2024.10.10
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森本哲也氏:宿泊・飲食につきましては、みなさんのお手元にある報告書の末尾の別表に詳細に記載しております。それをよく読んでいただければと思うんですが、ここではかいつまんで概訳を説明させていただきます。
まずは宿泊です。現在、大きく報道されている、千葉県木更津市のホテルでの宿泊も含めて合計6件について是正の必要性があると判断いたしました。
ここでは時間が限られておりますので、詳細には説明できませんが、この6件の不適切と判断したものについて、説明させていただきます。
別表1の項番4番。平成22年の8月20日、下関市のホテルでございますが、これは舛添氏は家族を同伴してます。
この際、支援者である友人も合流しておりますので、支援者との会合という側面はございますが、主たる目的は家族旅行であったと解釈するのが合理的でございますので、政治資金を用いたことについては適切であったと認めるのは困難だと。
続きまして項番5。大阪市内のホテルでございます。これも舛添氏が家族同伴で大阪市におもむいております。
テレビ出演、支援者との会合等、それらの行事があったことからすれば、政治活動に無関係であるとまでは言えません。
しかしながら、家族同伴で出ること、支援者との会合ということが娯楽施設で行われていたという事実に鑑みますと、主たる目的は家族旅行であったとするのが合理的でございますので、政治資金を用いたことは適切であったとは認められない、という結論であります。
続きまして項番9。横浜市のホテルでございます。これも舛添氏が家族を同伴して1月1日から1月3日まで宿泊したものでございます。
舛添氏の説明によりますと、宿泊期間中、神奈川県の政治家との会合を行ったとのことでございます。この説明を前提にすれば、政治活動とまったく関係がないとまでは言い切れません。
しかし、客観的には家族旅行期間中に、短時間だけほかの政治家と意見交換をしたということに過ぎず、全体として考察しますと、私的な宿泊であったと言わざるをえないため、政治資金を用いたことは適切であるとは認められない、という結論でございます。
続きまして、項番16でございます。栃木県日光市の旅館での宿泊でございます。こちらも家族同伴で動いておりますが、舛添氏の説明によりますと日光市内にある美術館の館長から芸術家の展覧会に招待され、関係者とともにこの展覧会を鑑賞後、家族とともに旅館に宿泊したと。
この芸術家というのが、舛添氏が得意とする日・仏交流、この観点から重要な人物であるという意味で政治活動に無関係と断言することはできません。
しかしやはり、他の宿泊と同様に主たる目的は家族旅行であったと解釈するのが合理的であると思いますので、政治資金を用いたことは、適切であったとは認められないという結論でございます。
続きまして、みなさまが注目されている、木更津市内のホテルでの宿泊でございます。平成25年1月1日から1月3日まで宿泊しておりますが、家族同伴でございます。
舛添氏の説明によりますと、平成24年12月実施の第46回衆議院議員選挙で結果を出せなかったことをふまえ、政治家としての今後を判断しなければならない状況に置かれていた。
そのため、マスコミ等に注目されている中、宿泊期間中に付き合いが長い、かねてより相談相手に乗ってもらっていた方、その方を客室にお招きして、今後の政治家のあり方について相談をしたと、舛添氏は説明しております。
面談については、数時間程度であったとのことであります。この説明をふまえますと、今回の宿泊ですが、政治活動に無関係であったとは言えません。
しかしながら、ほかの宿泊と同様に全体として見れば、家族旅行との間に数時間程度会話をしたということでございまして、家族旅行がメインであると理解するほかなく、政治資金を用いたことが適切であったとは認められないという結論でございます。
最後になりますが、項番18、こちらも木更津市内のホテルでの宿泊でございまして、平成26年1月1日から1月2日までに宿泊したものでございます。
舛添氏から事情聴取したところ、前都知事の突然の辞職により、平成25年2月に実施されることになった都知事選に出馬すべきかどうかを検討している時期でありまして、先ほど説明した方と同様に、宿泊期間中に先ほどの相談相手の方を客室に招き、出馬について相談したとのことでございます。
