2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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南野充則氏(以下、南野):ここから、パネルディスカッションに入っていきたいと思います。ディスカッションのトピックとして、大きく3つ挙げているんですけども。
1つが、AIのビジネスチャンスといったところ。2個目が、「生成AIになってプロダクト開発はどう変わったのか?」であったり、「組織、どうすんのか?」といったところですね。3つ目に、AI技術の顧客への提供というところで、「どうやって提供していくんですか?」みたいな、この3つのトピックで今日は話していければと思います。
また、会場の方々からの質問も拾い上げながら、インタラクティブにやっていければと思っています。オンラインの方もぜひ、質問をよろしくお願いします。
というところで、最初に、生成AIのビジネスチャンスといった項目でやっていければと思います。
みなさん、生成AIのことをやられていると思いますが、まず、生成AIが出てきてビジネスチャンスはどう広がったのかであったり、どう変わっていくのかであったり、そういう展望とか、今持っている手触り感みたいなところをみなさんからお話しいただければと思います。誰からいきましょうか?
友松祐太氏(以下、友松):じゃあ、ちょっと、マイク持っているので(笑)。
南野:お願いします。
友松:そうですね。ビジネスチャンスが広がったかどうかでいうと、広がったのかなと思っています。
生成AIが出てきたことによって、世の中のベースラインがものすごく上がったというか、今までは、研究者じゃないとできていなかった領域がものすごくやりやすくなりました。そういう意味では、ものすごくレッドオーシャンになっているとは思うんですけれども。
やはり、生成AIを活用していく中で、それをきちんとプロダクションの環境で使えるようにするには、やはり今まで培ってきた専門性だったり、先ほどお話ししたサイバーエージェントのアセットを使うことによって、より価値を引き出していけるところかなと思っています。
そういう意味で、ビジネスチャンスは広がっているんじゃないかなと思っています。
大友太一朗氏(以下、大友):じゃあ、順番でいきます。ビジネスチャンスが広がったというところは、もう間違いないと思います。あまりこれを外で言っていいのかわからないのですが、社内では「生成AIは最強のドアノックツールだ」と言われています。
生成AI、OpenAIの話を今聞きたくない人はあまりいないと思うんですよ。という意味で、今まで会えなかった人に会えるようになったというところが、提案する側の立場としてはけっこうあります。
Microsoftの立場で言うと、Microsoftが最近一番売っているものはAzureというクラウドサービスで、これはクラウドサービスというか、お客さまがやりたいことを実現するための部品みたいなサービスだと思っているので、結局、「じゃあ、お客さんが何を作るの?」というところを理解しなきゃいけないんですね。
その中で、今まではけっこう、お客さんのオペレーションを改善していくというところにクラウドをどう使ってもらうかに主眼を置いてやってきていました。生成AIが出てきたことによって、「人間が本当に集中しなきゃいけない部分は何か?」というのを考えなきゃいけなくなってきたなというのは、すごく思っています。
そこにビジネスの価値が生まれるとすごく思っていて、そういう意味でビジネスチャンスが広がってきているというか、次のレベルに行っているのかなとけっこう思っています。じゃあ、バトンタッチ。
小城久美子氏(以下、小城):ありがとうございます。最強のドアノックツールというのは、めちゃめちゃ共感するなと思いながら聞いていました。
私は、もうビジネスチャンスは広がったし、まだまだこんなもんじゃないだろうと思っています。いわゆるDXがどう進んできたかというと、デジタイゼーションがあって、デジタライゼーションがあって、トランスフォーメーションがあって、みたいな話があると思います。
デジタルがないところからあるところになったところって、アナログでできたことがデジタルでできるようになりましたというだけでした。
その後、ある前提でデジタルがいろいろな業務プロセスに組まれるようになって、その後、デジタルがあるからこそできるビジネスモデルができるようになったというのが、今までの歴史だと思っていて、たぶん、歴史は繰り返すだろうなと思っています。
なので、今あるビジネスチャンスは、今までできていたことがちょっと効率化してできるようになったというところの市場だと思っているんです。
これから生まれてくるビジネスチャンスは、今までとは違って、生成AIがある前提で組まれるビジネスで、それがどんどん出てくるようになるんじゃないかと思っていますし、これはめちゃめちゃ大きなゲームチェンジになると思っています。
生成AIができるようになることで、今まで参入できなかったプレイヤーが入ることができるようになる、みたいなことが、これからたくさん起きてくると思っているので、ビジネスチャンスはこれからまだまだ広がっていくし、それを後押しできる存在でありたいなと思っています。
南野:ありがとうございます。みなさん、ドアノックをする時って、どんな話をされているんですか?
