2024.10.10
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司会者:それではこれより先はみなさまからのご質問をお受けしたいと存じます。誠に恐縮でございますが、みなさまには挙手をお願いし、私のほうから指名させていただきますので、ご質問の前に、ご所属とお名前をお願いできればと思います。
複数の質問でも結構ですが、一問一答というかたちで進めていきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。それでは、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。それではこちらの女性の方、よろしくお願いします。
記者1:フジテレビのモリモトと申します。今回の労働時間を少なく申告するということですけど、今日書類送検された上司の指示だったのか、もしくはこの人物の独断ではなく、その上の上層部の指示ということは本当になかったんでしょうか? このようなことは社内の調査ではどうなっているのでしょうか?
中本:ただいまのご質問はいわゆる過少申告、サービス残業なるものは、上司からの命令で行われていたのではないかというご質問と理解していいですか?
記者1:はい。その通りです。
中本:我々なりにサービス残業の存在につきましては、冒頭、私からも申し上げましたが、基本的には三六協定違反より、もっと悪いことは、社員が仕事をしているのに、その対価を払わないことだということで、残業時間をある意味無制限につけるというような状態がございました。
したがってそのときは、むしろサービス残業というよりは、三六協定の違反者が多数いました。したがいまして、従前から仕事をさせて、その対価を払わないといったようなことは、社にはなかったわけであります。
しかしながら、三六協定違反というものが脱法行為であるというわけで、それをゼロにするべく推進してきました。そのなかで、違反だというなかで、自ら仕事をしたにも関わらず、申告した人がいるというリスクについては十分に認識しています。
しかしながら、上席者が関わらず、「残業時間として登録するな」といったような指示があったというのは、私どもの調査のなかでは出てきておりません。外部の法律事務所による調査のなかでも、自らが「サービス残業をした」という方がいましたが、それは上からの命令に基づくものではないという報告を受けています。
記者1:すみません、続いてもう1つだけおうかがいしたいんですけど、自らが働いたとしても、申告できないような、雰囲気というか、空気が企業の体質としてあったと。このあたりについてはどうお考えでしょうか。
中本:あってはならないことですし、そういうことをずっと戒めてきたつもりでいたんですが、急激に三六協定の違反者をゼロにするという施策をうち、結果としてゼロになってきたなかでそういうものを結果として強いてしまったということについては否めないというふうに今は感じております。
記者1:ありがとうございました。
司会者:ほかにございますでしょうか。それでは、そこのマスクの男性の方をお願いします。
記者2:朝日新聞のサワジと申します。10月13日に、広報部長から文書を頂いて、そのときは三六協定違反はないというふうに書かれていたんですが、今日見た資料には2013年から三六協定違反はこれだけあったということなわけですね。これは違法状態であったということを社長自身も認識していたということでよろしいでしょうか。
石井:いえ、認識しておりません。
記者2:認識していない。では、これは何か改めて調査した結果、これだけ出てきたということですか?
石井:そうだと思います。
記者2:なるほど。その点について、東京労働局から事情を聞かれていると思うのですが、それを社長自身はどういうふうに回答されていますか?
石井:東京労働局からその質問を聞かれたということは、内容についてはこの場で申し上げるのは適当ではないと思っております。
記者2:事情を聞かれていることは確かなわけですか?
石井:そのことについても、差し控えさせていただきたいと思います。
記者2:先ほど中本さんが「対価はきちんと支払っている」とおっしゃっていて、今日の東京労働局の説明でも、32条の違反はあったけれども、37条以外は違反はなかったとあったんですが。つまり三六協定超えの時間外があっても、その割増料はきちんと払っていたということですね?
中本:そうですね。三六協定が守られないまでも、残業代を払わないほうがもっと悪いことだという意識がありました。したがって三六協定を違反して仕事した人にも、当然その対価を弊社は払ってきました。そのことが三六協定違反者がすごく多くいたということであります。
記者2:すみません、あと1点。高橋まつりさんのことで言うと、代理人が明らかにしている資料では、所定内の仕事も含めて、70時間を下回っているのですが、今日の東京労働局の説明だと、70時間を超えているケースがある。所定外で超えているケースがあって、それが37以上、しかも割増分をちゃんと払っているとなると、会社が示した資料との間に矛盾が生じているんですけれども。つまり、所定外が70を超えているか超えていないか。なぜ、このような矛盾が生じるのでしょうか。
中本:その資料はどちらから……?
