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神戸製鋼所 データ改ざんを受けて会見 10月13日(全4記事)

【全文2/4】神戸製鋼、改ざん製品の出荷先は約500社に拡大 不正発覚の時期など、記者から厳しい追及が相次ぐ

神戸製鋼所が鉄鋼製品でもデータ不正が行われていたことが明らかになりました。これを受けて10月13日に記者会見を行い、謝罪および経緯を報告しました。

偽装に関わっている関係者は誰か?

司会者:それでは、ただいまから質疑とさせていただきます。ご質問のあります方は挙手のうえ、会社名、お名前に続けてご質問をよろしくお願いいたします。なお、恐縮ですけれども、今日多くの方がお越しですので、お一人さま1問ということで、よろしくお願いいたします。

(会場挙手)

記者1:日経ものづくりのタカイチと申します。データを偽装した関係者、担当者についてお尋ねします。それは工場長など、工場の関係者でしょうか? それとも、御社の品質保証部の方でしょうか? どちらになりますでしょうか?

川崎博也氏(以下、川崎):現在、関係者のヒアリングをやっているところでございます。10月8日の発表では数十人規模というふうになっております。これは品質保証に関わらない製造室の者も含まれている、というご理解でよろしいかと思います。

現在、徹底的な原因分析をやっている途中でございますけども、そのあたりのヒアリングも現在進行中でございますんで、回答はそれに留めさせていただきたいというふうに思います。

記者1:現時点では、品質保証部の方が関わってるかは不明だということですか?

川崎:品質保証部の者は関わっております。加えて、それ以外に関わっていた者がいないかどうかを、現在ヒアリングしているところでございます。

記者1:ありがとうございます。

「未実施」の内容について

記者2:月刊誌のFACTAのミヤジマといいます。資料に沿ってうかがいたいんですが。いわゆる「検査項目の未実施」と書いてあるけれども、「未実施のところにはすべて嘘の数字を入れた」と、例えば事例の4ですと、そういうふうに書いてあるんですけど。

単に検査をサボったのか、サボったものについては全部嘘の数字を入れたのか、これ、ぜんぜん違うと思うんですよね。そこのところをね、はっきりしてほしいんですよ。要するに、単に検査をサボったのか、そこについて嘘の数字を入れたのか、これ、ぜんぜん意味が違うんでね。この資料自体の中身でよくわかんない。

例えばマル4っていうのは、「検査をしないで明らかに他の数字を適当に入れた」って書いてあると思うんだけど、そういう例ですね。そういうだました例がいくつあるのか教えてください。未実施とかなんとかじゃなくてね。

勝川四志彦氏(以下、勝川):それではお答えいたします。ご指摘のとおりですね、未実施という中でいろいろなものが実はございまして、この例の場合は、未実施のままデータを入れた捏造ということになっております。

記者2:いや、ちゃんと説明してくださいよ。その未実施というものにいろんな種類があるんなら、そこの種類を、こういう例があるんだというのを、ちゃんと説明してください。先ほどこの資料を読み上げたんだから、まず事実をちゃんと教えてください。何件あるんですか? 要するに。しなくて、なおかつ適当に嘘の数字を入れたっていうのは、何件、今のところ見つかってるんですか? サボっただけじゃないじゃないですか。

勝川:ええとですね、外観寸法の検査、肉厚の検査でございまして。例えば2ヶ所測るところをですね、1ヶ所にして、もう1ヶ所はデータを書いたという状態でございます。で、件数ですとか中身につきましては、申し訳ありません、現在詳細調査中でございます。ここではご容赦いただきたいと思います。

記者2:いや、だから。すいませんけど、この資料は未実施、未実施と書いてあるんだけど、検査の未実施はないじゃないですか。要するに虚偽記入っていうかね、積極的な欺罔行為じゃないですか。それ、社長どう思ってるのか、そこだけちゃんと、この資料おかしいから、説明してください。未実施なんですか? 本当に。だましてるんじゃないんですか?

勝川:ええと……、データの捏造になります。

現在の調査状況について

記者3:恐れ入ります。テレビ東京のオオハマと申します。現在調査中ということなんですけれども、今後この不正案件っていうのは、まだまだ増える可能性はあるという認識でいいんでしょうか? また、調査っていうのは全体のどのぐらいまで、今現状終わっているという状況なんでしょうか?

