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《内閣改造》安倍晋三 内閣総理大臣会見 生中継(全1記事)

安倍晋三氏「都知事選の民意を噛みしめる」自民公認の敗北を受けて語った、小池都政との向き合い方

2016年8月3日、内閣改造の発表を受けて安倍晋三氏が記者会見を行いました。会見後の質疑応答では、総裁任期の延長や都知事選の敗北について記者からの質問に回答しました。

自民党総裁の任期延長は考えていない

記者1:テレビ朝日のフジカワです。内閣改造と党の役員人事についておたずねします。幹事長に起用された二階(俊博)さんにどのような役割を期待するかということをおたずねいたします。自民党内では、二階さんの起用について、総裁任期の延長に向けた環境整備ではないかという見方も出ていますが、総裁任期の延長についてのお考えをお聞かせください。

また、将来の総理候補と目されている石破(茂)さんが、閣外に出たことによって、今後の政権運営にどのような影響があるとお考えでしょうか。

安倍晋三氏(以下、安倍):今回、自民党が参議院選挙で単独過半数を獲得するまで27年の歳月を要したわけであります。失った信頼は、四半世紀かけなければ取り戻すことができない。

このことを私たち自民党員全員がしっかりと噛みしめなければならない。そのうえで国民のみなさまから付託された責任のもとに、期待に応えなければならないと思います。

選挙を通して訴えた政策を、しっかりと結果としてお示ししていくことによって、選挙でいただいた信頼に応えていかなければ、我々は再び一気に国民の信頼を失ってしまうわけであります。

この責任は閣内にいようと閣外にいようと変わりはないということだと思います。その思いがあって、一丸となって政策に向かっていかなければいけないと思います。その思いは、石破さんも同じだろうと思います。

石破さんには、地方創生大臣として大きな成果をあげていただきました。敬意を表したいと思います。今後も党にあってしっかりとともに力を合わせて強力をしていただけると、こう確信をしております。

自民党はもとより多くの多様な意見をまさにぶつけ合う、侃々諤々の議論をする中から、我々はエネルギーを勝ち得ていたと思います。

しかし、いったん結論が出れば、みんながまとまっていく。そのことによって我々は政権与党としての責任を果たしてきました。その矜持をみんなが持っているから、我が党は野党に転落したのち、衆議院2回の選挙、参議院の選挙に勝ち抜くことができた、そう思っています。

二階幹事長には総務会長としてそうした議論のとりまとめにあたっていただいた。百戦錬磨。いわば自民党においてもっとも政治的技術を持った方だろうと思っております。しっかりと党内の意見を集約してきた、この見識を持って、幹事長としてリーダーシップを果たしていただきたいと思っております。

私の任期はまだ2年残っておりまして、まだまだ課題が山積をしておりますから、その仕事を果たすことに全力を尽くしていきたいと思っています。任期の延長ということについては、まったく考えておりません。

任期中に憲法改正を果たしていきたい

記者2:朝日新聞のウチダと申します。憲法改正についてうかがいます。総理は国会の憲法審査会で憲法改正の議論をしていく考えを示されていますが、次の臨時国会から具体的な議論に入りたいという考えはございますでしょうか。

またご自身の在任中に憲法改正を実現したいともおっしゃっていますが、憲法改正の発議から国民投票までどのようなスケジュール感を持って臨みたいと考えてますか。

安倍:憲法改正は、立党以来の我が党の党是と言ってもいいと思います。当然、私は総裁でありますから、その実現のために全力を尽くしていくことは当然であり、今までの歴代の自民党がそうであったように、この難しい課題に挑戦していくという責務を負っているんだろうと思います。

ですから、それは自分の任期中に果たしていきたいと考えるのは当然のことであり、それは歴代の自民党の総裁もそうであったんだろうと思います。

そう簡単なことではないのは事実でありました。その事実を噛み締めながら、現実において一歩一歩進んでいくことが求められているんだろうと思います。

憲法改正は普通の法律と異なりまして、3分の2の賛成で発議するのでありまして、国会はその役割を果たす、発議するのが役割であると。決まるのは国民投票によって、過半数の賛成を得て決まるものであって、与党が賛成すればできるというものではないわけであります。

ですから例え、その数を選挙で得たからといって、改正が達せられるものではなくて、大切なのは国民投票でその勘案を得ることができるかということではないかと思います。ですから、まずは具体的にどの条文をどのように変えるかというのは、国民的な議論の末に収斂していくものだろうと思います。

