株式会社DELTAについて

丹哲郎氏:よろしくお願いします。株式会社DELTAの丹と申します。私からは「100社のコスト診断から見えてきた、コスト削減の王道とケモノ道」というタイトルで話せればなと思います。よろしくお願いします。

まず自己紹介で「株式会社DELTAって何なの?」と、誰も知らないと思うので、イチから説明していこうと思います。(スライドを示して)株式会社DELTAはここに書いてあるとおり、「CTOとそのエンジニア組織のためのテクニカル・プロフェッショナルです」と名乗っています。

僕らは基本的にはCTOの方をターゲットに、技術的な負債の解消や、はたまた人材紹介など、そういったいろいろなお悩みを解決することをやっている、クライアントワークの会社、技術支援をやっている会社です。お見知りおきください。

実は僕らは今回の趣旨にドンピシャな、AWSを中心としたコスト削減の代行のサービスをやっています。

僕らはコスト削減のサービスを完全な成果報酬制でやっています。要は「減った分からくださいね」というモデルでやっているということですね。これは言ってしまえば実質無料とも言うのですが、減った分からお金が出てくるので、みなさんとしては「実質無料で頼めていいよね」というサービスです。

僕らとしては成果報酬なので、言われたことをやるのではなくて、何でもできるところはやらないといけないので必死です。だからこそ、成果が出たらその分自分の売上になるのも、とてもうれしい話かなと思うので、楽しい仕事を日々やっています。

コストの診断というところで、100社以上の実績があります。ちょうど今日、「note」が出たメディア・ヴァーグさん、「くるまのニュース」というメディアをやっているところや、あとはpixivやSUPER STUDIOさんといったところが主なクライアントになっています。

天下一武道会ということなので、戦闘力を書こうかなと思っていろいろ数字を持ってきました。ローンチ自体は2022年です。登記が2022年で、先ほど100社(の実績がある)と言ったのですが、これも増えていて、今では170社以上の診断の実績があります。最大削減率は93パーセントで、削減総額は1億5,666万6,633円/年というのが、私の戦闘力になります。

ランキングでいうと、ドメインでいうとメディアやMAの会社さんやプラットフォーム、ECさんなどいろいろなお客さんがいます。ボリュームゾーンでいくと、上から抜粋していっているんですが、3割がボリュームゾーンではあります。みなさんの(LTへの)応募を見ても、そんなにおかしい数字じゃないのかなと思っています。本当にいろいろなところのコスト削減をしているので、累計でいうと、1億5,666万円が私の戦闘力になります。

まとめると、AWSコスト削減のプロフェッショナル集団です。

今日話したいことです。コスト削減は……。(視聴者数を見て)3,600人ですか? いるということなので、お祭りですよね。コスト削減は総力戦なので、今日は「全員でやるものだよ」と言いたいです。これだけ覚えて帰ってほしいです。

まとめると、コスト削減は「お祭りムードで総力戦を楽しんでやってもらえばいいのかな」ということがメッセージになります。ここはツイート(ポスト)ポイントなので、しておいてください。

(会場笑)

コスト削減は全員のタスクである

そろそろいいですかね。もうみんないけるよね。では勉強のコーナーに入ります。

「FinOps」という言葉はもうみなさん聞き馴染みがあるかなと思います。DevOps、DevSecOpsみたいな感じで、FinOpsという考え方が最近巷で流行っています。

FinOps FoundationがまとめているFinOps Frameworkというところにも、Princlplesのところにもにも「Everyone takes ownership for their cloud usage」とあります。つまり、全員がクラウドのコストに対して責任を持つべきであると言われています。このようにコスト削減は全員のタスクであるということをみなさんが意識するといいんじゃないかな。再三になるのですが、今回のメッセージです。

「上位を占めているところから解消しましょう」は王道のやり方

ということで、あらためて「100社のコスト診断から見えてきた、コスト削減の王道とケモノ道」について話したいなと思います。

まずは王道の話でいくのですが、AWSのコスト削減の王道でいうと、やはりWAです。Well-Architected ToolというAWSのベストプラクティスが載っているドキュメント並びにそのツール群で、それには6つのPillarがあって。5つしか載っていないように見えるのですが、本当は6つあります。Cost Optimizationという柱があって、そこにはいろいろなベストプラクティスが書いてあります。