川崎:昨日の経済産業省の製造局長でございます多田局長さまのほうから、「これ以上の不正事案がないかどうかを早期に調査して、調査を完了すること」というご指示をいただいております。現在、全事業部門において調査中でございます。そういう中で、今回多くの不正事案、不適切な行為が認められました。

アルミ・銅事業部門でございますが、まずは、これは概ね現物の検査データとミルシートの照合を終えております。その中で発覚したのが、先ほど申し上げました追加の案件でございます。あと、鉄鋼事業部門、あるいは機械事業部門、あるいは電力部門等について実施中でございますが、調査の進捗度合いはアルミ・銅事業部門がもっとも先行しております。

鉄鋼事業部門に係りましても、ほとんど製品のサイクルというのが、これ、サイクルと申しましたら、同じ鋼種がどのぐらいのピッチで出ていくのかというサイクルがあるんですが、だいたい3ヶ月と見てるんですが、その4倍、1年にわたって、今まさに検証してるところでございます。

経済産業省さまのご指示にありますように、早期というのを意識しながら、今後調査をしてまいりたいというふうに思っております。

記者3:それ、社長、主力の鉄鋼に関しては、まだ調査始まったばかりで……。

川崎:違います。もう1サイクルと申しますか、ある分は、ひと通りは終わっております。それは製品の入れ替わりあるいは検査員の入れ替わりが、1サイクルではだいたい3ヶ月でございますけども、それは1巡しております。ただ、それを4サイクル、1年にわたって、今鋭意調査中でございます。

記者3:すいません。今後、取引先からリコール費用の負担などを求められた時っていうのは、これはもう負担する準備っていうのはできているんですか?

川崎:まだ具体的な金額のご提示はございませんけども、当然、各ユーザーさまがご負担になったコスト等に関しては、ここはご相談でございますけども、その腹積もりは当然ながら現在はございます。

自動車軽量化に関する分門の今後の戦略について

記者4:すいません、時事通信のハシモトです。昨日もうかがったんですが、今回、過去のものとはいえ鉄鋼の製品が出てきたと思います。

御社、自動車の軽量化のところを強化されていて、アルミに次いで鉄のところも出てきたということで、戦略を見直さないといけないと思うんですが、今後のこの自動車軽量化のところの部門の戦略について、どう考えられてるのかっていうのをうかがいたいと思います。よろしくお願いします。

川崎:先ほど鉄鋼部門の事案、追加4事案について申し上げました。これは先ほど申し上げましたが、今回の4月以降の監査及び9月から2ヶ月間かけてやっております実点検の中では、出てきたものではございません。

先ほども申し上げましたが、今回はもう……全体の、なぜこういうことが鉄鋼事業部門、これは過去形であっても出てきているのか、あるいは出たのかというのを含めて分析したい、原因分析したいというふうに考えております。

したがいまして、4事案をご報告申し上げたという前提でございますけども、自動車の軽量化、もちろん私どもは自動車の骨格材に主に使われます超ハイテン、加えて特殊鋼、あるいはアルミの軽量化に対するニーズ及びその供給等の戦略につきましては、現段階のところ、その戦略の方向性に差異はございません。

出荷先企業の総数は

記者5:朝日新聞のウエチと申します。主に2点うかがいます。まず発表が1回目、2回目とありまして、当然今回3回目ですから、出荷先の会社の数というのが200と70それぞれあったと思いますが、今回を含めてトータルで何社になるんでしょうか?

川崎:(勝川氏を指して)……ちょっと答えますんで。

勝川:(資料を見ながら)……。

川崎:……しばらくお待ちください。

勝川:(資料をめくりながら)……。

川崎:(内山氏に)……わかる? ……あの、ですから、10月8日の分と……。

内山修造氏(以下、内山):先日、国内に213社というご報告を申し上げました。その後の調査でですね、約240を超える、まだこれ現在調査中でもございますけども、240程度を超える規模になるのかなと、今のところそういう予測をしております。

川崎:ご質問は今日の……。

記者5:も含めて全部で何社になるか。重複あると思うんですけれども。

勝川:今の段階ではですね、現在、約270社程度のお客さまというふうに考えています。

記者5:それは第1弾、第2弾、今回も含めて全部でっていうことですね?

