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増田寛也氏 出馬表明会見(全3記事)

【全文】増田寛也氏 出馬表明会見「東京都政のトップに立って、子育て・少子化問題を解決する」

元総務大臣、前岩手県知事、現野村総合研究所顧問の増田寛也氏が東京都知事選挙への出馬を表明。2016年7月11日に開かれた記者会見を全文書き起こしました。

増田寛也氏(以下、増田):みなさま方にお集まりをいただきまして、大変ありがとうございます。私、増田寛也と申します。都知事選挙に立候補をいたします。

今日はこの場をお借りいたしまして、都民のみなさま方に私の考え方を申し上げたいと思います。

この4年間で3人のリーダーが交代をいたしました。都政は停滞と混乱を招いております。しかし、その間に多くの課題が山積みいたしております。

今、東京都に必要なこと、なかんずく都政に必要なことはこうした積み重なっております課題を早く解決する。

そして、2020年のオリンピック・パラリンピックがございますが、その後の東京の姿も考えながら、これからの首都としての東京をしっかりとしていくことが必要だろうと思います。

私はまず、お手元に資料を配布させていただきましたけれども、3つの不安の解消に努めたいと思います。

1つ目は子育てについての不安。

待機児童が今8,000人と言われておりますが、実際にはもっと多いと思います。親御さんが泣く泣く待機児童の解決のために本当にご苦労されている。

こうした子育て、待機児童に関しての問題の解決に早急に努めていきたいと思います。詳細別途また資料等もお配りしておりますが、いずれにいたしましても、まず大きな取り組みについて初めに申し上げております。

2つ目は高齢化の問題であります。

2025年、これから10年後ですが、この間に東京都の75歳以上の高齢者の数は今よりも50万人増加すると、このように推計されております。

とくに区部ではこうした高齢者のみなさま方が利用される介護施設やそこで働くみなさま方が大変不足をいたしております。この高齢化問題、速やかに解決を導かなければなりません。そのために全力を挙げてまいります。

3つ目の不安の解消、これは防災、とくに首都直下地震対策についてであります。

30年以内に70パーセントの確率で発生すると言われております、首都直下地震。私は3年前に中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキングの責任者として、仮にこの地震が発生した場合に、最悪61万棟の家屋が焼失・倒壊するという推計をいたしました。こうした災害から強い東京を作っていくことが急がれます。

5年前の東日本大震災、全国に大変な被害をもたらしたわけであります。とくに地震はいつなんどき発生するかわからない。

この大事な首都のさまざまな機能をきちんと確立していく上でも、この首都直下地震対策、この不安の解消に全力を挙げたいと思います。

そして、こうした3つの不安の解消に努めると同時に、合わせて3つの成長プランを実行していく考えであります。

1つ目は2020年に開催をされますオリンピック・パラリンピックの体制整備ということであります。

今、このための準備、いろいろな負の要素がありまして、大変遅れてまいりました。招致が決まったときの日本中が喜びと感動に沸いたあの瞬間をもう一度この祭典で呼び起こしたいと。

準備を急ぎ、そしてこのオリンピック・パラリンピックを契機に、例えば、東京をユニバーサルデザインの街に変えていくといったさまざまなアイデアを実行してまいります。

2つ目は観光産業を一大産業にさらに伸ばしていくということであります。昨年、全世界から2,000万人の観光客が我が国に参りました。そのうちの約60パーセント、1,200万人がこの東京を訪れております。

こうした観光客のみなさん方が、東京のみならず、地方に連携して、そちらのほうにも訪れる。そうしたことになりますと、日本の良さをさらに幅広く体感をし、東京それから地方、全体として、我が国を訪れる海外からのお客様に大きな感動を与えることが可能であると思います。

そして、まだまだこの東京といえども、外国からのお客様を迎え入れる体制が十分整っているわけではありません。

クレジットカードの利便性の問題等、多々ある問題についてより整備を進めて、この観光産業をより強固なものにしていきたいと思います。そのほか、東京の産業・経済を支えている、実はその99パーセントが中小企業であります。

このような中小企業をさらに活性化させていく、そのためのさまざまなアイデアを実行していきたいと思っております。

そこで働くみなさん、そうした人たちのワーク・ライフ・バランス、とくに女性のみなさんの働き方の問題、ワーク・ライフ・バランスの確立が急務でございます。

こうした働き方の改革を進めて、とくに若い世代が誇りと生きがいを持って働けるような東京を作っていきたい、女性が十二分にその能力を発揮できる、女性活躍の仕組みづくりをしていきたいと思います。

