登壇者の自己紹介とアジェンダの紹介

ダニエル・チョ氏:あらためまして「GitHub Copilot X 将来ビジョン」ということで、ギットハブジャパンのシニアソリューションズエンジニアを担当しているダニエル・チョから、約10分、ちょっと早口で紹介していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

本日は、このような感じでスライドを用意していただいていますが、まずは「GitHub Copilot」自体のビジョンを紹介して、今後のGitHub CopilotということでGitHub Copilot X。こちらは実は半年前に発表されている内容ですが、今後のGitHub Copilotの方向性ということで紹介していきたいと思います。

時間が余ったらその後、GitHub Copilot Chatと、今後のGitHub Copilot Xで発表されている各種機能についても少しだけ詳しく紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

GitHub Copilotが目指している未来

「これからのGitHub Copilot」について。みなさまGitHub Copilotをご存じかと思いますが、現在GitHub Copilotが目指している未来は、「すばらしいAIペアプログラマー」で、より大きな問題の解決に誘導できること。個人に特化したAIによる提案がそのまま生成されて、開発エンジニアの方々に提供されること。

また、開発エンジニアのみなさまが好きなIDEで自由に使えるように、さまざまなIDEに対応しているというのが、現在私たちがCopilotに対して持っているビジョンです。

(スライドを示して)こちらに画像を入れていますが、現在すでにできることとして、このようなかたちでまわりに文脈があります。

文脈に対して、その次に来るものを自動的に予測してそれを提案する。提案される内容も、当然まわりのほうに合わせるということで、実際の命名規則やコーディングルールなどによって書いている内容、提案される内容は随時変更されるようになっています。

GitHub Copilot Xの開発は4つの柱をもとに進められている

実はGitHub Copilotは「ChatGPT」よりも前にリリースされているのですが、これは私たちにとってはただの始まりの第一歩であると考えています。

これからのGitHub Copilotとして、GitHub Copilot Xが2023年3月末の時点で発表されています。この後に話すGitHub Copilot Chatというのがパブリックベータとして先日公開されていました。

よく、「このCopilot Xは何なのか」と聞かれるのですが、GitHub Copilot Xというのは、プロジェクトXみたいに私たちが持っているGitHub Copilotの将来像です。将来こういうことがあったらいいな、こういうことができたらどうだろうという総称になっています。ソフトウェア開発におけるすべての段階、すべての工程にAIの補助機能を入れること。これがGitHub Copilot Xが抱えているビジョンです。

これに向け、当然私たちもどの原則で開発を進めていくのかを考えないといけませんでした。ここで、ある4つの柱をもとに、このGitHub Copilot Xの開発を進めていくと決めています。どなたでも使える。簡単に対話形式と書いてありますが、利用するハードルの低さを必ず目指していく。

それで各個人に特化したかたちでサービスを提供する。またはこれは当然なことだと思いますが、安全・安定・信頼されるサービスとして提供していく。GitHub Copilot Xということで、GitHub Copilotの開発および今後の機能改善などを含めて、これが柱と私たちは考えています。

GitHub Copilot Xでは何ができるのか?

実際にGitHub Copilot Xを使うと、どのようにGitHub Copilotがレベルアップをするのかを具体的に紹介していきたいと思います。

まずは会話ですね。こちらは先日(※登壇当時)、GitHub Copilotをご利用いただいているすべてのみなさまにパブリックベータとして公開されている機能です。

(スライドを示して)こちらは、コードを選択して解説をお願いするという場面です。画像は英語になっていますが、実はこれは日本語で打つとそのまま日本語で返事がきます。コードの中身の一部を選択し、その内容に対して「選択しているコードを解説してください」とすると、このような感じで、自動的にこの文脈の部分を把握して、その選択内容に対して回答を書き起こします。

そしてこのようにGitHub Copilotが自由に、現在のGitHub Copilotと同様に選んで、文脈も事前に把握できているというかたちになっています。また、「コード全体に対して可読性を上げてください」と聞くと、そのままコードの提案もできるようになっていますし、「関数として分けてください」と記入すると、そのまま別の関数に分けていきます。

このようにコードの変更、テストなども自由に対話形式で提案することが可能になっています。それがGitHub Copilot Chatです。

他の機能の紹介

これからお話しする機能は、実際の(GitHub Copilot)Xで発表されているのですが、すべてプライベートベータになっているので、軽く触れていきたいと思います。

まず、ドキュメント向けのGitHub Copilot。こちらは特定のドキュメント群に対して自然言語で質問を投げることで、回答を得られます。回答の中には参照先も全部入っていて、よくわからないことがあればそのままGitHub Copilotに聞くことで、回答を得られるという機能になっています。

また、そもそもこのプルリクエストが何のためのものなのか、中身がどうなっているのか、何が変更されているのかを自動的に補完する機能もあります。簡単に、このプルリクエストは何をしているのかを絵文字で表現したり、概要だけをまとめてみたり、あるいは詳細に何が変わったのかを解説してくれます。あと、これはちょっとふざけた感じで入れているのですが、英語の詩を作ることも可能です。

最後に発表されているのはCLIの部分です。

こちらも直接的に開発業務に関係するわけではありませんが、シェルスクリプトや、シェルのコマンドを使う時に何をやればいいのか、どのコマンドを打てばいいのかわからない時に、Copilotに対して自然言語で聞いて、そのままコマンドを回答として得られます。日本語でもいけます。調整が必要な場合は、そのまま調整するという機能が、GitHub Copilot for CLIとして発表されています。

チャット以外のこれら3つの機能は、GitHub Copilot Xの配下で、将来こういうことがあればいいなというかたちでプライベートベータとしてすべて提供しています。現在は私も多くは語れないのですが、2023年11月に「GitHub Universe」というイベントがあります。

そちらで、AIに関するGitHubの今後の方針など、さまざまな発表もあると思うので、みなさんお楽しみにしていただければと思います。では私からはこれで以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。