2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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小島友美氏:キャリアに関する悩みがわかったところで、次にキャリア開発の考え方について紹介していきたいと思います。
昨今では“自律的キャリア”と言われますが、2004年ぐらいに文科省から、キャリア教育の推進に関わる報告書が出されました。
それに基づいて小学校、中学校でもキャリア教育が本格的に始動し始めたので、若手は意外と中学、高校、大学でキャリア教育を受けてきているわけですね。なので、自律的・主体的なキャリア形成の意識はわりと醸成されてきているのかなと思います。
ただ一方で、自律的・主体的なキャリア形成ができているか、できていないかは半々なんですよね。本当に50パーセントで割れています。
それはなぜか。自律的・主体的キャリア形成が進まない理由は、考える暇がない。みなさんの悩みのように、考える暇がないというところです。
あとは、「漠然とした不安はあるんだけど、考え方がわからない、知らない」とか。そういったところがあって、自分自身でうまく考えられないのかなと思います。
キャリアについて考えていくべきなのですが、「考えるとどんないいことがあるの?」というと、今行うべきことがわかる。あとは仕事のモチベーションが上がっていくといいですよね。あとは、キャリア選択の機会を有用に使えるので、その考え方を学んでいきたいと思います。
キャリア開発の基本ステップです。まず現状認識です。自己のキャリアの棚卸と、環境の変化をきちんと見つめるというところがスタートになります。
あとは、キャリア目標、なりたい自分像を描いていきます。それから、解決したい問題・課題を考えて、どういう支援が得られるかを考えて、行動計画、アクション、それから振り返り(をする)というところになってきます。
(スライドを示して)現状認識ですが、よくあるのはこの3つの丸ですね。できること、やりたいこと、やるべきこと。この3つの丸をA4用紙横の白紙でもいいので描いちゃうんですね。
この中に、自分ができることとやりたいこと、やってみたいこと、今やるべきことを書き出してみて。重なりが大きいところにマッチするとやりがいを感じられると言われているのですが、そういったところが何なのかを考えてみるのが1つ、やり方として紹介できることかなと思います。
あとは労働市場、環境の変化ですね。昨今リスキリングとかいろいろ言われていますが、そういうことも身近で起こっているかもしれません。
あとは労働市場だけじゃなくて、身近な家族の環境の変化なども含めて考えてみると、キャリアについていろいろ整理がしやすくなるかなと思います。
次に、解決したい課題・問題ですね。特に、3年後、5年後にどうなっていたいでしょうか? どんなエンジニアになっていたいかを考えてみる、イメージしてみるのが大事かなと思います。
あとは自己分析のツールとして、ライフラインチャートを紹介しています。これまでの経験、その時の満足度を主観的に、自分の物差しで曲線を描いたものです。
下がったり上がったりしていくわけですが、下がるところや上がるところで、その人なりの価値観や大切にしているものが見えてきます。自己分析するのに手軽で便利なツールなので、ぜひやってみてください。
後半のパネルディスカッションでは、パネリストの2人のライフラインチャートの紹介もあるので、楽しみにしてみてください。人生山あり谷ありですね。
では、(次に)キャリアビジョンです。スキルには、専門的スキルのほかにポータブルスキル、コミュニケーションスキルやリーダーシップスキルなども含まれています。なになに言語みたいな専門的なスキルのほかにも、業務の中で培ったスキル、コミュニケーションスキルやコンフリクトマネジメントスキルといったものもあるので、そういうのを書き出してみるのもありです。
そういったものを活かしてどうなっていきたいかというビジョン。そこを考える時にまず1個お勧めなのは、制約を取っ払って1回考えてみることです。何年か社会人をやっていると、「これもあるからできないんじゃないか?」と考えてしまうのですが、制約を取っ払って考えてみるのもおもしろいかなと思います。
あとはキャリア開発の3Sで、サポート、スキル、戦略を整理してみます。「どんなサポートが自分は得られるかな?」ということを考えてみるといいかなと思います。