面談は1時間程度であったとのことです。この説明内容を踏まえますと、政治活動まで無関係だったと言えます。
全体として見ると、家族旅行であると判断するのが合理的でございますので、政治資金を用いたことが適切であったとは認められない。ということでございます。
続きまして飲食でございます。こちらも大きく報道されております、自宅や別荘近くでの飲食を含めて、合計14件について是正の必要性があると判断いたしました。
また、大きく報道されておりました、喫茶店での18,000円の支出でございますが、これはコーヒー45杯分ではなく、一覧表に記載しましたとおり、早朝の勉強会として開催された政治資金パーティ。こちらの出席者や関係者に朝食として提供されたサンドイッチ代であったことが確認できております。
飲食店につきましては、舛添氏と家族だけで利用する、舛添氏がご家族抜きで政治活動の一環として利用する。舛添氏と政界関係者や支援者が会食した際にご家族も同席する。こういったパターンがあります。
このうち、ご家族抜きで、政治活動の一環として利用したと認められる場合について、政治資金の使途として不適切ではない。こういう判断をしております。
時間の制約もございますので、是正の必要性があると判断された14件について、簡単に説明いたします。
項番12、13、14。こちらについては時間の関係もありますので、そちらを読んでいただければと思いますが、中華料理店、銀座の天ぷら料理店、自宅近くの天ぷら料理店の飲食店について、是正の必要があると判断しております。
続きまして、項番で言いますと29番、大阪でのレストランでの飲食でございますが、こちらは先ほど宿泊でも出てきましたとおり、大阪出張の際の家族同伴の飲食と見るのが合理的ではないかという判断で、是正の必要があるという結論でございます。
続きまして、項番45、46、47。この3つも是正の必要があると判断しております。いずれも別荘近くでの飲食でございます。続きまして、項番51、54、55、56。別荘近くの回転寿司。ご自宅近くの天ぷら料理店、イタリア料理店につきまして、是正の必要があるという結論でございます。
このうちいくつかにつきましては、すでに舛添氏のほうで返金はしているものでございます。つきまして59と61。こちらについても是正の必要があると判断しております。59と60、いずれも自宅近くの天ぷら料理店でございます。
最後になりますが、項番64。ご自宅近くにイタリアンレストランでございます。こちらについても是正の必要があるという結論でございます。
具体的な理由、検討結果につきましては、別表に、詳細に記載しておりますので、そちらをご覧ください。以上です。
舛添要一氏(以下、舛添):先生方、どうもありがとうございました。極めて短時間のなかで60ページを超えます、調査結果報告書をおまとめいただいたことに、心より感謝申し上げます。
「違法な点はない」との結果を聞きましたけれども、他方で公私の区別があいまいな支出があって、不適切であるという厳しいご指摘をいただいた点をたいへん恐縮をいたしております。
ふりかえってみますと、私は国会議員として自民党に所属していた時代には、税金を厳守としますいわゆる政党助成金につきましては、自民党は独自に作成いたしました内規に基づきまして、助成金の使い道は極めて限定されておりました。
政党助成法上は、この使い道についてとくに制約はございませんでしたけれども、飲食や介護などにおいては、それは使用しないという内規がございました。
毎年自民党支部の助成金が内規に従っているかというのは極めて厳しく当本部からチェックをされておりました。公認会計士が内部チェックをしておりましたことを記憶しております。
しかし、私は自民党を離党しまして、平成22年4月に新党改革を結成して、代表に就任しましたのちは、政党助成金以外の政治資金が少ないということがあったり、自民党時代のような政党助成金内部チェックシステムもございませんでした。
また、自分自身が党の代表であるという慢心もあったと思います。
今回の調査で、使い方が必ずしも適切ではないと指摘されることが多くなったということは心から反省をいたしております。
