2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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多くの人が70歳を過ぎても働くといわれている「人生100年時代」においては、自分らしく、やりがいを持って働くことが重要視されています。本イベントでは、『ライフキャリア 人生を再設計する魔法のフレームワーク』著者の原尻淳一氏と千葉智之氏をゲストに迎え、これからの働き方や自分らしい事業の作り方について語りました。本記事では、自分らしいキャリアを築くための「プライベート領域の分析」の重要性についてお伝えします。
大野誠一氏(以下、大野):まずは(パーソナルビジネスを創造するための3つのステップのうちの)ステップ1ですね。ビジネス領域の分析をしていく時に、ワークショップや企業でのセミナーでも、本当に多くの人が「自分には取り立てて自慢できるような経験もキャリアも資格もなくて、普通なんですよ」とおっしゃるんですね。
ここのステップ1の分析をしていく時に、そういった感覚から、一歩越えていくためにはどんなことが大事なのか。どんなふうに考えていくとチャンスが出てくるのか、みなさんが今まで経験や研修をやってこられた中で、もし参考になるような事例やケーススタディがあったら、教えていただければなと思います。いかがでしょうか?
千葉智之氏(以下、千葉):「僕なんか大したことはやってないよ」みたいなのは本当に多いですね。たぶん会社の中だけにいると、「それは仕事だから、やるのは当たり前じゃん」という感じになるんですけど。だからこれはワークショップにして、いろんな人とシェアするようなプログラムになっています。
実は他の業界や職種の人たちから見ると、「それってめちゃくちゃ普通じゃないじゃん」というスキルだらけなんですよ。会社の中で長年やってきた人には当たり前なんですけど、当たり前じゃないものがたくさんある。
まさに僕ら団塊ジュニアみたいな、二十何年も最前線でがんばった人は、必ず蓄積があると思っています。やはり1人でやらずに、なるべく自分と遠い業界の人と話しながらやると、「そんなことが実はすごく価値があるんだ」というのを発見できます。
大野:そうですね。数年前に副業解禁ブームみたいな時期もあって、わりと大きな会社でも、「我が社も副業を解禁したぞ」っていうパブリシティがたくさん出ていました。でも「今、実際には何人ぐらい(副業を)やっていますか?」と聞くと、「いや、まだ数えるぐらいなんだよね」とか。
千葉:(笑)。
大野:最近は「越境学習」ということも、徐々に広がりが出てきています。やはり会社の外に出て、アウェーの世界に行ってみると、自分が持っている経験やスキルが意外と役に立つんだな、と実感できますよね。「ホームである自分の会社の中に毎日いるだけだと、なかなか気づかないのかな」と思いますけど、原尻さんはいかがですか。
原尻淳一氏(以下、原尻):何かを人に教えられたら、もう「創造レベル」だと位置づけているんですね。新入社員が入ってきたらそれなりに教えられるわけじゃないですか。
それが当たり前になっているので気づけないんだと思うんですけど、自分よりできない人や後輩に教えられるのは、「立派に身に付いた資産になっているよ」というシグナルです。そうなったらもうある程度身体に身に付いているので、自信を持って、もう一度自分の仕事をとらえてほしいなと思いますね。
大野:なるほど。私が以前、パナソニックという会社にいた時に、今で言うタレントマネジメント・シートみたいなものを、1人ずつ書いたことがあります。その中に「特技」みたいなのがあるわけですよ。「自分の部ではトップ」というところから始まり、「部門ではトップ」「会社ではトップ」「業界ではトップ」とか。その項目の一番上に「世界的権威」というものがあったんですよ(笑)。
千葉:(笑)。
原尻:(笑)。
大野:「さすがパナソニックだな」と思ったんですが、まさにそういう人がいてもおかしくない業界です。でも一方で、そういう「世界的権威」とか「日本でトップ」とか「業界トップ」にならないと駄目なんだって思っちゃう、心理的な逆効果があるんじゃないかと感じたんです。
そんなレベルで考えたら、この創造レベルの人なんて、世の中にいなくなっちゃうんじゃないかと思うんですよね。そういう意味で「初心者に教えられるって、すでにすごいよね」という意識転換ができると、チャンスが出てくるかもしれないですね。
