本セッションで話すこと

大森彩子氏:題して「Copilot迷子に告ぐ! あなたにピッタリなMicrosoft x 生成AI活用のススメ」ということで、みなさん「Copilot」っていっぱい聞きますよね。実はマイクロソフトにはいっぱいCopilotがあります。

社員として私もよく聞かれるのですが、「Copilot、いったいどれを使えばいいんですか?」「私、どうすれば生成AIが使えるようになるんですか?」という質問が非常に多い(笑)。

なので、いつもは「『Azure AI』や『Azure AI Studio』をどうやって使うの?」とか、そういう話をすることが多いのですが、みなさんが「生成AI使ってみたいよ」という時や、逆に「もうちょっといろいろ生成AIを使ってアプリケーションを作りたいよ」といった時に何が適切なのか。そういったところを今日は話します。

あらためまして、マイクロソフトの大森です。では、これから10分少々お付き合いいただければと思います。

内容としては、いろいろなCopilotがあって、(生成AIの)導入、拡張、それから構築といったいろいろなステップがあるわけですが、そのステップと、それに対応したマイクロソフトのサービスで「これ使ってください」という話はそれぞれでしているのですが、まとめて話を聞いてもらう機会はおそらくなかなかないかと思うので、その肝というところを伝えたいと思います。

中身としては、Copilotを使い分けるステップの切り分けもあるし、もしかしたらみなさんも何回も聞いているかもしれない、Copilot Stackとの兼ね合いというか適合もあります。

では、私がお客さまにどのように説明しているのか。そういうことを併せて紹介して、最終的にはそういった生成AIを使ったアプリケーションを使ってみなさまにどうなってほしいかもおまけに伝えられればと思います。

MicrosoftのAIツール群

Microsoftの最近のAIツール群はいっぱいあって、Copilotもいっぱいあります。もしみなさんが開発者の方だったなら、最初に出てきた「GitHub Copilot」が一番親しみがある(という)方もいる(だろう)し、最近使えるようになってきた「Microsoft 365」(Microsoft 365 Copilot)を使い始めた方もいるかと思います。

最近では「Security Copilot」(Microsoft Copilot for Security)とか「Azure portal」にもCopilotが入って、例えば(Azure Portal を使っているときに)質問があった時に「私のあのリソースグループ、どこに行ったっけ?」などと聞くと、ちゃんと探し出してくれたりするんですよね。そういったいろいろなCopilotが出ているのが今の現状になります。

Copilotの復習ですが、あくまでも“副操縦士”でみなさんのヘルプ(をしてくれる存在)ということで、「こういうのはどうですか?」といった提案もしてくれたりします。ただその中で、最終的にその内容が正しいか正しくないかといった判断をして実行を決めるのはみなさまということで、それまでの時間を短縮する相棒として使ってもらえればと思います。

Copilotの導入、Copilotの拡張、独自のCopilotの構築

(スライドを示して)こちらは「じゃあCopilotの使い分けはどうしたらいいの?」という時によく出てくる図ですね。Copilotの導入があって、拡張があって、独自のCopilotの構築というステップになっています。

Copilotの導入をする時はほぼほぼ生成AIを導入する時なのですが、特にみなさんになにか用意してもらわなくても、例えばMicrosoft 365 CopilotやDynamicsCopilot (Dynamics 365 Sales Copilot)とか、「Bing」ではBing Chat Enterprise、今はMicrosoft Copilotみたいな呼び方をしていますが、そういったものであれば、特になにも用意しなくてもすぐ使ってもらうことできるんですね。

(スライドを示して)先ほどのアンケートでも、まだ(生成AIを)あまり使っていない方もいらっしゃっいましたが、Bing Chatであればみなさん無料で使えるので、ぜひ触ってほしいですね。

私も何回も紹介していますが、「えっ、なんかBing Chatってお金が要るんじゃないの?」「えっ、サインインとか面倒くさいんじゃないの?」と言われる(方がいる)かもしれない。ないです。要らないです。

なので、ぜひ使ってみてもらって、「おっ、こんなに賢いのか」と思ってもらう。そこがまずみなさんの第一歩かなと思います。

その後に、例えば「Word」や「Excel」、あと「PowerPoint」。そういったもので「これ、なんて書いてあるのか、サマリー作って、要約作って」とか「英語のドキュメントを読むの面倒くさいから日本語で要約して」とか。あとは「グラフ作るの、面倒くさいから作って」とか。そういうことはMicrosoft 365 Copilotに任せる。そんな感じになります。

それ以外に、例えばOpenAI社の「ChatGPT」でもいいし、「GPT-4 Turbo」でもいいし、「GPT-4 Turbo with Vision」でもいい。「(生成AIを使って)もっと動くアプリを作ってみたい」とか「そういったものを取り込んだサービスを作りたい」といった時には、先ほども瀬尾さん(瀬尾佳隆氏)から紹介があった「Azure AI Studio」を使ってもらってもいいし、Microsoft 365の中のデータを使うということであれば、「Copilot Studio」などを使ってもらうのがいいかなと思います。

(スライドを示して)この図を覚えておいてほしいのですが、1枚めくると「導入」と「構築」という項目があって。「ちょっと待って。『拡張』はどこ行っちゃったの?」と気がついたみなさま、正解です。

この「拡張」は何を言っているのかというと、例えばMicrosoftのCopilotを使ってもいいのですが、最近、プラグインという名前で(生成AIが)使えるようになってきています。いろいろなサービスにプラスして使ってもらう方法もあるし、要はAPIライクなものを追加して使ってもらう。そういったものを拡張と言っているんですね。

実際にこの「拡張」を自分で作るとなると、独自のCopilot開発のほうに入ってくると思っているので、この後の話を聞いてもらえればと思います。

Copilotを導入、使ってもらうのは、例えばMicrosoft Copilot、つまりBing Chatを使ってもらえればいいです。あとはMicrosoft 365の中のチャットで、例えば「Teams」のチャットにCopilotがついてきたりしているので、そういうものを使ってもらう。あと、(Word, Excel, PowerPont などの)Microsoft 365 のアプリケーションの中に入っているCopilotを使ってもらうかたちになります。

実際に「Azure OpenAI Service」などを使う場合には、もう少し組み込みで(サービスとして)構築してもらう。まずその2パターンに分けてもらえるといいかなと思います。

どういうふうに生成AIを使っていけばいいのか?