あとは、行動計画してアクションして振り返っていきます。これはプロジェクトの進め方とほぼ一緒です。
次のページで、キャリアカウンセリングの勉強をする時に知った、キャリアを考える上で役立つ理論があるので、紹介をします。
私の好きなキャリアの理論家が3人います。1人はドナルド・スーパーの「ライフキャリアレインボー」という理論です。これは、人間は仕事だけじゃなくて、趣味や地域活動、家族、家庭での役割がいろいろあり、それはライフステージによって大きさが変わっていきます。
なので、例えば今は職業人のところが大きい人も、10年後……。私は10年後も、まだ職業人をやっているかなと思いますね。
あとは「“余暇を楽しむ人”をもう少し広げたい」とか。あとは、(子どもがいる方であっても)子どもは巣立っていくので、どちらかというと(10年後は)親の面倒を見る時間が増えるかもなとか。
そういうかたちで、今と5年後、10年後にどういう時間の使い方が変わりそうか、ライフステージごとにどう役割が変わっていくか。今のままの役割じゃないということを考える上でけっこう役立つツールになっているので、非常におもしろいなと思っています。
あとは、ナンシー・シュロスバーグさんの「イベント/ノンイベント」という考え方があります。転機は3種類あります。
予期していたことが起きたイベントと、予期していなかったことが起きたイベント。これ(予期していたことが起きたイベント)はよくあると思うのですが、ノンイベント、期待していたことが起こらなかったというのも、実は転機なんですね。
これがナンシー・シュロスバーグさんの理論のおもしろいところです。みなさんどうでしょう。期待していたことが起こらなかった状態にはなっていないでしょうか?
「例えば、次に昇格するはずだったけど、別の人が先に昇格しちゃったな」とか「異動させてもらえると思ったんだけど異動が叶わなかった」とか。そういったノンイベントも実は転機だという考え方になります。
(スライドを示して)転機を乗り越えるためにどうしていくかというところで、この4つのSを整理してみると良いです。
家族からの支援を意外と忘れている人がけっこういらっしゃるんですよね。「奥さんとかお母さんとかお父さんとか、家族からの支援が実はもらえるんじゃないの?」「応援してもらえるんじゃないの?」というところを忘れる人がいるので、こういうところをあらためて整理してみるといいかもしれないです。
あとは上司とかね。「上司を当てにしていなかったけれど、意外と頼りになる」という時もあるので、頼ってみてはどうかと思います。
あともう1人、好きなキャリア理論家がいます。ジョン・D・クルンボルツさんのプランドハプンスタンス理論です。
「計画された偶発性理論」と言われるのですが、偶然の予期せぬことからもキャリア形成がなされると語っていて。キャリアの8割は偶然と(この理論の中では)言っています。
この8割はどこから来たかというと、ビジネスに成功した人のキャリアを調べた結果、ターニングポイントの8割が、本人が予想していなかった偶然の出来事だったということなんですね。
思い返せば、私がキャリア相談員になった時は、別にキャリア相談員になりたくてキャリアの勉強をし始めたわけでもないです。(ただ)キャリアの勉強をしていなかったらキャリア相談員にはなっていなかったなと思います。
「準備していたからそういうチャンスに恵まれたな」というところもあって。「そういうところって、みなさんにもないですか?」ということですね。思い当たることはない方も、ぜひチャットで(コメントを)もらえるとうれしいなと思います。
ただ待っているだけじゃなくて、偶発性理論なので、そういう偶発性を呼び込むため、チャンス、ステップアップの機会にするために、絶えず学びを模索していくことです。みなさんはTECH PLAYに登録して、こうやって忙しい中(イベントに)参加しているので、ここは問題ないかなと思います。
あとは「失敗に負けずに」とか。「新しい機会は必ず実現するのでポジティブに」とか。それから、リスクを恐れずに挑戦してみるとか。けっこう勇気づけられる理論なので、(私は)クルンボルツさんが大好きという感じです。ぜひこのあたりの考え方も参考にしてもらえるといいかなと思います。
先ほど30代、40代のミドル層に多い悩みを見てきたのですが、特にITエンジニアのミドル層に多いキャリアの悩みは、「上流工程に携わりたい」とか、やはりそういうところが多いかなと思います。
