LINE・ヤフー・ZOZO・出前館、それぞれに所属するエンジニアの紹介

桃木耕太氏(以下、桃木):ではまずは自己紹介をお願いします。千北さんからいこうかな。LINEの千北さん。

千北一期氏(以下、千北):LINEの千北といいます。2021年に新卒で入社して、今はLINEアプリのAndroidクライアントの開発をしています。ふだんはLINEの「トーク」タブと言われるところをメインで担当しています。よろしくお願いします。

桃木:よろしくお願いします。ヤフーの長濱さん、お願いします。

長濱伶氏(以下、長濱):ヤフーの長濱伶と申します。ふだんは「PayPayフリマ」のAndroidアプリの開発に携わっています。よろしくお願いします。

桃木:よろしくお願いします。ZOZOの高橋さんお願いします。

高橋啓太氏(以下、高橋):初めまして。株式会社ZOZOで、ZOZOTOWNのAndroidエンジニアをやっています、高橋といいます。

ふだんは、ZOZOTOWNの新機能の開発、改修、リファクタリングなどAndroidに関わる諸々をやっています。今日はよろしくお願いします。

桃木:お願いします。最後に、出前館の木村さんお願いします。

木村氏(以下、木村):2021年入社の木村です。サーバー周りの仕事をしています。「データベースからこういう情報が欲しいよ」と言われたらそれを持っていくAPIを作る仕事ですが、基本的にはうまく動いているのが当たり前で、サーバーが落ちたりすると怒られる仕事をしています。よろしくお願いします。

桃木:木村さんだけがサーバーサイドで、ほかのお三方がAndroidという感じですかね。

日本最大規模のサービス開発がやりたくてLINEに入社

桃木:さて、まずは今の会社を選んだ理由をそれぞれ簡単に教えてもらいたいなと思っています。もちろん就職活動の中で、もうここに決めていたというパターンもあれば、いろいろな軸であったり、逆にこういうのはやめようかなと思って避けていった結果、ここがいいなとなったとか、いろいろなアプローチがあると思います。

どういう経緯で今の会社に入ったとか、その決め手があれば教えてもらいたいなと思います。千北さんからいきましょうか?

千北:大きく2つあります。1つは、日本国内で一番大きな規模のサービス開発をやってみたいなと思っていて、そうなるとAndroidで思いつくのがLINEでした。

もう1つは、学生の時にLINEのインターンシップに参加して、すごく楽しかったし、入社したらすごく成長できそうだなと思ったのが、LINEを選んだ理由です。

桃木:ちなみに、楽しかったポイントを具体的に1つ挙げると何がありますか?

千北:みんなでディスカッションしながら機能の開発を進めていくという中に僕も入れてもらったのが楽しかったです。特にインターン生だからという感じではなく、インターン生も積極的に発言して、その意見を受け入れてもらえたというのが、すごく印象に残っています。

桃木:モバイルアプリ、AndroidもiPhoneもわりとみんな楽しそうにワイワイ会話しながらというか。

千北:そうですね(笑)。

桃木:明るく楽しく議論しながらという人が多いですよね。

千北:そうですね。クライアントアプリはユーザーが直接使うUIに絡んでいる部分が多いので、ユーザーのことを考えながらワイワイ議論できたのが、LINEを選んだポイントですね。

桃木:ありがとうございます。

ヤフーへの入社を決めた3つの軸

桃木:次、ヤフーの長濱さんはどうですか?

長濱:そうですね。私はインターンには参加していないのですが、就職活動は、3つの軸で選んでいました。

1つ目が、「挑戦できる」ということ、2つ目が、「やりたいことができるかどうか」。3つ目が、「提案できるかどうか」。この3つを軸として就活をしていました。

挑戦は自分次第ではあるのですが、ヤフー株式会社には黒帯といったエキスパートがいるので、目標が持ちやすくモチベーションが保ちやすいかなと思い、ヤフー株式会社に入りました。

「やりたいこと」でいうと、ヤフーには「TechUP」という技術活動費用補助制度があって、半期6万円までは、参考書の購入など、自分のやりたいことにお金を使えます。そこが魅力的だなと思っていました。

「提案できる」というところでいうと、部署によるところはありますが、面接で、Androidアプリ開発の方との面談の機会が欲しいと伝えたら設けてくれるなど、提案を受け入れてくれる印象が強くて、人が良く、すごく自分にマッチしているなと思ったので、ヤフーを選びました。

桃木:もともと軸はけっこうしっかり持っていたけど、選考過程で実際に働いている人と会う中で、ヤフーが良さそうだなと、解像度が上がっていった感じですか?

長濱:そうですね。10社ぐらい受けて、軸に照らし合わせていく中で一番マッチしているなと思いました。

桃木:ありがとうございます。

ZOZO入社の決め手は「入社後の自分を想像してワクワクしたこと」

桃木:ZOZOの高橋さんはどうでしょうか?