(スライドを示して)こちらは実際にお客さまに紹介するスライドです。「どういうふうに生成AIを使っていけばいいのか?」という話があった時に、こういう図で紹介しています。

まず、みなさまの組織も含めた会社の全部の知識や外部、インターネット上にある知識にアクセスする窓口がCopilot、真ん中にあります。そこに対してみなさんが依頼をかけたりして、Copilotがいろいろな情報を取ってきて、いい感じにまとめて、みなさんに返す。Microsoftはこんな(生成AIの利用の)かたちを提案しています。

実際のステップとしては、やはり最初に触ってもらうかたちですね。MicrosoftのCopilotやAzure OpenAI Serviceの中で、もしかすると各会社さんの中にはそういったものをそのままAPI、要はUIをくっつけて、みなさまがそのまま使えるようなサービスを提供している方もいると思います。

そういったもので生成AIが何をできるかを触って(知って)もらう。その後は、例えばWebかなにかの情報などをうまく組み合わせて使っていただいて、それからCopilotをMicrosoftなどでうまく業務の中で使ってもらう。みなさんのデータをうまく活用するところを考えてもらう。

最終的には、例えばうまくデータを収集してきて、それを多少、前処理をして使ってもらう。そういったデータをつないで使うところで、(生成AIを使う工夫を)独自に開発してもらうことになります。

Azure OpenAI Serviceや「Microsoft Fabric」などをうまく使って、データを収集や加工をして、そういったものを使ってうまく生成AIを活用してくださいという話をしております。

Copilot Stackと合わせてどういうツールを使えばいいのか

ここからは、Copilot Stackに沿って、実際にどういうツールを使えばいいのかという話をしたいのですが、Copilot Stackの上の部分は、要はフロントがあって。

AIのオーケストレーションは例えばどういうふうに組み合わせていくのか。ただ単に答えを返すだけではなくて、情報が足りなかったならそう返す。そういったものをうまく入れてもらう。そういったもののオーケストレーションですね。そこまで含むツールです。それ以下はインフラやデータといった部分になるかと思います。

その中で使ってもらうものが、例えばフロントに近いところであればCopilot Studio。もう少しAIのオーケストレーションを使いたい時には、Azure AI Studioを使ってもらうのがいいのかなというかたちになります。

すごく簡単に言うと、ローコードでCopilot Studioを使う場合。例えばワークフローみたいなものをGUIで作りたいとか、M365の中のデータをうまく活用したい。そういう時にはまずCopilot Studioを使い始めてもらう。

実際にモデルがどういうふうに動くのか知りたい、プロンプトエンジニアリングでプロンプトを調整したらうまく動いてくれるのかやってみたい(という場合)、あとオーケストレーションとかには、AI Studioを使ってもらうというふうに考えてもらえればいいかなと思います。

AI Studioを使ってもらうパターンとしては、例えば「AI services(Azure AI services)」、あと「Azure Search(Azure AI Search)」とML(Azure Machine Learning)もあるので。

そういったものをうまく使ってどれぐらいできるか検証したり、「RAG」をお試ししてもらったり。実はそのままWeb公開もできたりします。

あとはPrompt flowというかたちで、GUIでワークフローを作れるので、それをチューニングしたり検証したり。そういうふうに使ってもらえればと思います。

最近だと「Assistants API」というものもできました。いろいろなツールがもっと一緒になったかたちですね。それを使ってもらうのもありだと思います。

Copilot Studioのほうは、実際に自分でCopilotを作っている方や「Power Apps」や「Virtual Agents」を使っている方は、こちらのほうがより親密かなと。ほぼ同じ開発チームが作っているので、そういったものを使ってもらうのがいいのかなと思います。

ユースケースの中でも「分類」「要約」「生成」が大事

というかたちで、今日はCopilotの使い分けという話をしました。

生成AIを使う中では、やはり生産性を向上するためと、あとは想像力を高めていく。そういうところにやはりAIを使ってもらいたいと思います。

要は、分類という作業と、要約や生成といった作業。そういうものがユースケースの中でも大事だという話をしています。

みなさんにそのあたりをよく考えてほしいのと、あと実際には特にM365のCopilotを使い始めた方など、今までやっていた時間が圧縮されて余裕の時間ができる。その時間をもっと有意義に使ってくださいというのが、Microsoftのメッセージになっていきます。

(スライドを示して)こんなかたちで、いろいろな難しいアプリケーションなどを作ってもらう(ことになる)かもしれないです。

中身としてはAPIエコノミーではなくCopilotエコノミーでもいいのですが、いろいろな生成AIを呼んでいくような仕組みがどんどんできていきます。さらにそういうものを作ってみたいという方は、AI Studioなどを使って考えてもらえればと思っています。

ということで、私の話は終了します。お時間をいただきありがとうございました。