくとも2週間以上は。
西川:当然そうなります。そうなります、はい。
記者15:全工場の準備が終わるのはいつごろになりますか?
西川:工場ごとにやっていきます。例えば、今一番、生産台数が大きい追浜工場。追浜工場を先にやりますから、今の見込みでいうと、追浜工場は今から、4日か5日で準備ができるということです。追浜工場に関しては、その次のステップに、やや早く進めるということになります。
そういうことを順次、順番にやっていきますから。そういう意味で、全体の準備が整うのは、2週間ぐらいとみています。順番にやっていけると、少しずつ早く、生産、それから出荷の再開にいける可能性はあります。
司会者:はい、ありがとうございました。以上をもちまして、記者会見を終了させていただきます。
西川:ごめんなさい、今の最初の質問ね。最初の質問はですね、とにかく1番最初には非常に単純です。とにかく完成検査工程に関しては、完成検査員以外は、作業してはいけないと。すべて完成検査員でやれと。こういう指示であります。しがたって、その部分は伝わっております。ただし、伝わってるんですが、それが実施されていなかったというのが実態です。一部でございます。
司会者:はい、ありがとうございます。以上をもちまして、本日の記者会見を終了させていただきますので、どうもありがとうございました。
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