2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
曽根壮大氏:次は「YAPC::Kansai」と竹迫さんの話もしていこうと思うんですけど、竹迫さん(竹迫良範氏)います? あぁ、いなさそう。めちゃくちゃ竹迫さんを褒めるのに(笑)。
(会場笑)
僕ははてなに転職したんですよね。ヤパチーでベストトーカーを取って、「転職します」と言って、はてなの人に「うちどうですか?」と言われてはてなに転職して、(転職した後の)最初のYAPCがこれだったんですよね。
僕はこれが初めてのメインでのYAPC参加です。やはりPerlの人じゃないし、知り合いぜんぜんいなかったんですよね。ぜんぜん知り合いがいないんだけど、スピーカー控え室に竹迫さんという人がいたんですよ。竹迫さんは、広島出身の人で、僕はそれを知っていたから、「SECCONの有名人だ」「広島の人だ」と思って、「僕も広島から来たんですよ」と話し掛けたら、竹迫さんが、「あっ、広島から来たんですね」みたいな感じで話してくれて。
控え室で、「僕、最近東京に引っ越して右も左もわからなくて、今日もPerlのイベントじゃないですか。僕、ふだんPerlを書かないし、『はてなの人だから技術力バリバリあるんでしょ?』みたいな感じで言われるけど、そういう自信もなくて、すごく緊張しているんですよ」と言ったら、竹迫さんにその場ですぐ、「それ、めっちゃチャンスじゃん。やったじゃん」と言われて。「ふだん行かないところとか、ふだん味わっていないところでそういうコンフォートゾーンを出る、心理的に安全な場所を出ることによって、新しいチャンスとか出会いとかめちゃくちゃ増えるから、それはもうチャンスだよ、やったじゃん」「それによって今日めちゃくちゃいい日になるよ」と言われたんですよ。
肩からすごく荷が下りて、「あっ、そういう考え方もあるんだ」と思ったんですよ。そうしたらこの時にまたベストトーカーを取ったんですよ。本当にありがとうございます(笑)。
(会場拍手)
あれは竹迫さんのおかげですよ、ありがとうございます。その時にすぐブログを書いたんですが、「あえてアウェイで戦うことに意味がある」というブログで、控え室で話をしてもらったこの一言で……。
僕は当時「ポスグレユーザ会」(日本PostgreSQLユーザ会)にもいたし、Javaのコミュニティとか、自分の心地良いコミュニティがあったんですよ。
(でも)そうじゃなくてYAPCだったり、この後にほかのイベントにも遊びに行くようになったんですが、自分がふだんいるところじゃないコミュニティに行くことで、こういう楽しさとか新しい出会いがめちゃくちゃ増えるんだなと思いました。
この後、buildersconとかに行ったりもするんですが、本当にこれは僕の行動範囲をガクッと広げたというか。これによって、本当にいろいろなコミュニティに行って。そもそもJavaとかそういうのじゃない、Web系じゃない勉強会とかも行ったりして、すごく知見も広がったので、本当にみんなにやってほしい大事なことの1つだなと思っています。
次は「私とt_wadaさんと哲学」という話をしていこうと思います。今日t_wadaさん(和田卓人氏)います? (会場を見て)あっ、t_wadaさんがいらっしゃった。よかったです。ありがとうございます。今から褒めるので(笑)。
(会場笑)
『プログラマが知るべき97のこと』という話があって、これはt_wadaさんが翻訳された本です。「オープンセミナー岡山」というやつが2008年ぐらいにあったんですが、その時にこの本の話をしてくれたんですよね。
この本をきっかけに変わったことの1つに、僕が参加する側から作る側に変わったということがあります。今まではずっと「参加しておもしろかった」という話だったんですが。
先ほどオープンセミナー広島2012で仲間ができたという話があって、2008年の時にt_wadaさんがオープンセミナー岡山でお話をして、「あっ、なるほど、これはおもしろい」と。
当時、きよくらさん(きよくらならみ氏)という人にすごくお世話になって、きよくらさんから東京のすごい人の話を聞いて、「やはり刺激をもらってほしいから、君もぜひ遊びに来なさい」と言われて遊びに行って。すごく良かったんですよ。
自分もやりたいと。自分が聞きたい人の話を聞きたいと思って、「だったらオープンセミナー2012の実行委員をやったら自分の好きな人を呼べるからやってみてよ」と言われて、「あっ、じゃあ、やります」と言って集まったのが19人でした。
この時は、何の話を聞いたかな。DBの話とかいろいろ聞いた気がするんですが、オープンセミナー広島は今となってはもう100人以上集まる大きいイベントになりました。
(スライドを示して)これは2020年の時なので、こういう感じだったんですが。19人でもめちゃくちゃ楽しかったし……。なんか、人数じゃないんですよね。結局500人近く集まっているものもすげぇんですけど、10人の勉強会でもやはりおもしろいんですよ。そのほうが密度が濃かったりするし。
石井達夫さんとか、Javaの櫻庭さん(櫻庭祐一氏)とかが来てくれたりしたんですよね。2人もすごい人なんですよ。ポスグレのコミッターとJavaのチャンピオンみたいな人ですから……。この人たちと19人ぐらいで密にしゃべれる。懇親会とかもほぼ1on1みたいなことをやってもらえて、密度がめちゃくちゃ高くて楽しかったんですよね。