3つ目は、2020年以降についてであります。2020年のオリンピック・パラリンピックは1つの通過点であると思います。

そこでのエネルギーを、その後にどのように活かしていくのか。私は、その後の大きなグランドデザインを考えながら、東京が首都にふさわしい、そのような街づくりに先頭に立って努力をしていきたいと思います。

以上、大きな考え方、当面解消すべき3つの不安、その解消と、同時並行に進めるべき3つの成長戦略について申し上げました。

東京一極集中について、私は外部からこの問題について厳しい指摘をこれまで行ってまいりました。地方の知事をして、この東京一極集中、そしてそれがもたらす人口減少、大変危惧を覚えたものでございます。

この東京一極集中によって、実は全国の日本の総人口がきわめて急速に減少していく。1.17という合計特殊出生率のこの東京に、多くの若者が吸い寄せられてしまう。

それは地方に対しての危惧でもあると同時に、東京のなかで、例えば、保育や介護がこれからさらに大変になっていくということにもつながる。このような指摘をしてきたところであります。

先週、都の行政の本当にパートナーであります、区長さん、そして市長さん、町村長さんとの意見交換、対話をしてまいりました。

みなさん方も、従前から大変大きな問題を私のほうに寄せてこられたわけてありますが、現場で最前線で一番ご苦労していらっしゃる、こうした人たちの声を受けて考えますと、この少子化人口減少の問題に対して、問題提起をして私が1つのけじめとして、東京都政のトップに立って、東京の子育て、そして少子化の問題を解決する、その責任を果たす必要があるのではないかと、このように考えたところであります。

それと同時に、この東京の活力、これを地方の活力を結びつけていく。私は外からこの東京の姿をいろいろな行政のやり方を見てまいりましたが、さらに地方と連携を強めることによって、両者が共に発展していく、そのような仕組みが可能であると思います。

東京一極集中をこの問題をきっかけとして、東京や地方や、日本そのものが抱えている課題の解決に先頭に立って当たっていきたい、このように考えております。

少し私の行政の姿勢、政治姿勢について申し上げたいと思います。

4年間で3人のリーダーが交代をする、それぞれさまざまな原因がございますが、いずれにいたしましても知事に求められるものは、しっかりとした責任感と使命感、さらには現場目線、生活感覚、これを活かした行政を展開することと思います。

知事としての日程をきちんと公開をする、そして海外出張を始め、行動するときのあり方についても都民のみなさま方から、十分にご納得がいただけるような、そういうルールを作っていくと。

これが都政に対する信頼を回復する上で必ず必要になってまいります。こうした知事としての行動、あり方について、私も早速、都庁のなかの人たちと共に、このいいあり方、望むべきあり方について考えていきたいと思います。

最後になりますが、誰にも大きな夢、そしてそれを実現したいという強い熱い思いがあると思います。

私、今回、選挙戦を戦うにあたって、あたたかさとそして夢の実現を図ると、このような考え方を私の政治団体の名称に付けたいと思っております。

若い人は若い人の夢、そしてご高齢の方はご高齢の方なりに、自分の夢を実現していきたい。そのような熱い思いを持っていらっしゃる。それを一緒になって東京をよくしていく、首都の東京をさらに風格のある都市にしていくために、私は先頭に立っていきたい。

さまざまな自治体のみなさま方のお話を聞き、私も、この都政の混乱を考えて、まさに都政の混乱を解決する上で、先頭に立ってがんばらなければ、と気持ちにスイッチが入りました。

これまで、岩手県知事として行政の経験を行ってまいりましたが、日本全体を考え、そして東京都政を担うものとして、きちんとしたスイッチの切り替えを行って、そして都民の最大幸福の実現に努力をしていきたい。このようの思います。東京は私の生まれ育ったふるさとであります。

このような機会を与えられた、これも本当に普通では考えられないことでありますが、こうした機会を十二分に活かす、総務大臣や地方行政にこれまで携わってきた、そうした経験などを十分に発揮して、これからの都政を引っ張っていく覚悟でございます。

まず、冒頭、私のほうから、お話をさせていただきました。さまざまなご質問等があろうかと思いますが、大変概略でございますけれども、以上とさせていただきます。

なお、お手元のほうに、今、申し上げましたようなことを少しまとめて、私の決意、それから私の主張というようなかたちで、「増田寛也3つの実現」ということで資料を配付させていただいております。

どうぞお目通しをいただければ幸いです。以上です。ありがとうございました。

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