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橋下徹市長登庁会見「朝日新聞の吉田調書及び慰安婦報道他について」(全1記事)

慰安婦問題「いちばん卑怯なのは毎日新聞」 橋下徹氏、朝日新聞の謝罪会見についてコメント

9月11日に朝日新聞の社長らが慰安婦問題、吉田調書の誤報について謝罪会見を開いたことに関して、維新の会の橋下徹・大阪市長が記者会見でコメント。今回の騒動以降、慰安婦問題へのスタンスをガラリと変えたように見える毎日新聞について、苦言を呈しました。

朝日vs産経 言論機関同士がやり合うのは良いこと

記者:今日は、朝日新聞の吉田調書と慰安婦報道について。吉田調書については報道撤回ということで、慰安婦報道については謝罪をしましたけれど、それについてのご意見をお願いします。

橋下徹氏(以下、橋下):言論の自由は認められている日本の社会っていいんじゃないですかね。公権力というか、政治が強制的にね、何か報道機関の主張を、こう変えるようにようにということではなくて、完全に今回は言論機関同士のね、色んな主張のやり合いでこういう形になったわけですよね。

慰安婦問題も産経新聞が頑張り、吉田調書も産経新聞が取り上げたんじゃなかったでしたっけね。良いことだと思いますよ。こうやって言論機関同士でやり合ってもらって、間違っていたら謝罪すると。それで良いんじゃないでしょうかね。

1日の使用料が2万円 大阪市の大領公園について

記者:昨日、住吉区の大領公園について、30年くらい子どもたちが使えないということを指摘させていただいたんですが、報告はその後……?

橋下:ええ、受けてます。やり方変えます。これはね、公園自体が都市公園になっているものについては、地域団体のほうに一括管理をお願いして、そして利用料をもらうというやり方、これ、公正職務審査会から指摘があって、やり方変えたんですよ。

大阪市の直営でもうやるということになったんですけれども、局から確認をしましたら、今回はその大領公園は、都市公園じゃないらしいですね。だからある地域のところから大阪市が無償でそれを借り入れして、都市公園予定、なんて形になってたんでね、公正職務審査会の指摘から漏れたということらしいんですが、ちょっとそれは理由にならないでしょうと。

後に都市公園にする予定だっていうふうに局は言ってますから、これはやっぱり管理の仕方を改めると。ただ、僕『VOICE(毎日放送)』見てないんですけど、どういう指摘だったんですか? 空きっぱなし、使えないということだったんですかね。

記者:利用料が2時間で2500円、1日で2万円と高くて、子どもがとても利用できる公園にはなっていないと。

橋下:なるほど。

記者:さらに大阪市のほうは、公園にするのに公示をしてないとか、不法投棄があるので事業に入れないとかいろいろ言ってるんですけれども、とりあえずそれで30年間放置されているっていうのは、良くないんじゃないかなと。

橋下:なるほど。公園にします。公園にしていきますので、ただ地域の皆さんにはこれまで管理というかそういうものを、元々大阪市の所有地じゃなかったのでね、いわゆる一般の公園とは違う位置づけだったんですよ。

だから通常の公園とは違う位置づけであるということを住民の方々にはご理解いただいたうえで、今後公園にしていくってことで局と話をしましたので、管理のあり方と、公園に向けて、これは進めていこうと思っています。その他にもいくつかあったかな? 同じような事例がないか、ちょっと確認させてるんですけどね。

記者:やはり予定地といいながら30年間置いておくということは、問題がある?

橋下:これは、道路とか公園を変えていく都市計画、ようは行政の場合には一度作った計画をほったらかしにしておいても、不利益がないからそのまま置いとくことになるわけですよ。ただ都市計画をうたれたほうは、住民のほうはいろんな権利制限があるから、これはダメでしょってことで都市計画も全部見直しやっていってますからね。そういうような話と同じことになる。

20年も30年も計画がそのままになっているものは、常にこれは次どうするんだってことを常にチェックするような、そういう意識を持たないといけないですね。ただ今回は指摘がありまして、こちら側で問題であるということはこれ改善をしていきますけれども、それまでの理屈上は一般の都市公園、行政のもっている都市公園とはちょっと違う扱いだったのでこういうことになりましたけれども。

ただ外から見れば、それはなかなか公園予定地なのか公園なのかどうなのかわからない問題なのでね、これはもう改めます。

ふたたび慰安婦問題について

橋下:あと、朝日新聞が「証言は撤回するけれども、強制性は撤回しない」と。その主張はいいですけどね。ただね、日本の国内で「強制性」という議論はもうやめた方がいいと思いますね。強制性の議論をしたら、「広義の強制」とか「狭義の強制」の議論になっていってしまうんでね。

国際社会に対して誤解を生んだということであれば、僕はずっと言ってましたけども、正式な文書をちょっと僕も確認しましたけどもね、2000年の国連安全保障理事会の安保理決議1325号の11項で、要は戦場においてのジェノサイドとか強姦、人道法に反する罪とか、レイプとかそういうものは、恩赦規定といっていわゆる平和条約みたいなものでは解消されない、というのが国連の安保理決議にしっかり載っているんですよ。

