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事業会社のPMの仕事とは?SIerとの違い(全1記事)

「SIerのPM」と「事業会社のPM」、両方を経験したからこそ感じた良さ PMとしての成長にもつながる“物事を多角的に見ること”

複数事業に携わるPM組織のスキル成長と評価について、コングロマリットな経済圏を持つDMMのPMから聞く「複数事業を跨ぐPM!なんでもやるDMMに聞く、PM組織の成長と評価の話【開発PM勉強会vol.21】」。ここで合同会社DMM.comの小島氏が登壇。“SIerのPM”と“事業会社のPM”の両方を経験して感じたことについて話します。

小島氏の自己紹介

小島叶子氏:では、私から始めさせてもらえればと思います。「事業会社のPMの仕事とは?」について、過去の経験を活かして多角的な視点を持つことの大切さを学んだので、その話をできればなと思います。

私は小島と申します。私は新卒でアジアクエスト株式会社というSIerに入社してシステム開発のPMを経験した後、2022年10月にDMM.comに中途入社しました。今は社内システムのリプレイス企画や、他社とのアライアンスの案件をやっています。

重ねてですが、本日はSIerのPMと事業会社のPMの違いをメインに、あとはPMのキャリアの1つとして、実例を踏まえながら話せればなと思います。よろしくお願いします。

認識齟齬が生まれるのは、根幹やビジョンを明確に理解していないから

(スライドを示して)でははじめに、みなさんはこちらの図を見たことがあるでしょうか? これは有名な図なので、参加者の大半の方は見たことがあるのかなと思います。通称「顧客が本当に必要だったもの」などと言われているものですね。

この画像は、システム開発のプロジェクトを風刺した絵です。顧客はこの3段のブランコみたいなものを説明したのですが、開発会社として解釈したのはさまざまなブランコで、結局、本当に必要だったのはタイヤが吊り下がっているものだった、みたいな感じの話を描いたものです。

顧客が期待したとおりのシステムを完成できなかった原因は、開発側の勝手な思い込みだったり、都合の押し付けかと思いきや、そもそも最初に顧客が説明した要件からずれていたみたいなところがあるのかなと思っています。

みなさんも言われたとおりのものを作ったはずなのに、顧客とか社内でもオーダーした人間と認識の齟齬があって、修正を入れたり作り直したりした経験があるんじゃないかなと思っています。私はめちゃくちゃあって、メールベースで要件を詰めていたお客さんと、認識の齟齬を発生させてしまった苦い経験があります。

この(風刺絵の)説明を前職の時に聞いた時に、私は「確かにヒアリングって難しいんだよな」とか「認識の齟齬はめちゃくちゃ起きるんだよな」とか、「顧客の本当の要望までヒアリングするのをがんばらなきゃ」みたいに思っていました。

これは別に間違いじゃないんですが、DMMに入ってからグループでの輪読会という勉強会を行った時に、「これってプロダクトのビジョンがはっきりしていないからこういうことが起きちゃうんじゃないの?」みたいな話になって。「確かにプロダクトマネジメントの観点で考えると、そういう考え方もあるんだな」と思って、認識が変わったんですね。

事業会社の立場で考えると、ただヒアリングをうまくすればいいだけじゃなくて、プロダクトや事業の根幹を理解している、もしくは自分たちのビジョンを明確にしていく必要があるんじゃないかと気づきました。

「事業会社のPM」と「SIerのPM」の違い

今のは一例ですが、DMMに入社してから仕事をしていく中で、前職と似たような仕事をしていても、考え方や認識が深まったり変わっていくことが多くありました。

(スライドを示して)今、3点ほど挙げています。たくさん違いはあると思いますが、特に3番目のもの(について)は、プロジェクト期間が決まっているものが多いのがSIerで、事業会社はプロジェクトの期間は決まっていても、そのサービスが続く限りは関わり続けることが多いという違いがあるなと思っています。

ほかの2つに関してもクライアントとのコミュニケーションが重要なのと、事業会社はプロダクトや事業の根幹までもしかしたらちゃんと理解していく必要があるとか、そういった違いがあるかなと思っています。

両方を経験したからこそ感じた良さ

(スライドを示して)冒頭で1つの絵に対する考え方が変わったと伝えましたが、どちらかが間違いというわけではなくて、私はどちらも経験したことの良さがあるかなと思っています。

私は入社後、「うずらインフォ」というアニメの情報サイトの案件のPMをしたんですが、前職の経験を活かしてWBSを引いたり各所と調整したりはできたかなと思っています。ここも仕事内容の抽象度を上げて共通点を考えると、けっこう似たようなこともあるなというところで、うまく活かせることを学びました。