大友:そうですね。最近だとけっこう、ユースケースというか事例が溜まってきているので、やはりお客さまがやりたいと思っていることに対して、けっこう仮説が当たるようになってきている感じはします。
あと、広がっているビジネスチャンスの1つとして、やはり今まで眠らせていたデータが違うかたちで役に立つようになってきているというのがすごくあると思っていて、生成AIでデータから引き出せる知見がすごくあると思っているんですね。
なので、「これまでのビジネスで培ってきたそのデータとか、今活用できていないデータを、生成AIをトリガーにして活用するところで新しくビジネスを生み出しませんか?」みたいな話は、けっこうみなさんが興味のある領域なのかなと思っています。
南野:ありがとうございます。
南野:会場からも出ているのですが、「似たようなサービスが乱立してきているといった声があることについてどう思われているか?」というところ。
友松:そうですね。似たようなサービスがやはり多いというのは、私たち、チャットボット、ボイスボットをやっていてもものすごく実感するところです。
今はやはりある意味、黎明期であり過渡期でありというところで、今のフェーズは、本当にチャットボットが始まった時みたいな状態で、ある意味、乱立という言葉がすごく正しいのかなと思っていて、やってみたらできた、みたいなものもかなり多いかなと思っています。
今は、それが市場で潤っている状態ですが、その先の本質的にプロダクトの価値を上げていく部分というところに対しては、もっとこだわりを持ってやっていかないといけないと思っています。
そういう意味で、この盛り上がったタイミングから、幻滅期とか、世の中が生成AIを使ってできることの理解が進んできた時に、本質的にどういうところに取り組んでいくべきかが、今すごく大事なんじゃないかなと思っているところです。
南野:ありがとうございます。
南野:じゃあ、ちょっと次の議題にいきたいと思います。プロダクト開発の変化にもちょっと焦点を当てていきたいなと思っています。
その中で、生成AIプロダクト開発においてのビフォー・アフターといったところで、出る前と出た後、もちろん開発手法もですし、プロダクトの開発の仕方も今までのプロダクトとはちょっと毛色が違うなといった感覚があるんじゃないかなと思っています。
そういったビフォー・アフターをみなさんはどう考えられているのかとか、生成AIを作る時はこういうプロダクト開発の手法を採っていて、一般的なアプリケーションと言われるものはこういうかたちでやっているとか、そういったところの観点をお聞かせいただきたいなと思います。
友松:まず、プロダクト開発のビフォー・アフターで言うと、アイデアから検証に回して落とし込むところの速度はものすごく上がったかなと思っている一方で、私は実は結局なにも変わっていないんじゃないかなと思っています。
今まで、技術が新しくどんどん出てくるタイミングって、その技術で何ができるかが軸になるのですが、結局、アイデアを形に落とし込んで、ビジネスに投下して、PDCAを回して検証して、ブラッシュアップしていくというもの自体は、なにも変わっていないなというのが、すごく実感としてあるので。
そのサイクルがものすごく早くなったけれども、本質的なものは変わっていないんじゃないかなというのが、私が思っていることです。
大友:そうですね。開発のサイクルが早くなったというコメントを今いただいたんですけど、これはやはり、早くなったと同時に、早くならざるを得ない部分がけっこうあると思っています。技術の進化の速さはすごいですよね。日々新しいニュースが出て、新しいアップデートがどんどんある。
今日、例えばユーザーの人たちと話して、「こういうものが欲しい」「もっとここはこうしてほしい」みたいなところって、すぐに陳腐化しちゃったりするというのが、今の生成AIプロダクトの状況なのかなと思っていて、もうちょっと先を見るというんですかね。
すごく抽象的な話になってしまうんですけど、今のユーザーと対話しながらブラッシュアップしていくと同時に、10年後、30年後、50年後という世界を見た時に、人間がまだやっている部分と、もう完全にAIがやっていて、こんなところ人間がやっているわけないよねというところ。今はAIでできないので仕方なく人間がやっているけど、ここは、いずれAIに置き換えていくんだというところを早く見つけて、そこのポジションを取る、みたいなところがけっこう大事なのかなと思っていたりします。
確かに、友松さんがおっしゃるとおりで、基本的なプロセスは、たぶん変わってはいないんですけど、同時にちょっと目線を先にやるところが必要なのかなと思います。
小城:そうですね。PDCAサイクルを回すというところは、変わっていないはずなんですが、本当に日々思うのは、今までは開発が進めば進むほど不確実性が下がっていっていたんですよ。不確実性のコーンみたいな言葉があると思うんですけれど。
最近、自分たちの開発が進む速度と、世の中の論文が出る速度と、いろいろなプロダクトが出る速度みたいなものを見ていると、不確実性がぜんぜんコーンにならず、ラッパの形にどんどん不確実性が膨らんでいくな、みたいなことを日々思っていて。
今までのPDCAサイクルじゃぜんぜん間に合わないし、もっと大きな投資をして、大きく回すみたいな、大きなPDCAサイクルと小さなPDCAサイクルみたいなところを、ちょっと2つで意識して回さないと、ちょっと心が折れてしまうな、みたいなことを最近思っていますね。
そんな中で思っているのは、私たちはモデルを提供させていただく側なので、お客さんと一緒に市場を作っていくというか。
今お話の中にもありましたが、3年から5年先にどういう世界があるのかみたいなところを一緒に見据えて、短期的には一瞬うまくいかない時もあるかもしれませんが、そこに向けて一緒に実験をするというかたちで取り組ませていただくように変わってきているなと、私は思っています。
南野:ありがとうございます。
南野:長期的な視点とか、そういう話が出てきたと思うんですけど、いろいろな人と話していると、やはり、「いかに、ChatGPTがやってこないか」とか「MicrosoftとかGAFAがやってくるから、作っても意味ないよ」みたいな話で、いかにスタートアップはよけながら行くのかみたいな議論があるんですけど。
「MS側は、どういう思想で作っていっていて」みたいな(笑)、「こういう方針なんだよ」みたいなのを、ざっくり(答えてもらえませんか?)
