メタバースの方向性でプロダクトを作ってみたい

後藤智氏(以下、後藤):確かにいろいろなモデルがどんどん出てきているので、追いつくのが大変ですよね。たぶんAIが今みたいに、(世間の)みなさんの話題になる前は、みなさんメタバースやWeb3の話をしていたと思います。

メタバースでも、3Dモデルを画像から作ってくれるサービスがあって、例えば「Gen-1」や「Gen-2」のように、アニメーションにしてくれるものがあります。

今、小林さんは副業が厳しいということですが、それがなかったとして、他の分野で自分でこういうことをやってみたい、もしくは、副業は関係なく、自分が作れるとしたらば、こんなものを作ってみたいというのはありますか?

小林聡汰氏(以下、小林):個人的にはけっこう、メタバースの世界観は好きなので、そういった方向で作れればいいかなと思います。

画像のAIにしろChatGPTにしろ、いろいろなもののハードルが下がったと思うんですよ。例えば自分のアバターを作るとなっても、今生成してくれるものは、画像から作ってくれるし、バーチャルの世界でそれを動かす仕組みのプログラムも、そんなにがっつりプログラミングを知らなくても、とりあえず入り口までは連れていってくれるようにはなってきていると思うんですよね。

なので、間口が広がったというところにきっとビジネスチャンスはあると思いつつ、とはいえ、私が思い付いている以上、みんなすでにやっていると思うので、これがやりたいというのは、正直、パッと今頭には出ないです。

でも、今までできなかったエンタメ体験や、非現実的なところはかなりいろいろな人にいろいろなかたちで届けられるようにはなってきたと思います。なので、今まで歴史で積み上げてきたいろいろな伝統、楽しんできたもの、観賞してきたものが、そういった場所でどう表現されるのかとか、そういった新しいかたちは、制約がなければやってみたいというか、興味がありますね。

後藤:なるほど、わかりました。ありがとうございます。

オンラインゲームでネットワーク上のチームメイトが作れるとおもしろい

後藤:櫻庭さんは、いかがでしょう?

櫻庭洋之氏(以下、櫻庭):僕はオンラインゲームで対戦をよくやるんですけど、友だちがいないので一緒に通話しながらプレイする相手がいないんですよ(笑)。

AIで技術的には今実現可能なところには来ていると思うので、仮想の友だち、ネットワーク上のチームメイトのプレイヤーが作れると、すごくおもしろいなと思います。

規約上、そもそもちょっとアウトだと思いますが、そういう機会がこの先出てくるんじゃないかなという気もしています。

後藤:より進化したAIのキャラクターとかですね。

櫻庭:そうですね。

後藤:完全にほとんど人と同じような動きをすると。

ハードウェアとして進化したAIと農業をつなぎたい

後藤:輝さんはいかがですか?

小酒井輝氏(以下、小酒井):僕はずっとやりたいことがあって、それはアグリテックなんですよ。テクノロジーと農業ですね。どうにかしてAIと組み合わせて、うまくできたらいいなと思うけど、まったくアイデアはないですね。

後藤:なるほど(笑)。難しいですね。アグリカルチャーとテックですよね。基本的にAIは、みんなソフトウェアとしての進化だったので、ハードウェアとしての進化、AIとしての進化が訪れた時に、たぶん農業にすごく役に立ちそうな気はしますよね。

小酒井:そうですよね。結局農業はハードウェアと結び付くと力が出そうですよね。

後藤:そうですよね。そこはもう少し時間をかけなきゃいけないところだと思いますが、ソフトはかなり発展してきたので、それが転用されればいいと思います。

今、ボストン・ダイナミクスなどをYouTubeなどで見ると、動きとしてはすごく進化しているので、そういうところにAIの技術が転用された時にどうなるのかを見てみたいですよね。ありがとうございます。

AIを活用して新しい価値をどう創出するかを考えていきたい

後藤:そろそろ時間なので、最後にうかがいます。このChatGPTがもたらした影響は、プラスの面もマイナスの面もいろいろあると思います。

AIを使えば、新しいビジネスモデルが発見できるんじゃないかと先ほども話が出てきました。モバイルが出てきた時は、「Uber」のような今までなかったサービスが出てきたりしたんですよね。

最後に、それぞれの方に、これからの世の中をAIがどう変えていくのか、変わっていくのかと、そこに自分がどう関わっていくのか。AIと一緒に自分がどう関わっていきたいかを、おうかがいしたいと思います。では、小林さん、お願いします。

小林:どう変わっていくのか? という文脈でいうと、最初のほうにも話があったかもしれませんが、自動化は間違いなく進むと思います。置き換わるところはどんどん置き換わっていくので、それを良くないと捉える人は多いと思う一方、チャンスが増えているのは間違いないはずなんですよね。

私は、やはりそれをチャンスと見たいです。プログラミングを書いている職業、仕事をしているからこそ、仕事が取られると悲観するのではなく、今、そのChatGPTで何をするかをアドバンテージを持ってできる側だと思います。

なので、取り組み方としては、今やっている内容とどう結び付けられるか。どう新しい価値を創出するかというところですかね。私は正直、そんなに悲観的に考えていません。むしろワクワクしています。

先ほどもビジネスサイドのことを聞かれて、その時はあまり思い付かなかったのですが、いい機会なので、それこそChatGPTに壁打ちして、ブレインストーミングして、副業はまだ禁止ですが、グリーンカードなど別のチャンスでできるようになったら、考えてみたいです。

後藤:なるほど、ありがとうございます。

インターネット黎明期ならでは雰囲気にワクワクしている

後藤:櫻庭さん、いかがでしょう?

