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神戸製鋼所 データ改ざんを受けて会見 10月11日(全4記事)

【全文2/4】神戸製鋼の改ざん問題 記者から厳しい追及「これから芋づる式に問題が出るのでは」

10月11日夜、データ改ざんをしていたと報道のあった神戸製鋼所が、「今回の不適切行為に関するご報告について」と会見を行いました。会見には勝川常務執行役員と経営企画課の宮岡氏が出席し、説明にあたりました。

鉄粉・ターゲット材の話をなぜ8日にしなかったか

記者1:朝日新聞のノグチです。大きく4つ、おうかがいいたします。最初1点目、今いただいてるご説明からのっけから外れて恐縮ですが。

今日JR東海の記者会見で、新幹線に使用されている御社の製品がJIS基準を下回ったという説明がなされました。この点についての御社のご見解をおうかがいします。これが1点目です。

先に質問申しあげますね。2点目、今回、8日の日の発表はアルミ銅でしたが、今日の話は鉄粉ともう1つ、ターゲット材の話であると。この件に関しては8日の日、どうして発表をしなかったのか、改めてご説明ください。

3つめですが、先ほどのご説明にも関わりますが、外部の法律事務所に委託している調査の対象の範囲をいま一度ご説明ください。アルミ銅だけなのか、それ以外の部門も含めた御社本体全体を対象としているのか、はたまたグループ企業まで対象としているのか、その外部委員会の調査対象範囲を教えてください。

それと最後です、あの今回の今日発表のこの2件に関してはこのデータの改ざん等、どうしてこういったことが行われたのか、理由・背景を教えてください。

勝川四志彦氏(以下、勝川):1点目でございますが、JIS に関するお話と理解をしましたが、申し訳ありません、私ども詳細を存じ上げておりません。

JRさんがご発表になったということの事実も実は、私ども今現在存じ上げておりませんで、今日はこの場ではお答えいたしかねます。

それから2点目は10月8日の時点では、いったんアルミ銅の事案についてご説明させていただきましたが、私どもは決して隠そうとしているわけではございませんので、数件調査中というかたちでお話させていただいたと思います。

新聞報道等でもございましたので、私どものほうで判断いたしまして。今日、まだ調査未了ではございますけど、発表させていただくというかたちをとらせていただきました。今日のレクチャーというかたちになっております。

それから3点目、外部の弁護士事務所の調査なんですけど、これはグループも含んでおります。グループ全体、国内海外問わずお願いをしておるという状態です。

ですから、残念ながらそのすぐに、なかなか結果が見られずに、時間がかかっておりますが、一方で私ども社内ではございますが、一部先行して自主点検をしていると。それが8日の時点で発表させていただきました緊急点検とか、そういった類のものでございます。

それから、この2件の改ざん、それから一部捏造もございます。アルミ銅の場合、記者会見のなかで明確に組織不正というかたちでお話させていただきました。

この2件については、これまだ調査中でございますのでなんとも言えませんが、今のところ個人不正というかたちと想定しております。

ただ、調査中でございますので、その上位職者ですとか、周辺も含めて慎重にヒアリングをして、それも外部の方にお願いをするかたちで、明確になった時点でお知らせさせていただきたいと思っております。以上です。

顧客をこの場で開示したほうがいいのでは

記者2:すみません、TBSです。ターゲット材についてなんですけれども。最終製品はどんなものに入って、どういった部分に使われるかっていうのを、我々は専門ではないもので、噛み砕いてご説明いただけないでしょうか。

宮岡伸司(以下、宮岡):はい。では私から申し上げます。ターゲット材といいますのは、先ほど申し上げたような金属を飛ばすんですけれども。1番わかりやすい例で、今回対象になっているんですが。

例えば、記録用のDVDとかですね。そういうふうな記録ディスクとか、例えば液晶のディスプレイでありますとかに使われてございます。それにあわせた、ターゲット材の成分を選んで、お客様のほうで、スパッタリングして、それを製品にされます。

記者2:規格のほうなんですけども、これ、例えば、今おっしゃったDVDや液晶ディスプレイっていうことですが、総合電機メーカーとかが含まれているという理解でよろしいでしょうか?

勝川:とくに、ユーザーさんにつきましては、8日にもお伝えしておりますが、詳細については今回は差し控えさせていただきます。ただ、お客様と安全性ですとか、そういう評価は今させていただいております。わかり次第、お客様のほうから、なんらかのお話がいただけるんではないかと思っております。

記者2:8日の会見でもそうだったと思うんですけれども、基本的に報道が今、先行して顧客名が明らかになるという格好ですので。顧客の方を保護したいという気持ちはわかるんですけど、今改めてこの場で開示してしまったほうが、良いのではないかなと思うんですけど、そこらへんいかがでしょうか?

