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「ユーザーにマッチできず、衰退・消滅していくサービスたちを見てきた」 先端技術の社会実装を通してコスト構造を変えていくには

スタートアップの技術情報交換の場を提供することを目的として設立された「Microsoft Startup Tech Community」。「Microsoft Startup Tech Meetup #0 kick off」は、「Microsoft Build 2023」をテーマに開催されました。ここで登壇したのは、株式会社装舎の大田真也氏。テクノロジーをうまくビジネスに変えていく上での取り組みについて発表しました。

テーマは「テクノロジーをうまくビジネスに変えていくところ」

大田真也氏(以下、大田):今回の発表のテーマはBizDevなので「テクノロジーをうまくビジネスに変えていくところ」というテーマで進めさせてください。先月Microsoft for Startupsに入れていただいたので、そういった流れで発表の場をいただきました。

弊社は「サイエンスやテクノロジーを活かして豊かな暮らしができるようにコスト構造を変えていきたい」みたいなことをテーマにやっています。今日の発表は、協力者を募集していますという内容です。私が京都出身で、京都に住んでいるので「まずは京都から」というテーマになっています。

登壇者の自己紹介

私の生い立ちです。私は京都出身の1983年生まれの39歳です。1996年ぐらいからインターネットに関わるさまざまなプロジェクトをやってきました。サプライチェーンの生産システムや業務システムが得意領域です。最近だと、商用コオロギの生産養殖システムや、移動型のPCR検査室などをサプライチェーンっぽく作っています。

Microsoftの製品が昔から非常に好きです。Office365も、Azureも、最近のPowerAppsも、ある程度安価に多くの人が最先端なものを使えるというコンセプトがなんとなく僕は好きなので、いろいろな方に推薦しながらサービス化しています。

先端技術の社会実装を目指す理由

(スライドを示して)装舎と言いますが、これは「京都リサーチパーク」というところにあります。主に、先端技術やスタートアップが開発している技術やサービスを社会実装しています。といっても2022年11月に作った、まだ新しい卵の会社なので、何をやるかが定まって進めているというよりかは、手探りで進めている最中です。

事業を始めた動機をお話しします。開発されている方はイメージされることも多いと思いますが、いろいろなサービスが生まれてくるけれど、「使ってほしいという点でなかなかマッチできない」とか、「思っていたユーザーにはまらない」ということはよくあると思います。結果的に、良いサービスや、違う観点で見たら使えると思うことが使われずに衰退していったり、消滅していったりすることを多々見てきている中で、「これがなんとかならないかな」と思っています。

あとは今日の発表の中でもそうですが、ChatGPTとかは、たぶんうちの親やおじいちゃんに言っても「まだわからない」という話になると思うのですが、こういったものが使いやすいかたちになればいいなというのが動機です。

流れでいくとスタートアップや先端技術。Microsoftはスタートアップではありませんが、新しい技術やサービスを社会実装や製品化していく仕組みを提供すればいいんじゃないかなみたいなことで始めました。

いろいろな事情、いろいろな制度、スタートアップ界隈の事情、開発する上での課題など、いろいろなことを長いことやっている中で経験してきているので、そういったことを含めながらいろいろな技術が世の中にきちんと提供されていくようなかたちで、それが活きていくような状態が作れたらいいなというのが動機です。

常設的に設置されて、普通の人たちが気軽に立ち寄って使える場所を作りたい

実際にそれをやり始めたところ、流行りどころも売れ筋もそうですが、世界中のいろいろな技術を個別にいろいろな方にマッチングをさせてもコンサルや営業代行と変わらないな、これではつまらないなと思いました。あとは技術やサービスを使ってみたら、表で見ているものとは実際に使い勝手が違ったり、クローズアップされているところしか機能がなかったりということがあったので、提供している側も、受け入れている側もけっこう課題に感じることが多いんじゃないかなと思う部分があります。

特にスタートアップと言われている類が提供しているサービスで多いんじゃないかなと思っています。なので結果的には使う頻度がどんどん下がっていきます。本当は使いまくってもらって、良くも悪くもフィードバックをボコボコ出してもらって、Gitでいえばいろいろなリクエストが飛び交っている状態がみなさんイメージしているところだと思いますが、ユーザーが熱狂的でい続けてくれることはそんなにありません。

なので、フィードバックが乏しくなってきた時に活用する人がいなくて消滅していくのを多々見てきました。それで、「常設的に設置されて、普通の人たちが気軽に立ち寄って使える場所を作ったらどうかな?」と考えました。サプライチェーン立ち上げの要領で作ってみたら、新しい技術を普通の人たちも含めて使える環境ができるんじゃないかなということで、今そういう環境を整備しています。

どんな環境を作ってきたのか?