勝川:はい。

記者5:もう1点、社長、昨日もうかがいましたけれども、社長が調査委員会のトップを務めておられて、ご自身も調査対象である、と。昨日の段階では、「調査対象の方が委員会のトップを務めるのは矛盾するのではないか?」ということで、社長は「難局を乗り切るのが今の私の責務だ」ということをおっしゃいました。今回の件も含めて、そのお考えには変わりないんでしょうか? 辞任というのはあるんでしょうか?

川崎:あの……、「難局を乗り超えるのが先だ」と申し上げたのは、「辞任を考えてるか?」というご質問への回答で申し上げたところでございまして。

「現在の品質問題調査委員会のトップを私が就任している理由は?」ということに関しましては、今の調査範囲の広さ、あるいはスピード感、問題解決のための、調査のためのスピード感を考えれば、私がそこのトップになって、リーダーシップを発揮してやる必要があるだろう。

ただ、社内だけではなくて、そこに外部弁護士さんも入っていただいておるということで、公平性は担保されると考えてますが、さらに、さらなる公平性っていうか、透明性を問われた時は、例えば他の委員会というのも当然考えなければならないかもしれません、というのは頭にはございます。

記者5:ごめんなさい。繰り返しなんですけれども、経産省からは確か昨日ですね、「1ヶ月を目処に公表せえ」と。それで、調査委員会の……。

川崎:すいません。多田局長さまのご指示は、「徹底した原因究明と全社的な再発防止策を含む報告を1ヶ月以内に行うこと」。「発表しろ」とは言っておられません。

記者5:わかりました。そうしますと……。

川崎:ただ、自主的なこととして公表はさせていただきたい、というふうには考えています。

記者5:わかりました。確認……。

司会者:すいません。いったんほかの方でよろしいでしょうか。またお時間ありましたらよろしくお願いします。すいません。

勝川:すいません。先ほどのご質問ですが、全部のトータルということでしたので、すいません、約500社でございます。

記者5:え?

勝川:あの、ええと、前回の分に加えて、加える分を申し上げたんですが。トータルで約500社になります。

記者5:出荷先が500社ということですよね? 不正部品の改ざんがあった出荷先は500社?

勝川:はい。

不正は全体の何パーセントにあたるか?

記者6:NHKのカガと申します。最初の8日の発表の時は、製品全体の4パーセントという話だったんですけれども、今回、これ全部どれぐらいの割合になるんでしょうか?

それから相当広範囲にいろんなグループ会社でありますけれども、これはどういう、誰かの指示がなかったとしたら、こういうふうになってることのほうが恐ろしいと思うんですけれども、それはどうお考えでしょうか?

川崎:そこの観点が本当に今徹底した原因分析を行っている最中でございまして、そこの私どもの分析がキーであるというのは考えております。ただし、現在それをやっている段階でございますので、今日「これだ」という明快な回答はございません。

それと前回、売上ベースで4パーセントと申し上げましたが、今回の案件を含めましても、たぶんあまり数字は変わらないとは思います。ただ、「思います」でございますので、補足説明があればさせます。

勝川:はい。あまり大きな変化はないと思っています。比率的にはですね。ただ件数という意味ではすごく多ございますので深く反省しておりますし、これからの調査ということでまだ変動しうるということをご理解いただきたいと思います。

不正を隠していたのか?

記者7:毎日新聞のカワグチと申します。この過去分の4件なんですけれども、これは要するに不正があったということを知ってたんだけど隠していたという、そういう理解でよろしいんでしょうか? だとしたら、どうして今回発表する決断にいたったんでしょうか?

川崎:隠していたわけではございません。この4事案は神戸製鋼のいわゆるコンプライアンス問題という取扱いで取締役会でも取り上げられ、当社のコンプライアンス委員会でもご報告された案件でございます。ただ、損益への影響ならびに法令違反かどうかといういろんな判断により、すぐに公表はしなかったというのが事実でございます。

「では、なぜ今回この4案件を報告したのか?」というのでございますけれども、先ほど申し上げましたが、今回の一連の不適切な行為の原因を考えるとき、現在進行中と申しますか、そこだけの案件だけで分析するのは不足であると考えてまして、過去分、まあ直近1、2年前のものを含めてどうであったか。

つまり、鉄鋼事業でもやはり起こっている。アルミでも広範囲で起こっている。ここの本質的な原因を分析するには避けて通れないと考えました。

したがいまして、 最後の原因分析のご報告ではこの会社名が……出るという前提で、今回こういう事象もあったというご報告を申し上げた次第でございます。

記者7:説明がよくわからないんですけど、要するに取締役会等では把握していたけれども、対外的には公表していないわけですよね。今回の一連の問題が起きたから、今回、過去分についても公表したということなんじゃないですか?