勝川:申し訳ないんですけど、差し控えさせていただきます。

記者2:最後に確認なんですけれども。今、10月8日の時点で隠そうという気はなかったという意見に関して、これは調査未了であったと。つまり調査が完了していなかったので今回も、改ざん、および捏造があったものについては、8日の時点で発表しなかったと。そういう理解でよろしいでしょうか?

勝川:はい。

記者2:所管の経済産業省のところには、本件に関していつごろ報告されてたんでしょうか?

勝川:すいません。今ちょっと、記憶にないというか、よくわかってないです。

記者2:経済産業省には今日より以前、報告してたということはないんでしょうか?

勝川:今日より以前です。

記者2:逆に今日公式に発表されるようになったのはなぜなんでしょうか?

勝川:新聞報道等、実際にこういうのがあったんではないか? というような報道があったと理解しております。そのなかで、事実としてこういうのがありました、というのを私どもとして、明確にさせていただきたいという趣旨でございます。

記者2:報道が先行したから今回開示にいたったと、そういうことなのでしょうか?

勝川:報道が先行というわけではないんですが、私どものほうで、できればもう少しお客様と、いろいろな原因も含めて、お話させていただきたいなと思っていたものですから、このタイミングになってしまいました。

記者2:ありがとうございます。

これからまた芋づる式に問題が出るのでは

記者3:共同通信社のタケウチです。今の質問でも関係しますけれども、8日の時点では、明らかにされなかったと。それは調査中であったというこということなんですが。他に調査していることはないんでしょうか。

一般の目からするとこれは8日に隠していて、報道が出たからようやく明らかにしたと。いうことなので、これからまた芋づる式に、実はいろんな事業でぜんぶやってましたと。出ると、御社の信用にとっても大変なダメージかと思うんですけれども。ほかになにか故障を調査して浮かび上がっているのはあるんでしょうか?

勝川:社内の緊急点検という意味では、私どもは明確な答えをもっておりますが、現時点では、社外の調査ということでやらしていただいていますので。新たに出る可能性は、あると思います。ただ、私どもの判断ですが、私どもの緊急点検のなかではこれ以上あるかないか……。ないことを願っております。なにか具体的なものをつかんでいるわけではありません。

記者3:緊急点検段階では、これも調べなければいけないと、今現在なにかおっしゃっていることはない、ということでしょうか?

勝川:現在はそうです。ただ、外部調査に入っておりますので、そのなかで、いろんなものが場合によっては、出てくる可能性も、否定はできないと思っております。

記者3:わかりました。

記者4:読売新聞のイシグロと申します。大きく2点お願いします。まず1点目なんですけど、今日の発表にありました、粉末冶金のほうの鉄板製品はどういった項目で検査を行っているのかが1つと。密度のところの話を、もう少し詳しく解説いただきたいというのがあって。

あと2点目なんですけど、今回のこの粉末冶金、コベルコ科研のものにしても品質影響はないというお話ですけど。どのような検証を行った結果、品質影響に問題はないとする根拠を教えていただきたいんですけれども。

勝川:はい。では、1つ目につきましては宮岡のほうからお答えさせていただきます。

宮岡:1つ目のご質問ですが、鉄粉の圧粉体密度ですが、どのように測るかということなんですが。試験用の金型がありまして。当然鉄粉というのは、大きさとか、いろいろバラつきありますので、その金型に入れます。

で、所定の試験で、ある条件で押し付けることによって、そのときにどのような密度になるかっていうのを見て。しっかり詰まるように出すと、圧粉密度が高いという特性が出ます。そうでないものは低い、という試験がありまして。そういう決められた試験方法がございまして、それをやってございます。補足させていただきますと、先ほど申し上げた通り、機械にしっかり詰まるもののほうがいい。

普通は下限の基準しかないお客さま。例えば今回2500トンという話をさせてもらいましたのは、下限しかございません。ただ、お客様の要望によって、少し違う規格、ご要望があります。このお客様の場合は、少し上限が決められてございまして。これを今回超えてしまったということで、改ざんしてしまったということでございます。

勝川:2点目をもう1度、すいません。

記者4:品質影響に問題はないと、いうところの根拠を。

勝川:はい。鉄粉につきましては、先ほどご説明いたしましたように、高温と圧力をかけてプレスで成型をいたします。成型後の製品について、出荷検査をされるというかたちをとりますので。我々は、その時点で大丈夫ではないかと、今の時点では推測はしておりますが、これはお客様が決めることでありますので。

先ほど、私どもは品質上問題ないと申し上げたのは、私どもの立場でお客様に説明をさせていただいている。それにつきまして、お客様のほうでご評価をいただいている。そういう状態でございます。