どんなものが準備できてきたかというと、19ヘクタールぐらいある大きな公園です。中には野球場、サッカー場、陸上競技場、競技用のプール、体育館などがあります。それに付随して周辺には大きな広場があります。あとは医療、福祉、臨床に関わる知見を持った方々が少し周りにいます。

近隣には、バイオ計測、ウェットラボなど、いわゆる分析評価に関わる施設もあるので、データを取ってそれをさらに細かく分析していくこともできるんじゃないかと思います。あとは、近隣のいろいろな施設の運営を手伝ってくれる協力者もいます。これらの活動データみたいなものを蓄えていくような仕掛けを工夫しながら作っています。

Azureの中のAD、B to Cを基盤にしながらユーザーさんを管理するような仕掛けになっていたり、拡張性をやりやすいように工夫しながら試行錯誤しているところですね。こんなかたちのことを進めていくと、先ほどの「コンサルと営業代行と変わらないじゃないか」という課題に対して、対話しながら落としどころを探せます。

「使ってみたら違ったな」みたいなことも、実際に利用している方と対話しながら事前に確認できたり、使用状況をコミュニティで……コミュニティというのは私たちの運用体制ですね。コミュニティ内で伴走して、使っている方が離脱する理由などを追いかけたりできるといいんじゃないかなと考えながら環境を作っています。

環境構築によりできること

どんなことができるの? というと、たぶんサービスの仮説検証やユーザー評価みたいなことをしたい時には良いのかなと思います。個人・法人も混在しているので、toB、toC、B to B to Cみたいな複雑なビジネスモデルでも検証しようと思ったらできると思っています。あとは行政の方や専門家の方、大学の方も含めて専門家と呼べると思いますが、そういった方といろいろと連携しているのでいろいろな取り組みができるかなと思います。

あとは、この公園のある地域は、わりと地域課題的なものが全般的にあるエリアなので、そういった意味でいくとユーザー評価のところもそうですし、検証の中でもしかしたら課題解決ができるのではないかなと考えています。人口密集率が高くて高齢者や子育て世帯が多いので、そんな感じですね。

スポーツ、健康、医療、栄養、農業、衛星データ、ロボット、ドローン、センサーなどのテーマでいくつか企画を進めていこうと思っています。イベントは、週1回とか、毎日とかという単位で提供し続けることを前提に考えているので、こういったテーマの中でなにか募集できる方がいればいいなと思っています。

協力者を募集中

それに加えて協力者も募集していきます。まずは、取り組みを宣伝してくれる方です。一応公共性のある施設、公共性のあるプロジェクトも少し建て付けには含んでいるので、絡んでいただくことに対しては少しメリットがあるんじゃないかなと思っています。

次に運営に協力してくださる方。イベントを周期的に開催するので、「毎週〇曜日」とか「〇時から」というのが、自然体の中でストレスなく行ける場所になるかなと思っているので、そういったことに協力してくださる方を探しています。

あとは企画ですね。一応広い場所とそれなりの人がいますので「なにか一緒にしませんか?」と考えています。「運動会とかどうですか?」とかも思っていたりします。ニーズやシーズを出して、ディスカッションをさせてくださる方。これは規模を問わずです。良かったらご連絡ください。Discordの中にいます。そんな感じでございました。

テーマとしては「世界中のいろいろな技術を取り入れて、時間などの負担を減らして、経済的に負担のないコミュニティを世界中に展開していきたい」と思っています。いわゆる社会費用と言われているコストを、どんどん削っていくような仕掛けを作ろうと思っています。よろしくお願いします。以上です。

司会者:大田さんありがとうございます。私の理解で取り組みを簡単にまとめると、京都市が持っている、競技場や病院、公園ですね。そういったいわゆる公共施設に対して、スタートアップが持つプロダクトや先端的な技術を社会実装するための場を、大田さんの会社がマッチングするようなかたち。

スタートアップとしては、京都市が持っている施設に自分たちのプロダクトがマーケットフィットするような実証実験ができるし、京都市としてはスタートアップが自分たちの公共の施設の場にいることで盛り上がるという相乗効果を狙っている。そんなイメージで合っていますか?

大田:そうですね。そういったところにつながる関係調整がたぶん複雑なので、うちが取りまとめさせていただいて、提供するというイメージです。

司会者:リアルな施設に対して、自分たちのプロダクトを実装して検証できるというお話なのかなと思うので、ぜひ関西圏ですかね。関東からだと京都はちょっと距離があると思うので、特に関西圏のスタートアップで、シードがあったり、これからプロダクトマーケットフィットをしていかないといけないとか、そういったフェーズのスタートアップに関しては、自分たちのプロダクトを検証する場が提供できるようなお話なんじゃないかなと思います。

なので、興味のある方はぜひ大田さんまでご一報をいただければと思います。FoundersHubのコミュニティに入っている方々は、Discordでメッセージをいただければおつなぎするので、ぜひよろしくお願いいたします。ということで、大田さんありがとうございました。

大田:ありがとうございました。

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