また、多くの方々から、「他人には厳しいけど自分には甘いんじゃないか」「身銭を切ってないんじゃないか」「公私混同だ」と、そういった厳しいご批判を受けております。
そのことについても、厳しく反省をしたいと思っております。
また、これまで私が著書や取材などでいろんな発言をしてまいりました。テレビでの発言もあります。
「そういう発言と、今やっていることは矛盾しているんじゃないか」。そういう厳しい批判も受けております。
しかし、まさにそのような批判を受けるに値するような極めて恥ずかしい行動を行ってきたと、心から反省したいと思っております。
そこで今後の対応でございますけれども、このようなみなさま方の声を胸にしっかりときざみまして、公私の区別を明確にして、みなさま方の信頼を少しでも取り戻すべく、粉骨砕身、都政の運営に努めてまいりたいと考えております。
しかし、「言行一致じゃない」「信用できないじゃないか」。そういう厳しいご批判もたまわっていることはじゅうぶん承知しておりました。自分自身でけじめをつけたいと考えております。
そこでまず、調査報告で違法ではないが、いま先生方から「不適切」と指摘を受けた点について申し上げたいと思います。
まず宿泊費や飲食費の支出において、そういった指摘を受けましたので、これは返金をいたしたいと思います。その返金につきましては、私の個人資産から返金をいたしたいと思います。
そして、私とはまったく関係のない慈善団体などに寄付をしたいと思っております。
ただ公職選挙法上、「寄付行為禁止」というのがあります。それに抵触しないよう、どういう寄付先を選定すればいいか、関係の専門家に相談しているところでございます。
それから美術品などにつきましては、弁護士さんから今、「公私の区別を明確にせよ」という勧告がございました。
常に申してきましたとおり、私はこれを財テクとして買ったつもりはありませんし、政治活動のツールとして、利用することが終わる、つまり私が政治団体を解散するときには、それらを必要としてくれる、例えば美術館、そういうところに寄付をしたいと思っております。
また、現在何ができるかということなんですけども、今これらの美術品は知事室、応接室、廊下などにたくさん展示しておりまして、それに加えまして、例えば東京都の病院・福祉施設などで活用していただけるところがあれば、ぜひお願いしたいと思っております。
今回の一連の件で、発端になりましたのが、私の湯河原への公用車利用でございまして、都民のみなさまをはじめ、都議会のみなさま、そして都庁の職員のみなさまにたいへんなご心配・ご迷惑をおかけしているところでございます。
それで、これからも私が湯河原へ行くということがあれば、さらにみなさま方に無用のご心配をおかけするということをたいへん危惧しております。
そこでこの度、この施設を所有する会社とも相談いたしました。この際、この湯河原の施設は第三者に売却するということで自らのけじめをつけたいと思います。できるだけ早く、この施設を買っていただける方を探して処置をしたいと思っております。
最後になりますけれども、みなさまにお約束しておりました、調査報告をこういうかたちですることができました。
そして、私なりにいくつかのけじめを表明させていただきました。
今後も、この決意を実際に現実的に移行する過程で、今日調査していただいた先生方にしっかりと勧告を受けていきたいと思っております。
明日から、今日の調査結果に対しまして、都民の代表であります都議会の先生方から厳しいご質問を受けることになります。
先生方からの厳しいご意見やご質問につきましては、今まで自分に足りなかったことを反省させていただける機会だと強く自分を戒めていきたいと思っております。
生まれ変わった気持ちで、新たに都政のために尽くさしていただけるように、明日からの代表質問・一般質問におきまして、都民のみなさまへの説明責任を丁寧に果たしてまいりたいと思っております。
今日は調査報告がなされたことをご報告するために、緊急ではございましたけれども、こうした記者会見に多数お越しいただきましたことに心から感謝を申し上げます。私からは以上です。
司会者:それではご質問のある方は指名されましたら、社名とお名前を名乗ってからご発言お願いします。では、そちらのグレーのジャケットの女性の方。
