内田氏の自己紹介

内田太志氏:それでは、「個人開発のオープンソースで起業&マネタイズ」というタイトルでLTをします。私は株式会社インプリムの内田と申します。今は個人開発ではなくなってしまったのですが、「プリザンター」という製品を作って、独立起業をして7期目の人間です。

もともとは富士通エフサスという会社でSEやプロマネをやっていて、19年ぐらい、エンジニアをやっていました。その後、独立しました。

趣味は“昭和のインドア”と言っているのですが、麻雀やカラオケが大好きで、会社には全自動の麻雀卓を置いたり、カラオケスナックに通ったり、そんなことをやっています。

個人開発した「プリザンター」について

(スライドを示して)今回、この「プリザンター」を個人で開発しました。オープンソースで公開しています。ノーコード・ローコード開発ツールです。いわゆる業務システムでUIを作ったりデータベースを作ったりみたいなことができる製品です。

GitHubに公開しているので、よかったらスターをつけてもらえるとうれしいです。

プリザンターの機能はたくさんあって説明できないのですが、基本機能でデータを管理する機能や、開発者向けのAPIや、運用管理者向けのセキュリティの機能などを備えています。

ちょっとだけデモをしたいと思います。

(デモ開始)

(画面を示して)こちらがプリザンターの画面です。

こんな感じで検索をしたりソートしたり、あとは画面でコミュニケーションをとったり。

あとは画像みたいなものを貼り付けてコミュニケーションをとったり、ファイルを貼り付けたりできます。

「動作が軽いので管理業務が捗るよ」みたいな、そんな立てつけになっています。いろいろなビューを備えていたり、データのメンテナンスがカンバンでできたりするような機能を持っています。

あとは、データベースを新しく作って、そこに例えばアクセス権を付与して、付与したアクセス権に管理者の設定をしたりできます。

あとは、「顧客情報」などのテンプレからテーブルを作成し、会社名や住所を入れて(顧客を)登録できます。

ほかにも「商談」というテンプレからテーブルを作ると商談が登録できるのですが、顧客名のところがフリー入力になってしまっているので、2つのテーブルを重ね合わせて紐づけます。

そうすると、顧客情報のマスタ上から選べるようになります。このようにテーブルに格納したデータをリレーションするような機能をノーコードで作っていける製品になっています。

(デモ終わり)

もともと個人で開発していた期間が3年から4年ぐらいありました。そのあと2人で起業して、法人化して、いくらか資金調達をしながら売上を立てていって、いろいろな賞を獲って、今ようやく社員が17名ぐらいの会社になりました。今日はこの中身を少し説明したいと思います。

最近、いろいろな導入事例を公開できるようになりました。銀行さんや製造業さんに入るようになってきています。

なぜ「プリザンター」を作ったか

なぜ作ったかというところですが、実は、大きな組織の管理は無理ゲーだったというのがあって、「自分の仕事を楽にするために」というのがきっかけで作りました。

このプリザンターの名前の由来は「快適」とか「楽しい」ということで、「より快適に」という気持ちを込めて「プリザンター」という名前にしています。

「プリザンター」をどうやって作ったか

どうやって作ったかいうところは気合いの話になってしまうのですが、毎日日課としてGitHubに芝を生やしたり、通勤電車の中でプログラミングをしたりという感じでやっていました。

この時、2年間ぐらい遊びは封印して、カラオケスナックのママから「いつ来るんだ?」とよく催促されました。

なぜ起業したのか

なぜ起業したのかというところは、最初は個人でやっていたのですが、この業務システムの領域はやはり信用が大事で、なかなか個人だけではこれ以上広げられないなという限界を感じて、ブランドをつけるためにも、会社にしました。

起業したあとどのようにマネタイズしたのか

起業したあとのマネタイズはどうしたのかというところは、最初の壁は、収入がなくなるので、どうやってお金を調達するのかというところです。

自己資金と銀行さんからの借入と、あとは第三者割当増資。出資をしてもらいました。そんな感じで、我々はなんとか最初の創業期を乗り切ることができました。

オープンソースは無料なのでお金が入ってこないんですが、(そんな中でも)どうやって稼いだかというと、サポートサービスとクラウドサービスを作って、ここでサブスクの売上を立てています。

ただ、最初はサブスクの売上だけではどうしようもないので、その間のフローの売上という意味で、システムを導入するサービスやコンサルティングや開発のサービスを組み合わせて事業を立てていったという感じです。

サブスクをやる上で一番良かったなと思ったことは、無償公開していたので、企業がけっこう気軽に導入してくれたことです。気軽に導入してもらって、データベースなので仕事に不可欠なツールになっていって、そのうち何百人とか何千人で使われるようになって、サポートが必要になって、ここで(サポートを購入してもらって)マネタイズするという感じです。

(スライドを示して)あとはサブスクと受託開発を組み合わせたという話を先ほどしましたが、サブスクの売上って、最初ほぼ0のところからじわじわ上がっていくのですが、足りない部分、黄色い部分を受託開発でカバーしながら進めて、サブスク+受託開発をちょっとずつ減らしていきながら、サブスクが損益分岐点を超えたら製品開発の投資に回していくみたいなやり方を考えています。

あとは年間サポートです。サービス自体を年間前払いで設計したのですが、そうすると入金が最初にあるので、わりと資金繰りが楽になるところがありました。ただ、一方で売上自体は毎月立っていくものなので、実は決算の期がその時にあると、税金自体は来年度に持っていけるというメリットのあるサービスになっています。

あとは、自社製品自体が開発ツールなので、自社製品をベースとした受託開発をすることで、単なるアルバイトでお金を稼ぐのではなくて、自社製品そのものを成長させながら開発ができるということをやっていました。

あとは、最近はパートナー企業さんと組んで商売を伸ばすことをやっています。今、70社ぐらいのパートナーさんと一緒に、エコシステムということで、SIをやったりサポートやったりということで組み立てています。

ざっくりですが、個人開発は3年、そこから法人化7年という軌跡の話をしました。

以上です。ぜひ興味のある方は触ってもらえるとうれしいです。