一方で、忙しすぎてなかなか考える時間がない、キャリア開発を考える時間もないというところが多いかなというところです。
今日集まっている方は、開発プロジェクトに関わるエンジニアの方が多いと思います。特にプロジェクトリーダー、マネージャーやPMO(Project Management Office)として活動していると、プロジェクトを進めていく上での困難な状況というものは、たくさん起こってくると思います。
そうすると、「上流工程に関わりたい」みたいな。「突き詰めていくとこのあたりに辿り着く」という、そういう悩みが多いのかなと思います。
なぜかというと、プロジェクトが遅延してしまったり、「品質がちゃんと見える化できているんだろうか」とかいろいろ考えていくと、「上流工程で品質が作り込まれるから、やはり上流工程からどうにかしたい」という、そういう意欲というか、根本に辿り着くという感じかなと思います。
(スライドを示して)品質は、QCD(Quality、Cost、Delivery)のどれも大事と言われています。納期は必達、コストはなるべく計画どおりに、その中で、できるだけ品質も確保したい、と。当然そういう考え方でもいいんです。
しかし、「じゃあリリースしちゃえばいいじゃない」と思っても、バグが残っていたり、テストでNGが残っているとリリースできなくて、納期が守れません。
そういうことをしていると、プロジェクトが遅延していきます。遅延をどうにかするために人員を大量に投入していくと、コストが守れないことになっていて。納期とコストが守れないのは、結局品質が悪いからだよねというところに辿り着きます。
なので、「上流工程の支援を行いたい」という悩みが出てくるんだろうなと思います。なぜかというと、品質の作り込みは上流工程で行われるからですね。ここに辿り着くんだろうなというところです。
不具合の修正は、後工程になるほどコストがかかるということはみなさん実感を持っているんじゃないかなと思います。要求定義からと比べると、出荷後では(そのコストは)200倍と言われています。そのぐらいの、誤りを正すために必要なコストがかかってきてしまう。だからこそ、上流工程をどうにかしていきたいという意識が生まれるんだろうなと思います。
ここにいる方は、品質に関する意識が高い方ではないかなと思います。なので本日は、1つのキャリアの方向性として、品質エキスパートの道を紹介していきたいと思います。
(スライドを示して)これはPMBOK(Project Management Body of Knowledge)の知識エリアです。10個の知識エリア……。これは1つ前のPMBOKになりますが、みなさんはシステム開発に関わるいろいろなことを考慮しながらプロジェクトを進行しているかなと思います。
プロジェクトが途中で頓挫してしまったり、計画外のリスクが現実化してしまうと、計画から逸脱してしまうことが多々起こってしまいます。
色が変わっているエリアがQMO(Quality Management Office)の担当エリアですが、プロジェクトリーダーを支援するために存在しています。
この後のパネルディスカッションで品質にこだわりを持つ……。やはり品質にこだわりを持つ方が入社することがバルテスには多いので、こだわりを持っている2人と話をしていきたいと思います。
品質への意識づけとかそのあたり、みなさんから聞いてみたいことを、ぜひチャットでもらえればと思います。いろいろ話が聞けると思うので、楽しみにしていてください。
(スライドを示して)こういったかたちで、品質エキスパートで活動していくメリット、デメリットも簡単にまとめています。
クオリティへのこだわりは、誰にも負けない才能であり強みです。みなさんはキャリアの考え方も学びたかったのかなと思いますが、もし上流工程、品質に関する意識があれば、品質エキスパートも選択肢に入れてもらえるといいのかなと思います。
まとめとしては、今日はキャリア開発の基本ステップということでいろいろお伝えしてきました。あとは、役立つ理論を3つ紹介してきました。
キャリアを考える上で、ロールモデルの重要性は非常に大きいかなと思います。キャリアの先駆者がいると、自分のキャリアをイメージしやすくなったりするので、今日は(この後に)登壇する2人からも話を聞いて、自身のキャリアの開発の参考にしてもらえるといいかなと思っています。
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