記者1:日本テレビ『NEWS ZERO』のコマサと申します。弁護士の方のお二人におうかがいします。
今回の調査に当たり、舛添知事からの報酬は受けていらっしゃるんでしょうか? また、引き受けられた理由について教えてください。
佐々木善三氏(以下、佐々木):報酬につきましては、通常お答えしないことになっておりますので、お答えはいたしません。それから、引き受けた経緯でありますが、親しい知人から話がありまして、最初舛添氏の秘書の人に会って、いろいろ話を聞きましたところ、これは自分として引き受けていい案件だと思いましたので、引き受けました。
そして、隣の森本弁護士は、同じ事務所で一緒に仕事をしている弁護士でありますが、信頼できる弁護士でありますので、森本弁護士に話をして、森本弁護士も引き受けてもいいということでしたので、舛添氏の秘書にその旨を話しましたところ、それでは2人にお願いしたいということで、引き受けることになりました。
記者1:今のに関連して、一般的に疑惑を抱える方本人から依頼されて調査を行うということに関しては、客観性は確保されるのでしょうか。
佐々木:第三者委員会というのは基本的にそういうものですし、まあ今回はもちろん第三者委員会ではありませんけども、第三者委員会のことをあまりご存知ないと思いますけども、第三者委員会というのは基本的にはそういうものです。
司会者:はい。じゃあそちらの紺のジャケットの方。
記者2:ニコニコ動画のナナオと申します。都知事よろしくお願いします。まず今回の調査を受けて、どのように都民に対応されていくのか。とくに道義的な問題について、今回十分調査ができたとお考えでしょうか。
舛添:調査は厳正に行っていただいたというのは、今、両先生方からのご説明でおわかりになっていただけると思います。
それでたいへん厳しいご指摘を受けておりまして、「是正しろ」というようなこともございました。そして、「違法ではないけど不適切である」ということでありますので、先ほども申しあげましたとおり、しっかりと対応をしてまいりたいと思っております。
記者2:今回配られた報告書なんですが、これは一般の都民などは見ることができるんでしょうか? 現段階ですけれど、公開するご予定はございますか?
佐々木:知事がお答えしにくいかと思いますので、弁護士の私からお答えします。これは知事に提出したものでありますので、知事が都議会等で説明のために必要があれば、それはお示しになると思いますし、知事が都議会でお示しになった内容が都民に伝わるのは自然な流れかと思います。
記者2:ありがとうございます。できれば、都民も都知事のホームページから報告書に自由にアクセスできるように公開されたほうが都民はよくわかるんでないでしょうか。ご検討いただければと思います。
舛添:検討して、どういうかたちが一番適切か考えたいと思います。
記者2:加えまして、都知事へのヒヤリングの調査などに使用した資料もできるだけ公開されたほうがいろんな方の目に留まるかと思いますのでご検討いただければと。
舛添:ありがとうございました。検討させていただきます。
記者3:NHKのエガシラです。何点かありまして、最初の質問は佐々木弁護士にお答えいただいてもけっこうなんですけれども、ホテルの宿泊代についておうかがいしたいと思います。
是正の要否が「要」とされたものがありまして、いずれも理屈としては「政治活動には無関係とは言えないけれども、家族同伴で家族旅行の色彩が強い」という、そういう理屈なんだと思うんですけれども。
「政治関係と無関係とは言えない」と結論を導き出した部分について、相手方はどういう確認の仕方をされているのか。
要するに、出版者の社長と会っていたとか、支援者の社長と会っていたとか。どういう確認の仕方をされたのか?
佐々木:よろしいですか? 例えば、出版者の社長の件に関して申し上げますと、これはいろんな事情があってご本人からはヒヤリングをすることができませんでした。
それで、出版者の社長の周囲の人からヒヤリングをしましたところ、それをそれを裏付けるような事実関係は確認できております。
記者3:いずれも、この「要」とされた件は全部ですか?
佐々木:必要に応じて調査いたしました。
記者3:してないものもあるということですか?
