2024.10.10
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菅義偉 官房長官 記者会見 2017年8月29日(全1記事)
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菅義偉氏(以下、菅):読み上げがあります。北朝鮮は本日午前5時58分ごろ、北朝鮮の西岸付近から、1発の弾道ミサイルを北東方向に発射した模様です。この弾道ミサイルは北海道渡島半島及び襟裳岬上空を通過した後、本邦の東1,180キロメートルの太平洋上に落下したものと推定をされます。
現時点では我が国領域およびその近くへの落下物は確認されておらず、現在までのところ航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認をされておりません。また、自衛隊の破壊措置の実施はありませんでした。
政府としては、引き続き我が国の領域およびその近くの落下物の有無等を含めて、関係機関を通じて確認作業を実施しているところであります。
今回の北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、我が国の安全保障にとってこれまでにない、深刻かつ重大な脅威であるとともに、アジア太平洋地域の平和と安全を脅かすものであります。
なんの事前通告もなく当水域に着弾させたことは、航空機や船舶の安全確保の観点から極めて問題のある行為であります。
また本日7時8分ごろから国家安全保障会議を開催し、情報の集約及び対応について協議を行いました。
国家安全保障会議においては、総理からの6点の指示を改めて確認するとともに、我が国として引き続き国際社会との協力・連携をさらに強化しつつ、北朝鮮に強く自制を求め、国連安保理におけるさらなる対応を含め断固たる対応をとっていくとのことを確認をいたしました。
政府としては北朝鮮による今般の弾道ミサイルの発射に対して、直ちに北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に対して厳重に抗議を行い、最も強い表現で断固として非難するとともに、国連安保理の緊急会合を要請しました。
さらに先ほどの国家安全保障会議では、内閣官房長官声明をお手元の配布資料の通り確認しました。
いずれにせよ、情報の収集及び分析に全力を尽くし、新たな情報については国民各位に情報提供を行ってまいります。
政府としては米国や韓国との関係国と緊密に連携し、引き続き緊張感を持って国民の安全と安心の確保に全力を尽くしてまいりますので、国民の方々には冷静に平常通りの生活を送っていただきたいと思います。
私からは以上です。
記者1:NHKのタカハシです。今回発射された弾道ミサイルの種類、高度、飛距離についての分析は進んでいるのでしょうか?
菅:飛翔距離は約2,700キロ、最高高度は約550キロと推定しております。また、発射された弾道ミサイルは、日本海上空において3つに分離をした可能性がありますが、詳細は分析中であります。その他弾道ミサイルの種類等については現在分析中です。
記者1:今回のミサイルはICBMの可能性についてはどう見ているのでしょうか?
菅:今申し上げたように、弾道ミサイルの種類等の詳細については現在分析中であります。
今回の発射、日本上空を通過し、脅威のレベルが一段とあがったわけでありますけれども、アメリカが軍事行動に踏み切る可能性についてはどう見ていますか?
菅:常日頃から日米韓を中心に緊密な連携を取りながら、対応しているところであります。「すべての選択肢がテーブルの上にある」との米国の方針、姿勢を高く評価をいたしておりますし、米国の将来の行動についても予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。
記者1:今後の対応を検討するために、アメリカのトランプ大統領、韓国のムン・ジェイン大統領との電話会談を行なうことになるんでしょうか?
菅:現時点においては決まっておりません。
記者2:北朝鮮が予告しておりましたグアム島周辺ではなく、襟裳岬周辺を通過する方向に選んだ意図、このあたりについてはどのように分析されていますでしょうか?
菅:北朝鮮による弾道ミサイルの発射の意図・目的について、我が国としては断定的に答えることは控えたいと思います。いずれにせよ政府としてはこうした弾道ミサイルの発射も含め、北朝鮮の軍事動向について引き続いて米国韓国を始めとする関係国と緊密に連携し、重大な関心をもって情報の収集・分析に努めているところであり、我が国の平和と安全の確保に万全を期しています。
記者2:北朝鮮は依然としてミサイルの発射を繰り返している中で、現状としては圧力を強化していく方向で事態の打開が図れる状況であると、このようにお考えでしょうか?
菅:我が国としては今申し上げましたけれども、日米韓、こうしたことを中心に、また中国、ロシア。こうした国とも緊密に連携を取りながら、安保理決議の確実な実施、そうしたことをしっかりと取り組んで参りたいと思いますし、今回の発射については北朝鮮が国際社会の度重なる警告を無視し、度を超えた挑発行為でありますので、断じて容認することはできません。
そしてこの挑発行為をやめさせて、非核化に向けた具体的な行動を引き出すためには、こうした関係各国との連携しながら圧力を強めていく必要があると思っております。
先般行われた日米首脳による電話会談、及び日韓首脳電話会談においても、北朝鮮に対しては対話のための対話では意味がないと。今は圧力をかけるときであるということで一致したところであります。
記者2:今長官からも言及がありましたけれども、北朝鮮に影響力を持つ中国・ロシア。とくに経済関係に強い影響のある中国による北朝鮮への働きかけという期待もあると思いますが、現状で中国が期待に応えるような働きをしているとお考えでしょうか?
