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菅義偉 官房長官 記者会見 2016年9月9日(全2記事)

「北朝鮮への制裁強化は検討していく」核実験実施を受け、菅官房長官が今後の対応に言及

2016年9月9日、日本政府は北朝鮮が5回目となる核実験を行ったと判断。菅官房長官が記者会見を開き、北朝鮮への制裁や今後の対応について語りました。

安保理でのさらなる対応を求めている

記者1:日本政府として核実験と判断した根拠なんですが、総合的に勘案したとのことでいたけれども。

菅義偉氏(以下、菅):今(会見で)申し上げましたとおり、過去の経験則もふまえて、総合的に判断したということです。

記者2:NHKのタカハシです。北朝鮮は今日は68回目の建国記念日を迎えたわけですけれども、このタイミングで核実験を強行した理由をどう分析なさっていますか?

:いずれにせよ、常日頃から北朝鮮の核実験の動きというのは、日米とのなかで私どもは経過監視にあたっておりましたので、そういう中で今回、北朝鮮が行ったわけですけれども、事柄の性質上、政府として発言することは控えたい。

ただいずれにしろ、そうした情報のなかで監視にあたっていたことは事実であります。

記者2:日本としては安保理の緊急外交の中止を求める、とのことでしたけれども、3月の制裁決議よりもさらに厳しい内容の決議採択を目指す可能性というのはあるのでしょうか。

:まず、北朝鮮は今日までに、1月の核実験、そして2月の弾道ミサイル発射。こうしたなかで、北朝鮮に対して独自の措置を決定しました。また3月には、国連安保理において制裁を大幅に追加、強化する強い内容の安保理決議2270号が採択をされました。

わが国としては、本年2月に決定したものを含むわが国独自の措置及び、国連安保理決議に基づく措置を着実に実施をしてきておりました。

また、米国・韓国・中国・ロシアをはじめとする関係各国、さらに国際社会との協力をさらに強化し、関連安保理決議の実効性の確保を図るとともに、安保理でのさらなる対応を含む北朝鮮への対応を今、求めているところであります。

そして、わが国としては北朝鮮に対して拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のために、わが国が取るべくもっとも有効な手段を講じてまいりたい。こういうふうに思います。

記者2:NHKタカハシです。関連になります。国連でも日本独自としても今回の事態を受けて、さらに制裁を強化するということになるんでしょうか?

:さらなる独自制裁については、考えていきたいと思います。

現状の制裁について検証することが大事

記者3:関連で日本テレビ、ヤナギサワです。今回の実験について、韓国軍関係者は、「核実験の爆発規模は過去最大」と指摘しています。今回の実験の規模や狙いについては、政府としてはどのように分析されていますでしょうか。

:先ほど申し上げましたけれども、わが国としては、常日頃から北朝鮮の核実験やミサイル発射の動向というのは、最大の注意を払って警戒監視に努めております。そして米国・韓国ともしっかりと連携をしております。そういうなかで、本日、核実験が行われたと。そういう判断をいたしております。

情報収集、分析のなかでそうした対応策はとっているところでありますけれども、事柄の性質上、そこの内容についての発言は控えたいと思います。

記者3:北朝鮮は今週の月曜日にも3発の弾道ミサイルを発射し、ミサイル技術・精度の向上が明らかになってますが、今回の核実験を経て、こうしたミサイルに核弾頭が搭載される脅威について、政府としてどのような認識をお持ちでしょうか。

:そうしたことは常に念頭に入れながら、政府としてはさまざまな対応策をとっているということです。

記者4:読売新聞のカリヤです。先ほど、さらなる独自制裁については考えていきたいということでしたが、現状としても、日本政府でかなり厳しい制裁を課している状況ですが、具体的に今後どういった分野での制裁が可能だと考えていますか。

:今、わが国の独自制裁、さらに安保理決議による制裁、そうしたものの検証をすることが極めて大事だと思います。それと同時に、今回の核実験に対して、有効な措置を講じていきたいと思います。