佐々木:必要に応じて調査いたしました。
記者3:あともう1つ、これは舛添知事におうかがいしたいんですけれども、ホテルの件も含めて、多岐にわたって公私混同とも言えるような指摘がされているわけですけれども。
これについて、責任をどう取るのかという問題。進退について問う厳しい声も出ております。それについて、もう一度責任をどう取るかをおうかがいしたいと思います。
舛添:これは都民の代表であります都議会のみなさま方と、明日から代表質問・一般質問を通じてしっかりと議論をしてまいります。
そして、真摯にいろんなご質問にお答えしたいと思っております。その過程でどういう対応を取るのかということについては、考えてまいりたいと思っております。
記者3:もう1つ、佐々木弁護士におうかがいしたいんですが。多岐にわたって、公私混同の指摘をされているわけですけれども、政治家としてのこういう政治資金の使い方について、調査をされた弁護士の方としてはどのようなご見解を抱くか教えていただきたいんですけど。
佐々木:トータルとしての評価というのはなかなか難しいんですけれども、個別の評価で不適切な部分がかなりありますので、我々としては、「不適切な部分がかなりあります」といういうことですね。
記者4:日本テレビのクノムラと申します。知事は以前の会見で、「言いたいこともいっぱいあるけれども、今は言うべきではない」とおっしゃっていたことがあると思いますけれども、今回調査結果を受けて、今まで言いたかったことでしたり、思われていることがあったら教えてください。
舛添:極めて厳しい調査結果、そしてご指摘を今いただいておりますので、今はそれを厳粛に受け止めてしっかりと反省し、改めていきたいというのが、今の私の最大の思いでございます。
記者4:もう1点なんですけども、「違法ではないけれども不適切であったというしかない」というところが、なんとも表現しがたい、グレーといいますか、このところがまた都民の方の不信感につながっていると思うんですけれども。どのようにして都民の信頼を回復していこうと思われていますか?
舛添:不適切という厳しいご指摘を受けた点は、今後そのようなことがないように改めて行きたいということと、本当に生まれ変わった気持ちで、都政に全力をあげるかたちで、そう一朝一夕に信頼は回復できないと思いますけれども、都民のために努力をして仕事をしていきたいと思っています。
記者5:TBSのフジモリと申します。まずは先ほどもお話に上がりましたが、木更津市のホテルでのお正月の宿泊について、これは直接ヒヤリングを新聞社の方にはしていないということなんですが。
それでも弁護士の方々の調べによりますと「これは事実として間違いない。その場にいた」と断言できると捉えてよろしいんでしょうか?
佐々木:これは事実認定の問題ですので、我々としてはそういうふうに認定したということです。実際に知事がそう言っていて、それに沿うような裏付けがあれば、それをやはり疑うことはできないということですね。
記者5:それ以外の飲食店なども含めて、この調査報告書によると、「舛添氏本人や秘書および関係者らのヒヤリングを行った」とありますが、関係者というのは具体的にどういう方が含まれているんですか?
佐々木:関係者というのは関係者ですよ。
記者5:では質問を変えますが、例えば、飲食店の是正の必要があるというお店に関しては、直接お店の店員だったり、関係者にヒヤリングは行っているんでしょうか?
佐々木:そういうヒヤリングを行うことによって、どういう意味があるんですか? 例えば、あなたがそういう人に質問をしたとしてどういう答えが返ってきますかね?
記者5:実際にその……。
佐々木:我々は、このなかでも不適切としているものについては、ヒヤリングをしたって不適切なんだと思っているんですよね。
記者5:具体的に時間をかけて、より詳しい情報、信憑性があるかないか……。
佐々木:いやいや、あなた事実認定というものをご存知ないからそういうことを言いますけれども。すべてヒヤリングをしなければいけないというものではないんです。
例えば、古本屋の店主の方に、『毛沢東大躍進秘録』というのが17ページの一番上にありますけれども、そういうのを「舛添さんはお買い求めになりましたか?」と聞く。「はい、そうです」「いや、違います」と言っても、実際にそういうものが舛添さんの手元にあるんですよ。そして、買ったという領収書があれば、そういうものを買ったと認定するのが当然ですよ。
記者5:でもひょっとしたら、その場に、これが確実な事実とは言えない可能性もあると取られかねないと思うんですけれども。十分な調査を尽くしたと言えるんでしょうか?