大友:めちゃめちゃ答えにくいです(笑)。
(会場笑)
南野:よけている方々がたぶんいると思うので、どうよけていっているのか、みたいところを……ちょっとそこのパンチを見せ合ってほしいなと。
大友:難しいんですけど(笑)、今のプロダクト戦略で言うと、たぶん2種類に分かれると思うんですね。1つは、一般的な業務やオペレーションの部分をどうやって効率化して、やらなくて済むようにするかというところ。ここは、パッケージ製品を使ってくださいというのが、Microsoftのメッセージだと思っています。
なので、例えば「Microsoft 365」という、いわゆるOfficeですよね。「PowerPoint」とか「Excel」とか「Outlook」「Teams」みたいなところに「Copilot」をつけるので、みなさんそれを使ってくださいっていうのが、まず基本です。
これは、どこの会社でもどんな仕事のオペレーションでもわりとバンと面的に当てることができるので、パッケージで解決します。これが1つと。
もう1つは、たぶん収益を上げていく部分で、プロダクトをよりリッチにして、ユーザー体験をリッチにするために生成AIを使う場合、もうちょっと小回りの利くAIが必要になるので、ここは一緒に作りましょうというスタンスだと思うんですね。
作るための部品をたくさん用意するので、カスタマイズしてもらって、僕らと話しながら作りましょう。時には、モデルの開発からすることもあると思います。そのためにインフラから僕らは揃えるので、そこを使ってくださいというような、そんな当たり方かなと思っています。ちょっとぼかした感じの答えになっちゃって申し訳ないですけど。
南野:いや、それだけ聞けるだけでもみなさん、ありがたいと思っています。
大友:いやいや、恐縮です。
南野:じゃあ、最後。友松さんはプロダクトを作る時に、GAFAはどうしようとか、そういう議論をどうされているのかをちょっと聞きたいなと思います。
友松:そうですね。生成AIが出始めて最初の半年とかは、ほかがやってこないところを、どう間隙を縫っていくかという思考でけっこう考えていたんですけれども。
先ほどお話にあったように、やはり今が到達地点ではないと思っていますし、日々進化しているモデルのアップデートに私たちは対抗していくわけではないので。
うまくそれに寄り添って、どうプロダクトを進化させていけるかというところに、ちょっと考え方を変えるようになったので、敵とみなすというよりは、協調していくという方面で今、考えていますね。
南野:ありがとうございます。
南野:小城さん的には、どう考えていくのがプロダクトマネジメント的にいいのか、ちょっとコメントをいただけたらうれしいです。
小城:ありがとうございます。そうですね、ほかの会社さんを避けるというところももちろん大事になってくるかなとは思うんですけれど、まだまだ研究分野だと思っているので、そこに対する投資ができるというのは、うちの会社にいて良かったなとちょっと思っています。
そんな中で、どういうふうに社会実装をしていくのかというところに関しては、モデルを作っている者からすると、モデルを使ってサービスを作られる方や、それをもとに自社の社内の効率化をしていく方に、私たちをうまく使っていただけるとうれしいなと、すごく思っています。
ほかと被ることに関しては、私はあまり問題じゃないんじゃないかなと思っています。スマホが出てすぐにSNSがいっぱい乱立しましたが、今SNSっていっぱい流行っていると思うので。
まず、プロダクトを作る打席に立ってみる。立った結果、仮説検証をして、どういうふうに進んでいけばいいのかみたいなところを、一緒に生成AIのある市場を作っていけたらうれしいかなと思っています。
南野:ありがとうございます。
(次回へつづく)
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