記者2:代理人が会社から受け取ったものとして、所定外となっているデータが出されているんですけれども。きちんと払われていることはわかったのですが。
中本:はい。
記者2:そうすると、逆に70を下回った資料を会社側が遺族側に示したところと矛盾が生じてしまうんですけれども。
越智:ちょっと説明させていただきます。高橋まつりさんの場合は、会社の方で、当時、時間外と認めていた時間……認識していた時間は70時間で、所定外を下回っておりました。先ほど、中本のほうから説明がありました私事在館につきまして、一部業務であったのだろうという認定がなされたというふうに認識しております。そのため、当時はきちんと時間外の部分を払っていたと認識していたのですが、それに不足分があったというふうに認定されたというふうに解釈しております。
記者2:そうすると、その割増分は、亡くなったあとに、労災認定された後に支払ったということですか?
中本:今やっと質問の意味がわかりました。人事局長が説明した通りで、これまで「仕事をしたにもかかわらず対価を払わないということはしませんでした」ということですが、私事在館について言いますと、会社としては本人が「何時に仕事を終えた」と登録したものと、会社を何時に出たというのが両方が記録されるんですが、そこの差が大きい場合は上長に本人がこういう理由で会社にいましたと。
そこに明らかに業務と思われるものは、これは仕事ですから残業時間にカウントします。しかし、先ほどの質問の高橋まつりさんのケースは、そこは我々としては当時は業務ではないとみなしていました。したがって、そこの分の対価は払っていませんでした。
ですが、労働局、労基署のほうの調査により、この私事在館のなかに業務とみなさなければならないものがあると。その分については未払いになっていると。
これについて今まさしく弁護士を通じて、和解交渉に入っておりますが、その仕事だとみなされた分については、当然和解交渉のなかで最優先に支払われるべきものであり、労働の対価でありますから、和解よりも前に本来は払わなければならないと認識しています。
記者3:フジテレビのナカガワといいます。よろしくお願いします。いくつかあるんですけどまず、いくつかあるんですけれども、まず「パワハラとの指摘も否定できない行き過ぎた指導」という内部調査があったということだったんですけど、具体的にはどういったことがあったのでしょうか?
中本:行き過ぎた指導というなかにいくつかの事例があるんですが、例えば新人ですから、遅い時間まで仕事して、上司、上司といっても先輩に対して、メールでのレポートをした。そのなかに、その仕事の報告を、明朝仕上げるというような返事の内容であったり、それが具体的な返信の時刻が深夜であったり、そういった、新人に仕事の与え方として不適切な部分があったということが1つの事例としてあげられます。
それ以外には、ものの言い方であったり、ものを言う場所であったり、時間であったり、そういうものが高橋さんにとってすごく精神的重荷になったんではないかなという言動があったということであります。
記者3:すいません、メールやレポートをした仕事の報告を明朝上げるという返事というのは、「明朝上げるように」「明日の朝までに上げなさい」と、すごく短時間を期限として、という指示だったということですか?
中本:そうですね。それが、深夜というよりは、もう朝に近いような時間帯でのメールのやり取りが行われていたということであります。
記者3:高橋さんに対しても、上司からも、深夜とか明け方に近いような時間にメールで指示を出していたという、もうその時間に指示をすることはパワハラであったっていうことですか?
中本:ある程度業務に精通している人間であれば、たぶんそういった作業がどのぐらいの時間をかければ最終的な成果物になるとか、夜を徹してやらなくてもできるような業務であるということが推察できるような経験を積んでいる社員であれば、そのこと自体は普通の業務指示だと思われますが。
まだ業務に未熟な、まして正社員になったのは、社員登用されたのは10月からですから、そういうなかでは、本人にとってはかなり厳しい指示であったのかなというように今は考えているということであります。
したがいまして、外部の弁護士の先生方の調査によれば、行き過ぎた指導とはいえ、法律に照らしてパワハラとは呼べないかなという調査報告はございましたが、我々は業務に未熟な社員であるということや、業務の指示のあり方が、もう少し労るとか、愛情を持って、と。
もちろん上司も、必ずしもそういう指導性を発揮する中で、早く高橋さんを一人前にしようという思いはあったと思いますが、少し工夫の余地があったのではないかと思っています。
記者3:「ものを言う場所」とか「ものの言い方」というのは、例えば具体的にはなにかありますか?
石井:全体として、申し上げたとおりでございますけれども、個別のことというよりも、私どもが一般的に言ってパワハラだろうというふうに認識しておりますのは、繰り返しになりますけれども、まだ入社間もない社員であって、なおかつご本人が一生懸命働いていると。
懸命に仕事しているなかで、通常の社員と同じような指導が全体で行われていたというふうに感じます。そのことを全体としてパワーハラスメントであると言っても過言ではないだろうということでございます。
記者3:ありがとうございます。すいません、もう1点なんですが、社長は25日にご実家にご弔問に行かれたということですけれども、社長からどんな言葉をかけ、お母様からどういったことがあったんでしょうか?
