齊藤氏の自己紹介

齊藤亮氏:では「プロダクトマネージャーこそプロジェクトマネジメントを学ぼう」というテーマでお話をさせてもらえればと思います。

まず自己紹介になりますが、名前は齊藤亮と申します。キャリアですが、大学在学中からエンジニアとしてアプリ開発をやっていて、その後、toC向けのアプリ開発会社を創業しています。会社自体は畳んでしまいましたが、その後ヘルスケアテクノロジーのベンチャーでプロダクトマネージャーを経て、2022年の8月にDMMに入社しています。

今は横串部署のアルファ室というところで、プロジェクトマネジメント業務に従事しています。キャリアを簡単にまとめるとエンジニア4年で、プロダクトマネージャーが3年で、プロジェクトマネージャーを今やっているというような経歴になります。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違い

今日のお話ですが、プロダクトマネージャーだった自分がプロジェクトマネージャーとして今回DMMに入社したんですが、そこでの学びや気づきについて話そうかなと思います。

ちょっとここで質問ですが、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いや共通点って何だと思いますか? ちょっと質問を投げさせてもらいます。「こういうところが違うんじゃないか」「共通点はここなんじゃないか」みたいな話がもしあれば、コメントに書いてみてください。今日はこの違いとか共通点について重点的にお話をしようかなと思っています。

まだコメントが来ていないのですが、次に行っちゃいたいと思います。

じゃあさっそく答え合わせみたいな感じになってしまいますが、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いについて見ていこうかなと思います。

(スライドが)文字文字しくて申し訳ないんですが、まず1番目の責任範囲というところですね。プロダクトマネージャーはその名のとおり、プロダクトのマネジメントに責任を持つというところになってくるかなと思います。一方でプロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の計画、実行、制御に責任を持つというところになります。

続いて2番目の時間軸というところですね。プロダクトマネージャーはプロダクトのライフサイクル全体に関与してくるというところで長期間関与してくるんですが、一方、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの限られた期間関与してくるというところの違いがあるかなと思います。

3番目の目的ですね。プロダクトマネージャーの目的は、ビジョンとかロードマップというものを活用して、ユーザー価値を最大化するところが目的になってくるかなと思います。一方プロジェクトマネージャーについては、限られた期間の中で特定の成果物を提供するところが目的になってくるかなと思います。

4番目、成果の評価ですね。プロダクトマネージャーの評価については、基本的にはユーザーからのフィードバックに基づく評価であったり、KPIの貢献みたいなところが評価になってくるかなと思います。プロジェクトマネージャーの評価は、ステークホルダーから評価されるところが大きな違いかなというふうに思います。

5番目のコミュニケーションですね。こちらは大きな違いはないかなと思いますが、プロダクトマネージャーは、より開発者とコミュニケーションすることが多かったかなと思います。

最後はリスクのところですね。プロダクトマネージャーはリスクについて意識することは少ないかなと思いますが、製品の市場の変化だったりとか、競合の影響に対するリスク管理はあるかなと思います。一方、プロジェクトマネージャーについては、プロジェクトで発生するリスクを特定して分析して対策するというところが、プロジェクトマネージャーのリスク管理になってくるかなと思います。

これらをまとめて考えてみてみると、時間軸の違いというところですね。プロダクトマネージャーは長期間関わるというところに対して、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの限られた期間に関わる。ここの違いが役割やスキルセットの違いを生んでいるんじゃないかなとに思っています。この話を念頭に、このあとの話を聞いてもらえればいいかなと思っております。

「DMM TV」プロジェクトを通じて学んだこと

ではさっそくDMMでの学びについて話をしようかなと思います。自分が入社して最初に携わったプロジェクトが「DMM TV」といったプロジェクトになっていて。こちらを知っている方はいますでしょうか? もし「知っている」という方がいればコメントにお願いします。

こちらは2022年12月にリリースされたプロダクトになっていて、月額550円でアニメ・エンタメ見放題の総合動画配信サービスになっています。ぜひこの機会にDMM TVを触ってみてください。