高橋:入社の決め手は、一言で言うと「ワクワクしたから」で、自分がふだんからZOZOTOWNを使っているということもあり、事業を一番身近に感じてワクワクしたというのがありますね。

就活の時の重要なポイントとして、「入社後の自分を想像する」というのがあると思っています。入社後に仕事に対するモチベーションを維持できるかどうかは、すごく大事だと思うんですね。

環境や福利厚生もすごく重要だとは思いますが、やはり自分が興味を持って取り組める仕事であることが一番かなと思っています。これは、就活している時も思っていましたし、今でもそう思っています。

エンジニアの就活の軸としてよく挙げられる、「成長できる環境」も、成長という言葉をどう定義するかにもよると思いますが、自分が興味を持っていることであれば、能動的に仕事に取り組めるので、結果的に早く成長できるのかなと思っています。そんな感じでZOZOに決めました。

桃木:ありがとうございます。そうですね。成長はさせてあげるものではなくて、できたら自発的にできる方が嬉しいというところも、正直あると思います。あとはどれだけ選択肢を与えられるか。

逆に言うと、会社は組織として成長の阻害要因を省いてあげることはできますが、あとは自分できちんと走ってもらわないといけません。

たぶん今日来ているメンバーは、やりたいことや、技術がおもしろいというところにモチベーションを持たれていると思うので、たぶんそういったところがフィットした感じですかね。

高橋:そうですね。

桃木:ありがとうございます。

出前館に入社したのはコミュニケーションコストを低く感じるチームで働けるから

桃木:出前館の木村さんはどうでしょうか?

木村:ここは避けていたという話をしてもいいとおっしゃっていたので、その面からお話しします。たぶんこのディスカッションを聞いている人の中にも、こういうことを思う人がいると思うのですが……私は「営業とか俺絶対できねぇ!」と思ったから理系に進んで、「営業とか俺絶対にできねぇ!」と思ったからエンジニアとして働いています。

これをもう少し言語化すると、コミュニケーションコストの低いところに行きたいというのが軸の1つかなと思っています。「コミュニケーションコストが低い」という要件をいろいろ洗い出したらエンジニアだったというのが1つあります。

「じゃあ、なんで今お前出前館におるん?」と聞かれたら、もともと、個人開発でゲームとかを作っていたので、チームじゃないとできないことがしたいと思っていて、それと同時に、大人数でワチャワチャ働くことが自分にできるのかと言われるとそんなこともなく、少数精鋭でコミュニケーションコストを低く感じるチームで働きたいという気持ちがありました。

出前館は本当にエンジニアの人数が多いわけではなく、少数精鋭のエンジニアたちと一緒に、コミュニケーションコストを低く、楽な気持ちで働けるというのがあり、現在出前館におります。

桃木:でも、それは入るまでわからない部分もけっこうあると思っていて、もちろん数字的に「何人ぐらいのチームです」はわかりますが、中にいる人とのコミュニケーションがどのくらいやりやすいかはわからないじゃないですか。

そのギャップというか、未知の部分はどうやって埋めていったんですか?

木村:出前館の場合、1次は確かに人事との面接なんですが、その後にエンジニアの人と面接する機会もあります。その時に「社内で働いたらどんな感じか知りたいよね」と言ってくれて、何名かのエンジニアと話をする機会があったのが大きいですね。

桃木:そこですり合わせがけっこうできたということですかね。

木村:はい。

桃木:ありがとうございます。

ZOZOTOWNの開発は職能別に編成されたチームが連携して進めている

桃木:次のトピックは回答がもしかしたら難しいかなと思っています。自分の周りではこういうふうに進めているよとか、ほかの部門とこういうふうに絡んでいるよみたいな話。

特に、企画や方針の決まり方がどうなっているのかをお聞きしたいです。要は、言われたものを作っているのか、それとも自分たちもけっこう意見を言えているのか。いろいろ教えていただければなと思います。

ZOZOの高橋さんからいいですか?

高橋:自分はアプリエンジニアなので、アプリエンジニアの働き方の話にはなりますが、前提としてZOZOTOWNの開発は、基本的に職能別に編成されたチームが連携して行うかたちになっています。

アプリチームの場合は、他部署から機能開発や改修依頼が流れてくることで開発がスタートする感じです。

その時点では大まかな仕様は決まっているのですが、細かな部分は決まっていないので、iOS、Android、API、QA、デザインチームのみなさんとミーティングを重ねて仕様を調整しながら、細かいところを決めて開発していきます。開発後は、QAチームによるテストを経てリリースという感じです。

サービス企画の発想段階に携わることは多くはありませんが、UX改善のための提案は、開発チームからけっこう頻繁に出ていて、実際にリリースすることも多々あります。

また、過去には社内で新規事業のアイデアを募集する企画があって、実際にチームを組んでアイデアをブラッシュアップしてプレゼンするというのもありましたね。

桃木:ある程度固まっている要件が来るから基本的にはそれを受け取って、どう作り込むかはデザインと開発みたいなところで詳細を詰めていく。もちろんフィードバックを戻す時もあれば、開発側から「ここは直したほうがいいんじゃないの?」と意見を言って、それが企画から降りてくることもあるという感じですかね。

高橋:そうですね。それはもう頻繁に行っています。

桃木:ちなみに、開発内や例えばデザイン組織などと会話する上で、年次や経験で、「僕はまだ入ったばかりだから、あんまり言えないです」みたいなことはまったくなく、フラットに会話ができている感じですか?

