2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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稲垣剛之氏:「ARR100億超SaaSをさらに成長させるPdM組織の立ち上げと今後について」ということで話せればなと思います。よろしくお願いします。
まず、このセッションで話すことについてを書いています。プロダクトマネジメントの組織を立ち上げて、現在に至るまでの話をするつもりです。
話すこととしては、どういう状態だったのかと、どのように進めたのか。あと、結果としてどうなったのか、今後はどうするかを話そうと思います。
どんな人に聞いてほしいかという点でいうと、これからプロダクトマネージャーの役割や組織を確立しようとしている方だったり、あとはプロダクトマネージャー関係なく、これから新しい役割の組織を立ち上げようとしている方は、多少は参考になるんじゃないかなと思います。
自分の後の2名のセッションはかなりプロダクトマネージャーの具体的な内容についてですが、自分はどちらかというと組織マネジメントがメインの話となります。
あらためて自己紹介をします。稲垣剛之といいます。今は「楽楽精算」の製品管理課という、プロダクトマネジメントの組織の課長をしています。
経歴としては、10年ほどSIerでWebシステムとかサービスのプログラマー、SE、プロダクトマネージャーをやってきて、その後、自社サービスを運営している企業に入って、ファッションECサイトやアプリの立ち上げから開発の責任者として参画しました。その後は企画、開発、デザイナーを率いるようなプロダクト開発の責任者というかたちで、約10年ほど携わっていたかたちになります。
ラクスには2年前に入社して、そのタイミングで今の製品管理課の組織を立ち上げました。今話したように、基本的にはエンジニアがバックボーンで、製品開発全般に20年ほど、全工程を満遍なく実務で経験しているかたちになっています。
なので、主に製品開発をする人たちのマネジメントだったり、それによって事業や製品をグロースする部分に主に携わってきたような経歴になります。
まず我々が携わっている楽楽精算というサービスについて話せればというところで。この後のセッションのメンバーも同じ商材の話をするので、ここで簡単に触れておこうかなと思います。
サービスとしては、経費などお金に関わるすべての処理を一元管理できるようなクラウド型の交通費・経費精算システムです。
サービス開始は2009年の7月なので、だいたい15年弱ぐらい経っています。15年弱とはいっても、参入としてはすごく早いタイミングではなくて、SaaSがまだ今ほど隆盛ではない時期からSaaSのサービス形態として提供していたかたちになります。
現状でいうと1万2,000社ほどお客さまがいて、100万人以上の方が利用しています。売上規模としては、2022年度の実績で100億円を突破しているサービスになっています。
現在の経費精算の市場感についても、伝えたほうがイメージが湧きやすいので話すと、全体としては2,500億円程度の規模があるようなかたちです。
当社の楽楽精算は、主にSMBと一定規模の大企業をターゲットとしています。(スライドを示して)真ん中に書いてあるとおり、具体的には50名から4,999名の規模をメインターゲットにしているので、そうなるとだいたい1,310億円規模になります。5,000名を超える企業を積極的なターゲットにはしていませんが、実際にお客さまとしてはいらっしゃるような状況です。
5,000名を超える企業となってくると、基幹システムを自前で持っていたりがあって、SaaSでの導入がなかなか難しいというところ。あと、どうしてもカスタマイズが必要になってくるようなケースが多いので、積極的にターゲットにはしていないようなかたちになっています。
あと、日本は法人企業がだいたい178万社ぐらいあると言われていて、その中でも5,000人以上の規模の企業は500社程度なので、その点も積極的なターゲットにはしていない理由の1つとなります。
2022年度の実績でARRが103億円、917億円を想定ターゲットとしており、800億円ぐらい白地があるようなかたちになっています。
昨今、電子帳簿保存法だったりインボイス制度だったりで、市場的にはDX化に向けた動きがかなり進んでいます。そうはいっても、ネットとかで調査を見ると、半分ぐらいがまだ紙とか「Excel」を頼っているような状態なので、今後、そういった層をしっかり取り込んでいけるかが製品としては重要な課題になっている局面です。
あと、約15年弱運用しているため、すでに導入してくださっているお客さまの企業規模がかなり大きくなっている部分もあるので、そういったお客さまにもしっかり対応して、利用していただくのが重要かなと思っています。
以上が、当社の簡単な製品の紹介と我々の製品の市場感になります。
ここから具体的な内容に入ろうかなと思います。自分が入社したのが2021年8月なので、2年半前ぐらいに組織や事業がどういった状態だったかになります。
(スライドを示して)まず、プロダクトチームの編成的にはこういうかたちになっていました。開発側はエンジニアとデザイナーがいて、開発側にはプロダクトマネージャー的な役割はいない状態でした。
ビジネス側に製品企画という部隊がいて、この部隊がプロダクトマネージャーとPMM(Product Marketing Manager)的な役割を担うかたちで、PRD(Product Requirements Document)やMRD(Market Requirements Document)、製品要求仕様だったり市場要求仕様をセットで作るような役割を担っていました。
それを開発側のエンジニアのリーダークラスだったり上流担当者に渡すようなかたちで、それ以降のフェーズを進められるような開発手法になっていたのが、2021年8月時点での役割、体制です。
(スライドを示して)「じゃあ、実際の事業とか製品状況はどんな感じだったの?」というと、こういったかたちになっています。当時でいうと、四半期で(売上高が)16.7億円なので、ARR的には67億円弱程度。順調に成長しているとはいっても、100億円は達成していない状態でした。
製品状況も年数回程度大規模アップデートをしていて。新規オプションの連携だったりリリースもけっこうしていて、かなりコンスタントに機能リリースが改善できているような状態というところで、事業状況、製品状況、いずれも順調だったのが当時の状態になっています。
じゃあこの状態からどう進めたのかですが、正直、事業としてはかなりいい状態だったため、逆にプロダクトマネージャー(組織)を立ち上げることでマイナスになる可能性もあるので、かなり慎重に進めていったかたちになります。
基本的には、問題解決プロセスを当てはめて動くようにしました。プロダクトマネジメントにおいてもたぶんこの思考プロセスは使うことが多いんじゃないかなと思います。組織もプロダクトと同じと捉えると、このスキームは非常に活かすことができるかなと。
あと、この考え方は、ラクス内でも推奨されていたり浸透していたりして、その点でもかなり進めやすかった印象があります。
この中でも、自分は特に3点、現状把握、目標設定、問題特定を重要視しています。
1つ目の現状把握に関しては、どれだけ現状をしっかり捉えるかで、これ以降のステップの解像度や質にかなり影響するかなというところ。あと、しっかりと事実を集めていくことが大事なので、とにかくできるだけ周辺情報を集めていくことをやっていく必要があるかなと思います。
目標設定も、ここが大事かなと思っていて。これによってメンバーの行動も変わるということと、成果も変わるんじゃないかというところで、重要かなと思っています。
最後に問題特定。問題とは「目標設定したあるべき姿」との差分で障害となるものになります。
大小出てきますが、一番キードライバーとなる問題はどれか。いわゆる、「イシューは何か?」というところが非常に重要かなと。ここを間違えてしまうと成果に貢献ができないかなとなる部分なので、ここもしっかり重要視しながら進めていったようなかたちになります。
(次回に続く)
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