会員数は130万人超、5000種類以上の商品を取り揃える「Cake.jp」

新多真琴氏:「『自律型開発組織』を目指すCTOの試行錯誤の記録」というタイトルでしゃべります。よろしくお願いします。

(スライドを示して)今日、お話しすることはだいたいこの4つです。上の2つはパッと終わらせて、下の2つが本編という感じです。試行錯誤もいろいろあって、いろいろあるうちの技術選定のところと、組織やコミュニケーションの設計のところを主にお話ししていこうと思います。

最初にお伝えしておくと、先ほど大野さん(大野晋氏)がお話しした、「正解はない」とか「唯一解はない」とか、そういう話を延々とする感じです。そんな話をするんだな、と思いながら聞いてもらうといいと思います。

では、「何の会社の何のサービスをやっている人なの?」というところからお話をしていこうと思います。

「Cake.jp」というケーキ・スイーツの総合通販サイトを運営しているCake.jpという会社があります。会員数は130万を超えて、もうすぐ150万ぐらいいくのかな……? それぐらいの方に使っていただいていて、1,500店舗以上の国内の和菓子・洋菓子のお店に加盟していただいています。

今日サイトを見たら、8,900商品ありました。めちゃくちゃな品揃えを誇るサイトです。欲しいものはだいたいあると思います。甘いものも甘くないものも、ギフトも自家用もあります。「cake.jp」とアドレスバーに入れていただければ即座に(サイトに)飛ぶので、アクセスしていただけたらと思います。

強みとしては、実店舗を持たないオンラインのマーケットプレイスというかたちのサイトなので、やはり街のケーキ屋さんにはない品揃えです。

例えば、小さいお子さんがアレルギーを持っている場合は、そういった方向けのケーキを。あとは、(スライドを示して)このへんにチラッと見えていますが、『ONE PIECE』とかそういった版元さんとコラボさせていただいてオリジナルケーキを作るとか、「そのへんのケーキ屋さんじゃなかなか見ないぞ」というラインナップがあるところが強みだと思っています。

「エンジニア組織を作って」から始まった組織づくり

どんなチームがそれを作っているのかというと、機能で組織を一応分けています。開発本部というところにエンジニアとデザイナーがいて、それをマネジメントしているのが私、という布陣でやっています。

今、エンジニアはプロパーで6人、業務委託で2名というかたちでやっています。どういう人たちとコミュニケーションを取りながらやっているかというと、価値を届ける先は、加盟してくれている店舗のみなさんと、実際に買ってくれるユーザーのみなさんです。社内としては、全社と満遍なくコミュニケーションを取りながら価値を届けるということをやっています。

会社全体で56名なので、わりと少ないほうかなと思っているのですが、そんな感じでがんばって回しています。

変遷も一応持ってきました。私が入社したのが2021年6月で、エンジニアは自分を入れて3人という状態からスタートしました。「エンジニア組織を作って」「おぉ、はい」みたいな(笑)、というところからスタートしました。

そこから採用をかけて、短期的に業務委託の方を入れてちょっとブーストさせたり。実際に採用が決まって、ありがたいことに心強い仲間が増えて、そういったことをしながら現在は8名体制でやっています。

「メンバーとしてマネージャーにうまくマネージされる方法があるんじゃないか」という気づき

そろそろ、「お前、誰?」となってきたと思うので、自己紹介を軽くしようと思います。新多と申します。インターネット上では「あらたま」と呼ばれることが多いかな。社内でもけっこう「あらたまさん」と呼ばれていますね(笑)。

私は株式会社ディー・エヌ・エーという会社に新卒で入り、そこから2社を経て今のCake.jpにいます。趣味はサウナで、「日本もちもち協会」という謎の秘密結社を……秘密結社じゃない(笑)、ただの趣味の集いですけど、「もちもちした食感が好きな人、集まれ!」というのをやっています。

「マネジメントと私」みたいなところをチラッとお話ししておこうと思います。1個前の会社までは、普通にメンバーレイヤーにいました。特にチームリーダーとかもやっておらず、ピープルマネジメントもやっておらず。一応、プロジェクトリーダーとか、テックリード的な役回りをやることはありましたが、ピープルマネジメントはやってきていませんでした。

ですが、前職の時に「メンバーとしてマネージャーにうまくマネージされる方法があるんじゃないか」と、はたと気づいた瞬間がありました。

そういえばマネージャーのことを何も知らないな、と。マネージャーがどういうミッションを持ってマネージしているのかを知らないと、自分が正しく評価されることもないし、例えばCTOや経営層が自分を正しく評価することもできないんじゃないかと思って、いろいろと本を読み漁りました。

その時に、メンバーレイヤーとしてできることやアピールすべきこと、逆に、マネジメントレイヤーに、「自分はこういうつもりでやるから、こういうつもりでこのロールを持ってほしい」みたいなコミュニケーションが取れるようになって、これはすごく良かったと思っています。

その経験をもとに、Cake.jpでピープルマネジメントもがんばっています。EMとデザインの部署がある中で、今はデザイン側のマネージャーもやっています。これは近々委譲予定ですが、テックリードの役割と、PdMまで降ってきちゃったという感じで大忙しです(笑)。

(スライドを示して)この羅列は若干恥ずかしいですが、どれも言わずもがなの名著だと思います。こんな本たちに価値観を磨いてきてもらいました。

特に、『セキュアベース・リーダーシップ』や『駆け出しマネージャーの成長論』とかは、私がメンバーレイヤーの時に読んで、「あぁ、マネージャーはこういうことを考えているんだな」と思いました。リーダークラス、マネージャークラスでなくとも発揮できるリーダーシップとはどういうものか、そういったことを考えるのにすごく良かったと思っています。

もし、輪読会のようなものがあればぜひという感じで。

(次回へつづく)