原尻:そこは大事だと思います。先ほど大野さんが言ったとおり、「ここでトップを獲っていないといけない」とか「表彰されていないといけない」みたいな観念が強いですよね。
大野:そう。SNSの影響もあって、そういう感覚がけっこう染み付いちゃっている気がします。やりたいことに対して、どんどん「高尚なレベルにならなきゃ駄目なんじゃないか」みたいなプレッシャーが強くなっている気もするんですよね。そのへんの殻を破っていくというか、鎧を脱いでいくことも大事かなと思います。
それから、2つ目の「プライベート領域の分析をすることが、自分らしさやオリジナリティにつながっていく」というご指摘はとてもいいなと思っています。
従来は、仕事と遊びや趣味は別のものとして切り分けて考えるという感覚が強かったと思います。逆に趣味の領域に目を向けることで、あなただけのオリジナリティが生まれるというところは、発想の切り替えができる点だと思います。
「ここは大事だな」と気づかれた点や、今までの経験の中で「プライベートに目を向けることで、こんな意外な発見があったんだよね」みたいな事例があったら、教えていただけますか。
原尻:僕はエンターテイメントの領域にいた人間なんですけど、お笑い芸人の人って、それこそダウンタウンとかタモリさんとかビートたけしとか、いろんな人たちがモデルとなってテレビで活躍する。
そこでどれだけ番組を持てるかみたいな感じだったんですけれども、今って、プライベートでの特技を持っている人のほうが、テレビに出やすいなって、ある時気づいたんですね。
例えばロバートってトリオがいますけれども、その1人の馬場ちゃんは、料理が得意なんです。ロバートでの出演はあんまりないのに、バラエティ番組の中のコーナーで、例えば馬場ちゃんの料理コーナーがあったり、料理の番組に出ることが多くなってきたなと、すごく感じることがあったんです。
「単純にお笑いをやっているだけじゃ駄目で、お笑いプラス、自分の特技や光るものがないといけないのかもしれないな」と思った時に、YouTubeの見方が変わったんですね。
そこではいろんな趣味を持っている人たちが出てきて、漫画を読むのがものすごく大好きな人は、漫画の話をYouTubeでしていたり、あるいはラジオでそういう番組を持ったりする人が出てきました。
要は、「昔と違って、プライベートな部分も、立派にマネタイズできる1つの資産となっているな」と。「これはもしかしたら、一般の人もそうならないといけないんじゃないかな」と思いました。それで、千葉ちゃんと話していた時に、「確かに僕たちも、僕らの仲間も、活き活きしている人って2軸だよな」みたいな話になったんです。
「しかも創造レベルの領域に達している人たちは、好き勝手に自分のプライベートの部分の人たちとコラボしたり、仕事でそれを活かして、何か新しいことをやったり。縦横無尽にやっているよね」という話になりました。
「普通の人でも、今は2軸でやるほうがいい時代になってきたんだね」と僕らが気づいたのが、10年前だったんです。ようやく会社が副業を解禁し出して、「プライベートの領域でも何かやっていいよ」と、ちょっと制約が外れてきたというか、時代が追いついてきた部分がありました。
さらに人生100年時代という話が出てきた時に、2軸でやることの大事さと、ユニークなレッドオーシャンじゃない部分を自分でどう作るか。仕事だけだと(自分よりできる)プロがいるんですけど、「仕事と特技をオリジナルで混ぜたら、こんなことをやってる人はいないよね、というのを作りやすくなるんじゃない?」といった話をしました。それがかたちになった感じなんですよね。
大野:なるほど。『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』という本でも、いわゆるプライベートな領域の「レクリエーション」を、これからは「リ・クリエーション」の時間に変えていきましょうと書かれていました。これはとても通じる部分があるなと思います。
僕はこのプライベートの部分をパーソナルビジネスにつなげていくという発想が、今回とても新しい視点だなと思います。今日は少しワーク的なことも入れて、みなさんにも理解を深めていただきたいなと思っています。
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