記者4:現状としては、国際社会をふくむ日本政府としてのかなり厳しい制裁が続くなかで、ミサイル発射が相次いで、核実験が続いている状況で、今後北朝鮮への圧力を高めていくためになにが必要だとお考えですか。

:かねてより申し上げましたけれども、我が国の近隣に、このような無法者国家があるということは事実でありますから、政府としては国民のみなさんの命と平和を守るために、かつての政権発足以来、特定秘密保護法さらに平和安全法制など、こうした安全・安心につながるための法整備を行ってまいりました。

そうした法整備を行うなかで、しっかり連携をとるなかで、最大限の警戒・監視を続けているところであります。

記者5:毎日新聞です。現行の制裁措置の実効性を高める必要性が指摘されている中で、先ほど自民党の高村(正彦)総裁が記者団に、「北朝鮮に対して劇的な影響力を持つ中国、ロシアとの連携を総合的に進めていく必要がある」と発言されました。政府としては、中露への働きかけをどのように考えてますか。

:先ほども申し上げましたけれども、日米間、ここは当然しっかりと連携をすると同時に、中国、ロシアへの働きかけを行っていくことも極めて重要なことだと思っています。

記者5:それは国連安保理の場ではなくて、個別に働きかけることも……。

:現に、今回一連の国際会議がありました。そうしたなかで、総理から北朝鮮については指摘をし、協力を求めているというのは事実であります。

拉致問題への影響

記者6:産経新聞のオガワです。各国との連携で電話会談をする予定は今後ありますでしょうか。

:今のところでは考えておりません。この問題については、今回が初めてではありませんので、今申し上げましたけれども、昨日まで行われた国際会議のなかでは、北朝鮮のこうした国連決議に違反するようなことについては、しっかりと連携するという対応を行ってきているということは事実であります。

記者6:核実験を強行するにあたり、北朝鮮からアメリカや中国に事前に連絡があったかどうかというのは、日本政府として確認はしているんでしょうか。

:承知しておりません。

記者7:朝日新聞のイワオです。先ほど、これまでに短期間で核実験を強行したという話がありましたけれども、おっしゃるように弾道ミサイルの発射も相次いでおります。北朝鮮の軍事脅威がどんどん増している状況だと思うんですけど、この背景をどのようにお考えでしょうか。

:情報収集のもとに分析をいたしておりますけれども、そこは政府としてコメントは控えたいと思います。

ただ、政府としては今日まで、北朝鮮の一連の行動については、24時間最大限の警戒にあたって、国民のみなさんの安全・安心を守るためにしっかりと取り組んでいるということは申し上げたいと思います。

記者8:朝日新聞のイノウエです。日本と北朝鮮には拉致問題という大きな問題がありますけれども、今回の核実験が拉致問題の進展に与える影響というのはいかがでしょうか。

:いずれにしろ我が国としては、1日も早いすべての拉致被害者の帰国を実現すべく、今日まで全力で取り組んでいることも事実です。

まさに「行動対行動」「対話と圧力」。こうしたことのもとに、私たちはなんとしても拉致問題を解決、安倍内閣の最重要課題でもありますので、ここはしっかり取り組んでいるところであります。

記者9:共同通信のハラグチです。独自制裁についておうかがいします。前回、国連の制裁が遅れて、日本の独自制裁が先行しました。今回は国連安保理決議の制裁のスピード感はどのように……。

:そこは連携しながら取り組んでいきたいと思います。

記者9:独自制裁が先行する可能性もあるということでしょうか。

:いずれにせよ、国連の制裁がスピーディに行うことができなければ、当然、わが国をはじめとする、そうした制裁をする国と連携をしながら取り組むことは考えてますけれども、ただ、どういう制裁が一番有効であるかということも十分に考えながら、行っていきたいと思います。

記者9:もう一度、共同通信ハラグチです。今後北朝鮮が今回の核実験に関してなんらかの発表を行うという情報はあるんでしょうか。

:承知してません。

ありがとうございました。

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