高橋:そうですね。私も新卒1年目で、研修が終わってすぐに案件に配属になって、そこからバリバリ開発しているので、本当に年次や経験は関係ないですね。

桃木:なるほど、ありがとうございます。

企画がアイデアを持ってくるパターンと開発側から提案するパターンの2つがある

桃木:LINEの千北さんはどうですか?

千北:大きく2つあると思っていて、1つは、高橋さんがお話しされたように、企画がアイデアを持ってきて、それを詰めるパターン。

もう1つは、開発側から主導して進めるパターンです。例えば、「コードが少しレガシーなのでリファクタリングを進めたい。そのために工数が欲しい」だったり。

「このUX、こうしたほうが絶対いいよね」みたいにアイデアやプロトタイプを一緒に持っていって、企画の人と一緒に詳細を詰めていくという仕事の仕方もあります。

桃木:そうですね。あと、OSの新しい機能や、仕様変更に伴って新しいことをやろうとか、新しい技術をどう組み込んで、レガシーな部分をなくしていこうみたいなところがありますよね。

LINEもヤフーも出前館もZOZOも、息の長いサービスだと、どうしても新しいものだけを作り続けたり、新しいものを作りやすくするために古いものを直していったりというところもけっこうありますよね。

千北:そうですね。特にAndroid、iOSの場合は、だいたい年に1回、OSバージョンのメジャーアップデートがあって、そこで新しい機能が追加されることがあります。この新しい機能をLINEに入れるならどうしたらいいかなと考える専門チームがあり、このチームが率先して対応をしています。

桃木:なるほど、ありがとうございます。ちなみにLINEも、ZOZOの高橋さんが言っていたように、年次で……みたいなところはあまりなく、デザインとかも含めてフラットに会話ができているんですか?

千北:そうですね。誰が言ったかというよりは、何を言っているかが重要なので、そこはまったく関係ないです。

桃木:ありがとうございます。

縦割りではなく、各部署コミュニケーションを取りながら開発していく

桃木:ヤフーの長濱さんもAndroidのエンジニアなので似たような環境だと思いますが、いかがでしょうか。

長濱:同じような回答にはなってしまいますが、企画の方が持ってきた企画に対して、案件担当としてAndroidやデザイナーが1人ずつ選定されて、議論を交わしながら設計して、見積もりを行って開発するという流れになります。

開発でも発想段階に関われるのかという部分でいくと、専用のチャンネルがあって、こういう案件をやったらいいんじゃないかと提案が気軽にできて、かつ、実際に実行されて結果が出ている案件もあります。

桃木:なるほど、ありがとうございます。

アプリ開発だけではありませんが、基本的に企画側とも密に会話をするし、作りながら方向を変えたり、仕様を詰めたりしているということですね。

基本的にデザイン、企画、開発、と部署は分かれていますが、不必要に縦割りになりすぎているわけではなく、必要に応じて意見を言い合うというところが健全にできるというところがいいところかなと思います。

企画とだけではなく、さまざまな部署と連携をして開発・改修を進めている

桃木:出前館でサーバーサイドを作られている木村さんは、どういうふうにお仕事を受けて進めていますか?

木村:仲良くバトルしているみたいな話でいうと、やはり企画から「こういう機能が欲しいです」と言われた時に、「無理です!」と言ったり、「無理じゃないからがんばります」と言ったり、そういうバトり方をしています。

サーバーサイドは企画だけと話をするかというと、そんなことはありません。出前館はみなさんが使っているアプリだけではなく、ドライバーさんが使うアプリもあれば、加盟店が使うアプリもあるので、それぞれのアプリに、「こういうデータが欲しいです」と言われることがあります。企画から来ることもあるし、Webから来ることもあるし、本当にいろいろなところから話が来ます。

桃木:なるほど。開発側は、裏側の改修もけっこう頻繁にやっているんですか?

木村:はい。リファクタリングに関しては、企画から緊急のスケジュールがなければたいてい通ります。「ここのコード、イケてない」とか「ここ、ヒューマンエラーがあるからやめよう」と言うとたいてい通るので「やったー」と言いながら改修をしています。ハッピーな職場です。

桃木:なるほど。すごく楽しそうな気がしています。

木村:はい、ハッピーです!

桃木:なんか、声の大きさにごまかされている気がしますが、次にいきましょう。ありがとうございます。

(一同笑)

木村:はい(笑)。

(次回へつづく)