川崎:ですから、今回の原因分析を本当に徹底的にやろうとしたうえでは、この4事案、過去形でありながらやはり法が入って分析すべきであろうということで、今回ご報告申し上げた次第でございます。

「過去の問題」の意味について

記者8:産経新聞、ヒラオといいます。鉄鋼の4つの案件なんですけれども、過去だ過去だとおっしゃいますけれども、7月までにあった問題ですよね。今こういった問題が起きてて、アルミのほうでは10年前からこの問題が起きていたということを言いながら、7月まで起きてた鉄の問題を「過去の問題」と言うのをどういうふうに解釈すればいいのか、一般にはたぶん理解できないと思います。

それから、そのなかで昨日、鉄では現時点ではないと、記者というか、テレビカメラ10台ぐらいあったなかで社長自らしゃべっていますよね。それはこの事案を昨日の段階では知っていてとぼけたのか、それともこれについて……というか、昨日の発言と内容が変わっているとしか私たちは感じられないんですが、これについてはどう説明されるんでしょうか?

川崎:冒頭申し上げましたけれども、鉄鋼事業ではない、鉄粉以外はないと申し上げたのは、去年11月に品質統括室を作って、4月以降、 民民の契約について監査を行うと。9月から自主点検を行うという。一連のアルミの事業部門の案件、あるいは鉄粉等の問題はそこで見つかっているわけでございますけど、その連続性のなかにおいて鉄鋼事業部問は原因にされていない。鉄粉事業以外は。というふうに申し上げた次第でございます。

ただ、ただ、ただ、本当に原因分析等を今後行っていくうえでは、確かに「過去」というのは表現が悪うございまして、一連の連続性のなかでは起こってないですけど、そこはやはり公表すべきだろうと考えた次第でございます。

記者8:すいません。10年前からやってて連続性というのは……そこで途切れているという理解ができないんですが。たぶん誰も理解できないと思うんですけど、説明していただけますか?

川崎:あの、確かに鉄鋼事業部門は、例えば2008年の日本高周波のJIS法違反、あるいは昨年の神鋼鋼線の子会社である神鋼鋼線ステンレスのJIS法違反というのがございました。

今回ご理解をいただけないというのは、申し訳ないですけれど、昨日、昨日はないというのは、その一連の緊急監査ならびに自主点検のなかにおいて見つかっていないということを申し上げた次第でございます。

そのなかにおいては、まだまだ調査がまだ進捗しておりませんでしたけど、アルミ・銅で複数あるというのは一報は聞いておりました。ですから、昨日はそう申し上げて、近々という言い方をさせていただきましたけど、すぐ調査を加速しておりましたので今日の公表にいたった次第でございます。

記者8:すいません。この4件は、昨日の段階では社長は知ってたんですか?

川崎:?

記者8:昨日この4件、鉄の……鋼の4件については……。

川崎:鉄ですよ。鉄の案件でございます。

記者8:鉄の案件4件については……。

川崎: 鉄の案件は、当然ながらコンプライアンス委員会、取締役にもあがっておりますので認識はしておりました。

記者8:周知する必要はないということでしょうか?

川崎:いや、ですから、ですから何回言ってもご理解いただけないかもしれませんが、この4月以降のものづくり推進部による緊急監査、民民の監査ならびに、9月からの自主的点検のなかでは発覚していないということで、その連続的と、その範囲において鉄鋼事業部門は見つかっていない。鉄粉以外はですね。と申し上げた次第でございます。

記者8:それは社長の発言として軽くないですか?

川崎:申し訳ございません。そうかもしれませんけれども、そう判断して申し上げた次第でございます。それが思慮不足であれば本当に申し訳……お詫びするしかございません。

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