PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
(2025年再掲版)ゆるい職場への対処法 〜叱れない上司、増えていませんか?〜(全1記事)
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中川雄司氏(以下、中川):川島さま、ありがとうございました。30分ちょっとでは短すぎると言いましょうか、もっともっと長い時間を取ってしっかりお聞きしたい内容だったのですが、ここから質疑応答に入っていきたいと思います。
みなさま、いかがでしょうか。すべてはお答えできませんので、いくつかピックアップしてお答えしていきたいと思っております。
みなさまに記入いただいている間に、私からご質問を1個よろしいでしょうか。「配慮はするけど遠慮はしない」というところ、けっこう私は響いた内容なんですが、実際にやろうとすると、部下をよく見る必要があるかなと思います。
あとはもちろん、ふだんからの信頼関係も重要だと思うんですが、それを最終ゴールとした際に、最初の第一歩目はどこからやるべきでしょうか?
川島:「どこから」というのは、やはりコミュニケーションを取るところからですね。信頼関係もコミュニケーションがないと生まれないし、部下を知ることもコミュニケーションがないとできないのでね。
いわゆる1on1のミーティングをやればいいってもんじゃない。あれは、ちょっと形式的なところもあるんでね。「コミュニケーションはタスク化」と言いましたが、朝会った時のあいさつ、移動時間、ランチ、会議の始まる5分前、あるいはレクリエーションをやる時とか。
もちろん今だったら、また飲み会が復活しているから飲み会なんかも含めて、できる限りコミュニケーションをいろんな場で取る。当たり前なんですけどね。
中川:ありがとうございます。
中川:もう1個、図の中に「WBCみたいなオールスターじゃなくて、いろんな制約のある方々でチームを作っていって、そこでどう成果を出すか」という話があったかと思います。
強みを活かそうとしても、部下自身が強みに気づいていないことも多いかなと思うんですが、そのあたりを気づかせるために、ふだんどういったことをされていますでしょうか。
川島:部下が10人いた課長の時を思い浮かべると、10人集めた会議をやるんです。その10人で中川くんという部下がいたら、「今日は最初の5分は、中川くんの強みや長所をみんなで言い合おうぜ」みたいな。
本人も「ええ!?」なんていうこともあるし、言われてうれしいし、言っているほうも「こういう強みがあったんだ。長所があったんだな」と、意外に他の人の意見を聞いて気づいたりする。次回のミーティングや会議の時は、「今度は加藤くんの強み・長所をみんなで5分間披露」みたいなことやりましたね。
けっこう盛り上がるし、お互いに気づきになるし、お互いが尊重し合う。私自身はそれによって、「あ、中川くんってそうだったんだ。こういう評価を受けているんだな」とか、強みもしくは長所を知るために、私はそれをやっていましたね。
中川:他者からの視点を入れるようなイメージですかね。
中川:(視聴者からの質問で)「私生活、育児を優先して、仕事はそこそこでいい」と主張する部下がいらっしゃるとのことです。どのような意識改革を促せばいいでしょうか。
川島:そうね。これも状況によりますよね。そうならざるを得ない時期もあるかもしれないのでね。
例えば、夫が何もしてくれないワンオペだったとか、子どもがちょっと大変だったとか。あるいは、両方でうまくバランスを取れないタイプの人もいるじゃないですか。それは、やはり配慮してあげないとダメかなと思いますよね。
ただ、その人にも、「人生の中でワークライフバランスを取ろうよ」「WorkとLifeとSocial、全部できればやらない?」という言い方をよくしましたね。

「今はどうしても育児優先で、気持ちも時間もそっちへ行っちゃう。だけど君は能力があって、その能力に僕は期待しているから、できる限りワンオペにならないように夫としっかり話すとか。あるいは精神的に安定して子どもが成長したら、もうちょっと仕事への配分を増やしてくれない? 人生の中でワークライフバランスやらない?」という言い方をしてますね。
中川:一緒に先のキャリアを見ているイメージが浮かびました。
川島:時間軸を長く持たせるというね。
中川:なるほど、時間軸ですね。ありがとうございます。
中川:あと、もう1つ質問です。「部下にいろいろ聞くと、ハラスメントと言われてしまうんじゃないか」という声が所属長から届きます。
「所属長自身のことも話してコミュニケーションをとると、部下も自分のことを話してくれますよ」とアドバイスをしていますが、他にいいやり方があれば教えていただきたい、ということです。
川島:「聞く」という言い方や、感覚をまず止めてもらうことが大事ですよね。「聞き出す」という気持ちは止めたほうがいいです。
ご質問者のおっしゃるとおり、所属長自身も自己開示して自分のプライベートな話をすることが大事だし、さっきも言ったとおり、いろんな機会でコミュニケーションをとる。朝の挨拶、移動時間、ランチ、コーヒーブレイク、いろんなところで取れるので、チョコチョコっと軽く話しをするのも大事ということですね。
中川:「聞く」という意識が、部下の方にちょっと誘導と言いましょうか、目的を考えてしまうようなことなんじゃないかと。
川島:「ちょっと君のプライベート教えてくれ」「君の子どもの状況を教えてくれ」なんて言われたら、「ええ!?」と思っちゃいますもんね。
もう1つ重要なのが、やはり信頼関係にもつながるのが、場合によってはちょっと言いづらいことを、部下は言わざるを得ない時があるかもしれないじゃないですか。
例えば、多い例が年上の部下の親の介護ですね。親の介護があるということは、部下もそれなりの年齢にあるわけで、今後「戦力」として数えていいのか? ということになります。部下もナーバスになる点ですよね。
でも、そういう年上の部下に親の介護を言いやすいようにするには、信頼関係を築くことが必要ですよね。
「親の介護なので」と言った時に、イコール「こいつはダメだ」と言われたり、万一それを言いふらされたりなんていう危険を感じると、部下は話してくれないので、「あの人だったら言っても大丈夫」と思わせる信頼関係を築くことが、何よりも大事かなと思います。
中川:ありがとうございます。
中川:では、最後に1つだけ。これはまさに中間管理職の方ですね。日々部下への接し方や教育にトライ&エラーで臨んでいますが、上司から自身のフィードバックをもらうのは難しく、どう自分自身を振り返り見つめていけばよいのか悩んでいらっしゃる。自分自身をどう振り返るべきかということですね。
川島:自分自身が、どういう中間管理職をやっているかのフィードバックを欲しいと。単純に、部下に聞いたらどうですか? 中間管理職ということは、部下がいらっしゃるわけですよね。
「こういうことをやっているんだけど、実は私もまだよくわからなくて、試行錯誤で日々悩んでいる。まだまだ至らない中間管理職なので、私の接し方や教育の仕方がいいかどうかちょっと教えて。直すべきところは直すし、直すべきじゃないところは直さないんだけど、とにかく率直に教えてくれない?」と、むしろそこは部下に教わってもいいんじゃないかなと思います。
私はよく部下にダメ出しをしてもらいましたね。「ちょっと俺のダメなところを3つぐらい挙げてよ」「正直に言って。その時はむかつくから顔色が変わるかもしれないけども、でもいい。教えて」と。やはり、これも信頼関係がないと教えてくれないんですが、そうしたらけっこう教えてくれて。
「また川島さん、上から目線で言っていましたよ」「川島さん、いつも『傾聴』と言いながら8割しゃべっていましたよ」「またやっちゃったか」みたいな。率直に聞くと、けっこう教えてくれたりしたもんですね。
中川:わかりました。とてもいろいろ質問していただいていますが、お時間ですので、こちらで以上とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
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