宮岡:もう1つ補足させていただきますと、我々、形成的にはいいものができました。当然スペック外れでございますので、まずお客様のスペックに入った。あと今回我々が外してしまった鉄粉。それで同じものを作って、その性能の評価、製品としての評価を、ご一緒にさしてもらって、問題ないことを検証しているということで、今の説明でございます。

ターゲット材はどんなカテゴリーの素材か

記者5:時事通信です。3点ほどうかがいたいのですが、まず、一般の人にもちょっとわかるように説明したいのですが、もう1個ご説明うかがいたいです。

まず1点目は、ターゲット材なんですが、先ほど、ディスプレイに使ったり記録用のDVDに使ったりといろいろ言われたんですけど。例えば半導体材料や液晶材料といえばいいのか、なんと言うのが1番わかりやすいのか、一般の人がイメージできるのか。というのが1点目です。

2点目は、御社、素材メーカーなんでなかなか言えないと思うんですけども。ターゲット材の出荷が顧客数70社。例えば、どういう業種向けにやられているのかをもうちょっと詳しくうかがいたいです。

あともう1つは、鉄粉のほうも自動車向けかなと思うんですけど、自動車用の(素材)なのか。もうちょっと詳しいことをうかがいたいのが1点です。

3点目なんですけど、先ほども質問あったと思うんですけれども、成分値が外れた場合の影響。ターゲット材では、外れたことによってどこかが悪くなるか、そのへんのイメージをおうかがいしたいです。

例えば、外れる理由があるんだけど、「今回は範囲内だから大丈夫だ」とか。あと、高品質すぎると部品がどうなるかとか、そこらへんについて詳しくお答えいただけたらと思います。以上、3点お願いします。

勝川:それでは、宮岡の方からご説明いたします。 

宮岡:まずターゲット材の製品でございますが、先ほど申し上げたことと一緒になってしまいますが、「記憶上のディスク」とか、今回の場合は「液晶ディスプレイ」と書いております。確かに半導体とかの銅を飛ばすようなものもあるのですが、今回は対象ではございません。そういうものは入ってございませんということが1つでございます。

記者5:○○材料と通常言われるのでしょうか。カテゴリーでなんと言えば、一般の人でもイメージできるものになりますでしょうか。

宮岡:光ディスクでおわかりになりますでしょうか。

記者5:光ディスクという材料という。

宮岡:そうですね。光ディスクというのは基盤の上に特別な金属を製膜してございますので、まさにその製品を作るときの膜の材料でございます。よろしいでしょうか。

別件で、例えばターゲット材に関して、成分の影響がないのかというご質問でよろしかったでしょうか。

記者5:顧客の方で。

宮岡:顧客につきましては、重ね重ね申し訳ございませんが、先ほどのような用途の話をさせてもらいますが、それぞれ個社の名前は差し控えさせていただきたいと思います。

記者5:個社はいいですが、どのような業種の会社に納めているのかということを。

宮岡:先ほど申し上げたような製品を作られている会社様としか。申し訳ございませんが。

記者5:ということは自動車部品ということではないのですか。

宮岡:それに関しましては、そのような焼結部品を作られているお客さまに我々が納めてございますので、その先の用途につきましては、我々は存じておりません。

記者5:その会社のカテゴリーといいますか、個社の名前はいりませんが、自動車部品メーカーなのか電子部品メーカーなのか。そこらへんはどうですか。

宮岡:焼結部品を作られているメーカーということです。

記者5:成分の話を。

宮岡:そうですね。ご説明いたします。まずターゲット材の方でございますが、先ほど何の成分かという話をまったくしませんでしたので少し捕捉させていただきます。ターゲット材といいますのは、目的に応じて、半導体なら銅であるとか、物によっては銀であるとか固めたものを飛ばします。

今回不正の対象になりましたのは、カーボンとか酸素とか窒素というものでございまして、ターゲット材を作るときに不可避的に少し入る元素でございます。その後スパッタリングして製膜するときには関係のないものでございまして、飛んで行った先に、もともとの金属で製膜しますので、あまり性能に関係はないというふうにお客様からはうかがっております。

当然、酸素、カーボン、規格があるわけですから、例えば工程中に問題がないのかとか対象製品に問題がないのかということについては、お客様と一緒に検証をお願いしている次第でございます。

記者5:鉄粉が固くなるとか、工程になにか影響はありますか。

宮岡:これも私の説明が申し訳ございませんが、最終的な製品が固くなることはないとうかがっております。つまり鉄粉密度の高い鉄粉、低い鉄粉、それに合わせてお客様の方で所定の大きさ、質量の成型品を作られますので、もともとの鉄粉の密度は製品への影響はしないとうかがっております。

プレスの条件が変わるとかそういうこともあるのですが、お客様の方の性能ではとくに変化がないとうかがってはございます。

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