特にサイトのコーディングをベンダーさんに依頼したんですが、関係性の構築や連絡の仕方みたいなところの顧客折衝の部分とかは(経験が)すごく活かせたかなと思っています。ほかにもエンジニアとの会話や、日々の業務でもインシデント対応でも、急がなきゃいけない時にスムーズにできる(ためにすること)というのは、すごく(経験が)活かせているかなと思っています。

この3については、事業会社に入ってからは企画や案件になる前の部分にも関わる部分が増えたんですが、自由に考えた上で、その後懸念点を出していくとか。特にリスクの洗い出しの部分で前職でのPM経験がすごく活かせているんじゃないかなと思っています。

もちろん、どちらかを極めたり専門性を高めていくことにもすごく価値があると思っていますが、個人的にSIer、事業会社のどちらでもPMを経験できたことは、仕事をする上でとても良かったかなと思っています。

まだまだできないことだらけではありますが、過去の経験を活かして、物事を多角的に見ることがすごく意識できるようになったかなと思っています。

働く場所としてのDMMの魅力

(スライドを示して)では、なぜDMMなのかについて話したいと思います。

みなさんも知っているとおり、SIerも事業会社もたくさんあるので、どこで働くのかを選択する必要があるかなと思っています。どのような場所で働いていけばいいのかを考えた時に、私の場合はこの3つが満たされていると、けっこう個人的に幸福度が高いというか、働きやすいんだなというのを感じたので、それをスライドにまとめています。

まずは人の良さですね。これはみなさんもそうだとは思いますが、正直に言うと私はけっこう前職で人にめぐまれたこともあって、転職先を選ぶ軸には入れていませんでした。

実際に(DMMは)オファー面談の時にグループメンバーの方がたくさん来てくださったり、入社時の質問のしやすさとか(があって)、過ごしやすさをすごく感じています。DMMはどのプロジェクトを進めるにしても、さまざまなステークホルダーがいるので。まぁ、部署がたくさんあるのもあるんですけど。ミーティングやヒアリングをお願いすることがけっこうあるんですが、みなさんすごく快く対応してくださっています。

先ほども「すみません、これ急いでやらなきゃいけないんですけど」みたいなところをお願いしたのですが、快く「あぁ、やっておきますね」みたいに言ってもらえたので、すごく仕事がしやすいなと感じています。

2番目が学びに積極的になれる環境と書きました。これは外部の研修参加やグループメンバー主催の勉強会があって、学びを共有してもらえる場がすごく多いです。あと、輪読会として本を読んでいて、前回は『アジャイル型プロジェクトマネジメント』、今は『プロダクトマネジメントのすべて』という本を読んでいます。

それから福利厚生の面です。Tech12という、予算内で書籍や講座を購入できるものがあって、私はそれでプロジェクトマネジメントやデザインの本、ぜんぜん関係ないですが英語の本を買って勉強しています。

3番目ですね。さまざまな情報が入ってくると書いたんですが、これは2番目とすごく被る部分があるんですが、(DMMは)情報をシェアする文化があるので、グループメンバーが朝会や自分のSlackのtimesチャンネルで、最近のニュースや学びを共有してくれています。

部署の発信もあるので、さまざまな情報を受け取れる環境は、2番の環境の部分と相まって、すごく成長につながっているなと感じています。

小島氏が感じた3つのこと

最後にまとめにいきたいと思います。3点ですね。(スライドを示して)まずは、過去の経験を活かして物事を多角的に見るのは大事だということを学んだので、そこをシェアできたらなと思っています。多角的に見られることで、PMとしての成長にもつながっているかなと思っています。

2番目が、これは限られた人が対象になってしまうとは思いますが、SIerと事業会社、どちらでもPMをやってみるのはお勧めです。

もちろん人によってバックグラウンドやロールは違うと思いますが、場所や職種を変えなくても、今までとちょっと違うことに挑戦してみるのは、けっこういろいろなことを知れるのでいいんじゃないかなというところを、お勧めポイントとして挙げておきます。

最後に、自分の幸福度が上がりそうな環境を考えてみるのもいいかもということで、幸福度を上げると相関して成長の速度が上がったり、学びの増加につながるんじゃないかなと思っています。私はいろいろなことを知るのがけっこう好きなので、今の環境はすごく知識を入れることができて、良かったなと思っています。

ではこれで終わりにしたいと思います。みなさん、ありがとうございました。

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