「タイミー」について

石井基裕氏:今日は株式会社タイミーの石井から、「EMと一緒に“考える環境”をつくる」というテーマで話そうと思っています。では、今日はどんな話をするのかという概要をいったんお伝えします。

「メンバーの成長に対してポジティブに作用することを責務の1つとして持つEMは、こんなことを考えています」という話を今日はしていきたいと思っています。

自己紹介です。私は石井と申します。2023年1月からタイミーのエンジニアリングマネージャーとして活動しています。スライド3

ちょっとだけ「タイミー」の宣伝をさせてください。「タイミー」はスキマバイトサービスNo.1で、導入事業者数が46,000社、ワーカー数が500万人という大きなプラットフォームを運営しています。

マッチングプラットフォームなので、働きたい時間と働いてほしい時間をそれぞれマッチングするかたちになっているんですが、ワーカーさんの体験がけっこう特徴的です。

ワーカーさんは面接とか書類選考をすることなく、すぐにお仕事を決めることができます。あとは、働いたあとにすぐにお金を受け取ることができるというところで、滑らかな体験を提供しています。

一方で、企業さんも働く意欲の大変高い500万人のワーカーさんにリーチできるというところで、しっかりと人を確保することができるかたちになっています。

今日、この場にいる方々がアルバイトサービスを使う機会はなかなかないと思うんですが、知り合いでそういうものを使いたい方がいたらぜひ教えてあげてください。

本セッションの目次

今日の目次です。タイミーのEM組織について最初に話をして、そのあと、“成長”という言葉自体を今どのように捉えているのかという話。その成長に大きく寄与するであろう“考える環境”というものをEMと一緒に作りましょうというところ。場の話であったり聞き手の話ですね。まさに吉永さん(吉永聰志氏)から話があった聞き手の話です。最後に、メンバーと作る“考える環境”というものは、EMの役割にどのように活かせるのかと、まとめという感じで話をしていこうかなと思います。

けっこう“概念パーソン”になるなと思っていて。ふわふわした話をけっこうするんですよ。なので、みなさんがちゃんと聞いてくれるか。けっこう問いかけをしようと思うんですが、決して指しません。この言葉で心理的安全性を担保したいと思うので、ぜひリアクションをもらえたらと思っています。

タイミーのEMは「弱めのEM」をベースに「強めのEM」もうやっている

では、まずタイミーのEM組織について話します。(スライドを示して)これはEMの役割を表示しているんですけが、今のタイミーのEMは4名います。来月から5名になります。各EMはプロダクト作りにおける最小遂行単位であるSquadのマネジメントをしています。

このSquadが運用されていくにあたって、プロダクト、プロセス、テクノロジー、ピープルというところの関心事をちゃんと運用していくことが、チームが前に進むために必要ということがある中で、EMはPeople Managementを軸足に見ていっています。

一方で、他の3つの要素を補う、いわゆるチームにおいてのケーパビリティに何か不足があった場合には、EMは右から左に染み出していくようなかたちなので、必要に応じてそのチーム推進のマネジメントとか、プロセスのマネジメントにも関与をするかたちになっています。

なので、社内のEMの方は、いわゆるデポ地としては広木大地さんの「弱めのEM」をベースとしているんですが、チームの状況次第ではいわゆる「強めのEM」もやっているというような状況です。

もちろんEMという人たちはSquadのマネジメントメンバーのマネジメントだけじゃなくて、広い範囲におけるアサインメントとか、Squadの組成、解体、新規採用みたいなところにも携わっています。

今日はEMの成長への関わりの支援が主題となっているので、このPeople Managementを主軸に話そうかなと思っています。

“成長”というものをどのように捉えているか

最初のテーマです。成長をどのように捉えているか。もちろんみなさん言葉はわかると思います。成長を促す役割もEMの方はみなさんが担っていると思います。でも、どう成長すると良いのか、成長の先には何があるのかとかを考えていくと、成長を担うことってすごく難しいと思いませんか? と僕は思っています。