これはどういうプロダクトだったかというところで、DMM史上最大のプロジェクトと言われています。ステークホルダーや関係者が多数、0→1の新サービス作り、しかもローンチ日が(2022年)12月1日と決まっていて、期日を必ず守らないといけない、非常に難易度の高いプロジェクトだったかなと思います。

今回、プロジェクト品質向上のためにアルファ室のメンバーがアサインされたところが背景になっています。

アルファ室で何をやったかというところですが、まずプロジェクトの分析を行いました。(その分析で)課題が大きく2つ出てきました。1個目が特定の人物に負荷が集中して、役割や責任が不明確になっていたという課題がありました。

こちらについては、プロジェクトマネジメントの手法であるステークホルダー分析だったり、リソース計画というところを用いて、対策①の各ポジションの再設置とか、役割と責任の明確化、PMO(Project Management Office)の設置という対策を行っています。

課題②のところで、健全な情報連携ができていないというところに対しては、こちらもプロジェクトマネジメントの手法であるコミュニケーション計画というところを用いて、会議体の再設計、エスカレーションフローの確立を行っています。

この他にもいろいろ課題はあったかと思いますが、都度プロジェクトマネジメントの手法を対策していった結果、無事期日内にリリースできたのがDMM TVのプロジェクトになっていました。

ここでの学びとしては、プロジェクトマネジメントの手法が期日を守るということに非常に有効だなというところが、あらためて学びになったなというところになります。

プロダクトマネージャーが抱えるストレスはプロジェクトマネジメントの手法で軽減できる

ここでまた話を変えて、プロダクトXの開発現場を見ていこうかなと思います。実はこれは自分の話なんですが、プロダクトマネージャーが抱えるストレスあるあるとして。例えばステークホルダーが多すぎて物事が前に進まないとか、リリース直前に経営陣からの意向で急遽仕様が変わってしまうとか。情報連携をうまくやっていなくて、他部署とちょっとケンカしてしまうみたいなところがあったり。

リスク課題が判明するタイミングが遅くなってリリースが遅れてしまうとか、そういった課題って、けっこうプロダクトマネージャーあるあるかなと思います。これって実は、先ほどのプロジェクトマネジメントの手法を用いることでけっこう軽減できるのかなと思っています。

例えばステークホルダー分析とか、コミュニケーション計画というところがプロジェクトマネジメントの手法としてありますが、これらを活用することでプロダクトマネージャーのストレスをかなり減らせるんじゃないかなと思います。

スキルを整理してまとめてみました。プロダクトマネージャー専用のスキルと、プロジェクトマネージャー専用のスキルと、共通スキルがあると思います。

共通スキルについてはプロジェクトマネジメントのスキルにちょっと抽出して書いていますが、プロジェクト管理、ステークホルダー分析、コミュニケーション計画というところは、プロダクトマネージャーの方ももうすぐにでも活用できるところになるかなと思うので、ぜひこちらも併せて学んでもらうのがいいかなと思います。

プロジェクトマネージャー専用のスキルであれば、スコープ管理、品質管理、リスク管理、リソース調達というところも、期日を守るということについては非常に有効に使えるかなと思うので、こちらも併せて学んでもらうと業務ですぐに使えるかなと思います。

プロジェクトマネジメントという“武器”を身につけよう

まとめとして、ちょっと物騒な絵を描いています。見てきたとおり、プロダクト開発の現場でも、プロジェクトの期日が決まったプロジェクトの時でも、プロジェクトマネジメントというのは非常に有効に使える部分があるかなと思います。なので、「ぜひみなさん武器として身につけましょう」というのが今回のまとめになります。

(スライドを示して)上に書いてあるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)という言葉とか、PMP(Project Management Professional)という言葉をキーワードにいろいろ検索してもらうと学べるかなと思うので、ぜひ学んでみてください。

ちょっと宣伝になっちゃうんですが、さまざまな業種とか業態のプロジェクト管理手法を学べるのはDMMだけなので、ぜひDMMでプロジェクト管理を学びましょう。

といったところで、ご清聴ありがとうございました。