石井:私からはもちろん、ご冥福を祈るとともに、心からの謝罪を申し上げました。お母様からのお言葉についてはこの場では控えさせていただきたいと思います。
記者3:ありがとうございます。最後に1点なんですけども、入退館記録で1時間以上の乖離があった件が年々増加していることの背景にはどういったことがあったとお考えでしょうか?
中本:三六協定、この違反者をゼロにするという大きな課題、目標を掲げて、そういうなかで実際にゼロになっていくんですが、人員の増強や、仕事の整理というものを十分に整えないなかでそのような目標を掲げて、実際にゼロになっていったんですけれども。
たぶんそれらが、先ほど私事在館ということを説明いたしましたが、そういうかたちになってしまったと。そういう原因を作ってしまったというふうに理解しています。
記者3:ということは、これがどんどん増えていったということは、過少申告が増加していったのではないかというご認識でよろしいでしょうか?
中本:そうですね、もちろん私事在館のなかには本当にプライベートな食事であったり、プライベートなサークル活動というものもございますが、全体の数字の推移を見ていますと、必ずしも急に食事の時間が長くなるというようなことは考えにくいので、そういうところに原因があったんではないかなというふうに思っています。
司会者:ほかにいかがでございましょうか? じゃあ眼鏡をかけている男性の方お願いします。
記者4:共同通信社のセイダと申します。石井社長にうかがいたいんですけれども、高橋まつりさんのお母様が12月25日に手記を公表されたんですけれども、これについて石井さんは読まれましたかというのと、もし読まれたとしたならば、どのような感想を持たれましたか?
石井:はい、読ませていただきました。感想というよりも、おっしゃるとおりで、私どもの制度ということを変える以前に、私どもの意識というものを変えなければいけないということを、再度痛感いたしました。
記者4:もう1点だけお願いします。今回書類送検された方が1人男性でいらっしゃると思うんですけれども、この方の人体(じんてい)をできるだけ詳しく教えていただければと思います。これはまつりさんとの関係性とかですね、どこの部署にいらっしゃったとか。
中本:書類送検されたんですけども、具体的に氏名が我々のところに届いているわけではありませんが、内容からして、高橋まつりさんの上司であるというふうに理解しています。
記者4:男性ですかね?
中本:男性です。
記者4:男性ですか。年齢とかは、40代とか、30代とか?
中本:個人情報ですので、申し訳ありませんがそこまでにしていただけるとありがたいのですが。
記者4:高橋さんの当時の上司ということですかね?
中本:というふうに理解しています。
記者4:今現在は違うわけですよね? もう別の部署に移られている方。
中本:そうです。
記者4:わかりました。ありがとうございます。
記者5:読売新聞のミヤケと申します。3点お願いします。石井社長にうかがいたいんですけれども、先ほど辞意を表明されましたけれども、後任についてはどのようにお考えになられていますでしょうか?
石井:まだ白紙でございます。
記者5:例えば、どのような方が望ましいとお思いでしょうか?
石井:そのことについても白紙でございます。
記者5:わかりました。2点目なんですけれども。この辞意を固められた……おそらく9月に発覚してから時間かなりあったと思うんですけれども、いつ頃にご決意されたのでしょうか?
石井:この数日間の間のことでございます。
記者5:どのようなことを考えられたんでしょうか?
石井:どのようなことと申すよりも、まずはご遺族に謝罪ということ。再三お願いしておりましたけれども、なかなか許可をいただけませんでしたけれども、25日の日に直接謝罪ができたということ、そのことがあって、みなさまにもお詫びができるということ。
そして今日、送検があって、企業としての責任ということについて考えるにいたり、こういった決断をしたということでございます。
記者5:最後に3点目なんですけれども、問題が発覚してもうすでに2ヵ月3ヵ月経つなかで、おそらくこうやって公の場で説明されるのは、今日がはじめてかと思うんですけれども、なぜ今日まで出られなかったのでしょうか?
石井:ご遺族に対する謝罪ということを最優先したいと考えておりました。それが叶ったということ。それから、当局の処分が出た結果、責任を取ったと。あるいは、その処分の内容を見てと考えておりました。という意味で、今日、このようにお話ししているということでございます。
記者5:すいません。少し厳しい質問かもしれませんけれども、遅かったというようなご認識はありますでしょうか?