佐々木:十分尽くしたと思っています。
記者5:では、舛添知事ご本人におうかがいいたします。改めて、記憶にない部分もいろいろあるかもしれませんが、木更津市のホテルに宿泊された際には、どなたと一緒に宿泊されたんですか?
舛添:それは今、弁護士の先生方が調査をされたことですので、私から言うことは差し控えたいと思っております。そのための調査であります。
記者5:納得のいく、誠実のある説明というのは一つひとつに答えていくことだと思うんですが、知事本人からはコメントはありませんか?
舛添:先ほど申し上げましたように、私がいろいろ申し上げましても、なかなか報道が先行するなかで、信憑性を問われ、「お前の言うことは信じがたい」ということですから。
厳しい、そしてこの問題に精通している、弁護士の方々にお願いしたということでございますので、それは何度も繰り返しているとおりでございます。
記者5:最後に1つだけ、知事は「生まれ変わった気持ちでこれから臨んでいきたい」とおっしゃられました。例えば、この政治資金の使い方について、具体的にご自身でやりとりの仕方を変えるなど、今のところお考えがあれば教えてください。
舛添:おっしゃった通りでありまして、そういうシステム自体についてもしっかりと見直しをやりたいと思っております。
司会者:じゃあ後ろの女性、紺色のジャケットの方。お願いします。
記者6:テレビ朝日のタケウチと申します。どうぞよろしくお願いいたします。違法な点はないという報告を受けて、正直ほっとしてらっしゃるんでしょうか。どんな心境でしょうか。
舛添:不適切な点がたくさんあるという厳しい指摘を受けてるんで、まさに汗顔の至りでございます。
記者6:適切・不適切と、違法ではないということの違いはどのように考えてらっしゃいますか。
舛添:それはその通りです。違法か適切かということの違いであります。
記者6:違法でなければ、とくに辞職を考えるですとか、そういったところまで考えは至らないということでよろしいんでしょうか?
舛添:不適切であるということを数多く、ここまで指摘されましたんで、それについてはしっかり対応を考えていきたいと思っております。
記者6:今きちっと対応とおっしゃいましたが、例えば、給与を一部返納するですとか、給与カットですとか、信頼を取り戻すためにそういったことは考えていらっしゃらないんでしょうか。
舛添:まずは明日からの代表質問、一般質問を通じて都民の代表である都議会の先生方としっかりと議論をして、そういうプロセスのなかで考えてまいりたいと考えております。
記者6:ありがとうございました。
司会者:じゃあ前から3列目の一番外側の方お願いいたします。
記者7:日本経済新聞のイワムラと申します。佐々木先生、あるいは森本先生におうかがいします。
飲食費あるいは宿泊費について、是正の必要があるとされたところについては、これは例えばどうでしょうか? 政治資金規正法の虚偽記載にあたると認定することはできないんでしょうか。
森本:この一覧表を読んでいただいた通りの認定でございます。
先ほど説明しました通り、飲食につきましては、そこに書きました通り、家族抜きで政治活動の一環として利用したと認められる場合のみ……。
記者7:聞こえません。
もう1回申し上げますと、飲食につきましては、ご家族抜きで政治活動の一環として利用したんだと認められる場合のみ、適切であると判断しておりまして、それ以外のものについては、不適切であるという判断をしております。
佐々木:ちょっと補足して申し上げますけれども、虚偽記載じゃないかというご指摘ですけれども、不適切なものをきちんと書いたというのは変ですけれども、書いたからこそ、みなさんの適切かどうかという判断材料になってるわけですね。そういう意味では、虚偽記入にはあたらないと思っております。
記者7:わかりました。あともう1点、全般的に違法ではないというのは確かなんですが、不適切とまでは言えない、あるいは適切だというあたりの判断基準というのはどういう点にあるんでしょうか。