そこにこの慰安婦問題というものが当たるのかどうかっていう観点でね、朝日新聞も産経新聞も、これから論陣はってがんばっていってもらいたいと思いますけどね。

国内ではなく国際社会に向けた議論に切り替えるべき

橋下:もう強制性があるかどうかって日本の国内の概念でいくら説明しても、それはもう水掛け論になってしまうんで。結局、これは国際社会の問題ではどうなのかって言ったら、日本の道義上の問題、責任は否定できないわけですよ。道義上の責任を超えて、要は日韓基本条約で全て清算されるような問題なのか、そうじゃないのか。

これはちゃんと国連の安保理決議1325号の11項というところで、戦争地、紛争地においてのレイプとかジェノサイドとか、そういう問題については恩赦規定の適用除外ということがきちっとうたわれているわけです。時効と平和条約とか清算条約とか関係なくね、永久に責任を追及すべきだということがきちっと確定されているんです。そういう流れの中でね、国際社会は、日本のこの慰安婦に対する責任というものは、日韓基本条約で解決されないんだということを国連で言われ続けるわけですよ。

それは何かと言えば、「強制」という言葉をおいておいたとしてもですよ、僕は強制連行はなかったという立場だけれども、国内でいくら議論していても、朝日新聞のように「広義の強制はあったんだ」と、「女性の意に反した形で、そういう色んな行いが行われていたんだ」と、そこは否定はしませんけども、そこの議論をやっても水掛け論なので。

これは国内問題で今までのように日本の責任を完全に否定する、法的責任のみならず道義的責任まで否定するような全て正当化するような立場と、朝日新聞がこれまでやってきたように、全ての責任を負わなきゃいけないという立場と、これは国内の議論でずっとやってきましたけど、ここはもう終止符を打ってね、国際社会に向けた議論に早く切り替えなきゃいけないですよ。

慰安婦問題は、日韓基本条約で解決されている

橋下:「強制」という言葉ではなくて、その実態からして日韓基本条約で解決されないような、清算されないような問題なのかどうなのかっていうことを、もう一度、慰安婦の実態を史実に基づいて明らかにするべきだと思いますけどね。

要は人さらいのような強制連行はなかった。強制連行がなかったことは間違いないわけです。でも、朝日新聞が言うように「広義の強制性はあった」。広義の強制性というのは言葉の概念なんで、こんなことで言い合ってても、しょうがないんで。

これは、国連安保理決議1325号の11項にあたるのかどうなのか、まさに法的な観点で議論すれば、これ、当たらないと僕は思ってます。もしこれが日本の場合に当たるというんだったら、日本だけじゃなくこれこそ世界各国、アメリカもイギリスもドイツもフランスも、みんなこの国連安保理決議1325号の11項に当たるので、今、アメリカにざぁーっと広がっているあの慰安婦像、あれもう間違いになりますね。それは僕がずっと言っているように、世界各国の事柄として扱わないといけない。

だから、国連安保理決議1325号の11項の問題に早く切り替えてほしいですよ。国連の方は日本の慰安婦だけがそれに当たるから、日本だけは永久に責任を負わなければいけないという議論になっていますから。本当にそうなのかどうなのかっていうところの実態を検証してください。

僕は日本の慰安婦の問題は道義上の責任はあるけれど、日韓基本条約で解決されたという立場ですけども、「いや、そうじゃないんだ」と、「国連安保理決議によって解決されていないんだ」と言われたんだったらね、「アメリカもイギリスもフランスもドイツもみんな同じじゃないですか」ってことを言わなきゃいけない。強制性という概念を越えて国際法の問題に切り替えてね、言論機関でやり合ってもらいたいと思いますよ。

国連安保理決議1325号11項をめぐる問題

記者:市長は、国としては国際的に慰安婦問題が安保理決議に当たらないということを訴えかけていくということですか?

橋下:日本だけが国連安保理決議1325号の11項に当たる問題じゃない。日本が当たるなら世界各国も当たりますよ。だから、慰安婦問題が人道法に反する罪ということであれば、これはものすごい重たい罪ですよ、人道法違反というのは。個別の戦争犯罪とは違うわけですから。それに日本の慰安婦問題が当たるというなら世界各国も当たるという認識を国連に持ってもらわないといけない。

今、国連は日本だけが国連安保理決議1325号の11項に当たるという認識のもとで、国連の人権規約委員会にしても、とにかく日本だけが慰安婦に対して永久に責任を負え、とことん責任者を処罰しろとなっているわけです。

だから、それがもし日本だけが当たるというなら、世界のそれこそ、恩赦規定の適用無しという安保理決議になっているわけですから、ノルマンディー上陸作戦のときのアメリカに対して適用させなきゃいけないですよ。イギリスだって、ドイツだってフランスだって適用させないといけない。