櫻庭:そうですね。先ほどもお話ししたとおり、インターネット黎明期ならではのあの雰囲気がまた来たなという感覚があって、個のアイデアが実現可能な時代だなと思っているので、本当にここは同じようにチャンスだなと感じています。

僕自身も、自分にとっては有益だけど多くの人にとっては無駄だろうなみたいなものを作るのがすごく好きなので、いろいろなアイデアを活用できそうな時代にはすごくワクワクしていますし、ようやく未来が来たなという感覚もあって、楽しみに生きていきたいなと思います。

後藤:なるほど、ありがとうございます。

ChatGPTを使って、社会から苦痛を減らしたい

後藤:輝さん、お願いします。

小酒井:先ほどの、チャットボットを作っているという話でもあったんですけど、僕の大好きな話で、海外の子どもの事例があって、ChatGPTを先生にして子どもに教えた時に、子どもが感動して泣いたというのがあったんですよ。ChatGPT先生が優しすぎて感動して泣いちゃったんですよ。

やはり、ChatGPTを使って、優しさで社会から苦痛を減らすのが僕のこれからの目標というか目的ですね。

後藤:なるほど、優しさがあるということですね。AIが人より優しいというところになるんですかね。

例えば先ほどのドラえもんの話に戻りますが、ドラえもんの映画には、優しいとか、感動させる部分があると思います。そういうのをもたらせたらいいですね。ありがとうございます。

では、1時間でしたが、長きにわたりみなさん、ありがとうございました。

AIの発展は今後も見られていくと思いますし、今現時点で起こっているので、毎日を楽しく過ごせているというのが、僕自身の感想でもありますね。

世界中の人たちがこれに熱狂して新しいサービスを作ることで、毎日の変化が見られるのは、今起こっていることで、これはすごくエキサイティングな状況なんじゃないかなと僕も思っています。

今日はいろいろとお話が聞けて非常に楽しかったです。ありがとうございました。ではこれで、動画は終わりたいと思います。

思いどおりのコードが生成できない時はどうするか?

話者1:登壇者のみなさまに質問してもかまいませんか?

後藤:はい、わかりました。質問、お願いします。

話者1:質問ある方は、いらっしゃいますか? 

質問者1:すみません、よろしくお願いします。

ChatGPTやCopilotでコーディングをされているという話があったと思います。私はまだChatGPTのフリーのモデルのGPT-3.5でちょっと試した程度しか経験はないのですが。

その時にやはり思いどおりのコードが生成できなくて、これはこの後プロンプトをもっと細かく変えていって改良すればできるのか、もしくは別のモデル、例えば課金してGPT-4にするなり、Copilotを使うなりすればいいのか、という判断に迷います。

みなさんもたぶん試行錯誤した上で、今のスタイルでやられていると思いますが、どのモデルを使うのがいいのかとか、プロンプトエンジニアリングをがんばればいいのかとか、そのあたりをどんな基準で判断されていたか、よければお聞かせいただきたいと思います。

後藤:では、小林さんからお願いします。

小林:私はまず3.5で試します。まずそれがうまくいくかどうか。うまくいかなかったら、すぐ4で1度聞いちゃいます。

簡単なタスクだったらけっこうそのまま答えてくれることもありますが、4でもけっこう頓珍漢なことを返してくる時があるんですよ。

頓珍漢だとわかった時は、その時点で打ち切って、私はプロンプトを詰めるよりかは、とりあえずいったんその後Stack Overflowを見ます。またそれで詰まったら戻ってくるを繰り返します。

ただ、未知の分野に関しては、自分で合っている合っていないと判断しにくいので、そういった時はプロンプトをいじったり、シニアエンジニアでけっこう優秀な人が多いので、近くにいる人に聞いています。AIプラス生身の人間にアドバイスをもらっている感じですね。

1サンプルの意見なので、ほかの人の使い方もちょっと気になるところです。

後藤:櫻庭さん、いかがでしょう?

櫻庭:僕ははっきり言ってプロンプトは、ぜんぜん工夫しないですね。こねればこねるほどChatGPTが不安定になるので、シンプルに聞くのがいいかなと思っています。

先ほど輝さんも言っていたように、質問の仕方によって得られる回答がぜんぜん違うので、ChatGPTから回答がうまく手に入らない時には、もっと問題を分割して、小さなものから問い合わせていくほうが、最終的にはたどり着く確率は高いんじゃないかなという気はしますね。

後藤:輝さん、いかがでしょう?

小酒井:まず4でやります。4で出ない時に3で出ることはないので、その場合、3は使いません。プロンプトをいじることはないです。出ない時は、僕の場合、妻のほうが超優秀エンジニアなので妻に聞きます。

後藤:(笑)。なるほど。ありがとうございます。いかがでしょう? 大丈夫ですか?

質問者1:はい、ありがとうございました。

小林:これに関してはたぶん、ノウハウが溜まってきて、後々ベストプラクティスが出るかもしれないですね。

後藤:そうですね。

話者1:ありがとうございます。こちらからは質問は以上です。

後藤:ありがとうございます。では、これで以上です。