菅:まず、今ありましたけれども、六者会合のメンバーであります中国、ロシアの役割は極めて重要であるというふうに思います。とくに北朝鮮との貿易額が約9割をしめる中国の役割は重要だと考えています。
我が国としては、中国・ロシアに対してさまざまなレベルで責任ある建設的な役割を求めてきたところであります。具体的には先般行われた安保理決議、この遵守を強く求めるように働きかけをしていますし、8月7日の日中外相会談及び日ロ外相会談においては、北朝鮮への対応においては緊密に連携していくということで、合意を、確認もいたしております。
こうした中国・ロシア、こうした国も建設的な役割をはたすことができるように、一層働きかけをしていきたいと思います。
記者2:我が国の上空を通過したということで、国民の不安が一層強まることも想定されますけれども、政府としては国民の不安をどのような形で払拭していきたいと考えていますでしょうか?
菅:先ほど総理の会見にもありましたように、我が国については今回のミサイル発射から確実の情報をもとにしっかり万全の体制で取り組んできているという主旨の発言をされましたとおり、常日頃からこうした高度な警戒監視を行って、国民の安心安全確保のために万全を尽くしているところであります。
記者3:先ほど長官は「今回は破壊措置は実施されなかった」とおっしゃいましたけれども、今回自衛隊法に基づく破壊措置命令というのは、今日も出ていたんでしょうか?
菅:破壊措置命令について言及することは控えたい。ただ国民のみなさんの安全安心のための万全の体制をとっている。ここは申し上げたいと思います。
記者3:今回破壊措置が実施されなかった理由を教えていただけないでしょうか?
菅:我が国の安全安心、そうしたものを総合的に考えて判断をするということであります。
記者4:もし北海道内に落下していた場合、甚大な被害が出ていた可能性も指摘されており、道民は大きな不安を感じています。PAC3が中国・四国地方に集中展開されていた中で、政府として道内に落下した場合でも十分に対応できる体制をとれていたのでしょうか?
菅:常に全体を見渡しながら防衛省が対応をとっているということであります。
記者5:先ほど「3つに分離した可能性がある」ということでしたが、すべて同じ場所で落下したということでしょうか?
菅:そういうことも踏まえて詳細については発言することは控えたいと思います。
記者6:先ほど総理が「ミサイル発射直後から動きを完全に把握していた」ということをおっしゃられていましたが、先ほど長官は「国民の不安を払拭する必要がある」というご認識を示されていましたが、総理の発言はそういう意図があったということでしょうか?
菅:我が国としては政権として国民の安全安心を守ることが最大の責務だと思っています。ですので常日頃からこうした安全安心のために高度な監視体制のもとに、万全の体制で取り組んでいます。そういう意味で、総理はあの発言をされたと思っております。
記者6:「ミサイル発射直後から動きを完全に把握していた」ということですが、これは日本政府としての情報ということですか? それとも米韓からの情報によるものですか?
菅:常に日米韓と緊密に連携をとっておりますけれども、内容については控えたいと思います。
記者7:北朝鮮は核実験の準備を完了したという分析もありますが、政府の分析状況と今後の対応についてはどう考えていますでしょうか?
菅:何回も申し上げておりますけれども、常に高度な警戒監視を行っておりまして、いずれにせよ、平素から情報収集、分析に努めているところであります。その詳細については控えたいと思います。
記者8:河野外務大臣が先ほど、北朝鮮が予告していたグアム周辺ではなくて北海道周辺にミサイルを発射したことについて、すこし北朝鮮が米国に対して怯んだのではないかという見方を示されていましたけれども、この点について長官はどのようにご認識されていますでしょうか?
菅:我が国については当然情報収集・分析を行っておりますけれども、内容については控えたいと思います。
記者9:米韓合同軍事演習が間もなく終わりますし、9月9日には北朝鮮の建国記念日を迎える中、先ほどのように核実験の準備が終了したという指摘もあります。日本として、今後新たに北朝鮮の挑発行為の抑止に向けて、最優先で取り組んでいくべきことはなんだとお考えでしょうか?
菅:まず、圧力をかける。今は対話のときではなくて圧力である。ということをもとに、日米韓、ロシア・中国。こうした北朝鮮に影響力のある国としっかり連携を取りながら、対応していくことが大事だと思います。
記者9:一段と脅威のレベルが上がったということで、北朝鮮の隣国である韓国に滞在する法人に対して、退避を勧告するとか、そういった対応をとられることはお考えでしょうか?
菅:そうしたことは考えておりません。
司会者:よろしいでしょうか? ありがとうございました。
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