法律上、支出については特段の基準はないと思うんですけれども、そのあたりというのは、一般的な常識とかそういう判断基準になってくるんでしょうか。
佐々木:まさにおっしゃる通りで、最後はまあ常識といいますか、そういうことに照らしての判断ですね。
これは法律家であるからといって、道義的な責任というのはたぶん一般の方々とあまり変わらない基準だと思っておりますので、そういう基準に照らしてということだと思います。
記者7:ありがとうございました。
記者8:NHK『ニュースウォッチ9』のタナカと申します。舛添知事にうかがいたいのですけれども、先月20日の会見で、私が「政治資金とはどういうもので、どういうふうに使われるべきか」と質問したのに対し、知事は「政治のために国民のために使われるべきだ」という答えをしていただきました。
また、そういう使い方をしてこられたのかという質問には、政治資金に精通した弁護士の調査結果を待ちたいということでした。
改めて調査結果が出た今ですけれども、知事は自らがおっしゃった、あるべき政治資金の使い方をこれまでしてこられたとお考えですか。
舛添:非常に厳しいご指摘を受けて、適切ではないというご指摘を受けてますので、まさに恥ずかしい限りでございました。今後は二度とそういう批判をいただかないように全力をあげて努力したいと思っております。
記者8:今のお答えを鑑みたときに、先ほど知事がおっしゃった「これからも知事を続投したい」ということ、これはどういう判断でおっしゃった言葉なんでしょうか。
舛添:今は反省すべきは反省し、しっかりと今日の厳しいお二方の先生方のご意見を踏まえて、全力をあげて都民のために働きたい。そういう思いであります。
記者8:多くの都民が、知事に対して公私混同だと批判しているんですけれども、今回の調査でそれが一部不適切だったと裏付けられたにもかかわらず、それでも知事にとどまる資格があるとお考えになるのはどうしてなんでしょうか。
舛添:今は全力を挙げて都民のために働かせていただきたいと、そういうふうに思っております。
記者8:今までの答え、有権者の方、納税者は納得すると思いますか?
舛添:有権者のご判断にお任せしたいと思っております。
司会者:じゃあ立ってる女性の方、最後にお願いいたします。
記者9:フジテレビ『とくダネ!』のアベと申します。知事にうかがいます。単刀直入に、イエスかノーかでお答えいただきたいんですが。
法律上は違法性はないと。しかし、今問われているのは知事の資質だと思うんですが、知事は今のところお辞めになられる気はないんでしょうか? イエスかノーでお答えいただけますか。
舛添:大変申し訳ありませんが、そういう問題に対してイエスかノーかで答えるような類のご質問ではないと思っております。
記者9:その理由をお聞かせください。都民が一番知りたいのは、知事の今の意志だと思います。
舛添:先ほどより申し上げてる通りでございますので、イエスやノーで簡単に答えるような類の問題であると考えることは、むしろ都民に対して大変失礼だと思っております。
記者9:今、知事のお言葉で「都民に対して失礼だ」というお話があったんですが、今世論調査でも8割の方が辞任をされるべきだと言っています。民意が離れている時点で、一度お辞めになられて、そしてもう一度選挙で民意を問うというご判断もあるかと思いますが、そうはなさいませんか?
舛添:厳しい批判を受けていることを踏まえまして、これを真摯に反省し、全力を挙げて都政のために働くということでございます。
記者9:じゃあ今一度お辞めになられて、そしてもう一度民意を問うということは今のところなさらないということですね?
舛添:先ほどより申し上げている通りでございます。
司会者:では以上で会見を終わらせていただきます。ありがとうございました。
舛添:ありがとうございました。
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