こういうふうにすると、先ほど言った新しい出会いを自分から創出できるし、自分が聞きたい人の話を聞けたりするんですよね。これは作る側のメリットだなと思って、作る側に回りました。
作ったことによって、もちろん新しい出会いもたくさんあったんですよ。それとは別に、やはり「立場が人を作る」というのがあって、視座とか視野がすごく広がったなと思っています。
例えばイベントをやるとなって、今回はすごい人数がいると思うんですが、ポスグレユーザ会の勉強会は、2人とか3人でやっていたんですよ。
なので、「connpass」を立てたり……。当時は「Doorkeeper」とか「ATND」とかでしたが、立てたりするのに時間がかかるとか。チケット管理が大変なところも「自動化してなんとかするか」とか「『GitHub Pages』を使って公式サイトを作るか」みたいな感じで。そういうところで自分の技術自体を磨くきっかけになりました。
やはり25、6歳ぐらいでチームリーダーをやったり組織を立てるというところを経験することはなかなかありませんが、コミュニティマネージャーみたいなことをすることによって、すごく学んだなと思っているし、CTOになった時に、組織作りのノウハウとかがすごく活きた経験だなと思っています。
あとは「仲間を頼る」ね。これは簡単に言うけれども、なかなかできないじゃないですか。「自分がデバッグで困った時に隣の人に聞く」もそうだし、フロントエンドとバックエンドは、今は当たり前に共同作業していますが、そういう時の頼り方とか、自分が苦手なことを苦手だと言うことのハードルを下げることとか、いろいろなことを学んだなと思っています。
環境が変われば人は変わると思っています。「環境が人を育てる」という言葉があって、環境が変わると何が変わるって、人が変わるんですよね。人は簡単に変われるほど強くないんですよ。「よし、今日この話を聞いたし、明日からめちゃくちゃコードを書くぞ」と言ってコードが書けたら、苦労しないわけですよ。
きっかけが必要なんだけど、そのきっかけの一番わかりやすい作り方は、環境を変えることです。ちょっとしたエディターを変えてみるでもいいし、勉強会に参加してみるでもいいし、コミュニティに参加するでもいいし、転職するでもいいんですけど、環境が変われば周囲が変わるんですよね。
人間は周囲の影響を受けていく。まぁ、夫婦が似るみたいな話もそうですけど、お互いに影響し合って、自分の性格とか習慣みたいなものが変わっていきます。環境の変数を変えると周囲の人間が変わって、そうするとそれに引っ張られるんですね。
だから、「自分はこういうふうになりたい」とか、「このコミュニティおもしろいな」と思ってそのコミュニティに属すると、そのコミュニティのカラーが自分の中に入ってくるので、そういうところを狙って選んでいくのも大事かなと思います。
あと、環境はある程度選べる。転職だってそうだけど、コミュニティだって参加して、「いや、違うな」と思ったらやめればいいんですよ。スッと抜ければよくて。なので、こうやって環境をどんどん選んでいくのも大事かなと思っています。
コミュニティはそんな環境の1つなので、ぜひコミュニティを活用してほしいなと思っています。
「コミュニティは出会いをくれる」という話をしました。ここまで話をしたら、「それ、そーだいさんの運が良かっただけじゃん。縁に恵まれましたね」と思うと思うんですよ。これは事実。僕、めちゃくちゃ運がいいと思う。
けど、それって僕がただ運が良かったんじゃなくて、それまでに積み上げてきた歴史があって、その中のチャンスをたまたまつかんだだけなんですよね。先ほどの話のひらさん(平聡輔氏)にしてもそうだし、t_wadaさんにしてもそうなんだけど、こういう出会いを自分の中で見つけてアタックしていくのが大事なんです。
今日は僕の話と言いながらも、僕のお世話になった人の話なんですよね。t_wadaさんの話で、t_wadaさんのさらにその手前に、まさーるさん(石井勝氏)という人がいて、まさーるさんからすごくお世話になったと。これはぜひ記事を読んでほしいんですが、たまたま隣の席に座っていたまさーるさんに話し掛けたことによって、テストをすごく学ぶきっかけになったし、いろいろ教えてもらった。
「まさーるさんが亡くなって、自分が教わったことを次の人に送っていかなきゃいけない」「その自分のアウトプットの1つとして登壇しています」という話をしていたんですが、これをたまたま受け取ったうちの1人が僕なんですよ。その後に、まさーるさんの話をされていたんですが、「そのおかげなんだな」と思っていて。それは、たぶんみんなも一緒なんですよ。
こういうコミュニティだって自分の力だけでやっているわけじゃないし、先輩たちがずっと続けてきたYAPCのイベントがあったからだし、YAPC以外にもWebのドキュメントだってそうだし、本だってそう。なので、そうやってみんなが恩を送ってきた結果、今自分がいるというのがあります。
(次回につづく)
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略