みなさん、どうでしょう? 自分の成長を何に向けているのかを少し考えてみてほしいです。例えばリーダーシップを得ていくとか、自分の管掌のメンバーにエンジニアとしてのスキルを高めてもらうとか、例えば自分から見えている不足する役割を補ってもらうように働きかけるとか。けっこういろいろとあると思うんですよね。

僕はもうちょっと大枠で捉えたいというか、抽象的に捉えようと思った時に、今はこう考えています。「成長の先で己を高めて自己実現をしてほしい」と思っています。

ここから(の話は)けっこう“概念パーソン”です。結局「自己実現って何よ?」という話になってくるんですが、1800年代のイギリスのとある哲学者はこう言っています。「自我を完全に叶えること。それが(人間の)究極の目的である」と。

あとはお馴染みのマズローさん(アブラハム・ハロルド・マズロー氏)ですね。人間の欲求を5段階で表現したマズローさんなんですが、マズローさんは「研鑽の先で、あるべき自分になること。最後の欲求である」と。正直まだよくわからないですよね(笑)。なんですが、有限であるEMとメンバーの時間をより価値のあるものにするとしたら、今の僕はここを軸に持つことが良いのではないかと思っています。とても大きな関心事ですが、これぐらいのものを指していきたいなと考えています。

一方で、EMとメンバーの接点はとても有機的なもの、有限であるとも思っているので、EMがそのみなさんの人生の自己実現を支援しきることは、まぁ無理だと思っています。究極の目的とか、最後にたどり着く欲求と書かれているものですね。

なので、僕としてはその対象となる方が自己実現を成すことを助けるであろう能力の向上の支援が、成長を促すものと捉えています。

自己実現を成すことを助けるであろう2つの能力

まだふわふわしていると思います(笑)。「じゃあ、その自己実現を成すことを助けるであろう能力の向上って、何の能力なんですか?」という話になってきますよね。「具体的に何の能力を示すんですか?」というところを、僕は今この2つで考えています。

「ちゃんと考えること」と、「考えを実現する行動」という2つで考えています。前提自我とか、その究極の目的というものは、もう自身しか知り得ないもの。自分でしか成し得ないものだと思っています。

なので、自分で達成に向けてちゃんと考えることとか、考えたことをベースに行動して前進することというのが、まさにEMが支援していくべきものなんじゃないかという仮説を僕は持っています。

もちろん思考も大切です。行動も大切です。これはどっちも大切なんですが、あえて今日は思考のほうを話していこうと思います。なぜならば、思考したものを行動に起こした時は、思考したもの以上のリターンを行動からは得られないと思うんですよね。

思考の質よりも行動の質は下回るものである。行動の質をいくら高めても思考の質は越えられないと思っています。なので、行動の質を高めるとしたら思考そのものに手を入れていく必要があると考えています。

なので、今の僕のEMという役割は、これをちゃんと考えること。思考の質を高める意図を持ってメンバーと接しようとがんばっています。

まさに思考に手を入れる活動がコミュニケーション術だと思っているので、今日は行動の話を。とても大事なんですよ。行動していくこと、行動の環境を作ることはとても大事なんです。

それはEMの仕事でもあると思うんですが、今日は思考の話がメインです。最後にちょっとだけ行動の話をします。

「個人の成長を促すEMのコミュニケーション術」の捉え方

いやー、だいぶ“概念パーソン”ですね。ふわふわした話をしている自覚はあるので、いったんまとめます。

今日の会のタイトルは、「個人の成長を促すEMのコミュニケーション術」です。良い未来を自身で実現できる能力を得ることを個人の成長と定義します。大きく出ています。なおかつ能力としてはちゃんと考えることと、考えを実現する行動というものを定義しています。

なおかつ、先立つ思考を支援する環境やきっかけを作ることを、促すコミュニケーション術であると捉えています。今日の勉強会のタイトルを僕はそのように捉えています。

(次回に続く)