PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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小枝創氏(以下、小枝):では、ここからは、株式会社サイバーエージェントの社内で生成AIのリスキリングをがっつり進めている、リスキリングセンター長の私、小枝創から、サイバーエージェントの育成について説明をいたします。
私は、もともとはエンジニアで、前職では通信のインフラ、ネットワーク系、toB、toCのサービス開発、コンサルティング、あとは学生向けのインターンやエンジニア採用、プログラミング講師みたいなことをやっていました。
サイバーエージェントには、2022年に入社して、リスキリングセンター長としてやらせていただいています。よろしくお願いします。
弊社には、変わりゆく技術トレンドに対応したエンジニアの学び推進、キャリアアップ支援を行う組織「リスキリングセンター」を作っています。
例えば、(スライドを示して)このようなかたちで、今トレンドとなっている技術の中で特に学びたいという要望が多いものや、学ばせたいという会社側のニーズが多いところから選んだ、注力技術があります。

特に事業とニーズの相性が良いところから、一つひとつリスキリングのカリキュラムを作っていって、Goを学びたい人はこれ、Flutterを学びたい人はこれ、セキュリティやマシンラーニングを新しく始めたい人はこれ、みたいなかたちでカリキュラムを作っています。
現在、増えてきており、トレンド技術の半分以上を学べるような仕組みを作っています。今後も、どんどん増やしていきます。
さらにリスキリングセンターでは、社外のエンジニアを対象とするリスキリングもあり、学生向けのものも社会人向けのものもあります。
3ヶ月で特定領域の技術を身につけていただいて、成績優秀な方にはサイバーエージェントの最終選考PASSをお出ししていますし、もちろんそのまま、会社や学校に持って帰っていただいて、技術をがんばって使っていただく、啓蒙していただくというかたちで、社外のエンジニアを対象とするリスキリングなどもやっています。
続きまして、生成AI徹底理解リスキリングというところで、我々サイバーエージェントが社内で何をしているかを、軽くお見せしたいと思います。
まだまだ、生成AIのリスキリングが始まって1年経っていないというか、生成AIが台頭してきて、ちょうど1年目ぐらいですよね。
2023年の3月あたりの、ChatGPT3.5から4に変わるところで劇的に性能が上がってブレイクしたと思いますが、そこから、社内でいろいろと情報整理やリスキリングが始まっています。
我々は、3層のターゲットでリスキリングをやっています。まずは、「for Everyone」ということで、全社員向けです。社員からのアイデアのボトムアップ、提案もすごく重視していて、全社員が活用のアイデアを創出できる、ですね。
業務で活用してもよいですし、事業を提案してもよいというところで、生成AIの事業活用などを創出できる。プロンプトエンジニアリングとは何か、LLMの動向とか、セキュリティ、気をつけないといけないところとか。
そのあたりを包括的に学んだ後、エンジニアの方には、「for Developers」というかたちで、製品への組み込みができるカリキュラムを用意しています。
「LangChain」や「LlamaIndex」や、先ほど紹介があった、弊社の独自の日本語LLM(CyberAgentLM)の開発寄りの使い方をしっかりと学習していただきます。
さらに、機械学習エンジニアの方、「for MLEngineers」向けには、モデル構築やチューニングにもチャレンジできるカリキュラムを用意して、リスキリングをやるという三本柱でやっています。

この生成AIのリスキリングは、技術者のための提案会議で決議されたものです。

同時に「生成AI徹底活用コンテスト」なども開かれていて、生成AIを全社員で徹底活用していくという熱気が上からも下からも上がっている状況です。
けっこう金額がすごいのですが、社内のコンテストで総額1,000万円の賞金を出しています。個人の受賞者もいますし、チームで受賞して賞金を分け合ったり、コンテスト後に、実用化、実現に向けて、社内でチームや会社を作って、事業を作って進めているというかたちです。
続きまして、「for Everyone」の具体的な話ですが、どうやって進めているかというと、全社員にやるというところで、動画とテストですね。「動画を1時間見てください」というのは、業務中はなかなか難しいので、20分に分けて、5週間に分けて実施しています。


もちろん、「動画を見ただけでいいよ」というかたちだと身についたかどうかがわからないので、テストも一緒にしています。ちなみに、テストの難易度をちらっとお見せしたいと思います。
答えは今回出しませんが、理解度チェックテストはこんな難易度でやっています。例えば、「システム開発に利用するLLMのモデルを選ぶ際に気をつけないといけないこと」みたいなところですね。

Pre-training、Fine-tuningの説明ができるようになる理解度テスト。これを全社員にやっていきます。スタジオで機材を触っているマネージャーの方もこういうのをやります。エンジニアだけではないんですね。

ほかにも、「In-Context Learningの説明として正しいものはどれか」ですね。


けっこう難しめなものですが、これに合格している社員が、現状、グループ社員6,247名で、99.6パーセントが合格しています。

弊社に入ってきた時に、生成AIについてぜんぜん知らない人とか、話が通じないみたいな人は、これでいなくなったのかなと思っていて、もうベースのインフラ知識として、共通言語として生成AIが使えるようになってきています。ちなみに役員陣も全員合格しています。

「for Developers」は、実施中なので細かいお話ができないのですが、e-Learningと社内のハッカソンというかたちで、なにか物を作る機会も用意しています。


これから、「for MLEngineers」向けの施策を開始していこうと、9月までには、こちらの三本柱が完成する予定になっています。

ということで、ちょっと手短になりましたが、私のところはおしまいです。
(次回へつづく)
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