(スライドを示して)抜粋するとこんな感じで、今回関わっていたのはCOST 7というチャプターになります。

抜粋していくと、こんなことが書いてあります。コミットメント割引分析を実行する。ワークロードの伸縮性を分析する。リージョン、サードパーティ契約と書いてあります。

(スライドを示して)これは日本語に訳すとこんな感じです。「コミットメント割引分析を実行する」ということは、「RIが使えないか考えましょうね」ということです。「ワークロードの伸縮性を分析する」ということは、「夜間や休日に縮退するのはいいよね」という話で、「リージョンを選択する」という話は、ちょっとマニアックですが「学習コンテナはUSに置いたほうがいいよね」とか、そんな感じの話が書いてあります。

サードパーティ契約はちょっと飛び道具になるのですが、「代理店を使うと何パーセント割引だよね」みたいなことで、AWS公式のベストプラクティスにはこんな感じのことが書いてあります。

このあたりに関しては、おそらくこのあとの発表にも散々出てくる話かなと思うし、けっこう王道かなと思っています。

要は、動かせないようなところに関してはRIを当てましょう。伸縮性があるところに関しては縮退とか、Pay Per Requestをやっていきましょう、オンデマンドにしていきましょうということです。僕らもCost ExplorerやCloudwatchのusageメトリクス、CUR(AWS Cost and Usage Reports)みたいなところを見て分析します。

「その上位を占めているところから解消しましょう」ということは、分析面に関しては僕らも「コスト削減のプロ」と名乗っていますが、ぶっちゃけみなさんとそんなに変わらなくて、当たり前のことをやっているのかなと思っています。

全員でできることが本当はもっとあるんじゃないか?

ポイントは、分析した結果ボトルネックが見えたとして、そこは誰が解決するのかというところなのかというのが今回のメッセージです。

(スライドを示して)このあたりの「RIを使いましょう」とか「縮退設定しましょう」とか「学習コンテナを置く場所のリージョンを変えましょう」とか「代理店をやりましょう」というのは、インフラエンジニアの仕事なんですよね。「IaCやマネコンからできることがAWSのドキュメントには書いてあるが、それだけでいいんだっけ?」というところがあります。

FinOpsのベストプラクティスでも「全員がコストに関して責任を負いましょう」と言っています。「RIを買うのにバックエンドエンジニアって何か関係あるの?」と言ったら、ないんですよね。というところでいうと、もっと全員でできることが本当はあるんじゃないかなと思っています。

ということで当初のテーマですが、「(コスト削減は)お祭りムードで総力戦を」ということをもう1回ツイートしてほしいです。これは2回ツイートするのが非常に大事なので、伝えていきたいなと思っています。

コスト削減は会社の経営にも響く

要するに「AuroraのサイズがボトルネックだったらRIを買って終わりなんですか?」という話になります。コスト最適化じゃなくて削減することのメリットはけっこういろいろあって、ビジネス的なところで言うと、月額のコストが早く安くなればなるだけ利益が増えていきます。

利益を増やすのはけっこう大変で、売上でいうと、例えば原価率が30パーセントだった場合、コストを100万円減らすのに売上では300万円必要ですみたいな話になってくるわけですよね。

となると、月に100万円コスト削減できたら、年間で3,600万円売上を創出したのと同等だということになるので、コストを安くすることは会社の経営には非常に響きます。月額でかかってくるので、早く成果が出たら出ただけ事業インパクトもめちゃくちゃ大きいと言えます。

なので、RIを買って終わりでも別にいいのですが、もっとコストを減らせたら、もっとビジネスインパクトが出るので、早く取りかかるのが非常に大事です。

(スライドを示して)右の図でいう削減額は、例えば「月10万円削減しました」と言ったら「まぁ、すごいよね」っていう話ですが、実際には年間で120万円減らしているわけなので、時間軸でいうともっと削減効果としては出てきます。

さらに言うと、根本的にコストが安くなっていくのであれば、サービスがスケールするにしたがってコストが増えていきます。傾きがもともと点線だったはずが実線になっていくことを考えると、早めに根本的にコスト削減をしておくと、将来に渡ってより大きな効果が得られます。

しかもこれは時間が経つごとに毎月かかってくるコストになるので、実際には時間積分がコスト削減効果になります。

実際には月額のコストが早くなればなるほど利益が増えてくるということは普通に誰でもわかるような話だし、早く成果が出ただけ事業インパクトは大きい。しかもどうせ安くするんだったら根本的に安くしたほうがいいという話があるので、やはり早く・全員で取りかかるのがめちゃくちゃ大事だと思っています。

(次回に続く)