その中には軍が一定の関与したものと、関与していないもの、こんなの違いはないわけです。国連の安保理決議をみてもらったらわかるように、前に『(新)報道2001(フジテレビ系)』で時間がなかったから言えなかったんですけど、共産党のほうは「軍が関与しているか、関与していないのかが重要だ」と、「そこが大きな違いだ」と言いましたけども、国連の安保理決議を見てください。それ書いていませんから。

紛争地においてのレイプ、女性の人権侵害というところにおいて、軍がなにか施設に関与してたかそうでないのか、関係ありません。だから日本の慰安婦問題というものが、2000年の国連安保理決議1325号の11項にあたるというんであればね、これは世界各国の軍も全部あたるんで、僕が繰り返し言っていたように、これは世界各国で反省するべき問題。

もし仮にね、国連サイド、また世界各国のほうが「いやーうちはこれにはあたらない」と言うのであればね、そしたら日本も「それでは申し訳ないけど、うちもあたりませんね」と。だからやっぱり国際社会の国際論争のほうに切り替えていかないと、また朝日新聞がこれ「強制性があるんだ」なんてこと言ってもね、そんな国内の話しても意味ないのでね。

道義上の責任、道義上の問題っていうことは、人権問題っていうことは認識したうえで、次は国際法上の議論に移してね、キチッと国連の安保理の2000年の1325号11項、これにあたるのかどうか。僕は朝日新聞にね、これにあたるのかどうか、もう広義の強制とか狭義の強制とかいう議論はいいから、国連安保理の1325号11項にあたるのかどうかってことを判断してくれたほうがいいと思いますよ。

それが、今回の慰安婦の実態からあたるって言うんだったら、人さらいのような強制連行、国家が組織を挙げてやった人さらいのような、そんな事実がない以上は、それは日本じゃなくて全世界があたりますよねと。それをしっかりと国連に言っていかないといけないですよ。

で、「いやいや、戦場において女性の人権侵害の問題はいろいろあったけれども、でも国連安保理の1325号の11項、これとは違うんですよ」っていうことを国際社会が言うんだったら、いやそれは日本も同じですよね、って主張をしないといけないし。

そういう議論に切り替えていかなきゃいけないと思いますね。だからなにも日本の国だけを正当化する、自分たちの責任だけを否定するんじゃなくて、世界で言われているのはそういうね、ジェノサイドとかそういう、まさにホロコーストと同じような問題として位置づけられている。永久に処罰しなければならないというのが国際評価なんです。本当にそうなんですか、と。

道義上の責任はあるし、道義上のいろんな問題、人権問題として捉えなければいけないのはその通りだけれども、でも日韓基本条約と、請求権並びに経済協定というところで一回これは終わった話なので、そこで終わらせていいのかどうなのか。それは国際法に照らして、国際社会に訴えていく。そういうロジックに切り替えていかないといけないと思いますよ。

今一番卑怯なのは、毎日新聞

橋下:そういう観点からすれば、毎日新聞が今一番卑怯だと思いますけどね。急に主張変えて。朝日の件はこれはもう言論機関に委ねて、僕らがとやかく言う問題じゃないですけれども、毎日新聞の手のひらを返したようなこのやり方っていうのは、朝日新聞以上に卑怯なんじゃないかと思いますけどね。

僕がずっと言い続けたロジックと何ら変わらないような事を、今さら毎日新聞は言い始めてね。

「道義上の責任はある。でも国際評価として、国際社会から不当な侮辱を受ける場合には、それは事実とは違うことは違う、と言わなければいけない」、とずっと僕は言い続けてたのに、毎日新聞は、徹底してそこをヒステリックにあの手この手で批判してきていたのにですね、これは急に主張を変えたのかどうか、見解変えたんですかね?

それは言論機関としてね、国際社会に対して事実と違うことは事実と違うと言っていきましょう、って言っていたら、急に「国際社会に誤認を与えた」とかっていう毎日新聞の主張になってきてるでしょ?

そういう態度をとっていくとね、朝日新聞のこの問題がこんなに大きくなってしまったのは、別に自分のこととして言うつもりはないけれども、説明責任をキチンと果たそうという姿勢が組織の末端まで及んでなかったいうのが、もう見えてたわけですよ。僕の週刊朝日の問題にしたって、日本維新の会の広告の問題にしたって、まともに答えようとしないわけですから。

僕も大阪市役所全部をマネジメント出来てるとは思わないけどね、僕がトップだったらですよ、そういう問題があったら、そこはちゃんとやれよっていうことを言わないと、結局組織全体のこんな大きな問題になってくるんですよ。だから朝日新聞はこうなってしまった。

次は毎日新聞が危険だと思いますよ。こんな形でコロコロコロコロ変えてるんだったら、前の主張と、前の僕の発言に対するヒステリックな批判と今の状態というのを、ある程度整合性を合わせるような形でやらないと、こんな世間の風に乗ってね、毎日新聞がこんなにコロッと寝返りみたいなことをやるんだったらね、必ずしっぺ返しを喰らうと思いますけどね。

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