石井:ございません。
記者5:ありがとうございます。
記者6:朝日新聞のワケと申します。2点うかがいます。1点目が、9月にデジタル広告をめぐって不正な取引が発覚しました。高橋まつりさんがいた部署もデジタル広告に絡んだ業務だと聞いています。共通するデジタル広告というのが、この環境の変化というのが、長時間労働に影響しているんでしょうか? そのへんの認識を社長から。
石井:高橋まつりさんが所属しておりました、今はなくなっておりますけれども、部署がデジタル広告の一部を扱っていたことは事実でございます。高橋さんご自身は、新入社員ということで、データ中心に集めているという仕事が主だったと聞いておりますので、今回、先般のデジタル問題について関わってるということはございません。
長時間労働ということで申し上げれば、デジタル部署もございますけれども、それ以外の部署もございます。したがいまして、デジタルの作業そのものと長時間労働が必ずしも関係あるとは思っておりません。
記者6:2点目で。実効性を上げるために、業務の絶対量を減らすこととか、それからもしくは人員を増やすとかいうことが必要な気がするんですけれども、今後どういった手を打っていこうとお考えでしょうか?
石井:業務の量と人員ということは非常に重要なことだと思います。業務の量に関しましては、減らすというよりもコントロールしていくというふうに考えております。
具体的には、お客さまと十分な話し合いをさせていただきながら、私どもが、不法な長時間労働あるいは社員の健康を阻害するような労働時間ということはなくして、お取引できるようにということをお願いし、お話をし始めております。人間に関しまして、人員増に関しましては、すでに手を打っております。
記者7:ハフィントンポストのヨシカワです。配布資料2ページ目ですね。「(3)当社の長時間残業について」というところ。1段落目の一番最後の行ですね。「依然として、特定の部署や社員に業務負荷がかかる状態が続いています」とありますが、具体的にはどのような部署でどのような社員さんに業務負荷がかかっているのか? 具体的に教えていただければと思います。
中本:今、申し上げたところでいいますと、例えば、デジタル領域というのが労働集約型の業務になっております。こういったところは、人員の増強もやっておりますが、仕事の性質上、なかなかワークシェアがしにくいということもございまして、部署的には負荷がかかっているということであります。
それ以外には、我々のところでは「クリエイティブ」と。コマーシャルのフィルムとか、それを作るための撮影とかをやっているところでありますが。
ここはもともとかなり、そういった制作というものに、入念に仕上げをするというような仕事のやり方が従前から行われておりますので、どうしてもそういうところには負荷がかかっているということでございます。
記者7:すいません。関連で。そういった部署に対して、人員の増強以外でなにか根本的な解決をしていく意思があるのか? 今のお話だと、人員を増強してもちょっと難しいと受け取られかねないような気がしたので。
石井:私からお答えいたします。そういった側面はございます。量をこなすという部署とそうでない部署がございます。今のご質問で申し上げれば、今すでに実施しておりますけれども、フレックスそれからスーパーフレックスですね。あるいは裁量。それから、年俸制みたいなことを将来的には考えていく必要がある思っております。
記者8:NHKのサンジョウと申します。石井社長におうかがいしたいのですが、石井社長は営業畑出身のはじめての社長とうかがっております。社長は、日本社会の働き方についてはどういった認識をお持ちなのかお聞かせください。
石井:難しい質問ですが、日本の社会の働き方ということで申し上げれば、ある種日本人の勤勉さというものを、私はたいへん高く評価してるし、大事なことだと思います。
しかし、私どもの話しかできませんけれども、勤勉に働いて120パーセントの成果を出そうということと、やはり心身合わせた健康ということですね。そのことを考えることが大事だと思っております。
記者8:そうしたなかで、今までの企業風土についてはどのように見ていたのでしょうか?
石井:私どもの企業風土ということで申し上げますと、やはりプロフェッショナリズムといいますか、そういったものを社員がたいへん強く意識しているというものです。
そして、一度申し上げましたけれども、120パーセントの成果を求めようという傾向もございます。さらに言えば、「仕事を断らない」といった矜持というものもあったと思います。
そのすべてが過剰であった。過ぎていたということかと思います。そして、そのことに対して、施策的にあるいは根本的なところで歯止めをかけられなかった。そのことについては、経営の責任があると思っております。
記者8:今回の問題が起きる以前に、そういった認識はお持ちではなかったんでしょうか?
石井:持っておりましたし、先ほどから申し上げている、十分ではございませんでしたけれども、さまざまな施策を打ってまいりました。しかし、これが十分でなかったということを反省しているということでございます。
記者9:共同通信のハマヤと申します。石井社長におうかがいします。今回の問題が業績に与える影響をどのように考えていらっしゃいますか? それから、例えば、広告の受注が減っているなどの影響、すで顕在化している影響があれば教えてください。
石井:将来の予測は、現状、わかりませんということでございます。今現在の時点では、大きく私どものビジネスが減っているということはございません。
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