まずは憲法審査会のなかで、静かな環境において、所属政党にかかわらず、政局のことは考えるべきではないと思いますね。政局ではなくて、しっかりと日本の未来を見据えて議論を深めていってもらいたいと。そしてそれが国民的な議論につながっていくことを期待したいと思います。

デフレ脱却に向けた政策

記者3:ウォールストリートジャーナルです。日本銀行の金融緩和についてですけれども、日銀のさらなる経済の後押しが期待できなくなったのではないかという見方が広がっていると思います。このことが日本経済にどのような影響を与えると思いますか。

安倍:金融政策の具体的な手法については日本銀行にゆだねるべきだと考えておりますし、私は黒田総裁の手腕に信頼を寄せています。

そして黒田総裁は現在の金融政策について、限界がきていることはまったくなく、その時々で適切な政策を行う旨を発言されていると承知をしています。

政府としては引き続き、日本銀行が2パーセントの物価安定目標に向かって進んでいく。物価の安定を図るためにしっかりと政策手段をとっていくものと考えております。

昨日、政府は未来への投資を大胆に行う経済対策を決定いたしました。今後、政府・日本銀行が一体となってあらゆる政策を総動員して全力でデフレ脱却に取り組んでいきます。

小池百合子氏の都知事選勝利を受けて

記者4:東京新聞のセキグチと申します。先の東京都知事選についておたずねします。自民党と公明党の推薦候補を破って、第1次安倍政権で防衛大臣を務められた小池さんが都知事に就任されました。

自民党が分裂した選挙結果をどう受け止められ、小池都政とどう向き合うお考えでしょうか? 小池知事は膨張する恐れがある東京五輪パラリンピック費用の適正化を求めておられますが、政府としてどう対応されるのでしょうか?

安倍:4年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックを必ず成功させなければなりません。言わば、この東京オリンピック・パラリンピック、かつての1964年のオリンピック・パラリンピックのように子供たちが夢や希望を持てる大会にしていく。それが私たちの責任だろうと思います。

この共通の責任に向かって、主催都市は東京都でありまして、東京都を中心に、組織委員会・政府、そしてさまざまな関係者がよく連携をして議論を重ねていくことが必要だろうと思っています。

そして、今回都知事選挙で指名された民意を私たちはしっかりと、自民党においても当然噛みしめていかなければならないと考えています。

政府としても、丸川担当大臣を筆頭に東京都そして都民のみなさまと共に、力を合わせて全力で取り組んでいきたいと考えています。

年内を目処に働き方改革のガイドラインを提出

記者5:NHKのハラと申します。働き方改革についておうかがいいたします。働き方改革について、総理はどのようなスケジュール感で、いつまでに具体的にどのような成果を上げていこうとお考えでしょうか?

また、同一労働同一賃金の実現に関しては、中小企業の負担になるという指摘がありますが、こうした点についてはどのようにお考えでしょうか?

安倍:子育てや介護、そういうような需要に応じた働き方ができる、そういう社会を作っていかなければいけないと思ってます。そういう社会になっていくことで活力を生み出すことができると思います。

働き方改革というのは誰もが生きがいを感じられる、一億総活躍をひらく、最大のカギであると考えております。長時間労働の慣行を断ち切り、雇用形態に関わらない均等待遇、同一労働同一賃金を確保します。

スケジュールについては、年度内を目途に具体的な実行計画を取りまとめます。今後、各課題について、できるものから具体的に方針を固めつつ、法改正が必要なものは順次法案を提出していく考えです。

例えば、同一労働同一賃金については、年内を目途にガイドラインを策定しつつ、その後、関連法案、改正の検討を行い、早期に国会に法案を提出していきます。

同一労働同一賃金、そして長時間労働の是正以外の課題としては、高齢者の就業促進、テレワークの推進など広汎に議論を行っていかなければなりません。

企業の負担につきましては、同一労働同一賃金について、雇用慣行には十分配慮しつつ、産業界ともよく議論をするかたちで進めていきたいと考えています。

そして同時に、最低賃金については、予算も含めて、中小企業、小規模事業者への支援に否応なく取り組んでいかなければならない。

つまり、中小企業小規模事業者も、今、進めているこの働き方改革、あるいは最低賃金について対応ができるように政府として支援をしていかなければいけないと考えています。

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